Contents
- 1サウンドもヴォーカリストも80年代北欧最重量級の様式美ドゥームメタルバンドは、90年代ドゥーム・ムーヴメントでは出遅れるも、“エピック・ドゥーム”のパイオニアとして様式美マニアの期待を一身に背負うカリスマに!!
- 1...1北欧最大?の巨漢フロントマンで有名!?
- 1...280年代の北欧ドゥーム・シーンを代表するバンド!?
- 1...3CANDLEMASSの音楽性は!?
- 1...4CANDLEMASSを表した『エピック・ドゥーム』とは?
- 1...5ドゥームメタル・シーンでの評価は!?
- 1...6度重なる交代の末、初代フロントマンが復帰!?
- 1.1NEMESIS|ネメシス|DISCOGRAPHY
- 1.1.1The Day of Retribution|ザ・デイ・オブ・リトリビューション
- 1.2CANDLEMASS|キャンドルマス|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Epicus Doomicus Metallicus|エピカス・ドゥーミカス・メタリカス
- 1.2.2Nightfall|ナイトフォール
- 1.2.3Ancient Dreams|アンシエント・ドリーム:太古の夢
- 1.2.4Tales of Creation|テイルス・オブ・クリエーション:創生神話
- 1.2.5Chapter VI|チャプター・シックス:第六章
- 1.2.6Dactylis Glomerata|ダクチリス・グロメラータ:暗黒への飛翔
- 1.2.7From the 13th Sun|フロム・ザ・サーティーンズ・サン
- 1.2.8Candlemass|キャンドルマス
- 1.2.9King of the Grey Islands|キング・オブ・ザ・グレイ・アイランズ
- 1.2.10Death Magic Doom|デス・マジック・ドゥーム
- 1.2.11Psalms for the Dead|サルム・フォー・ザ・デッド:葬送詩篇
- 1.2.12The Door to Doom|ザ・ドア・トゥ・ドゥーム
- 1.3ABSTRAKT ALGEBRA(アブストラクト・アルジェブラ)|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Abstrakt Algebra|アブストラクト・アルジェブラ
- 1.4KRUX(クラックス)|DISCOGRAPHY
- 1.4.1Krux|クラックス
- 1.4.2II|トゥ
- 1.4.3III - He Who Sleeps Amongst the Stars|スリー - ヒー・フー・スリープス・アモングスト・ザ・スターズ
- 1.5MEMENTO MORI|ミメント・モリ|DISCOGRAPHY
- 1.5.1Rhymes of Lunacy|リズムス・オブ・ルナシィ
- 1.5.2Life, Death and Other Morbid Tales|ライフ, デス・アンド・アザー・モービッド・テイルズ
- 1.5.3La Danse Macabre|ラ・ダンス・マカブレ
- 1.5.4Songs for the Apocalypse Vol. IV|ソング・フォー・ザ・アポカリプス ヴォリューム・フォー
サウンドもヴォーカリストも80年代北欧最重量級の様式美ドゥームメタルバンドは、90年代ドゥーム・ムーヴメントでは出遅れるも、“エピック・ドゥーム”のパイオニアとして様式美マニアの期待を一身に背負うカリスマに!!
CANDLEMASS(キャンドルマス)は、スウェーデンのヘヴィメタル/ドゥームメタル・グループ。
北欧最大?の巨漢フロントマンで有名!?
CANDLEMASSは、リーフ・エドリング(Leif Edling)を中心として80年代より活動を続ける、ドゥームメタルのプロトタイプとみなされるグループ。
一般には、北欧最重ヴォーカリストと呼ばれた巨漢フロントマン、メサイア・マーコリン(Messiah Marcolin)の存在で知られています。
デビューは1984年ですが、それ以前の1982年からNEMESIS名義で同様のスタイルで活動をスタートしており、一般にはこれもCANDLEMASSのキャリアの一環として扱われています。
80年代の北欧ドゥーム・シーンを代表するバンド!?
CANDLEMASSがアルバム・デビューを果たした1986年は、同郷のEUROPA(ヨーロッパ)がThe Final Countdownで世界的ヒットを飛ばし、北欧=(イコール)ポップで叙情的なオクラシカル・サウンドというイメージも定着していた時期です。
その中でCANDLEMASSは、BLACK SABBATHに影響を受けて、そのヘヴィネスを押し出した“BLACK SABBATHインスパイア”系の暗黒サンドで活動を続けていました。
CANDLEMASSの音楽性は!?
同時期のドゥーム勢の中でCANDLEMASSは、とりわけヘヴィメタル的な様式美と美意識が濃厚な音楽性とスタイルで異彩を放っていました。
英国/欧州系のハードロック/プログレ/ヘヴィメタルに特有の大仰なドラマ性と、アメリカンメタルのそれとは異なる過剰演出が特徴で、サウンドからテーマ性に至るまで、ドゥーム以前に伝統的ヘヴィメタルであるという意識が強く感じされました。
そのため、ドゥームの聖典である第1期BLACK SABBATHだけでなく、80年代的メタルの様式を確立した第2期BLACK SABBATHからも同等以上の影響を受け、それがサウンドにも反映されていました。
CANDLEMASSを表した『エピック・ドゥーム』とは?
近年では、ドゥームメタルも細分化とサブジャンル化が進んでおり、前出したような80年代ドゥーム・バンドの音楽性は、伝統的な“BLACK SABBATHインスパイア”系ということから、『トラディショナル・ドゥーム』と階層的にカテゴライズされています。
それらの中で唯一CANDLEMASSは、前述したようなシーンの中では特異な音楽性もあって、例外的に『エピック・ドゥーム』というラベルが与えられました。
このラベリングは、叙事的なテーマ性の強い、いわゆる『エピック・メタル』ジャンルとの共通するドラマティックな作風と、彼らのデビュー・アルバムのタイトル『Epicus Doomicus Metallicus(エピカス・ドゥーミカス・メタリカス)』とに由来するものです。
現状この『エピック・メタル』というジャンルは、主にCANDLEMASSフォロアーを中心として、80年代様式美系ドゥーム・メタルのグループに対して用いられています。
ドゥームメタル・シーンでの評価は!?
ドゥーム/ストーナー/スラッジの90年代ヘヴィ&ダウナー・ムーヴメントの広がりのなか、特にドゥームの布教者だったCATHEDRALのリー・ドリアンの功績もあって、CANDLEMASSを含む80年代のドゥーム勢にも改めてスポットが当たるようになり、活動も活発化することになります。
しかし、90年代のドゥームメタルは、基本的にエクストリーム・メタルやオルタナティヴ・ロックなどに根ざし、様式化やポップ化進んだヘヴィメタルに対するカウンターという意味合いが強いムーヴメントでした。
そのため、古典的メタル様式を貫くCANDLEMASSは、その中ではさほど注目どの高い存在ではなく、むしろ傍流に近い立ち位置でした。
ところが、時代を経てそれが意味を失ったことと、ドゥームメタルの一般メタルリスナーへの浸透もあって風向きが変わります。
その後は、00年代以降のヘヴィメタル・ブームに逆行するかような、ジャンルの進化の停滞と、その反動である細分化の中で再び注目を集めて人気が高まり、フォロアー・バンドまでも増加しています。
度重なる交代の末、初代フロントマンが復帰!?
CANDLEMASSは、1994年〜1997年と2002年〜2004年に、2度の短期の解散期間がある以外は、比較的コンスタントな活動を続けています。
メンバーについても、最初期と1度目の再結成の時期を除くと基本的にはほぼ固定されていますですが、ヴォーカリストだけは何度となく入れ替わっており、80年代にバンドの顔だったマーコリンも、90年代以降は2005年のセルフタイトル・アルバム1作のみの参加に終わっています。
それ以外では、THERIONやSTORMWINDにも加入経験のあるトーマス・ヴィクストロム、リーフ・エドリングのサイド・プロジェクトのABSTRAKT ALGEBRAやKRUXなどに参加したマッツ・レヴィン、CANDLEMASSフォロアーのSOLITUDE AETURNUSに在籍していたロバート・ロウなどが、フロントマンを務めていました。
現在は、CANDLEMASS初代ヴォーカリストのヨハン・ランキストが復帰。アルバムリリースも含めた活動を行っており、スウェディッシュ・メタル・シーンの重鎮としての地位を確固たるものとしています