Contents
- 1ファンタジーが題材の世界観と、アメリカナイズで奇形化したドゥーミィな異形のUKヘヴィサウンドで、エピック・メタルの先駆者として再評価進行中の、メタル黎明期が生んだアメリカン・カルト・メタルの頂点!!
- 1...1ファンタジーの小説をテーマにしたバンド!!
- 1...2CIRITH UNGOLが属するジャンル『エピックメタル』とは!?
- 1...3CIRITH UNGOLは『エピックメタル』の老舗!?
- 1...4メタルシーンの裏街道を行くカルトバンド!?
- 1...5『エピックメタル』再評価でスポットライトが当たる!?
- 1...6CIRITH UNGOLはドゥームメタルでもある!?
- 1.1CIRITH UNGOL|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Frost and Fire|フロスト・アンド・ファイア
- 1.1.2King of the Dead|キング・オブ・ザ・デッド
- 1.1.3One Foot in Hell|ワン・フット・イン・ヘル
- 1.1.4Paradise Lost|パラダイス・ロスト
- 1.1.5Servants of Chaos|サーヴァンツ・オブ・ケイオス
- 1.1.6I'm Alive|アイム・アライヴ
- 1.1.7Forever Black|フォーエヴァー・ブラック
ファンタジーが題材の世界観と、アメリカナイズで奇形化したドゥーミィな異形のUKヘヴィサウンドで、エピック・メタルの先駆者として再評価進行中の、メタル黎明期が生んだアメリカン・カルト・メタルの頂点!!
CIRITH UNGOL(キリス・ウンゴル)は、アメリカ合衆国カリフォルニアを拠点とした、ヘヴィメタル/ハードロック・バンド。
ファンタジーの小説をテーマにしたバンド!!
CIRITH UNGOLのバンド名は、『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』に登場する地名に由来ししています。
また、ジャケット・アートに米国のSF/ファンタジー作家マイケル・ムーアコックの作品、『エルリック・サーガ』のペーパーバックの表紙を元にしているほか、歌詞のについても主にヒロイック・ファンタジーをメインテーマとして取り上げています。
これらの特徴からCIRITH UNGOLは、いわゆる『エピックメタル』ジャンルに属するグループと見なされています。
CIRITH UNGOLが属するジャンル『エピックメタル』とは!?
『エピックメタル』とは、ファンタジーやSFを中心に、神話/伝記, 歴史/戦記など、ヒロイックで叙事的(エピック)な歌詞や世界観をバンドのコンセプト/テーマとした、ヘヴィメタルを指すサブジャンル名。
本来、特定の音楽性/スタイルを指すものではありませんが、それらのコンセプトに沿ったドラマティックなSEや装飾的なパート、 ナレーションなど音楽的な演出を用いるケースが目立ち、またバンドによっては、テーマに沿った衣装などのビジュアル展開や、ステージ演出も大きな特徴となっています。
代表的存在として知られるグループには、MANOWARを筆頭にMANILLA ROAD, CIRITH UNGOL, THOR, HEAVY LOAD, VIRGIN STEELEなどが挙げられます。
このジャンル名は、デビュー当時に自ら『エピックメタル』を標榜したMANILLA ROADが、発案者とされていますが、一般にまで広く知られるようになったのは、近年のヘヴィメタル・サブジャンルの細分化と再編成の中でのことです。
CIRITH UNGOLは『エピックメタル』の老舗!?
CIRITH UNGOLは、『エピックメタル』ジャンルの中でも、同郷のMANILLA ROAD(マニラ・ロード)、ドイツのFAITHFUL BREATH(フェイスフル・ブレス)、カナダのTHOR(ソー)、スウェーデンのHEAVY LOAD(ヘヴィ・ロード)などと並んで70年代からのキャリアを持ち、このジャンルのパイオニア的存在とみなされているバンドのひとつです。
なお、この『エピックメタル』が明確なジャンルとして認知されるようになったのは近年ですが、80年代から現代ファンタジー/SFの本場米国で、MANOWARをフラッグシップとして一定のシェアを持っていました。
また、一部のブリティッシュ・ヘヴィメタルや、HELLOWEENやBLIND GUARDIANなどのジャーマン・メロディック・パワーメタルを経由して、ヨーロッパ各地にもシーンを生み出してきました。
メタルシーンの裏街道を行くカルトバンド!?
これらの80年代『エピックメタル』バンドの多くは、長年に渡って“時代の徒花”的なB級メタルの代名詞として扱われ、ヘヴィメタルのメインストリームや最先端モードの影となって存在していました。
CIRITH UNGOLも例外ではなく、アメリカではグラムメタル、スラッシュメタル、グルーヴメタルの裏街道を歩くことを余儀なくされただけではなく、『エピックメタル』ジャンルのフラッグシップの座はMANOWARや欧州メロパワ勢に奪われ、欧州直系の伝統と美意識重視や技巧第一主義の傾向にある日本では、語るに値しない存在と黙殺されていました。
『エピックメタル』再評価でスポットライトが当たる!?
近年、インターネット時代によるコンテンツへのアクセスの簡易化、マーケティングによるジャンルの細分化とタコツボ化の中で、多くの歴史の狭間に消えたグループが再び脚光を浴びています。
この結果、既に解散し長年にわたって姿を消していたバンドが、再結成や新作リリースにまで至るケースもありましたが、CIRITH UNGOLも同様です。
さらには、そこに、中世コスプレメタルなど、エンタメ・コンセプトのビジュアル系エピックメタルが、それなりの注目を集めるという流れも加わり、CIRITH UNGOLも“エピックメタルのジャンルのパイオニア”の称号を与えられ、一部のリスナーからの再評価が進行するようにもなります。
1992年以降解散状態にあったCIRITH UNGOLですがが、これらの動きにより、00年代のベストアルバムのリリースを経て、2015年にはついに再結成を果たし新作もリリース。現在も活動は継続中です。
CIRITH UNGOLはドゥームメタルでもある!?
CIRITH UNGOLの基本的な音楽性は、ブリティッシュ・ハードロック/ヘヴィメタルやNWOBHMをアメリカン・テイストにローカライズしたものです。
そのため、CIRITH UNGOLの音楽的ルーツにはBLACK SABBATHの存在もあり、その影響によって生じたダークでヘヴィな側面は、SAINT VITUS(セイント・ヴァイタス)やPENTAGRAM(ペンタグラム)などにも通じるもの見られました。
そのため、それらのグループと同じように、ドゥームメタルのプロトタイプとして語られることもあります。