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【Wikiに無い!】スラッシュメタル紹介:世界のスラッシュメタル 編 + 重要バンド8選【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ジャンル解説
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Slash Metal of Around the World|世界のスラッシュメタル

アメリカ以外のスラッシュメタルシーンってどうなの?

USスラッシュメタルを超えメタルシーンを代表するBIG4(スラッシュメタル四天王)と、スラッシュメタルを体現し続ける裏BIG4(真スラッシュ四天王)、そして米国と並ぶスラッシュの本場ドイツのジャーマンスラッシュのと、3回のにわたってスラッシュメタルについて語ってきました。

もちろん、まだまだ名前を出していない名バンド,迷バンドは多々ありますが、今回はアメリカ,ドイツ以外の地域のスラッシュシーンと代表的なバンドについて語っていきたいと思います。

スラッシュ大国アメリカ,ドイツ以外のスラッシュシーン

ヘヴィメタルはブリティッシュハードロックから生まれ、当初は英国が中心としたムーヴメントでしたが、その後は米国がメタルシーンの中心地となります。
それはスラッシュメタルも同様で、“スラッシュの聖地”と呼ばれるベイエリアを中心として数多くのバンドが存在しています。

しかし、それ以外にのエリアで活動を続けるスラッシュメタルバンドもあり、米国バンドにはない強烈な個性でスラッシュフリークのハートをつかんできました。
そんな、世界各地の国で生まれ、世界中(少なくとも日本で)で人気を呼んだ魅力的なバンドをチェックしていきましょう。

アメリカ大陸(U.S.A.以外)エリアのスラッシュメタル

北米カナダ|Canada

米国のような派手さはないものの、ドイツともひと味違うアート的,職人的な変態性を持ったこだわりバンドが多いカナダ。その代表的な存在といえばやはりVOIVOD(ヴォイヴォド)そしてANNIHILATOR(アナイアレイター)でしょう。

VOIVOD|ヴォイヴォド

VOIVODの初期はノイジーな突進型スラッシュでしたが、徐々にサイバーかつサイケデリックな要素を増して、ある種プログレ的なアートスラッシュとでもいうべき存在になりました。

派手さはないものの唯一無二の個性を持って常に高品質な作品をリリースしている実力派で、根強いファンに支持されています。

オルタナティブ系バンドなどメタル以外のアーティストからも高い評価を得ている、ミュージシャンズ・ミュージシャン的なポジションの通好みなバンドでもあります。

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ANNIHILATOR|アナイアレイター

ANNIHILATORは、プロデュースから必要とあれば全楽器パートまでこなす(ドラムは打ち込み)スラッシュ職人ジェフ・ウォーターズ(Gt.)のプロジェクト的要素が強いバンド。

聴けばわかる独自のテクニカルなアナイア節が特徴で、日本でも評価が高く熱心なファンに愛されています。

仕事の速さに定評がありハイペースにリリースを続ける多作家で、その反面ムラが激しく雑な仕事や練り込み不足も目立ちますが、たまに上手くハマった時は強力な作品を生み出します。

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中南米|Central and South America

USスラッシュバンドにはラテン系のアーティストが目立つ一方、中南米ではインディーレベルで過激でハードコアなバンドが数々存在するものの、世界的なメジャーレベルまでいくバンドはなかなかいません。(実力のある人たちはアメリカに行っているのかも…)

そんな中で出世頭と言えるのがブラジルのSEPULTURA(セパルトゥラ)です。

SEPULTURA|セパルトゥラ

当初はデスメタルにも括られていたブルータルなサウンドを持ち味に、マニアックなリスナーの人気を獲得。

のちにグルーヴメタル路線を取り入れてブレイク、さらにラテンフレーバーや民族音楽色を大きく取り入れ「トライバルメタル」のパイオニアとして幅広い層から高い評価を得ました。

その後SEPULTURA本体とSOULFLY(ソウルフライ)に分裂して活動を続けていますが、今では両バンドともスラッシュメタル再評価の機運に乗っかって、ハードコアスラッシュ路線も取り戻しています。

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ヨーロッパエリアのスラッシュメタル

イギリス|U.K.

英国といえばハードロック/ヘヴィメタル発祥の地であり、スラッシュメタル/ハードコアのみならずそれ以降のヘヴィミュージックに多大な影響を与える、VENOM(ヴェノム)に代表されるN.W.O.B.H.M.を生み出し、その後もエクストリームミュージックをリードするメタル先進国。

しかし、間に挟まれたスラッシュメタル全盛期のシーンはとにかく盛り上がりに欠け、ムーブメントと呼べるほどの動きも無く全くと言っていいほど存在感がありませんでした。
グランジの時もニューメタルの時もそうでしたが、英国魂が米国発祥のムーヴメントの尻馬に乗ったと思われるのを嫌がったのかも知れませんね。

UKスラッシュは概ね、80年代初期〜中期のNWOBHMやクラストコアからの発展系グループと、90年前後のUSシーンの影響下にあるグループに分けられます。特に後者の影の薄さは気の毒になるほどですが、一聴してみればそれもむべなるかなと頷くしかないことがわかります。

ONSLAUGHT|オンスロート

ONSLAUGHTはメタル寄りのハードコア「クラストコア」としてスタートしたバンドで、英国では数少ないスラッシュ創世記からのベテラン。
当初は初期SLAYERにも通じるVENOM直系のスタイルで、アングラ臭プンプンのサウンドがマニアックな人気を得ていました。

3作目でヴォーカルがダーティーな歌声が持ち味のサイ・キーラーから、歌唱力のあるのにルックスがアレな人として知られるスティーブ・グリメットにチェンジ。
技術/歌唱力至上主義のメタル保守からは歓迎されますが、スラッシュメタルとしての魅力そして彼ら本来の持ち味は激減、スラッシュフリークからの支持を失い失速してそのまま活動停止。
「上手いだけではスラッシュメタルは務まらない」という当たり前の事実を、まざまざと見せつけました。

その後、00年代のスラッシュリバイバルに乗じて初期メンバーで再始動、新作もリリースして活動を続けています。

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PARAIAH|パライア

PARIAHは、NWOBHMの中でもスラッシュメタルに通じる音楽性と持っていたSATAN(セイタン)が、よりハードにリニューアルしたバンド。
NWOBHMからスラッシュメタルへの直接進化という、ありそうでいて意外にも実例がなかった稀有なケースです。

英国ハードロックをルーツにしたパワーメタル/スピードメタルを基調としながらも、よりヘヴィでアグレッシヴ、スラッシィな新世代サウンドへと見事なバージョンアップを果たしています。

SATAN時代の弱点だったヴォーカルの線の細さもによるパワー不足も、テスタメントのチャック・ビリーにも通じる力強さを持つマイケル・ジャクソンに交代したことで解消され、荒々しいサウンドにふさわしくなりました。

その後、中心人物のスティーブン・ラムゼイは、トラッドメタル/フォークメタル/エスノメタルのオリジネイターとなるSKYCLAD(スカイクラッド)を立ち上げ、バイオリンをバンドに加えてスラッシュをベースにしつつもトラッドミュージックを大胆に取り入れた、画期的なメタルサウンドで音楽シーン大きな影響を与えることになります。

90年代末に一度PARIAHとして復活しますが、ヴォーカル変更もあってややパワーダウン。アルバム1枚を残して消滅します。
その後、00年代に入ってSATANとして復活し活動を続けています。

スイス|Switzerland

スラッシュメタルで意外に重要な国がスイスです。
大きなシーンがあるわけではないのですが、CELTIC FROST(セルティック・フロスト)CORONER(コロナー)と言う数あるスラッシュメタルバンドの中でも、前衛的で超個性派かつ超通好みな超重要バンドを輩出しています。

CELTIC FROST|セルティック・フロスト

CELTIC FROSTは初期メタルやNWOBHM、VENOMのような直接のルーツだけにとどまらず、70年代ロックからゴシック,インダストリアル系ニューウェーブといった幅広いバックボーンを持っているバンドです。

その特異な存在は後続のスラッシュメタルのみならず、デスメタル,ブラックメタル,ゴシックメタル,ドゥームメタルといった様々なエクストリームメタルに大きな影響を与えています。

ジャンルもスラッシュメタルとはいえ、ダーク&ヘヴィ路線,アバンギャルド路線,パワーメタル寄りなど、アルバムごとに大きく方向性を変えていてひと口には語りづらいバンドです。

解散後、2000年代に再結成し新作も発表して活動を続けていましたが、中心人物のトム・G・ウォリアーが新プロジェクトTRIPTYKON(トリプティコン)のために脱退で再び解散。さらに、もう一人の中心人物マーティン・エリック・アインの逝去もあって、事実上終焉を迎えました。

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CORONER|コロナー

CORONERもヘヴィメタルのみならずニューウェーブ,ジャズ,クラシック,アバンギャルドなど、幅広い音楽のエッセンスを取り込んだバンドです。

メロディアスなギターで様式美派のメタル保守を唸らせる一方で、初期インダストリアル系ニューウェイヴバンドD.A.F.のカバーをするなど、懐の深さを見せていました。

CORONERはドラム兼ヴォーカルのマーキー・エデルマンを中心とするトリオ編成で、当時から「機械のような正確無比なプレイ」と評されていましたが、のちにまさに人力インダストリアル的なサウンドにグルーヴとサイケデリック感が漂うアートメタル風スタイル移行。
メタラー受けしづらいサウンドで評価を下げたあと解散と、お決まりのコースを辿ります。

スラッシュリバイバルで再結成が待望され続け2010年代にようやく再結成するも、その後中心人物のマーキー・エデルマンは脱退、後任を迎えて活動を続けていますが新作は未だ発表されていません。

R.I.P.
ポップ / ロック¥1,833Coroner
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北欧|Northern Europe

北欧は90年前後からというもの、スウェーデンがアメリカと並ぶデスメタルの産地となったり、北欧全域でブラックメタルが盛んになったりと、欧州エクストリームメタルの中心的な一大産地となります。

さらに、スウェーディッシュ・デスメタルのデスラッシュ一派やメロデスを経てネオスラッシュ的なバンドが生まれ、世界的なスラッシュリバイバルの火付け役として注目を集める流れになるわけです。

しかしスラッシュムーヴメントの時期は英国以上に盛り上がりに欠け、後追い的なバンドはいたものの、北欧独自のシーンは生まれませんでした。
もしかすると、遅れて動き出した波が一気にデス,ブラック方面に流れ込んでしまったのかもしれませんね。

そんな北欧で触れておくべきスラッシュメタルバンドがあるとすれば、やはりスウェーデンのBATHORY(バソリー)でしょう。

BATHORY|バソリー

BATHORYは、ブラックメタルやその姉妹ジャンルであるヴァイキングメタルの直接的なルーツとして知られています。
VENOMの影響が色濃い初期SLAYERスタイルからスタートして、のちに中心人物クォーソンのワンマンプロジェクト的な体制となります。

ペラペラのスカスカでバルサ材より軽く安っぽいD.I.Y.感あふれたサウンド、スタスタ,パタパタとした馬力にかける疾走感、鶏の断末魔のようなか細い絶叫型スクリーム、といったブラックメタルの基本となる要素は初期の時点でそろっていました。

さらにブラックメタルのオプションとして欠かせないアンビエント的な音響SE、大仰なシンフォニック的装飾、お耽美なゴシック的装飾、勇壮な叙事詩的装飾、エキゾチックなトラッド要素といったデコレーションパーツも彼が開発したものです。

「ブラックメタルは全てBATHORYの要素で出来ている」と言っても過言ではないでしょう。

ブラックメタル/ヴァイキングメタルのファンにとっては、まさに古典教養として欠かすことのできないアーティストですし、それ以外のリスナーにも興味深い部分があるのは確かですが、問題はスラッシュメタルして楽しめるのは最初期だけということ。

それ以降は、スリリングな展開や疾走感/爽快感といった、スラッシュメタル的な魅力に乏しいのが欠点です。

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