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【特集】ビギナーが最初に聴くべきヘヴィメタル| NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル) – BIG4(四天王)編

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ NWOBHM

いまさら聞けない『NWOBHM』! ヘヴィメタル関連の雑誌やWEBサイトで必ず出てくるパワーワード『NWOBHM』っていったい何のこと?

メタル関係の本や雑誌/ネットを見たことがある人なら目にすることが多い『NWOBHM』という言葉、実はよく知らずに何となくスルーしている人も多いと思います。
この『NWOBHM』、いったい何と読むんでしょうか?どういう意味なんでしょうか?

これは『ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル』の略です。

読み方はというと…これはもうそのまま読むしかありません。略語で読んでも『エヌ・ダブリュー・オー・ビー・エイチ・エム』と十分長いですし、「ANA=アナ」みたいにいい感じに縮めることもできないですしね。
クトゥルーばりの強引さで「ヌォブェム」などと呼ぶのも風情がありますが、やはり語呂が良くありません。

で、これがいったい何のことなのかというと、ヘヴィメタルの誕生〜メジャー化と同時期に1980年代の初頭の英国で発生してヘヴィメタルにさらなる変革と加速をもたらした、新世代ハードロックバンドによるムーブメントのことなんです。

『NWOBHM』はパンクに対抗すべく起きたムーヴメント?

いわゆるパンク〜ニューウェーブの全盛期の英国で、ハードロックが完全に時代遅れのオールドウェーブとみなされていた状況の中で生まれた、より重く・早く・過激なよりエクストリームなハードロックの進化系がヘヴィメタルがだということは別記事にも書きました。

NWOBHMはヘヴィメタルの登場とパンクのDIY的草の根活動に刺激を受けて生まれたハードロック・リバイバルのムーヴメントと言えます。
そこからのちにヘヴィメタルの顔となる重要バンドも登場して初期ヘヴィメタルバンドと共にシーンを活性化していくわけです。

その一方で、一部パンクスとメタラーの愛憎入り混じった血で血を洗う抗争も、この辺りを機に始まります。

オールドメタラーの青春…そして伝説へ…

ヘヴィメタルの隆盛と同時代的に起こり深く関係していることもあって、オールドメタラーはこの『NWOBHM』に強い思い入れを持っている人が多く、伝説的な一大ムーブメントとして崇め立てる人も少なくありません。

NWOBHMに属する代表的なバンドは、IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)SAXON(サクソン)DEF LEPPARD(デフ・レパード)VENOM(ヴェノム)などで、これらはNWOBHMのBIG4(四天王)とも言える存在です。

JUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)などのNWOBHM以前の初期メタルや、BUDGIE(バッジー)のようなNWOBHM効果で脚光を浴びたベテランハードロックバンドまでをNWOBHMに含めるかどうかは意見が分かれるようですが、筆者は分けるべきと考えています。

その理由にも触れながら、NWOBHMの特徴と特殊性について語ってみたいと思います。

いったい何がそんなに重要だったのか?『NWOBHM』の意義と特殊性は?

NWOBHMは新世代バンドによるムーヴメント!

ヘヴィメタルの元祖とされるJUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)BLACK SABBATH(ブラック・サバス)MOTORHEAD(モーターヘッド)らは、ヘヴィメタルというジャンルが確立した頃には、既に新人とは呼べないキャリアと実績を持つバンドでした。

NWOBHMがそれら第一世代と異なる大きな特徴は、そういった先輩バンドに影響を受けたニュージェネレーションのバンドによるムーヴメントだという点です。

NWOBHMに決まったスタイルはない!?

つまり、NWOBHMのというムーヴメントは、“70年代ハードロックやヘヴィメタル第一世代をルーツに持つ新世代のUKハードロック/ヘヴィメタルバンド”という時代的/ジェネレーション的なくくりという意味合いが強く、音楽性やスタイルに何か大きな共通要素があるわけではありません。

様々なスタイルのバンドがヘヴィメタルという名前を旗印に、それぞれの方向性のサウンドで活動してました。

NWOBHMは革新的なバンドばかりではない!?

NWOBHMシーンには、ニューウェイヴと呼ばれるに相応しい尖鋭的なサウンドや独自性の強い個性的なサウンドを作り上げ、次世代以降にまで影響を与えるバンドも存在しましたが、その反面ただの70年代ハードロックリバイバルや第一世代のコピーで終るバンドも少なくありませんでした。
むしろオールドスクールなバンドの方が、主流だったと言ってもいいかもしれません。

そのため、アンチメタル勢力からは「ただの前時代的なハードロックの延長線に過ぎず、歴史的な意義はない」として黙殺されたりもしています。

パンクからの影響は否定できない

原理主義的なメタル保守は否定したがりますが、NWOBHMの特徴のひとつに“パンクムーヴメントからの影響”があります。
特に強い影響を受けていたのは、VONOMを筆頭にREVEN(レイヴン)IRON MAIDEN、さらにMOTORHEAD(モーターヘッド)直系のTANK(タンク)GIRLSCOOL(ガールスクール)といったバンドでしょう。

また、この時期のメタルナンバーにレゲエビートを取り入れた楽曲がまれに見受けられますが、これはパンクレジェンドTHE CRUSH(クラッシュ)などが示したメソッドであり、間違いなくパンクシーンの影響と言えます。

サウンドへの影響がダイレクトに現れていたのは上記のバンドくらいですが、一部のメジャーバンド以外は大手レーベルに頼らないインディーズレベルでシングルレコード主体のリリースという、DIY精神あふれる活動が中心となっていたこともパンクムーヴメントの影響と見ることができます。

NWOBHMのムーヴメントには何か意義はあったの?

NWOBHMのムーヴメントとしての最大の意義は、今までのハードロックバンドが無くしてしまい初期ヘヴィメタルバンドでも完全には取り戻せなかった、ロック的な初期衝動とダイナミズムを取り戻したことでしょう。

硬直化して衰退したハードロックを復権するヘヴィメタルに必要とされ追求すべきものは、メロディーや叙情的様式美でも、ましてや技術や歌唱力でもなく、ロックミュージック本来の荒々しさや初期衝動なのだということに気づくバンドが現れたのは重要なことです。

これはロックミュージックでは定期的に起こる揺り戻しのようなもので、パンクブームやグランジブーム、ガレージロックブームなどロック界でたびたび起こってきたムーヴメントです

それはヘヴィメタルシーンも同様で、NWMOBHM,スラッシュメタル,デスメタルなど時折原点回帰的な革新性を持ったムーヴメントや新ジャンルが登場して刺激を与えています。

もっとも、昨今のリババルは革新性も創造性も持ち合わせない、単なるビジネス的に作られたブームに成り下がっていますが…。

NWOBHMムーヴメントを代表する大物バンド・BIG4

活動規模が小さく短命に終わることが多かったNWOBHMの中でも、英国のみならず世界規模で継続的に活動を続け、次世代にも多大な影響を与えた代表的存在が次の4バンドです。

 IRON MAIDEN|アイアン・メイデン

IRON MAIDENは言わずと知れたNWOBHMのみならず80年代のブリティッシュ・ヘヴィメタルを代表する存在で、現在に至るまでJUDAS PRIESTと並ぶヘヴィメタルの顔として活躍しているバンドです。

ギターヒーローがもてはやされるヘヴィメタルシーンであくまでドライヴするベースを楽曲の中心にしたことで、他と一線を画した唯一無二のスタイルを作り上げました。

それは英国の伝統を受け継ぎながらパンキッシュな要素や新世代熱量も感じさせるまさにニューウェーヴなヘヴィメタルサウンドで、間違いなくヘヴィメタル第一世代には作り出せなかった新時代の音でした。

現在はプログレ的な大作志向の作風となり、革命的だった初期の面影もさらなる革新も見られない全く別のバンドのようになっています。

SAXON|サクソン

バイカーズメタルを名乗るSAXONは、英国の熱心なリスナーからはIRON MAIDENと双璧とまで言われる存在で、確かに短命が多いNWOBHMとしては珍しく波はあれど常に一線で活躍し続けています。

そのサウンドはJUDAS PRIESTMOTORHEADのエッセンスを足して、そこにバイカーロックらしくAC/DCTED NUGENT(テッド・ニュージェント)などに通じる大陸的フレーバーを隠し味に入れたようなスタイル。

米国市場を意識したポップ化が原因で失速したと言われていますが、良くも悪くもハードロック/ヘヴィメタルの類型を超えることも“いい意味でのバカ”に徹することもできない、いかにも英国的な“煮えきれなさ”が歴史的な存在感の薄さにつながっています。
これは他の多くのNWOBHMにも共通していた問題ですが、逆にこの“煮えきれなさ”に魅力を感じるフェティッシュなリスナーも多いので評価が難しいところですね。

最近では完全なエピックメタルと化して、様式美メタル路線を邁進しています。

DEF LEPPARD|デフ・レパード

DEF LEPPARDはNWOBHM出身ながらいち早く米国で活動を始め、80年代のポップなグラムメタルを中心とした米国メインストリームの第一線で活躍していたバンドです。

彼らのサウンドは革新的な新世代ヘヴィメタルなどといったものではなく、あくまでも一般的な音楽リスナーまでをターゲットに据えた、オーソドックスでオーセンティックなポップロック。
NWOBHMムーヴメントと言う枠の中ではかなり異色な存在で、だからこそ最も幅広い層に受け入れられ最も成功することができたとも言えます。

メンバーの意識的にも「たまたま同時代のUKバンドだっただけ」というドライさですし、全盛期はむしろグラムメタル/LAメタルの1バンドといったイメージが強く、そもそも本来NWOBHMとして語るべきバンドかどうかは疑問が残ります。

VENOM|ヴェノム

NWOBHMの中でもアングラ/マイナー色が強く、決して万人に勧められる音楽性ではないにもかかわらず、次世代や他ジャンルへの影響力の大きさという点ではメタル史上でも最も重要なバンドのひとつ。
彼らなくしては現在のヘヴィメタルシーンは存在しなかったか、大きく変わっていたことでしょう。

MOTORHRAD的なハードR&Rを基調としながら、そこにサタニズムをベースとした過剰なメタル的虚仮威し、パンク/ハードコア的な初期衝動とチープな音作りをミックスして悪趣味を追求したとも言えるサウンドは、だからこそもっとも最もヘヴィメタル的と言えますし凡百のパンクバンドよりも遥かにパンク的です。

その多大な影響はスラッシュメタル,デスメタル,ゴシックメタル,ブラックメタルといったエクストリームメタルから、ハードコア,グラインドコア,ホラーパンク,ノイズミュージック,前衛音楽までと幅広いジャンルに及んでいます。

彼らを生み出したことだけでも、NWOBHMは大きな存在価値がある重要なムーヴメントだったといえます。

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