Contents
- 1メタリックなグラインドコアからの正統派のデスメタルを経て、ドゥーミィでグルーヴィーなデスメタル・サウンドへと到達した、ブリティッシュ・デスメタルを代表するウォーメタル・バンド!!
- 1...1英国デスメタルの老舗グループ!!
- 1...2大手レーベル所属で日本でもメジャー!?
- 1...3BOLT THROWERはハードコア出身!?
- 1...4女性ベーシストを擁するグループ!?
- 1...5スローでドゥーミィなデスメタル!?
- 1...6BOLT THROWERはウォーメタル!?
- 1...7オリジナルドラマーの死によって解散!?
- 1...8フロントマンによる後継グループも活動中!?
- 1.1BOLT THROWER |DISCOGRAPHY|スタジオアルバム
- 1.1.1In Battle There Is No Law!|イン・バトル・ゼア・イズ・ノー・ロウ
- 1.1.2Realm of Chaos: Slaves to Darkness|レルム・オブ・ケイオス:スレイヴス・トゥ・ダークネス
- 1.1.3War Master|ウォー・マスター:闘将
- 1.1.4The IVth Crusade|ザ・フォース・クルセイド:第四次十字軍遠征
- 1.1.5...for Victory|…フォー・ヴィクトリィ
- 1.1.6Mercenary|マーセナリィ
- 1.1.7Honour - Valour - Pride|ホーナー - ヴォリュアー - プライド
- 1.1.8Those Once Loyal|ゾーズ・ワンス・ロイヤル
- 1.2BOLT THROWER |DISCOGRAPHY|ライヴ/コンピレーション
- 1.2.1The Peel Sessions 1988-90|ザ・ピール・セッション 1988-90
- 1.2.2Who Dares Wins|フー・デアーズ・ウィンズ
- 1.2.3Live War|ライヴ・ウォー
- 1.3MEMORIAM|メモリアム|DISCOGRAPHY
- 1.3.1For the Fallen|フォー・ザ・フォーレン
- 1.3.2The Silent Vigil|ザ・サイレント・ヴィジル
- 1.3.3Requiem for Mankind|レクイエム・フォー・マンカインド
- 1.3.4To the End|トゥー・ジ・エンド
- 1.1BOLT THROWERはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
BOLT THROWER |DISCOGRAPHY|スタジオアルバム
In Battle There Is No Law!|イン・バトル・ゼア・イズ・ノー・ロウ
オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)
まだ、グラインドコアともカテゴライズされていた時代のデビュー・アルバム。
後年とは異なり疾走曲主体の作風ですが、それほどスピードに特化したスタイルではなく、むしろグラインドコアとしてはかなり控えめで、ミッドテンポもこの頃から積極的に織り交ぜた展開を見せています。
曲の長さにしても、1分台の曲などは皆無で、グラインドコアの中では長尺の部類ですし、展開もやや凝っていてギターソロもフィーチャーするなど、すでにこの時点で相当にデスメタル寄りの傾向が見られます。
ハードコア的なローファイな荒々しさは、メタラーにはあまり好まれない要素ですが、全盛期よりも曲調は多彩で、全9曲で30分足らずというコンパクトな構成もあって、キラーチューンこそ無いものの飽きたりダレることなく、最後まで聴ける快作と呼べる出来栄えです。
|グラコア度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Realm of Chaos: Slaves to Darkness|レルム・オブ・ケイオス:スレイヴス・トゥ・ダークネス
オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)
前作ほどではないものの、まだグラインドコア時代の名残を残したスタイルで、ややジャンクな荒い質感を持ったサウンドによって、疾走曲を中心としたデスメタルを展開しています。
一般的に全盛期とみなされる時期とは、かなり毛色の異なるスタイルで、どの時期の作風を好むかで評価は左右されますが、オールドスクールなデスメタルの王道という意味ではこの時期がベストでしょう。
曲調にも多様性があって出来栄えも高水準で、全編通してテンションが落ちませんし、T-08などはオールタイムベスト級の名曲です。
|グラコア度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤
War Master|ウォー・マスター:闘将
オリジナルアルバム – 3作目 (1991年)
次の4thと同時期に日本盤もリリースされ、一応の日本デビューとなったアルバム。
スローパートの割合が上がったものの、1曲まるごとスロ〜ミッドという曲はほとんどなく、大抵はファスト・チューンが曲のベースになっているか、ファスト・パートを多少なりとも織り込んであります。
スロー/ミッド・パートはイントロや間奏に近い扱いが大半で、ファスト・ナンバーに緩急をつけるためのアクセントと考えると、使い方はワンパターンであまり効果を上げていません。
また、UKデスの宿命とも言える、ケレン味に欠いた地味で煮えきれない空気も、以前より強まっています。
それでも、前作と同じ感覚でオールドスクールなサウンドを楽しめる数少ないタイトルですし、デスメタル・ムーヴメントの全盛期を彩る1枚として、無視はできないアルバムでもあります。
また、前作のようなフックの効いたキラーチューンこそ見られませんが、T-08, T-01あたりはそれに次ぐ程度のレベルには仕上げられています。
|グラコア度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤
The IVth Crusade|ザ・フォース・クルセイド:第四次十字軍遠征
オリジナルアルバム – 4作目 (1992年)
前作と併せて、日本デビューを飾ったアルバム。
現在では、本作以降のBOLT THROWER作品を“ドゥーム・デス”あるいは“デス・ドゥーム”とカテゴライズする界隈が見受けられます。
しかし、そもそもドゥームメタル黎明期の“デス・ヴォーカルを用いたドゥームメタル”と、“スローなデスメタル”は、本来は似て非なるものです。
それを理解した上で、「ドゥームデス=スローなデスメタルの総称」として、あくまで便宜的に用いるのを否定はしませんが、あらぬ誤解を招く恐れは留意しておくべきでしょう。
ここで聴けるのは、あくまでも“スローなデスメタル”であって、それ以上のものは創造できてはいません。
あえて言えば、オーケストレーションや演出SEの多用は見られないものの、フレーズや構成でエピックメタル的とも言える大仰さを感じさせることに、成功しているくらいでしょうか。
全体的に消化不良気味ですが、T-01, T-07とアウトロ扱いでインストに近いT-11には、光るものが感じられます。
|グラコア度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★★☆
|エピック度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 賛否両論 スルメ盤 実験作
…for Victory|…フォー・ヴィクトリィ
オリジナルアルバム – 5作目 (1994年)
古巣である『イヤーエイク』在籍時の、最後のアルバム。
前作に続く“ドゥームデス”第2弾とされており、その発展型であるのは確かですが、むしろヘヴィグルーヴ/グルーヴメタルの影響が濃厚と言えます。
その意味では、同年リリースのOBITUARYの隠れた名盤、“World Demise(4th)”に近い印象があります。が、“ヘヴィグルーヴ”そのものへの理解や、それをデスメタルに落とし込むセンスでは、OBITUARYの方が一枚も二枚も上手でした。
楽曲については、おおむね及第点はクリアしており、各曲それぞれを取り出して個別に聴けば悪くないように思えます。
しかし、曲ごとの変化や表情が乏しく、全編通すと単調に流されがちという、根本的な欠点は解消されていません。
そんな中でも、BOLT THROWERのキャリアでも有数の曲といえるT-02の存在は際立っており、これと同クラスの曲があと2曲程度でもあればと惜しまれます。
事実、ハイレベルで個性的なバンドが群雄割拠していた当時のデスメタル・シーンでは、それほどのインパクトを残すことは叶いませんでしたが、その辺りの事情が曖昧になった近年では、再評価の傾向も見られます。
|グラコア度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|エピック度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作
Mercenary|マーセナリィ
オリジナルアルバム – 6作目 (1998年)
古巣『イヤーエイク』から、『メタルブレード』に移籍しての第1弾となる本作は、一般に前作をピークとする下り坂に突入したとされる時期を代表するアルバム。
スロー〜ミッドテンポ主体の、グルーヴを漂わせたデスメタルという基本路線については、ほぼ前作を踏襲したものとなっています。
あえて言えば、ゴシックメタルやメロデスで用いられるメロディックリフの、“ささやかバージョン”といった感じの、地味な叙情性を感じさせるリフワークが前面に出て目につき、音づくりもやや小綺麗な印象です。
T-05あたりは今回の試みの成功例と言えますが、それを含めても変化と多様性に乏しいという欠点は前作以上で、これでは低迷期と呼ばれても否定はできないでしょう。
|グラコア度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤 お布施
Honour – Valour – Pride|ホーナー – ヴォリュアー – プライド
オリジナルアルバム – 7作目 (2001年)
前作に続くBOLT THROWER低迷期のアルバム第二弾。
前作での、やや小綺麗で小ざっぱりとしたサウンドはいくぶん軌道修正されており、それ以前のヘヴィなストロングスタイルに近いものへと回帰しています。
楽曲クオリティも若干底上げされたような印象がありますが、劇的な向上や変化は見られません。T-04あたりがそれなりに健闘している部類と言えるでしょう。
|グラコア度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Those Once Loyal|ゾーズ・ワンス・ロイヤル
オリジナルアルバム – 8作目 (2005年)
現状では事実上のラストアルバムですが、ここにきて見違えたようにグレードを上げており、ミッド〜スロー主体のスタイルへと移行してからに限定すれば、最高の出来栄えと言っていいかもしれません。
ここ数作続く毎度おなじみの“ヘヴィグルーヴ”路線で、地味でケレン味にかける部分も含めて、実のところ、ベーシックな部分ではほとんど変化は見られません。
しかし、あくまでも狭いレンジの範囲内とはいえ、曲の構成やリフワークのパターンなどが比較的多様性に富んだものとなっており、多少なりとも印象に残る曲は大幅に増えています。
ヘヴィグルーヴ時代限定で、ビギナー向けの“ファーストBOLT THROWER”を選ぶなら、その時期の代表作とされる“…for Victory(5th)”よりも、本作の方がオススメと言えるかもしれません。
|グラコア度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|エピック度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 スルメ盤
BOLT THROWER |DISCOGRAPHY|ライヴ/コンピレーション
The Peel Sessions 1988-90|ザ・ピール・セッション 1988-90
コンピレーションアルバム (1991年)
Who Dares Wins|フー・デアーズ・ウィンズ
コンピレーションアルバム (1998年)
Live War|ライヴ・ウォー
ライヴアルバム (2018年)
MEMORIAM|メモリアム|DISCOGRAPHY
BOLT THROWER解散後に、同バンドのフロントマンだった、カール・ウィレッツによって結成されたデスメタル・グループ。
かつてのオリジナル・メンバーはウィレッツのみですが、BOLT THROWERの音楽性と活動を受け継いた、事実上の後継バンドいうべき立ち位置です。
また、“追悼”を意味するバンド名は、その死がBOLT THROWER解散のきっかけともなった、マーティン・カーンズを偲ぶ意味を込めて名付けられたものです。
ウィレッツ以外の顔ぶれは、BOLT THROWERと同じく女性メンバーを擁していた、同郷のクロスオーバー・バンドSACRILEGEのメンバーが中心となっています。
音楽性は、ほぼそのまま末期のBOLT THROWERを踏襲したものながら、新しい血を加えた影響によって多様性が大きく増しており、アップテンポも多用されています。
BOLT THROWERに飽きたリスナーでも、新鮮に聴くことができるスタイルとも言えますし、クオリティ高い水準を維持しています。
For the Fallen|フォー・ザ・フォーレン
オリジナルアルバム – 1作目 (2017年)
The Silent Vigil|ザ・サイレント・ヴィジル
オリジナルアルバム – 2作目 (2018年)
Requiem for Mankind|レクイエム・フォー・マンカインド
オリジナルアルバム – 3作目 (2019年)
To the End|トゥー・ジ・エンド
オリジナルアルバム – 4作目 (2021年)