Contents
- 1メロデス/デスラッシュ/メタルコア…世界のエクストリームメタルシーンの新基準を生み出した北欧メロディック・デスラッシュのレジェンド!
- 1...1メロディック・デスメタルのパイオニア!?
- 1...2デスメタルに扇情的メロディと叙情性を導入!!
- 1...3独自のメロデス・スタイルを確立!!
- 1...4AT THE GATESはメタルコアのルーツ!?
- 1...5〈THE HAUNTED〉を結成してデスラッシュをリード!?
- 1...6AT THE GATES再結成とビョーラー兄の脱退!!
- 1.1AT THE GATES|アット・ザ・ゲイツ|DISCOGRAPHY
- 1.1.1The Red in the Sky Is Ours|ザ・レッド・イン・ザ・スカイ・イズ・アワーズ
- 1.1.2With Fear I Kiss the Burning Darkness|ウィズ・フィアー・アイ・キス・ザ・バーニング・ダークネス
- 1.1.3Terminal Spirit Disease|ターミナル・スピリット・ディジーズ
- 1.1.4Slaughter of the Soul|スローター・オブ・ザ・ソウル
- 1.1.5At War with Reality|アット・ウォー・ウィズ・リアリティ
- 1.1.6To Drink from the Night Itself|トゥ・ドリンク・フロム・ザ・ナイト・イットセルフ
- 1.1.7The Nightmare of Being|ザ・ナイトメア・オブ・ビーイング
- 1.1OXIPLEGATZ|オキシプルガッツ|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Fairytales|フェアリーテイルズ
- 1.1.2Worlds and Worlds|ワールズ・アンド・ワールズ
- 1.1.3Sidereal Journey|サイディリアル・ジャーニィ
- 1.2ANDERS BJÖRLER (SOLO)|アンダース・ビョーラー(ソロ)|DISCOGRAPHY|
- 1.2.1Antikythera|アンティキティラ オリジナルアルバム - 1作目 (2013年)
- 1.2.2Dreaming of Insomnia|ドリーミング・オブ・インソムニア シングル (2015年)
- 1.3THE LURKING FEAR|ザ・ラーキング・フィアー|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Out of the Voiceless Grave|アウト・オブ・ザ・ヴォイスレス・グレイヴ オリジナルアルバム - 1作目 (2017年)
- 1.3.2Death, Madness, Horror, Decay|デス,マッドネス,ホラー,ディケイ オリジナルアルバム - 2作目 (2021年)
- 1.1AT THE GATESはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
- 1.1.2.1これさえ押さえればOKの代表的名盤は!?
- 1.1.2.2『Slaughter of the Soul(4th)』路線のオススメは!?
- 1.1.2.3プログレ路線のオススメは!?
メロデス/デスラッシュ/メタルコア…世界のエクストリームメタルシーンの新基準を生み出した北欧メロディック・デスラッシュのレジェンド!
AT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)は、スウェーデンのデスメタル/メロディック・デスメタル・バンド。
メロディック・デスメタルのパイオニア!?
AT THE GATESは、メロデス(メロディック・デスメタル)のパイオニア、あるいはそのルーツにあたるポジションのグループとしてとして、ほぼ必ず名前が挙がる先駆的な存在です。
事実、〈DARK TRANQUILLITY〉によってメロデスの基本形が作られる前年…1992年のデビュー当初から、メロディや耽美性/叙情性を意識して積極的に取り入れたデスメタルを展開して、好事家の注目を集めていました。
さらに先行していた〈TIAMAT〉などの、ごく一部の真のパイオニアを別格とすれば、比較的早期からそれに類する“プロト・メロデス”アプローチに取り組んでいたグループでした。
デスメタルに扇情的メロディと叙情性を導入!!
デビュー当初は、メロディや叙情性の導入もプログレ的なアプローチの一環に近く、それほど大々的ではなくささやかなものでした。
しかし、アンダース・ビューラーとともにメインコンポーザーを務めた、アルフ・スヴェンソン(Gt.)の脱退を機にメロディとエモーションを強調するメソッドを追求する道を選択。
1994年の作品『Terminal Spirit Disease』にて、本格的メロディックなデスラッシュに開眼します。
さらにメロディの扇情性/叙情性を極めた翌年のフルアルバム『Slaughter of the Soul』は、デスメタルのファン以外からも広く注目を集め、一躍メロディック・デスメタルの騎手へと祭り上げられます。
なお、初期プログレ期の2作に参加したアルフ・スヴェンソンは、『Slaughter of the Soul』でのブレイク以前に脱退し、ソロプロジェクトの〈Oxiplegatz〉などで活動していました。
独自のメロデス・スタイルを確立!!
AT THE GATESがここでつくり出したメロデス・メソッドは、ギターソロや部分的なフレーズでメロディを導入するという、これ以前にも見られた既存の定番化した手法とは異なるものです。
それは、〈DARK TRANQUILLITY〉が開発した短いメロディをリフとして用いる“メロリフ”スタイルの派生に近い、扇情的なメロディを刻んでリフ化する“泣きリフ”・“エモリフ”とでも呼べるような手法。
そして、これを用いてスラッシュ/ハードコア色の強いデスメタル…いわゆる“デスラッシュ”を展開するというものでした。
AT THE GATESはメタルコアのルーツ!?
解散までのAT THE GATESの活動期間は長いものではなく、メロデスが本格的に幅広いリスナーに認知され、アメリカ進出を果たすほどの人気を獲得する以前の1996年には活動を終えていました。
しかし、そのサウンドは北欧メロディックデスメタル/デスラッシュのひとつの定型となって、多くのフォロアーを生んでおり、“イエテボリ(ヨーテボリ)・スタイル”と呼ばれるのメロデス・スタンダードのひとつにもなっています。
この“イエテボリ・スタイル”は、米国やドイツを中心としたメタルコアの一部グループに取り入れられ、それらはメロデスを下敷きにした『メロデスコア』を展開し人気を博します。
これらが、アメリカでもニューメタルの代替品としてもてはやされたことによって、一気に世界中にその影響を伝播し、これら新世代クロスオーバーのネタ元として大いに活用されることになりました。
知らずにそれらの曲を聴いたAT THE GATESのメンバーたちが、他のバンドの演奏を聴いて自分たちのカバーと勘違いして、「AT THE GATESにこんな曲あったっけ!?」と訝しんだ…などという逸話も生まれたほどです。
〈THE HAUNTED〉を結成してデスラッシュをリード!?
AT THE GATES解散後、その中心メンバーのアンダース(兄:Gt.)&ヨナス(弟:Ba.)のビョーラー兄弟とエイドリアン・アーランドソン(Dr.)は、〈MARY BEATS JANE〉のペーター・ドルヴィング(Vo.)、〈SEANCE〉のパトリク・ヤンセン(Gt.)、〈INVOCATOR〉のパー・モラー・ヤンセンらが集結したドリームバンド、〈THE HAUNTED(ホーンテッド)〉を始動します。
ここでは、AT THE GATESで確立させたメロディック・デスラッシュ・サウンドを発展させた、北欧でスラッシュの新基準ともいえる“ネオスラッシュ/ネオデスラッシュ”を展開。
〈CROWN OF THORNS(クラウン・オブ・ソーンズ)〉から改名して第一線に躍り出た〈THE CROWN(クラウン)〉らとともに、デスメタルを通過したモダンスラッシュのシーンをリードする立場となりました。
AT THE GATES再結成とビョーラー兄の脱退!!
長らく再結成待望論が渦巻いていたAT THE GATESは、2010年のリユニオンを皮切りに活動を再開。
〈THE HAUNTED〉の活動の低迷などの事情もあってか、AT THE GATESでの活動に比重を傾けてゆきます。
2017年には、創設時からバンドの中核だったアンダース・ビョーラーが脱退してしまいますが、活動は継続しており、新作のリリースも比較的コンスタントに続けています。
退したアンダース・ビョーラーは、本業の映像制作と並行してソロを中心に活動をしており、プログレッシヴ・ロック/ポスト・ロック志向の音楽性を追求しています。
なお、ビョーラー(兄)の後を引き継いだギタリストのヨナス・ストールハマールもまた、2022年にバンドを退いており、〈THE HAUNTED〉時代の主力だった、パトリック・ヤンセンをライヴ専任の後任として起用しています。
なお、2022年にアンダース・ビョーラーの〈AT THE GATES〉への復帰がアナウンスされています。