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【WIKIに無い!】ニューメタル(NU-MATAL) 編:モールコア/NWOAHM徹底解説【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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『モールコア』や『NWOAHM』はニューメタルの呼び換え?革新的ヘヴィミュージックだったニューメタルの名はいかにしてと呼び換えされるような扱いを受ける存在になってしまったのか?

ここでは、近年ニューメタルというジャンル名と並行して使われることがあるジャンル名、『モールコア』と『NWOAHM』について解説します。

モールコアってどんなジャンル?:モールコアの特徴と発祥

モールコアというて一体何なの!?

日本ではメジャーな呼び方ではありませんが、米国を中心とした欧米ではニューメタルやその周辺音楽を指す『モールコア』という名称が、メタラーらヘヴィミュージッククラスタ中心に定着しています。

これは、主にニューメタルに見られる行き過ぎた商業主義や、リテラシーの低いリスナーをターゲットにした作家性の薄い子供騙しな音楽性を、批判的/揶揄的に語る場合にその名称として使われています。

アメリカのナウなヤングに大人気!?

『モールコア』の名称の由来は、ショッピングモールににたむろするような客層…音楽を深掘りせず流行に流されるミーハー層や、背伸びしたいが視野が狭く蓄積の無い厨二リスナー、ノリが良ければなんでもいいマイルドヤンキーなどを対象とした、作家性が薄く商品性の強い音楽ということからきています。

『モールコア』のタグづけや批判についてはもっともな部分も多々ありますが、かなり主観的・恣意的な面も目立ち、単に気に入らないジャンルやバンドをDisる目的で使われることの方が多いように思われます。

そのため定義はかなり曖昧で、使い手によって対象とされる音楽の範囲やバンドは異なります。ニューメタル/メタルコアの中でも後発のエピゴーネン的なバンドなど、産業メタル的なバブリーで作家性の薄いものに限定する場合もあれば、ニューメタル全体を十把一絡げに指す場合もあり、多くの場合その基準は語り手の趣味嗜好に左右されがちです。

NWOAHMってどんなジャンル?:NWOAHMの特徴と発祥

NWOAHMというて一体何なの!?

『NWOAHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタル)』という名称も、ニューメタルやメタルコアに対して使われることがあります。
これは、90年代以降の米国ヘヴィミュージックの新潮流を、80年代初頭に興った英国の伝説的ヘヴィメタル/ハードロックムーヴメントNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)になぞらえたもの。

ニューメタル/メタルコアカテゴリーのグループのみならず、その周辺ジャンルやニューメタル以前のルーツ的なジャンルをも含むもので、グルーヴメタル/グルーヴコア,ストーナーロック,初期ポストグランジ,初期ラップメタル,初期インダストリアルメタルなどもその対象になります。

90年代以降のジェネレーションということがひとつの区切りとされていますが、80年代のオールドスクール・ハードコアやクロスオーバー・スラッシュまで含まれることもあり、それは、これらのジャンルが現在主流のメタルコアのルーツにあたることに対する忖度と考えられます。

ニューメタルをわざわざNWOAHMと呼びたい理由は!?

『NWOAHM』というカテゴリーもやはり、上で語ったようなネガティブイメージを嫌って生み出された面が強いものですが、『モールコア』がニューメタルに対して批判的/揶揄的な意味で定義されたとは逆に、『NWOAHM』にはニューメタルをより大きなカテゴリーに組み込んで呼び変えることで、ジャンルの正当性を主張しつつマイナスイメージを払拭することが大きな目的と考えられます。

また、『NWOAHM』からは大きなムーヴメントとなったジャンルや、認知度の高い歴史的知名度を持つグループが除外されがちなことから、とりこぼされがちなジャンルやアーティストにスポットを当てることでの、リバイバルによるビジネス効果を当て込んでいることも推測できます。

しかし、『NWOAHM』というジャンルはニューメタルやメタルコアと異なり、その名称の特性上アメリカ以外のグループが除外されてしまうという大きな欠陥があることから、あまり一般的な広がりは見られません。

既存ジャンルの呼び換えはなぜおこったのか?

ニューメタルの最新モードとしてそのいち派閥ともみなされるメタルコアですが、そこに属するアーティストやリスナーの中にはそう扱われることを頑なに拒否し、それに取って代わったジャンルと主張するばかりか、音楽的な類似まで否定したがる向きもあります。

自分たちはあくまでハードコアだというのがその言い分のひとつですが、ヘヴィメタルに依存し過ぎたサウンドと活動ベースのため、その主張にも全く説得力がありませんし、ポリティカルなアティチュードを持っていたとしてもそれだけでは根拠にはなり得ず、単なるニューメタルのパブリックイメージを嫌っての呼び換え以上のものにしかなっていません。

いずれにせよ、モールコア,NWOAHM,メタルコア、これらの呼び換えを目的とした新ジャンルの確立は、それぞれ持つ意味合いや範囲から目的まで異なるものの、どれもニューメタルというジャンルが持つイメージやそれに対する忌避感を根底に生まれたと言っていいでしょう。

なんでニューメタルはそこまで嫌われる!?

ニューメタル否定/嫌悪の大きな理由は、ニューメタルというジャンル名が80年代のグラムメタル/ポップメタルと同様の“商業主義の産業メタル”と揶揄する意味を込めて使われることがあることと、その傾向からニューメタルという肩書きが持つマイナス要素が強調されがちな流れがあったことでしょう。

本来、ニューメタルというジャンルはその名のとおり、普遍的なヘヴィメタルとは一線を画した最先端の新世代ヘヴィメタルという意味もあったはずです。
しかし、主流の音楽性は世代ごとに移り変わっているものの、20年以上というこれまでなら二度は新たなムーヴメントに代替わりしてているくらいの長期間にわたって続いていおり、さすがにもはや“ニュー”と呼ぶのは違和感があります。

このように、あきらかにニューメタルというラベルが賞味期限切れを起こし、使い続けることに無理が生じていることも、新たなラベリングが求められている要因でしょう。

“ニュー”の賞味期限切れという意味では、近年ニューウェイヴという名称よりも、もう一つのポストパンクというラベリングが好まれているのも、同じような要因があるのかもしれません。

それでもニューメタルには価値がある!

このように大きなマイナスイメージも抱えて毀誉褒貶が激しく、実際にのちに単なるパッケージ化された商品/消費材になってしまったニューメタルも、その登場時は明らかに非主流のオルタナティヴシーンに属しするものでした。
これまでのグルーヴメタルを基調として周辺ジャンルのエッセンスをクロスオーバーした、ミクスチャー的アプローチではありつつも、明らかにこれまでに無かった革命的なサウンドを提示してきた画期的存在でした。

また、単に音楽シーンの硬直化に伴って長期化しただけのムーヴメントに終わらず、マイナーチェンジの範疇とはいえときおり独創的で先鋭的なグループが登場し、その斬新な試みによって主流サウンドは定期的に移り変わり、シーンは新たなフェーズに突入していました。

このことだけでも、ニューメタルを批判的に語るときに引き合いに出されがちな、NWOBHMの米国向けチューニングと大衆化/商業化にすぎない80年代のグラムロック/ポップメタルとは根本的に異なり、ヘヴィミュージックシーンに大きな影響と痕跡を残した重要で価値ある存在と言えるでしょう。

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