★ CARCASS(カーカス)ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|UKデスメタル/グラインドコアのカリスマ…必聴アルバムは?

CARCASS_logo_P ◆ A, B, C

Contents

CARCASS|DISCOGRAPHY

Reek of Putrefaction|腐乱屍臭 / リーク・オブ・ピュートゥリファクション

CARCASS_reek_of_putrefaction

オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)

40分弱で22曲。オーセンティックなグラインドコア以外の何モノでもありません。スカスカな音質と荒々しいサウンドに勢い重視の作風は、まさにハードコア的……というかハードコアマニア好みのサウンドではありますが、ややデスメタルに近い整合感も見られます。

楽曲については、アイデアに光るものが見られる曲もあれば、勢いだけの曲もありといった塩梅で玉石混交ですが、出落ち的な一発ネタで終わっていないのはさすがと言えます。

この「初期衝動の塊のようなサウンドこそが至高!」という性癖の人がいるのも確かですし、実際これはこれでアリではあるのですが、だからといって延々続けられても困るのでコレ1枚で十分でしょう。バンドとしてはまだまだ発展途上であくまで過渡期の作品です。

グラコア度:★★★★★|メタル度:★★☆☆☆|ロッキン度:★★☆☆☆
メロディ度:★☆☆☆☆|スピード:★★★★★|総合評価:★★★★☆

代表作 通好み 実験作

Symphonies of Sickness|真・疫魔交響曲 / シンフォニー・オブ・シックネス

CARCASS_symphonies_of_sickness

オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)

現在とは作風こそ違えど、ヒネクレた楽曲の構成、変則的でテクニカルな要素、メロディックなギターソロなど、これ以降のCARCASS作品の基本となる構成要素がひと通り出そろったアルバム。

曲の長さも1stの2〜3倍(バンド比)のボリュームとなり、「パンク的な初期衝動での勢い一発ではなく、あくまでアイデアと構成で勝負する。」というミュージシャンシップもはっきりと見て取れます。

音楽性はいわゆるデス・グラインドといったところで、デスメタル度合いは全作品中で最も高くなっているため、前作のパンク的チープさを偏愛するマニアはここで離れてしまいます。
しかし、そうでない多くのリスナーにとっては、CARCASSとしてのスタイルが本格的に確立された、初期のグラインドコアスタイルでの到達点ともいえる名盤となります。

グラコア度:★★★★★|メタル度:★★★★☆|ロッキン度:★★☆☆☆
メロディ度:★★☆☆☆|スピード:★★★★★|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

Necroticism – Descanting the Insalubrious|屍体愛好癖 / ネクロティズム – ディスキャンティング・ザ・インサルーブリアス

CARCASS_necroticism_descanting_the_insalubrious

オリジナルアルバム – 3作目 (1991年)

マイケル・アモット加入でツインギターとなったこともあり、“Heartwork”以前では最もメタラー人気の高かった1枚。

単なるデスメタルでもグラインドコアでもなく、ハードコアやスラッシュメタルなどの枠にも縛られない異色のサウンドは、彼らをひときわユニークな存在としていますし、楽曲もアイデア豊かで曲もよく作りこまれていて、一聴してCARCASSとわかる強烈なオリジナリティにあふれています。

音楽的な試みはとしてはある程度成功しており、当時の感覚ではかなり聴きやすい仕上がりなのも確かですが、展開の妙でミッドテンポ主体の曲をじっくり聴かせるスタイルということもあり、どちらかというと通好みな“スルメ系”で万人向けとは言いかねます。
また、UKエクストリームバンドが真面目に作品を作る時に顔を出しがちな、突き抜けきれない“煮えきれなさ”が足を引っ張っている面もあります。

そのため、デスメタル本来のエクストリームな魅力では前作に、ケレン味や完成度においては次作にあと一歩及びません。そんな中で、T-05は次作につながるキャッチーな名曲です。

グラコア度:★★★☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
メロディ度:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Heartwork|ハートワーク

CARACASS_heartwork

オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)

オーソドックスなヘヴィメタル/ハードロックのエッセンスを振りかけ、さらに大胆にメロディを強調したことで、楽曲のフックやケレン味が段違いに増したCARCASSのブレイク作品。

メタル業界がメロデスを新ムーヴメントとして盛り上げようとしていた時期リリースというタイミングと、マイケル・アモット(Gt.)の影響によるベタなメタル的分かりやすさがアピールしたことも相まって、日本でもデスメタルとしては異例の大ヒットとなりました。

メロディ要素の強いデスメタルではありますが、ベースとなるスタイルは前作までを踏襲しており、メロディはあくまで一要素として用いているのも従来通りなので、いわゆる“メロデス”(=スウェディシュ・スタイルのメロディックデスメタル)とは全く異なります。
あくまで、タイトルチューンのT-05が異色曲というだけで、「メロデスの最高峰」などという的外れのアオリを意識しすぎるとアルバム全体を捉え損ねます。

これも評価の分かれる作品で、特にオールドファンからは不評気味ですが、完成度自体は文句なし。マイケル・アモットもここでは役割をわきまえているため、その存在が効果的にはたらいています。

グラコア度:★★☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★★☆☆
メロディ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

The Heartwork E.P.|ハートワークEP

CARCASS_The_Heartwork_EP

ミニアルバム:EP (1994年)

“Heartwork(4th)”アルバムのタイトルトラックに、アルバム未収録の2曲を加えたEP。

特筆すべきはT-03『Rot’n’Roll』。そのロックンロール色の強い作風は次作“Swansong(5th)”の作風を予感させるもので、オールタイムベスト入りは確実の名曲です。

日本盤は、“Necroticism〜(3rd)”からのシングル“Tools of the Trade”とのカップリングなので、値付けに差がなければこちらがオススメです。

グラコア度:★★☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★★☆☆
メロディ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

Swansong|スワン・ソング

CARCASS_Swansong

オリジナルアルバム – 5作目 (1996年)

黄金期のメンバーが抜け解散が決まった状況でリリースされた作品で、前作を上回る問題作として賛否両論なのがこのアルバム。

前作からのEPに収録された『Rot’n’Roll』にその予兆はありましたが、ヘヴィメタリックなハード・ロックンロールといったスタイルに変貌を遂げています。

その結果、T-01, T-03, T-08, T-10といったアンセムをも含む力作にもかかわらず、初期のグラインドコア路線の支持者だけでなく、前作から入ってきたメロデスファンにまで総スカンを食らうことになります。

とはいえ、個性的なセンスは相変わらずですし、派手さはないものの名盤と呼べる出来栄えです。また、のちにデッスンロール(デスロール)の元祖的な作品としても再評価を受けることになります。

グラコア度:☆☆☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★★★★
メロディ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

Surgical Steel|サージカル・スティール

CARCASS_surgical_steel

オリジナルアルバム – 6作目 (2013年)

リユニオンには参加したものの、歌姫商法で人気爆発のARCH ENEMYがウハウハでこちらまで手が回らなかった、マイケル・アモットを除くメンバーが集結した再結成アルバム。

ザックリいえば、“HeartWork(4th)”と“SwanSong(5th)”を足したような作風で、意外性や新鮮味については皆無ではあるものの、多くのファンに求められているものを高品質/高品位で形にした作品です。

CARCASSの作品と考えると、あまりにも“置きに行った”感の強い作風に不満が残ることは否めないとはいえ、再結成の名刺代わりという意味では申し分のない完成度の一枚。

“HeartWork”でブレイクした頃には、「この名作は全てマイケル・アモットの功績」などとズレたことを言うリスナーもいましたが、音楽性も完成度も基本は従来のメンバーによるものだということを、ハッキリと証明できただけでも価値があったと言えるでしょう。

グラコア度:★★☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★★☆☆
メロディ度:★★★★☆|スピード:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論

Despicable|デスピカブル:鬼メスの刃(キメスノヤイバ)

CARCASS_Despicable

ミニアルバム:EP (2020年)

“Torn Arteries(7th)”からの4曲入り先行EPで、T-03『Under the Scalpel Blade』以外はアルバム未収録。
スロー&ファストが混在するT-01は及第点ですが、総じてアルバムへの期待がふくらむどころか、むしろ不安だけが募る出来栄え。界隈でも、人気漫画/アニメをもじった邦題のダサさだけが話題になっていました。

邦題はミュージシャン『掟ポルシェ』のアイデアとのことですが、クレバーで知られる人物にしては致命的な大ハズし。確かに、ふざけた邦題は往年のCARCASS名物ではあるのですが、その方向性を完全に誤解しています。

日本盤ボーナストラックは無しなので、安く手に入るなら輸入盤で十分でしょう。

グラコア度:★★☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★☆☆☆
メロディ度:★★☆☆☆|スピード:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

Torn Arteries|トーン・アーテリーズ

CARCASS_Torn_Arteries

オリジナルアルバム – 7作目 (2021年)

先行EP『DESPICABLE:鬼メスの刃』の邦題があまりに不評だったのか、アルバムタイトルについては原題そのままでのリリースとなった8年ぶりの新作。

本作も、前作“Surgical Steel(6th)”と同様の過去の集大成的な作風ですが、キャッチーなフックやギターソロを含めたメロディを強調した前作とは異なり、変則的な凝った構成で曲をもたせる手法でじっくり聴かせるアルバム。その意味では“Necroticism〜(3rd)”を想起させる側面が強まっています。

解散以前のように新作の度に独自の新機軸を導入し、新鮮なサプライズを与えてシーンをリードするような展開は、今後も期待できないかもしれません。
とはいえ、大きく拡大したシーンの中でも一聴してソレとわかる個性や、類を見ない独自路線を確立しているのは確かなので、高い水準さえ維持できるのならば、ソレはソレでと割り切ることもできなくはありません。

その意味では、本作は一応ボーダー越えは果たせています。…が、欲を言えば、キャッチーなキラーチューンで勝負するつもりはないにしても、もうひとつふたつ強烈なヒキやヒネリが欲しいところです。

グラコア度:★★☆☆☆|メタル度:★★★★★|ロッキン度:★★☆☆☆
メロディ度:★★☆☆☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤
◎ CARCASSはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!

メイン記事でも触れたようにCARCASSはアルバムごとに作風が大きく変わるので、自分の好みに合ったものを選部必要があります。
ストレートな王道デス/グラインドなら“Symphonies of Sickness:真・疫魔交響曲(2nd)”、彼らのアクの強い個性と美麗なメロディが調和した作風なら代表作の“Heartwork(4th)”、オーソドックスなヘヴィロックならドライヴィンな元祖デッスンロール“Swansong(5th)”…、お好みのスタイルで選びましょう。
2ndが気に入ったらよりプリミティヴな“Reek of Putrefaction:腐乱屍臭(1st)”、4th, 5thにハマったら“Surgical Steel(6th)”に進むといいでしょう。“Necroticism:屍体愛好癖(3rd)”は一時期は代表作とされていましたが、やや通好みなつくりで好みは分かれます。

次ページはCARCASS関連バンド『BLACKSTAR』『FIREBIRD』を紹介!!▼リンクはページ下!▼

Translate »