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★ CYNIC(シニック) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|フロリダデスメタルシーンが生んだ突然変異!ジャズ/フュージョンをベースにしたテクニカルプログレッシヴメタルの最高峰!!…必聴アルバムは? 

CYNIC_logo ◆ A, B, C
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Contents

CYNIC|DISCOGRAPHY

Focus|フォーカス

CYNIC_Focus

オリジナルアルバム – 1作目 (1993年)

ジャズ…中でも主にフュージョン・スタイルのテクニカルな演奏と、ある種サイケデリックとも表現可能な浮遊感に満ちたスペーシーでマシーナリーなサウンド。
このふたつの特徴を主軸として、スラッシュメタル/デスメタル由来のサウンドに落とし込んだのが、このCYNICのデビュー作で、フルレンスのアルバムとしては最もアグレッシヴなサウンドを聴かせます。

ディストーション・サウンドとデスヴォーカルを主体としたスタイルに、クリーン・ヴォーカルを織り交ぜ、そこに浮遊感のあるメロウなメロディが大きくフィーチャーされた作風は、テクニカルデス/プログレメタル文脈としてはもちろんのこと、メロディック・デスメタルのプロトタイプのいち形態を提示したものとしても語られていました。

今でこそ伝説的名盤とて殿堂入りしていますが、当時のメタル界隈では、プログレメタル/デスメタル何のシーンにおいても、どちらかというとマニアックで通好みポジションに置かれた作品でした。
本作が一般層にまで本格的に認められるには、一般ロックシーンでのジャズ/ジャズロック再評価と、MESHUGGAHらのブレイクによる、ジャジーメタル/メタリック・フュージョンの認知を待たねばなりません。

|デスメタ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|ジャジー度:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

フォーカス/CD/APCY-8144

Focus
ハードロック¥1,324シニック

Traced in Air|トレースド・イン・エア

CYNIC_Traced_in_Air

オリジナルアルバム – 2作目 (2008年)

一応は、前作を踏襲したと言って差し支えない音楽性ですが、デスメタルの名残をとどめているのは、クリーンヴォーカルと掛け合いで用いられるデスヴォーカル程度。
それさえも、前作とは割合が完全に逆転してクリーンヴォーカルがメインとなっており、役割的には脇に回っています。
トータルで見ても、テクニカルな演奏と同じぐらいのウェイトが、メランコリックでメロディと歌にも置かれた、“歌ものプログレ”といった風情の作風へと変化しています。

一方で、前作で大きな持ち味となっていた浮遊感のあるサイケデリアはさらに強化され、リリックもスピリチュアルなイメージを強めています。
これは、1stリリース直後に立ち上げられるも暗礁に乗り上げていた、PORTAL名義のサイドプロジェクトで世に出すことが果たせなかったサウンドを、CYNICスタイルに落とし込んだ結果とも考えられます。

なお、本作からの派生作品として、新録によるリテイクを収めたミニアルバムとリミックスアルバムという、ふたつの別バージョンまでもが後にリリースされています。
それが、バンドの本作への思い入れの深さと自信からくるのか、本作でやり残したことがある消化不良感からくるのかは不明ですが、これ以降の展開を見る限りではおそらく後者のように思われます。

|デスメタ度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|ジャジー度:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

「Traced In Air」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Re-Traced|リ-トレースド

CYNIC_Re_Traced

ミニアルバム:EP (2010年)

Carbon-Based Anatomy|カーボン-ベースド・アナトミィ

CYNIC_Carbon_Based_Anatomy

ミニアルバム:EP (2011年)

The Portal Tapes|ザ・ポータル・テープス

CYNIC_The_Portal_Tapes

コンピレーションアルバム (2012年)

1stリリース後に、マスヴィダルを中心としたCYNICメンバーによる別プロジェクトPORTAL(ポータル)としてレコーディングされるも、リリースが棚上げとなっていた音源がCYNIC名義でようやく日の目を見たアルバム。

お蔵入りするにはあまりにも惜し過ぎる見事な完成度を持ったアルバムで、ここでの試みがCYNICの2nd以降の展開に大きな影響をもたらしたことは確実です。

女性ヴォーカリストによる美麗な歌唱をメインに据えたCYNICとは異なるデスメタル色皆無の作風は、一部のヨーロピアン・ゴシックメタルにも近い感触をもった、仄暗いメランコリックなサウンドに仕上がっています。
特徴的なスペーシーな浮遊感はCYNICと同様ですが、よりきめ細かい質感で、しっとりとしたドリーミィなサイケデリアを漂わせています。

お得意のフュージョン/ジャズ・テイストに加えて、70年代のプログレッシヴ・ロックや、80年代の耽美/ゴシック系ポストパンク/ニューウェイヴのエッセンスもブレンドされた作風は、レコーディング当時はまだマイナーな存在だったPORCUPINE TREEなどにも通じるものであり、同様に、のちに“薄闇系”プログレと称されてブレイクするスタイルの先駆けとも言えるものです。

|デスメタ度:☆☆☆☆☆
|プログレ度:★★★★★
|ジャジー度:★★☆☆
|叙情メロ度:★★★★★
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

「The Portal Tapes」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Kindly Bent to Free Us|カインドリィ・ベント・トゥ・フリー・アス

CYNIC_Kindly_Bent_to_Free_Us

オリジナルアルバム – 3作目 (2014年)

基本的な音楽性についてはほぼ前作と同様と考えて差し支えありませんが、前作の時点でも大きく減退していたデスヴォイスパートは払拭され、完全な脱デスメタルを果たしています。
音楽的には、前作の楽曲をリメイクした『Re-Traced』や『Traced in Air Rimixd』に近いものとなっています。

プログレ的なテクニカル要素については相変わらずですが、そもそもが、テックデス特有のハイテンションな目まぐるしい展開を見せる、変態的/変則的なサウンドが売りというわけでもないため、必然的に、本来の持ち味でもあるスペーシーなメロディとサイケデリアに比重が置かれた作風となっています。

そのため、本作をより堪能には、技巧性に意識を割くよりも、ドリーミーで浮遊感のあるメロディとアトモスフィアに心地よく身を委ねる聴き方の方が、適しているかもしれません。

ただし、メロディラインについてはやや手癖感が漂いがちで、若干頭打ちの印象が感じられるきらいもあります。

|デスメタ度:☆☆☆☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|ジャジー度:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★★★
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Uroboric Forms – The Complete Demo Recordings|ウロボリック・フォームズ – ザ・コンプリート・デモ・レコーディングス

CYNIC_Uroboric_Forms_The_Complete_Demo_Recordings

コンピレーションアルバム (2017年)

アルバムデビュー以前のデモを含む、初期音源を集めたコンピレーションアルバム。
CYNICがまだ完全なデスメタルの体をなしていた頃の、ブルータルなテックデス・サウンドを聴くことができる唯一の作品です。

ジャズ/フュージョンのバックボーンを活かした複雑な展開のテクニカルなデスメタルは、フロリダシーンの盟友チャック・シュルディナーのDEATHを想起させる面もありますが、デモとはいえすでに一線級の完成度を持ち合わせています。

ブレイク後や再結成後のサウンドは心地いいけれど物足りない…とお嘆きの、デスメタル本来のアグレッションとテクニカルなエクストリミティを味わいたいデックデス愛好家ならば必聴でしょう。

|デスメタ度:★★★★★
|プログレ度:★★★☆☆
|ジャジー度:★★☆☆☆
|叙情メロ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

「Uroboric Forms: The Complete Demo Recordings」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Humanoid|ヒューマノイド

CYNIC_Humanoid

シングル (2018年)

Traced in Air Remixd|トレースド・イン・エア・リミックスド

CYNIC_Traced_in_Air_Rimixd

リミックスアルバム (2019年)

Ascension Codes|アスセンション・コーズ

CYNIC_Ascension_Codes

オリジナルアルバム – 4作目 (2021年)

オリジナルメンバーのショーン・レイナートに続いて、ショーン・マローンまでを失ったポール・マスヴィダルが、セッション・ミュージシャンを迎えて完成させたアルバム。

デスメタル要素を排して、スペーシーなメロディとサイケデリアをに重点を置いた、フュージョン風味でポストロック寄りのテクニカルなプログレメタル…という表面的な特徴を見るなら、前作となんら変わりはありません。
しかし、メロディラインやフレージング,展開のパターンが増して、これまでの作品とは印象の異なる部分も目立つようになっており、基本的な作風に変化は無いものの曲調/作風の幅は大きく広がっています。

レイナート不在のCYNICという存在と作風の変化を否定的に捉える向きもあり、オールドファンからの評価は賛否に分かれがちな傾向が見られますが、ひとつ作品として見るならば、前作に漂っていた頭打ち気味なマンネリ感の払拭に成功した、心機一転の会心作と呼べる1枚です。
そこに、バンド体制の変化がどれだけ影響を及ぼしているのかは不明ですが、かつての盟友の不在という不安材料を跳ね返して次につなげるには十分な見事な出来栄えを見せています。

|デスメタ度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★★★★
|ジャジー度:★★★☆☆
|叙情メロ度:★★★★★
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 入門盤 通好み 実験作
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