AT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)ディコグラフィー|このアルバムがスゴイ!?|北欧メロディック・デスラッシュのカリスマ…必聴アルバムはどれ?

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メロデス/デスラッシュ/メタルコア…世界のエクストリームメタルシーンの新基準を生み出した北欧メロディック・デスラッシュのレジェンド!

AT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)はデビュー当初からメロディの導入やプログレ的なアプローチを積極的に行っていたことで、北欧デスメタルシーンでも先鋭的リスナーの注目を集めていました。

プログレ路線よりもデスメタルにメロディとエモーションを導入するメソッドを追求する道を選ぶことになりますが、ギターソロや部分的なフレーズの導入に頼った既存のメロディ導入方法ではなく、DARK TRANQUILLITY(ダーク・トランキュリティ)が開発した短いメロディをリフとして利用する“メロリフ”スタイルを発展させ、メロディを刻んでリフ化することで情感/哀感を演出する“泣きリフ”・“エモリフ”とでも呼ぶべきスタイルを生み出します。

活動期間は短かったものの、そのサウンドは北欧メロディックデスメタル/デスラッシュのひとつの定型となっただけではなく、休眠中には米国をはじめとしたメタルコアなどの新世代クロスオーバーバンドのネタ元として大いに活用され、知らずにそれらの曲を聴いた本人たちが「AT THE GATESにこんな曲あった!?」と驚いたという笑い話も生まれたほどです。

1996年に解散しますが、中心メンバーでTHE HAUNTED(ホーンテッド)を立ち上げ、CROWN OF THORNS(クラウン・オブ・ソーンズ)から改名したTHE CROWN(クラウン)とともに、北欧のネオスラッシュ/ネオデスラッシュをリードする存在となります。

2010年には再結成を果たし新作もリリースして活動継続中。

The Red in the Sky Is Ours|ザ・レッド・イン・ザ・スカイ・イズ・アワーズ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1992)

記念すべき1stで聴けるサウンドは、メロディパートはいくらか導入してはいるものの、後にイエテボリ名物の座に上り詰めることになるメロディックデスラッシュとは全く異なったもの。

プログレ的な凝った構成と複雑な展開を持ったテクニカルデスラッシュといったサウンドで、ゴシックにも通じる欧州的な耽美エッセンスを導入していたことで耽美派デスラッシュとも呼ばれていました。
この作品に限って、ゲストメンバーによりバイオリンをもフィーチャーしています。

魅力的な楽曲もあるりますし、そうでない曲にも耳に残るフレーズなど光る部分は見られるのですが、曲単位での出来不出来の差が激しい…というか突出した楽曲が少ないのが弱点で、ややアイデアと才能を持て余して無駄遣いしている印象を受けます。

それでも、共通するコンセプトを持っていたEDGE OF SANITYAMORPHISSENTENCEDら同世代の、プレメロデス時代のサウンドの中では頭ひとつ以上は飛び抜けたセンスを感じさせるものでした。

この路線を突き詰めて、よりフリーキーな要素を押し出した変態的作風にチャレンジしても面白かったかもしれませんが、それではレジェンド扱いされるような存在にはなれなかったでしょうね。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★★☆☆☆
賛否両論 通好み 実験作

With Fear I Kiss the Burning Darkness|ウィズ・フィアー・アイ・キス・ザ・バーニング・ダークネス

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オリジナルアルバム – 2作目 (1993)

北欧デスシーンに一石を投じたデビュー作と、メロディックデスラッシュを確立してブレイクスルーとなる次作をつなぐアルバムで、それは前作からよりメロディをフィーチャーした作風にも確かに反映されています。
これは、リアルタイムでは着実な進化の一歩でしたが、現在の視点では過渡期の中庸な作風というイメージが強くなり、結果的にこの前後のアルバム双方の熱心な支持者から微妙な距離を置かれているようです。

ややストレートな作風になったものの、プログレ的な作風とメロディの導入の組み合わせという方向性は前作同様ですが、残念ながらそれが化学反応を起こすには至っていません。

後にメロデス黎明期を支えるバンドのプレメロデス時代の作品からは、デスメタルへのメロディ導入が過ぎることに対する後ろめたさのような遠慮も感じられ、それが払拭されるにはやはりDARK TRANQUILLITYの登場を待たなければいけませんでした。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★★★☆☆
通好み スルメ盤 実験作

Terminal Spirit Disease|ターミナル・スピリット・ディジーズ

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コンピレーション – 新録+ライヴ (1994)

バンドとムーヴメント両方のブレイクスルーとなる、次作Slaughter of the Soulに先駆けてリリースされたミニアルバム。
次作で聴ける彼らのメロディックデスラッシュはこの時点でほぼ完成を見せており、収録曲も重ならないので黄金期のサウンドを聴くなら合わせて持っておきたい1枚。

総合評価:★★★★★|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 スルメ盤 実験作

Slaughter of the Soul|スローター・オブ・ザ・ソウル

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オリジナルアルバム – 3作目 (1995)

とりあえず、今に至るメロディックデスメタル/デスラッシュの原点のひとつにしてその歴史に残る1枚であり、リアルタイムそのサウンドを体験していないリスナーでも、それらのジャンルを深堀したり一家言持とうとするなら、最低限聴いておくべきアルバムというほか言葉はありません。

総合評価:★★★★★|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤

At War with Reality|アット・ウォー・ウィズ・リアリティ

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オリジナルアルバム – 4作目 (2014)

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
入門盤

解散後パーマネントな活動をTHE HAUNTEDに移していた彼らですが、そこでのポストメタルアプローチの不評による低迷や、彼らにヒントを得たメロデスインスパイア系のメタルコアの登場による再評価が重なってか、ついにリユニオンを経て復活作をドロップすることになります。

基本的には、歴史的名盤のSlaughter of the Soulを踏襲したもので、それにシビれて彼らのファンになったリスナーなら感涙ものでしょう。

ただ、CARCASSの再結成アルバムにも見られたことですが、黄金期の作品と当時のリスナーを意識しすぎたためにそのマイナーチェンジ程度の作りになっているので、リフやフレーズのリサイクルが気になったり新しい試みが見られないことを不満に感じるような、先鋭的なリスナーにとっては不満の残る仕上がりでしょう。

それでも、クオリティについては高いレベルにあるので聴いて損のない作品ではありますし、オリジンたる自分たちの実績を新世代のリスナーに知らしめるために必要だった1枚なのかもしれません。そういう意味では再結成の挨拶代わりという役割は十二分に果たせていますが、それ以上でないのもまた確かです。

To Drink from the Night Itself|トゥ・ドリンク・フロム・ザ・ナイト・イットセルフ

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オリジナルアルバム – 5作目 (2018)

前作に引き続き、ほぼSlaughter of the Soulのセルフコピーに近く、そしてその域には至っていない作品ですが、むしろそれを期待する向きも多いと思われるので、そういったリスナーが納得できる水準には達しているかもしれません。

確かにSlaughter of the SoulAT THE GATESとってのひとつのピークではありますが、それまでの経緯を考えれば決してそこが到達点というわけではなく、もし活動継続していればセルプコピーに止まらず新たな展開を見せていたと考えています。
名刺代わりという意味なら前作だけで十分なハズなんですが、どうもTHE HAUNTEDでのポストメタルアプローチの不評がトラウマになって型にハマっているように思われます。

1stや2ndで試みた作風をブラッシュアップしたり、ビョーラー兄のソロ作での試みを従来のサウンドに落とし込むなど、新機軸を導入しつつラジカル過ぎないアプローチはあったハズで、それが実践できていればもしかするとビョーラー兄の脱退も避けられてかもしれません。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
入門盤

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