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★ CRO-MAGS(クロ・マグス) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|クリシュナ神を信奉するストレートエッジな80年代NYクロスオーバースラッシュの筆頭格!!…必聴アルバムは?

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CRO-MAGS|DISCOGRAPHY

The Age of Quarrel|ジ・エイジ・オブ・クゥオーラル

CRO-MAGS_The_Age_of_Quarrel

オリジナルアルバム – 1作目 (1986年)

多くのクロスオーバー・バンドのデビュー・アルバムと同様に、この時点ではメタリックではあるもののハードコア・テイストが勝るスタイルで、曲も比較的短くコンパクトなものです。

ニューヨーク・ストロング・スタイルの、ひとつの典型例とも呼べるサウンドですが、初期衝動一直線のスピードと勢いだけのものではなく、キャッチーなフックと押し引きを心得た巧みな構成を見せています。

その音楽性から、特にハードコア・ファンからの人気の高いアルバムです。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★★
|メタル度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Best Wishes|ベスト・ウィッシズ

CRO-MAGS_Best_Wishes

オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)

多くのクロスオーバー・バンドのセカンド・アルバムと同様に、スラッシュメタル/ヘヴィメタルのテイストが大幅に強化された作品。
その中でも、名曲T-05やT-06といったあたりは、パワーメタルや古典的なヘヴィメタル呼んでも一向に差し支えない仕上がりです。

曲も全体的に長めになって、5分超の曲も見られるようになっており、反比例して曲数は半数程度に収まっています。また、本作では、ジョン・ジョセフは不参加で、フラナガンがヴォーカルを取っています。

初めてジャケットにヒンドゥー教の神『ナラシンハ』のアートワークが起用されていますが、これは当時ジョン・ジョセフの影響でクリシュナイズムに傾倒していた、フラナガンの意向によるものです。

|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|メタル度:★★★★☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Alpha Omega|アルファ・オメガ

CRO-MAGS_Alpha_Omega

オリジナルアルバム – 3作目 (1992年)

多くのクロスオーバー・バンドのこの時期のアルバムと同様に、グルーヴメタルのヘヴィグルーヴ、ミクスチャー・ロックのファンキーなリズムやラップ風のパーカッシヴなヴォーカル・スタイルが導入されたアルバム。

そして、やはり多くのクロスオーバー・バンドの同様のスタイルの作品と同じく、一般的にオールド・ファンからの支持率はかんばしいものではありません。

しかし、その風聞に反してその完成度は極めて高く、代表作とされてる初期の作品にも一切劣るものではありません。変化に富んだ楽曲はおおむね高水準に練り上げられており、ここでしか聴けない魅力もあります。

出戻りとなったジョン・ジョセフの歌唱も驚くほどに表現力とその幅を増しており、時にペーター・スティールやキース・カピュートのようなディープ・ヴォイスも聴かせ、楽曲の表情を豊かにして多様性を高めることに貢献しています。

曲調については、急展開を見せる長尺曲が多く、素直に没入して楽しみづらいあたりは、確かに好みの分かれる面はあります。
とはいえ、T-01, T-06, T-08などは前作のファンでも楽しめそうな作風ですし、そのT-09の後半になだれ込むジャムセッションも聴き応え十分で実力者ぶりを発揮しています。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|メタル度:★★★★☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Near Death Experience|ニア・デス・エクスペリエンス

CRO-MAGS_Near_Death_Experience

オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)

2nd以来のヒンドゥー神ジャケットですが、中身まで2nd路線に回帰したわけではなく、前作の延長線上にあるサウンド。
ただし、曲は前作よりもコンパクトで短めとなっており、T-03, T-04, T-06といったファスト・チューンの佳曲も聴くことができます。

当時は、NYHCシーンでもBIOHAZARDらの新鋭がシーンを更新していた変革期で、80年代のクロスオーバー勢もSUICIDAL TENDENCIESがサイド・プロジェクトのINFECTIOUS GROOVESの方に力を入れたり、CRUMBSUCKERSがPRO-PAINへと改名してより現代的なサウンドを追求したりと、次の時代を見据えたアクションが見られました。

それらの試みや、実験的とも表現できた前作と比較してしまうと、本作のアプローチからは行き詰まりと迷走感を拭うことができません。

本格的なラップコアやグランジ風のヘヴィロックは一応の新機軸とも呼べるものであり、中でもジョン・ジョセフの歌唱も相まってDANZIGを想起させるT-08には可能性も感じられますが、これらもオールド・ファンに受けのよいものとは言いかねます。

|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|メタル度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Hard Times in an Age of Quarrel|ハード・タイム・イン・アン・オブ・クゥオーラル

CRO-MAGS_Hard_Times_in_an_Age_of_Quarrel

ライヴアルバム (1994年)

Before the Quarrel|ビフォア・ザ・クゥオーラル

CRO-MAGS_Before_the_Quarrel

初期音源コンピレーション (2000年)

Revenge|リヴェンジ

CRO-MAGS_Revenge

オリジナルアルバム – 5作目 (2000年)

ハードコアに回帰したという、触れ込みもあった復活作。それは一面では間違いではなく、確かに数曲においてはデビュー当初に近い雰囲気も味わえます。
しかし、アルバムの大半を占めるのは、当時再結成して人気を集めていたMISFITSの影響下にある、パッキッシュでロッキンなナンバー。

これは、80年代クロスオーバー・バンドのこの時期の作品にはよく見られた、90年代中盤からのメロディック・ハードコア/ポップ・パンク・ブームの流れをくむアプローチの一環です。

そこに自分たちなりの味付けも加えつつ、及第点レベルに仕上げてはありますが、オールドファンにとっては90年代の迷走期とされるアルバムと大差ないことでしょう。

本作はフラナガン体制で、ジョン・ジョセフとマッキー・ジェイソンは不参加。もしジョン・ジョセフがヴォーカルをとっていたら、その歌唱スタイルからMISFITSそのものになってしまっていた恐れもあります。

|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|メタル度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 実験作

Twenty Years of Quarrel and Greatest Hits|トゥウェンティ・イヤーズ・オブ・クゥオーラル・アンド・グレーテスト・ヒッツ

CRO-MAGS_Twenty_Years_of_Quarrel_and_Greatest_Hits

ベストアルバム (2006年)

In the Beginning|イン・ザ・ビギニング

CRO-MAGS_In_the_Beginning

オリジナルアルバム – 6作目 (2020年)

CRO-MAGSは前作リリース後に再び解散。それ以降というもの、ジョン・ジョセフ&マッキー・ジェイソン体制のCRO-MAGSが、ライヴを中心に10年間にわたって活動を続けていました。
本作は、フラナガンが訴訟によってジョン&マッキーから名義を勝ち取って、再結成した新生CRO-MAGSのアルバムとなります。

音楽性は、本格的に黄金期のアグレッシヴなクロスオーバー・サウンドを意識したスタイルで、そこに現代的なアレンジを加えたといった塩梅です。

ここでも、パンキッシュでロッキンなテイストは強めですが、今回はMISFITSではなくMOTORHEADテイスト。
それを、その発展系でもあるクラストコアを経由させて取り込むことで、前回のような“原型そのまま”なスタイルに陥ることは回避されています

もうひとつの新機軸は、一部のポストハードコア系にも見られるゴシックテイスト。
プログレ的ともいえるアトモスフェリックなインストのT-11や、ゴシックメタル風のT-12などはその最たるもので、T-08ではゴス&ロール風サウンドも聴かせますが、全体的に見ればアクセント程度にとどまっています。

この時期において斬新と言える要素は皆無とはいえ、かつてのストロング・スタイルなメタリック・ハードコアの懐古的な焼き直しに止まらないアレンジとしては、理想的…というのは言い過ぎとしても上々の出来栄えではあります。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★☆
|メタル度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作
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