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【Wikiに無い!】デスメタル紹介:基礎知識&代表的必聴バンド【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ジャンル解説
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スラッシュメタルがさらにエクストリームに進化したヘヴィメタルの最終形態デスメタルの全てを知りたい!

デスメタルってどんな音楽?

デスメタルは、ヘヴィメタルが持つ特徴を極端なまでに強調/デフォルメすることで生まれたヘヴィメタルの進化系、エクストリームメタルの1ジャンルです。

デスメタルは、ヘヴィメタルが持つ特徴的な要素の中でも、“ヘヴィネス”,“スピード”,“攻撃性”,“暴力性”,“ネガティブイメージ”などにスポットを当てています。

デスヴォイスと呼ばれる非人間的にデフォルメしたヴォーカルスタイル、ブラストビートと呼ばれる極端な高速ビート、メロディーや叙情性を排してリフワーク中心の複雑で展開の激しい楽曲、といったあたりがオーソドックスなデスメタルの主な特徴です。

バンド紹介は2ページ目です。それだけ見たい場合は下から次ページへ飛べます!

デスメタルのテーマと世界観

デスメタルというと、スプラッター的なとにかくグロテスクで悪趣味な歌詞とビジュアルと言う印象がありますが、それは決して間違ってはいません。

ただ、ホラー映画にスプラッター,サイコホラー,オカルトホラー,ゴーストホラーなどがあるように、デスメタルにもひたすらスプラッター的なゴア表現を追求するものもあれば、もっと観念的/哲学的なテーマや、ラヴクラフトのコズミックホラーのようなエピックホラー的なテーマのバンドもあるわけです。

また、ホラー映画の例えで言えば、単なるスプラッター映画のようにただ悪趣味なゴアエンターテイメントを割り切って追求する、“いい意味で”俗悪なバンドもあれば、ゾンビのように社会批判/文明批判を感じさせたり、『悪魔のいけにえ』『ヘルレイザー』のような高い作家性/アート性を持った、意識高い系のバンドも存在します。

デスメタルはどうやって生まれたの?

デスメタルはスラッシュメタルから生まれた!

デスメタルは、元をたどるとスラッシュメタルの分派/サブジャンルのひとつでした。

これは現在の方がより顕著になっていますが、スラッシュメタル全盛期には、歌詞の世界観,バンドのアティチュード,サウンドのスタイルなどによって、さらに細分化したサブジャンルというか派閥的なものが生まれる風潮がありました。

「デスメタル」を筆頭に「ブラックメタル」「クリスチャンメタル」「ニュークリアメタル」「クロスオーバースラッシュ」「インテレクチュアルメタル」などなど。

「デスメタル」という名称は、その名の通り「死」にまつわる事象やイメージを、悪趣味エンタメ/ネガティヴアート的な感覚でサウンド,リリック,ビジュアルに取り入れていたことから、名付けられたカテゴリーだったというわけです。

デスメタルはヘヴィメタルの正統進化系!

デスメタルが単なるスラッシュメタルのサブジャンルから、ヘヴィメタルのトップジャンルにまで成長したのは、そのサウンドがヘヴィメタルの正統進化系だったからです。

スラッシュメタルは、“過激性”“疾走感”“重量感”,といったヘヴィメタルの特徴的な要素に特化して極端なほど強化させることで、従来のヘヴィメタルをエクストリームに進化させた音楽でした。

初期のデスメタルバンドは、スラッシュメタルが悪趣味な世界観や過激さを表現するためにヘヴィメタルから過剰に進化させた要素を、“より激しく”,“より早く”,“より重く”と、さらにエクストリームに進化させてゆきました。

つまり、ジャンルが持つ特徴的な要素のパワーアップ・デフォルメを推し進める“エクストリーム化”という正統な進化の先に、辿り着くべくして辿り着いたヘヴィメタルのひとつの究極的な極北サウンドがデスメタルだということです。

デスメタルがスラッシュメタルを駆逐する!

スラッシュメタルはエクストリームサウンドの追求という意味では、80年代半ばには限界を迎えて役割を終えていました。
その後、一部のバンドが音楽性を改めて別のステージへと移動し、スラッシュメタル自体もメインストリームメタルの一部と認識されるに至ってムーヴメントは完全に収束します。

それと入れ替わるように、よりエクストームな音楽性を追求した先鋭的ヘヴィメタルとしてデスメタルが台頭、ここに来てスラッシュメタルは“チョット速くて攻撃的なパワーメタル”くらいのポジションになり、最先端ヘヴィミュージックの座は完全にデスメタルに、メインストリームメタルでの居場所はグルーヴメタルに奪われます。

のちに、スラッシュメタルの“適度な疾走感の心地よさ”も再評価されることになりますが、それはまた別項で解説します。

デスメタルはヘヴィメタルの終着地点?

“過激性”“疾走感”“重量感”といったヘヴィメタルがハードロックから引き継いだ特徴的要素、これらはデスメタルの登場でほぼその進化の終着点までたどり着いてしまいました。

その後もサウンドの“高速化”“過激化”を追求するバンドは現れますが、あくまでデスメタルの範疇かせいぜいがその亜流に収まるスタイルに過ぎず、エクストリーム化の方向でそれを上書きする新たなスタイル/サウンドは現れていません。

今後さらなる進化系が現れる可能性はゼロとは言い切れませんが、ヘヴィメタルのエクストリーム化は、ほぼデスメタルの時点で完成しています。

デスメタルというヘヴィメタルのひとつの最終進化系から、このベクトルでではこれ以上の進化が起こるかは未知数ですが、今のところ根本的な進化が期待できそうな動きは見られない状況が続いており、新しい息吹は未だ聞こえてきません。

デスメタルムーヴメントの収束?

姉妹ジャンルのグラインドコア,ブラックメタルと共に、“過激性”,“疾走感”,“重量感”,“複雑性”,“アンチメロディ”を追求した、ヘヴィメタル進化系としてのデスメタルは90年代前半に頂点を迎え、それ以降は単なる様式化/形骸化した音楽スタイルとなってしまいます。
最終的には、メインストリームミュージック(日本ではJ-POPなど)やその周辺音楽にもエッセンスを取り入れられたり、ネタにされるほど大衆化/世俗化した存在となってしまいます。

そんな状況に先んじて、先鋭的なバンドたちは類型化したデスメタル様式のアンチテーゼを追求し始めます、“メロディ重視”,“遅さ”をあらためて追求したメロディック・デスメタルやドゥームメタル、他ジャンルとのクロスオーバーとしてのプログレッシヴ・デスメタル,ゴシックメタル,インダストリアル・デスメタル,エスニック・デスメタルなどです。

デスメタルからの根本的なエクストリーム進化はもはやあまり現実ではなく、デスメタルの進化はこういった異ジャンルとのクロスオーバーで細分化していくしかないのが現状です。

次のページでは『世界各国のデスメタルシーンと必聴の代表的バンド』について解説していくので要チェックです!

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