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★ ARCH ENEMY(アーチ・エネミー) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|北欧最後のギターヒーロー「マイケル・アモット」が仕掛けて大成功をおさめた歌姫系メロデス・バンド!!…必聴アルバムは?

ARCH_ENEMY_Logo_b ◆ A, B, C
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ARCH ENEMY|アーチ・エネミー|DISCOGRAPHY

Black Earth|ブラック・アース

ARCH_ENEMY_Black_Earth

オリジナル・スタジオアルバム – 1作目 (1996年)

“ヨハン・リーヴァ三部作”の第一弾にあたるこのデビューアルバムの本作は、本国にも先駆けて日本先行リリースとなっており、このあたりは当時の日本でのメロデスの上り調子ぶりと、〈CARCASS〉でブレイクしたアモットのギターヒーロー人気がうかがえます。
この段階ではまだベーシストが在籍しておらず、マイケル・アモットがギター&ベースを兼任しています。

ここでの音楽性は、まさに〈CARCASS〉のメロデス手法をスウェディッシュ・デスに置き換えたもので、オールドスクールなスウェディッシュ・デスメタルをベースに、キャッチーなメロディパートやギターソロを大胆に挟み込んでゆくスタイルです。

これは、〈DARK TRANQUILLITY〉〈AT THE GATES〉〈EDGE OF SANITY〉といった先達ほどには尖ったものではなく、それらが登場する以前の北欧プロト・メロデスの定番スタイルをそのまま発展させたようなもの。
すでに後続グループが続出してメロデス・シーンが形成され、それらのフォーマットとなるスタイルも出そろっていた時期でもあり、上記パイオニア勢のような時代を変えるほどの鮮烈な独自性や新規性/革新性は一切見られません。

しかし、ここではアモット兄弟のメロディセンスがまだスリ減っていないこともあって、効果的なフックを織り込んだファストチューン主体の楽曲の完成度については全キャリア中でも群を抜いていますし、そのセンスがARCH ENEMYの“らしさ”として効果的に作用しています。

また、これはあくまでも怪我の功名でしょうが、いわゆる“イエテボリ”系メロデスが幅を利かせつつある当時のシーンの中では、本作のアプローチは意外にもありそうで無かったスタイルであり、結果的にフラッグシップ級のバンドとは多少なりとも差別化を図ることにも成功。
ボーナストラック抜きで全9曲で36分弱というコンパクトさも、無駄な凡曲を減らして楽曲レベルを底上げすると同時に、潔さを感じさせ好印象を与えるなどプラスに働いています。

なお、本作のプロデュースは、〈DARK TRANQUILLITY〉〈AT THE GATES〉らを手がけて、イエテボリ/メロデス界隈のカリスマ・プロデューサー/エンジニアとして名を挙げたフレドリック・ノルドストロームと、マイケル・アモットの連名で、ノルドストロームはサポートメンバーとしてキーボードも担当しています。

|デスメタ度:★★★★☆
|メロエモ度:★★★★☆
|モダン度:★★★☆☆
|メタル様式度:★★☆☆☆
|独 創 性:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Stigmata|スティグマータ

ARCH_ENEMY_Stigmata

オリジナル・スタジオアルバム – 2作目 (1998年)

当初は地元と日本のみでのリリースにとどまっていたデビュー作とは異なり、メタル・レーベルとしては大手の「センチュリー・メディア」へ移籍して世界展開のスタートとなった2ndアルバム。
“絶賛ファン層拡大中”で上り調子だった時期で、本作がARCH ENEMYとの馴れ初めという層も少なくないためか、意外にも思い入れを持つリスナーも多く、近年では時に最高傑作と推す向きも見られる1枚でもあります。

メンバー中2人がワンポイント・リリーフという、比較的体制が安定している彼らとしてはややイレギュラーな1枚で、専任ベーシストとして参加した元〈ARMAGEDDON〉現〈LECHERY〉のマーティン・ベングソンは、次作では早々に現在のシャーリー・ダンジェロへ交代。
さらに、創設時から現在までドラムスを務めるダニエル・アーランドソンの一時脱退(2曲のみ参加でクレジットはあり)により、〈Agretator〉〜〈Darkane〉に在籍しながら多数のサポート経験を持つピーター・ウィルドアーが叩いています。

音楽性については、スウェディッシュ・デスにメロディパートやギターソロを盛り込む手法は前作と同様ですが、前作の主軸だった疾走曲/疾走パートが激減し、ダウンテンポ主体となった点が大きな変化。
ファストな曲はT-01,T-07,T-09程度で、それ以外は全てミッド〜スローのナンバーのみで、全体的には、いわゆる『ドゥームデス』や90年代的な『グルーヴデス』の要素の濃いアルバムに仕上がっています。

また、本作においては、デスメタルパートとメロディパートがかなりはっきりと分離されがちで、同時に、メロディの折り込み方においてはギターソロに任せるスタイルをとるなど、メロデスとしての手法にも多少の変化が見られます。

作風の変化それ自体をむやみに否定すべきではありませんし、評価が聴き手の嗜好に左右される面もありますが、問題はそれが成功して効果を上げているとは到底言えないことでしょう。
ファストチューンは上々の仕上がりで、中でもT-09は名曲に数えることも可能な出来栄えですが、大半を占めるダウンテンポ曲に冴えが見られず、また、ギターソロ頼りで構成の単純化された本作は、メロデス手法に多様性と工夫が見られた前作と比較するとアイデアが乏しく、全体的にフラットで淡々としたつくりになっています。

本作を高評価する層からは、デスメタル度の強さやそこに漂うオールドスクールな匂い、ギターソロにスポットを当てたことによるメロディパートの充実ぶりがポイントとして挙がりますが、曲の弱さは如何ともしがたく、好意的に見ても「好みの分かれる賛否両論アルバム」がせいぜいの落とし所でしょう。

|デスメタ度:★★★★☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|メタル様式度:★★☆☆☆
|独 創 性:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

Burning Bridges|バーニング・ブリッジズ

ARCH_ENEMY_Burning_Bridges

オリジナル・スタジオアルバム – 3作目 (1999年)

パフォーマンスの弱さを理由にファイヤードされる初代ヴォーカリウト、ヨハン・リーヴァが在籍した最後のアルバムであり、初期のみならず全キャリア通しての代表作に挙げられることも多い1枚で、その意味では1stと双璧と言えます。

評価が割れたダウンテンポの前作から一転して、今回はファスト〜アップテンポ主体のスタイルへと回帰していますが、作風についてより特徴的なのは、メロディやギターソロがさらに過剰なほどに強調されていることと、メロデスの枠内ながらも音楽性の拡散傾向が見られることでしょう。

本作では、従来のオールドスクールなスウェディッシュ・デスを基調とした曲に加え、“イエテボリ系メロデス/デスラッシュに近いスタイルの曲”、“スラッシュメタルやパワーメタル、さらにはよりオーソドックスなヘヴィメタルに近い曲調”…など、ベースとなるスタイルに多様性が増しているのが過去作との相違点。
曲調の幅広さはキャリア中でも最高クラスで、そのため、ファストチューン主体のメロデスであっても、決まったスタイルの中で工夫を凝らしていた1stとは、かなり印象の異なる仕上がりとなっています。

個々の楽曲の出来栄えのみを見るならば、フッキーなキラーチューンT-01,T-04,T-09を中心におおむね水準以上をキープしていますが、前記した作風の変化によってアルバムとしては賛否両論の傾向があります。

作風の幅が広がった点は評価しても、ブルータルなデスメタル・テイストが薄まった点に不満を漏らすデスメタラーは少なくありませんし、メロデスとしてもメロディと曲の一体感が薄く感じられたり、既存の手法の借り物に近い曲が見られる点もマイナス要因となりえます。
また、今作はギターソロがあまりに旧来のメタル様式に傾き過ぎており、往年のギターヒーローばりに主張が過剰なこともあって、聴き手によってはトゥーマッチにも感じられますが、そこは聴き手によって美点にもなりえるポイントでしょう。

|デスメタ度:★★★☆☆
|メロエモ度:★★★★★
|モダン度:★★★☆☆
|メタル様式度:★★★★☆
|独 創 性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論

Wages of Sin|ウェイジズ・オブ・シン

ARCH_ENEMY_Wages_of_Sin

オリジナル・スタジオアルバム – 4作目 (2001年)

技量不足を理由にリーヴァを解雇し、マイケル・アモットと恋愛関係にあり現在はマネージャーを務める女性ヴォーカリスト、アンジェラ・ゴソウを迎えての第一弾となるアルバム。

ゴソウのヴォーカルは、アモットが名を上げた〈CARCASSの〉ジェフ・ウォーカーと比較されることがありますが、そこまでアクが強いわけでもない比較的オーソドックスなシャウト系デスヴォです。
ヴォイトレ系のようで、前任者よりも安定感があって無難ということもできますが、同時に発声の維持で精一杯でノビシロはあまり期待できないタイプ。
そのため、個性や表現力、生々しさなどを含めたデスヴォイスとしての幅や奥行きは少なく、ウォーカーはおろかリーヴァにも大きく遅れをとっています。

作風としては、大雑把に例えるなら『Stigmata(2nd)』と『Burning Bridges(3rd)』の中間とでもいったところで、デス/デスラッシュ色の強めなものから、ほぼデスヴォーカルを乗せたパワー/スピードメタルといったものまでと、幅のある作風は『Burning Bridges(3rd)』寄り。
一方、スピード控えめでグルーヴの強調が目立つ点は『Stigmata(2nd)』に通じる部分ですが、本作でのそれはアメリカ市場も視野に入れてのアプローチという印象で、さらにはニューメタルに近いリフワークなどトレンドへの接近した曲も見られ、結果的にこれらは後のメタルコアに通じる仕上がりとなっています。

また、本作でのアグレッションとメロディの配分などは時に『Rust in Peace』の頃の〈MEGAETH〉を想起させ、事実、T-02などの明らかにその影響下にあるような曲も確認できます。

ミュージシャンとしての創造性は停滞気味ですし、純粋な楽曲クオリティについてもデビュー作や前作には大きく水をあけられ、今後もグレードは右肩下がりとなってゆきます。
しかし、この時点ではまだシーン全体における平均程度の出来栄えはキープできていますし、何より本作の意義は、ゴシックメタル以外のエクストリームメタル界隈の第一線でフロント・ウーマンを起用に成功して、それがこれ以降の流れに続くこととなった点に尽きるでしょう。

|デスメタ度:★★★☆☆
|メロエモ度:★★★★☆
|モダン度:★★★★☆
|メタル様式度:★★★★☆
|独 創 性:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両

Anthems of Rebellion|アンセムズ・オブ・リベリオン

ARCH_ENEMY_Anthems_of_Rebellion

オリジナル・スタジオアルバム – 5作目 (2003年)

Doomsday Machine|ドゥームズデイ・マシーン

ARCH_ENEMY_Doomsday_Machine

オリジナル・スタジオアルバム – 6作目 (2005年)

Rise of the Tyrant|ライズ・オブ・ザ・タイラント

ARCH_ENEMY_Rise_of_the_Tyrant

オリジナル・スタジオアルバム – 7作目 (2007年)

The Root of All Evil|ザ・ルート・オブ・オール・イーヴル

ARCH_ENEMY_The_Root_of_All_Evil

オリジナル・スタジオアルバム – 8作目 (2009年)

Khaos Legions|ケイオス・リージョンズ

ARCH_ENEMY_Khaos_Legions

オリジナル・スタジオアルバム – 9作目 (2011年)

War Eternal|ウォー・エターナル

ARCH_ENEMY_War_Eternal

オリジナル・スタジオアルバム – 10作目 (2014年)

Will to Power|ウィル・トゥ・パワー

ARCH_ENEMY_Will_to_Power

オリジナル・スタジオアルバム – 11作目 (2017年)

Deceivers|デシーヴァーズ

ARCH_ENEMY_Deceivers

オリジナル・スタジオアルバム – 12作目 (2022年)

ARCH ENEMY関連バンド ◆ DISCOGRAPHY

BLACK EARTH|ブラック・アース|DISCOGRAPHY

BLACK_EARTH__Logo

〈ARCH ENEMY〉の初期3作に参加した初代ヴォーカリストのヨハン・リーヴァに、初代ギタリストのクリストファー・アモットという創設メンバー迎えた、初期ラインナップによるリユニオン・プロジェクト。(シャーリー・ダンジェロ(Ba.)のみ3rdアルバムからの参加メンバー。)
バンド名はもちろん、〈ARCH ENEMY〉のデビュー・アルバムのタイトル『Black Earth』に由来しています。

BLACK EARTHの活動は現時点でもアクティブ状態とされてはいるものの、本来が〈SPIRITUAL BEGGARS〉のような〈ARCH ENEMY〉と並行して継続的な活動を続けるバンドというわけではなく、あくまでも単なるリユニオンのために便宜的に結成されたに過ぎません。

そのため、このBLACK EARTH名義での作品は、現状はライヴアルバムの音源とリーヴァ在籍時のベスト・アルバムのみであり、オリジナル・スタジオ・アルバムの新作などはつくられていませんが、ベスト・アルバムには2曲の新曲も含まれていました。

このBLACK EARTHの始動については、〈ARCH ENEMY〉が歌姫系デスメタルの代表格として広く人気を獲得したものの、その反面クリエイティヴ面ではヨハン・リーヴァの在籍時に届かず低迷したためか、リーヴァ期のアルバムの再評価の機運が高まったことも影響していると思われます。

20 Years of Dark Insanity: Japan Tour 2016|20イヤーズ・オブ・ダーク・インサニティ:ジャパン・ツアー 2016

BLACK_EARTH_20_Years_of_Dark_Insanity_Japan_Tour_2016

ライヴ・アルバム (2017年)

Path of the Immortal|パス・オブ・ジ・イモータル:暗黒の地球

BLACK_EARTH_Path_of_the_Immortal

コンピレーション・アルバム (2019年)

CARNAGE|カーネイジ|DISCOGRAPHY

CARNAG_Logo

CARNAGEは、かつて〈ARCH ENEMY〉のマイケル・アモット(Gt.)とヨハン・リーヴァ(Vo.)らによって結成されたデスメタル・バンド。
1988年から1990年まで活動を続け、1枚のフルアルバムを残して活動を終えています。(リーヴァはアルバムリリリース時には脱退しており不参加)

他のメンバーには、当時すでに〈DISMEMBER〉を始動していたフレッド・エストビー(Dr.)とマッティ・カルキ(Vo.)をはじめ、〈DISMEMBER〉〈ENTOMBED〉〈CARBONIZED〉などのバンドに関わり、スウェーデンのデスメタル・シーンを動かしていたミュージシャンが名が連ねていました。

そのため、やはりスウェーデンの初期デスメタル・ムーヴメントにおける重要バンド〈ENTOMBED〉〈UNLEASHED〉などのメンバーによって結成された〈NIHILIST〉と併せて、スウェディッシュ・デスメタルのビッグネームを輩出した伝説的グループとして賞賛されています。

音楽的には荒削りな部分が目立ちますが、ハードコアとスラッシュメタルの影響を色濃く残したスウェディッシュ・デスメタルの原型は、このCARNAGE時代にすでに完成されています。

Dark Recollections|ダーク・リコレクションズ

CARNAG_Dark_Recollections

オリジナル・アルバム – 1作目 (1990年)

|デスメタ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|パイオニア度:★★★★★
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
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