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【問題作】ANNIHILATOR / Remains|アナイアレイター / リメインズ (1997)

ANNIHILATOR_Remains インダストリアル

メンバーに去られてソロプロジェクト状態になったカナダのボッチスラッシャーが、ドラムマシーンを手にしたタイミングで気まぐれな好奇心を炸裂させたアルバム!

カナディアンスラッシャーのANNIHILATOR(アナイアレーター)は、カナダのスラッシュメタルバンドとしてはVOIVOD(ヴォイヴォド)に匹敵する知名度と人気を持つ存在。
デビュー当初の除けば、ほぼ中心人物ジェフ・ウォーターズ(Jeff Waters)のプロジェクト同然のバンドですが、そんな不安定なバンド体制にもかかわらず、かなり早いペースでコンスタントに作品をリリースし続けています。さらに、日本でも不思議と高い人気と根強い支持を獲得していて、さすがにBIG4には遠く及ばないものの、それに次ぐくらいのポジションにTESTAMENT(テスタメント)などと並んでいるイメージです。

それが何故なのか理由をひねり出してみるなら、ジェフが叙情的でメロディアスなフレーズやテクニカルなソロを得意として、ギターヒロー的な扱いをされていることくらいでしょうか?
そのわりには、かなりムラが激しく雑な仕事も多いところもあり、アベレージはそんなに高いわけでもありません。そのためアルバムオリエンテッドな魅力があるとも言えないし、かといってキラーチューン/アンセムと呼べるような名曲をガンガン創り出しているワケでもありません。

そんな、微妙なアルバムも多数リリースしている彼らですが、そんな中でもダントツの問題作としてひときわ大きな黒歴史になっているのが、今回取り上げた6作目にあたるRemains(リメインズ)です。

ANNIHILATOR のRemainsが問題作と呼ばれる理由は?

①インダストリアルメタル化した。
②どっかで聞いたフレーズが多い。
③クオリティが低い。

まずですが、ハイ!毎度おなじみの“インダストリアル化”というヤツですね!

どの程度の変化なのかというと、ドラムマシーンいよるインダストリアル風リズムと申し訳程度にサンプリングやそれっぽいSEを加えた程度で、特に大騒ぎするレベルではありません。

こうなった理由については想像はつきます。
実は面子が不安定なこのANNIHILATOR、この当時はとうとうジェフひとりになってしまっていたのです。
ベースとギターは一人でこなすもののドラムはそういうワケにもいきません。そこで登場するのが打ち込みドラムマシーン!どうせ自分ひとりだし、打ち込み活用するんだしで、その勢いで流行りのインダストリアルっぽいことやってみたくなったというところでしょう。

そう考えれば、「どうして微妙に旬を外れたこの時期にインダストリアルテイストを試みたのか?」という疑問には説明がつきますが、当時メタルシーンで存在感を増しつつあった新世代インダストリアルメタルのサウンドではなく、“イマサラ感”が濃厚なオールドスクールなサウンドを取り入れたセンスは、かなり残念と言うほかありません。

続いてですが、確かにPANTERA(パンテラ)風,Marilyn Manson(マリリン・マンソン)風,NINE INCH NAILS(ナイン・インチ・ネイルズ)風など、当時耳にタコができるほどあちこちでパクリまくられていた、お馴染みなリフやフレーズをかなりそのマンマに近いかたちで聴くことができます。
さすがにこのヒネリの無さとアイデア不足はマイナスにしかなりません。

そして最後にですが、確かにどう好意的に見てもとても手放しでほめられるような出来ではありません。
ではこれが、そこまでANNIHILATORの黒歴史としてこき下ろされるほどのアルバムかというと、実はそこまでどうしようもない代物でもないんです。

やはり駄曲は目立ちますし、「この1曲のために買っても…」と言うほどの突出したキメ曲も見当たりませんが、いくつかのストレートなスラッシュナンバーはそれなりに聴きどころのある佳曲ですし、彼らならではの個性的なメロディを聴かせるナンバーもあります。

結局のところ、ANNIHILATORのRemainsってどうなのさ?

ここ試みられたインダストリアル風アプローチはかなり上滑りしていて、とても成功と呼べるものでもなければ次につながるような意欲的な試みでもなく、「あ〜、せっかくの“打ち込み”の機会だからやってみたかったのね?」、安っぽいCGによるアートワークも含め、生暖かい目で笑って流す程度のものです。

それでも、「フルアルバムだけで16作にも及ぶ多作家として鳴らすジェフさんだし、1作くらいならまぁ大目に見ようかな?」という気もしますが、それはANNIHILATOR対してに深い思い入れもなく、実験作も大歓迎という筆者のような物好きだから言えることで、熱心なファンにとっては言語道断怒りプンプンなのかもしれません。

まぁ繰り返しになりますが、ニュートラルな視点からの結論としては、根本的にクオリティのムラが激しく微妙な作品が多いANNIHILATORの歴史の中では、このRemainsはとても高評価はできないまでも、決してドン底レベルというわけではありません。
現在のディスコグラフィの中でなら、真ん中かそれよりちょい下くらいの位置にはつけることができるんじゃないでしょうか。

打ち込みサウンドを効果的に活用することが出来ていないのでインダストリアルメタルのリスナーにはオススメできませんし、かなり淡白な仕上がりになのでいつものサウンドを期待するファンにも物足りなさは残るかもしれません。それでもドラムマシーン色が強いリズムを許せるのなら、少なくとも世間の評価以上には楽しめると思います。

ANNIHILATOR / Remains
問題作度:★★★☆☆
一般評価:★☆☆☆☆
筆者評価:★★☆☆☆