Contents
- 1メロディックデス,ゴシックメタル,ドゥームメタル,など様々な耽美/叙情サウンドをミックスしたサウンドで、フィンランドメタルシーンを代表する独自の地位を築いたベテラン・バンド!
- 1...1フィンニッシュ・メタルの代表格!?
- 1...2AMORPHISはメロデスの代表格!?
- 1...3北欧でのメロデスとゴシックメタル!?
- 1...4AMORPHISの音楽性の変遷は!!
- 1...5AMORPHISのメインテーマ『カレワラ』とは!?
- 1...6AMORPHISは日本で人気に火がついた!?
- 1...7オリジナルメンバーが再結集!?
- 1.1AMORPHIS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1The Karelian Isthmus|ザ・カレリアン・イスムス
- 1.1.2Privilege of Evil|プリヴィレッジ・オブ・イーヴル
- 1.1.3Tales from the Thousand Lakes|テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス
- 1.1.4Elegy|エレジィ
- 1.1.5Tuonela|トゥネオラ
- 1.1.6Am Universum|アム・ユニバース
- 1.1.7Far from the Sun|ファー・フロム・ザ・サン
- 1.1.8Eclipse|エクリプス
- 1.1.9Silent Waters|サイレント・ウォーターズ
- 1.1.10Skyforger|スカイフォージャー
- 1.1.11Magic & Mayhem - Tales from the Early Years|マジック・アンド・メイヘム - テイルズ・フロム・ザ・アーリィ・イヤーズ
- 1.1.12The Beginning of Times|ザ・ビギニング・オブ・タイムズ
- 1.1.13Circle|サークル
- 1.1.14Under the Red Cloud|アンダー・ザ・レッド・クラウド
- 1.1.15Queen of Time|クイーン・オブ・タイム
- 1.1.16Halo|ヘイロー
- 1.1AMORPHISはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
- 1.1.16.1代表作-1:耽美ゴシック・ドゥーム・デス!!
- 1.1.16.2代表作-2:オルタナ・トラッド・サイケ!!
- 1.1.16.3北欧デスメタル路線のオススメは!?
- 1.1.16.4後期のおすすめアルバムは!?
AMORPHIS|DISCOGRAPHY
The Karelian Isthmus|ザ・カレリアン・イスムス
オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)
このデビュー作で聴ける最初期のスタイルは、これ以降の作風とは全く異なるほぼ完全なデスメタルとしか呼びようのないサウンドで、ドゥームデス系のスロー〜ミッドパートと、ファストパートが織り交ぜられたスタイルを展開しています。
イントロを中心に、いくらかはメロディと耽美性にも意識を向けたような音づくりもされてはいますが、あくまでも、プログレ・フレーバーを振りかけた行きがかり上、もうしわけ程度にメロディも同時に導入されたといったた程度の扱いでしかなく、根本的にそれをメインにすえる意思は感じられません。
それも仕方のない話で、この時点ではまだメロデス革命の雄DARK TRANQUILLITYが登場する以前の、アーリー・メロデス時代という状況でもあり、シーン全体を見渡してもメロディや耽美演出の導入についてはその萌芽が見える程度のささやかなものでした。
デスメタルとしては及第点はクリアしているものの、後のメロディを全開にしたサウンドに惚れ込んだリスナーがさかのぼって聴くには、好奇心だけではややつらい部分があるかもしれません。
|メロディ度:★☆☆☆☆
|耽美度:★☆☆☆☆
|アイデア:★★☆☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み 実験作
Privilege of Evil|プリヴィレッジ・オブ・イーヴル
ミニアルバム:EP (1993年)
Tales from the Thousand Lakes|テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス
オリジナルアルバム 2作目 (1994年)
当初は日本盤未発売ながら、マスコミの大プッシュを受けて輸入盤店の稼ぎ頭にもなっていた、AMORPHISのブレイクスルーとなったアルバム。
一般的に“メロデス黎明期を代表する1枚”という扱いですが、前作同様ドゥームデスが基調となったサウンドは、やはりドゥームデスがベースだった初期ゴシックメタルにも通じるものです。
この時期の、メロデスでは既にDARK TRANQUILLITYがデビューを果たし、CARCASSやDEATHらも独自のメロディック・スタイルを完成させおり、ゴシックメタルではPARADISE LOSTやTIAMATらがその進化を加速させていました。
その急速な進化を考えると、本作のアプローチは当時としてもやや古く、1〜2年(現在の感覚では5〜10年)は遅れた印象がありました。
ちょうど、メディアがメロデスのプッシュや先物買に走っていた時期であり、「多少でもメロディのあるデスメタルはとりあえず推しておこう」という、空気があったのが幸運だったと言えます。
ありがちなようで意外と例外的なスタイルで、確かに品質自体は高水準ではあるのですが、やや下駄をはかされていた印象は拭えず、既存のヘヴィメタル/ハードロックにデスヴォーカルを乗せたようなアプローチも少々安易に感じられます。
しかし、後半に顔を出すヴィンテージなサイケ風味漂う、ダンサブルとも言えるサウンドはなかなか絶妙で印象的。
これもCATHEDRALという前例があってのものですが、それでも彼らならではのモダンな味付けが施されており、これは次作で彼らの個性として開花することになります。
|メロディ度:★★★☆☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 賛否両論 スルメ盤 実験作
Elegy|エレジィ
オリジナルアルバム – 作目 (1996年)
前作で部分的に見られたAMORPHISの個性とセンスが、ようやく花開いたアルバム。
シーンを見渡してもオンリーワンと呼べる独自性と、彼らのカタログ中でも最高峰に位置する完成度、その双方を兼ね備えた数少ない傑作と言えます。
その音楽性をザックリ言ってしまえば、メロディックデスメタル、トラッドテイストのゴシックメタル、サイケなドゥーム/ストーナー、そしてオーソドックスなヘヴィメタル/ハードロックの、ベタな全部乗せ。
さらには、同郷のKINGSTON WALLに影響を受けたと思しき、中東風のオリエンタルなエスノ・メロディが、全編にわたってフィーチャーされています。
ヴォーカルは、現在ではありふれた定番となってしまった、デス&クリーンヴォイスを併用して、その対比で効果を上げるスタイル。
技量が伴わなかったり、そうでなくても一歩間違えると胸焼けしそうなクドさになったり、ただ散漫なだけになりそうな取り合わせですが、卓越したバランス感覚とブレンドセンスで絶妙に練り上げて一体化させています。
もっとも、ゴシックとサイケの取り合わせについては、メタラーや近年のゴスクラスタには馴染みが薄いようですが、THE SISTERS OF MERCYやBAUHAUSなど80年代のポジパン/ゴシックはもとより、さかのぼるならDOORSやTHE VELVET UNDERGROUND & NICOにも至る、同じ根を持つ鉄板の伝統的マリアージュです。
90年代のこの時期に限っても、TIAMATやCELESTIAL SEASONらによって、すでにいち早く展開されていたアプローチでした。
本作を当時のシーンの中でも特異な存在たらしめているポイントは、CATHEDRALの2ndあたりのアッパー・チューンにヒントを得たと思しき、ダンサブルな躍動感を持ったパートの導入でしょう。
時に70〜80年代の北欧ディスコポップや、BONEY M.(ボニー・エム)やDSCHINGHIS KHAN(ジンギスカン)といったビッグネームも想起させる、レトロなディスコ・テイストのみならず、かつてのサイケ・トランス大国フィンランドのスオミトランスの要素までをも取り入れ、彼ら独自のスタイルへと昇華させています。
惜しむらくは、このアプローチが本作限りで終了してしまい、これ以降の作品には活かされることがなかったことです。
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Tuonela|トゥネオラ
オリジナルアルバム – 4作目 (1999年)
基本的には前作の延長線上にある音楽性なのですが、ダンサブルなディスコ・テイストという、前作を特異なアルバムたらしめていた重要な要素がスポイルされ、やはり、前作で特徴的だったヴィンテージなサイケデリック・テイストも、薄っすらとした程度にまで弱体化しています。
前作のアクの強さが薄まったことで、ある意味では万人向けになったと見ることもできますが、それはパンチに欠ける結果にもなっていますし、何よりキラーチューンが皆無というのは如何ともしがたいところです。
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★☆☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論
Am Universum|アム・ユニバース
オリジナルアルバム – 5作目 (2001年)
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Far from the Sun|ファー・フロム・ザ・サン
オリジナルアルバム – 6作目 (2003年)
|メロディ度:★★★☆☆
|耽美度:★★☆☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Eclipse|エクリプス
オリジナルアルバム – 7作目 (2006年)
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★☆☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
Silent Waters|サイレント・ウォーターズ
オリジナルアルバム – 8作目 (2007年)
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★☆☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 お布施
Skyforger|スカイフォージャー
オリジナルアルバム – 9作目 (2009年)
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★☆☆☆
|マニア度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤
Magic & Mayhem – Tales from the Early Years|マジック・アンド・メイヘム – テイルズ・フロム・ザ・アーリィ・イヤーズ
初期作セルフリメイク (2010年)
|メロディ度:★★☆☆☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★☆☆☆
|マニア度:★★★★★
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 お布施
The Beginning of Times|ザ・ビギニング・オブ・タイムズ
オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)
|メロディ度:★★★☆☆
|耽美度:★★☆☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 スルメ盤 お布施
Circle|サークル
オリジナルアルバム – 11作目 (2013年)
|メロディ度:★★★★☆
|耽美度:★★★★☆
|アイデア:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 お布施
Under the Red Cloud|アンダー・ザ・レッド・クラウド
オリジナルアルバム – 12作目 (2015年)
|メロディ度:★★★☆☆
|耽美度:★★★☆☆
|アイデア:★★★☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Queen of Time|クイーン・オブ・タイム
オリジナルアルバム – 13作目 (2018年)
|メロディ度:★★★☆☆
|耽美度:★★☆☆☆
|アイデア:★☆☆☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 お布施
Halo|ヘイロー
オリジナルアルバム – 14作目 (2022年)