Contents
- 1大ヒットドキュメンタリー映画の主役として、この後に及んで大ブレイクを果たしたベテランは、バイブレーターを駆使したギタープレイで知られる実力派B級バンド!?
- 1...1ANVILはスピードメタル?パワーメタル?
- 1...2知名度だけは高い理由は!?
- 1...3インパクト抜群のギタープレイ!?
- 1...4ビッグネームと日本のメタルフェスに出場!!
- 1...5実録映画の主役として再ブレイク!?
- 1...6ブランク知らずのベテランバンド!?
- 1.1ANVIL|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Hard 'n' Heavy|ハード’ン'ヘヴィ:ヘヴィ・メタル・ドリーム
- 1.1.2Metal on Metal|メタル・オン・メタル
- 1.1.3Forged in Fire|フォーゲット・イン・ファイア:ヘヴィ・メタル・マシーン
- 1.1.4Strength of Steel|ストレングス・オブ・スティール
- 1.1.5Pound for Pound|パウンド・フォー・パウンド
- 1.1.6Worth the Weight|ワース・ザ・ウェイト
- 1.1.7Plugged in Permanent|プラグド・イン・パーマネント
- 1.1.8Absolutely No Alternative|アブソリューティリィ・ノー・オルタネイティヴ
- 1.1.9Speed of Sound|スピード・オブ・サウンド
- 1.1.10Plenty of Power|プレンティ・オブ・パワー
- 1.1.11Still Going Strong|スティル・ゴーイング・ストロング
- 1.1.12Back to Basics|バック・トゥ・ベーシックス
- 1.1.13This Is Thirteen|ディス・イズ・サーティーン ~夢を諦め切れない男たち~
- 1.1.14Juggernaut of Justice|ジャガーノート・オブ・ジャスティス
- 1.1.15Hope in Hell|ホープ・イン・ヘル
- 1.1.16Anvil Is Anvil|アンヴィル・イズ・アンヴィル
- 1.1.17Pounding the Pavement|パウンディング・ザ・ペイヴメント
- 1.1.18Legal at Last|リーガル・アット・ラスト
大ヒットドキュメンタリー映画の主役として、この後に及んで大ブレイクを果たしたベテランは、バイブレーターを駆使したギタープレイで知られる実力派B級バンド!?
ANVIL(アンヴィル)は、カナダ有数のヘヴィメタルバンドのひとつで、ヘヴィメタル・パワートリオ(3ピースバンド)を代表するバンドひとつとしても知られています。
ANVILはスピードメタル?パワーメタル?
オーソドックスなヘヴィメタルでありながらスピードが強化された、エクストリーム進化系ジャンルの“スピードメタル”のパイオニアとして世に出たグループ。
とはいえ、スピードチューンとドゥーム的な展開も見せるミッド〜スローチューンの二枚看板が基本で、それほどスピード偏重型ではありません。
また、あくまでもオーソドックスなヘヴィメタルを基調としたスタイルであり、スラッシュメタル世代のエクストリミティが強調されたサウンドとは一線を画しています。
音楽性の変化やサブジャンルの再定義とともに、“パワーメタル”として語られることも少なくありませんが、オールドファンは“スピードメタル”の肩書きに拘る傾向があります。
知名度だけは高い理由は!?
ANVIL(アンヴィル)は、カナディアンヘヴィメタルの代表各のひとつではあるものの、ヘヴィメタルシーン全体の中では音楽的な独創性や革新性、驚異的なクオリティといった点において特筆するほどの要素は持っておらず、愛すべき万年B級バンドと呼ぶべき存在です。
ただし、ANVILはいくつかの理由から、本来の実力やメタルシーンでの存在感以上の知名度を持っています。
インパクト抜群のギタープレイ!?
ANVILが最初に世に知られたキッカケは、ギタリストのリップスによる“バイブレーター=アダルトグッズ”を用いたギタープレイ。
80年代には、ショックロック系バンド演出の一環として、あるいは早弾きギターヒーローのテクニカルアピールのひとつとして、チェンソーやドリルなどの電動工具をはじめとした特殊なアイテムで、ギターを演奏するというステージングが一部で流行を見せました。
リップスのプレイもそれに類するものといえますが、これによって“下品/下世話”なイロモノバンドという第一印象が先行して、リスナーを選ぶ結果にもなりました。
ビッグネームと日本のメタルフェスに出場!!
日本においては、1984年に開催されたメタルフェスの先駆け的なイベント、『SUPER ROCK ’84』に出場したことで知名度を上げました。
これは、SCORPIONS(スコーピオンズ), THE MICHAEL SCHENKER GROUP:MSG(マイケル・シェンカー・グループ), WHITESNAKE(ホワイトスネイク)という当時のビッグネームや、期待の新人BON JOVI(ボン・ジョヴィ)が名を連ねたイベント。
ANVILはこの中では明確に格下の前座扱いでしたが、これによって日本でも、「とりあえずバンドの名前だけは知っている」というリスナー層を、多く生み出すことに成功しました。
実録映画の主役として再ブレイク!?
さらに世界的な知名度を獲得することとなったキッカケが、2009年にANVILの反省をテーマにした映画『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち(邦題)』が公開されたこと。
この映画はスマッシュヒットとなり、のちに一気に増加する“バンド実録系映画”や“ヘヴィメタル映画”ブームの火付け役にもなり、それによってさらに多くの“バンド名だけは知っている”層を生み出すことになりました。
ブランク知らずのベテランバンド!?
ANVILはシーンの第一線に登ってくることはありませんでしたが、解散や長期間のブランクはなく活動を続けてきました。映画公開もアルバムの爆発的大ヒットには結びつかなかったものの、ささやかな後押し程度にはなったようで、現在も“知名度だけは高い万年B級バンド”としてしぶとい活動を続けています。