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★ DANZIG(ダンジグ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|MISFITSのカリスマ・ヴォーカリストが率いるドゥーミィ&ゴシカルなUSカルト・ヘヴィロック・バンド!……必聴のオススメアルバムは?

DANZIG_logo ◆ D, E, F, G
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DANZIG|DISCOGRAPHY

Danzig|ダンジグ

DANZIG_Danzig_I

オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)

この時期にリック・ルービンが『デフ・アメリカン』から送り出した、新世代アメリカンロックの中では、80年代ドゥームの代表格だった〈TROUBLE〉と並んで、もっともヘヴィな1枚だったのがこのアルバム。

ブルーズ,ロックンロール,カントリーなどのルーツミュージックとヘヴィメタル,ハードロックが渾然一体となって、ゴシック的なダークな美意識で味付けされたヘヴィ・ロックンロールに、“邪悪なエルビス”などとも表現されジム・モリソンも彷彿させるグレンのディープな歌声が乗るサウンドは、古くて新しく、どこかにありそうでどこにも無かったワン・アンド・オンリーなものでした。

初期のDANZIGの中でも、特にオーソドックスなメタル/ハードロックに近い本作は、その作風から〈MISFITS〉のパンキッシュなサウンドを期待するリスナーには不評でしたが、90年代に花開くドゥームメタル,USゴシックメタル,デスンロールなどに先鞭をつけた、「早すぎた1枚とも」呼べる重要作で、範囲は狭いものの確実にヘヴィミュージックシーンを侵食してゆき、フォロアーも少なからず生み出しています。

DANZIGとしてのスタイルはこの時点ですでに完成を見ており、アルバムとしても捨て曲なしの充実度で、名盤ぞろいの「デフ・アメリカン」時代の中でも代表作に挙げられることの多い1枚です。
また本作には、数少ないヒットナンバーでアンセム曲でもあるT-06『Mother』や、数々のロックバンドによってカバーされたブルースの名曲カバーT-09『The Hunter(オリジナルはアルバート・キング)』も収録されています。

|メタル度:★★★★☆
|ルーツ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Danzig
ハードロック¥1,069Danzig

Danzig II:lucifuge|ダンジグII:ルシフュージ

DANZIG_Danzig_II_lucifuge

オリジナルアルバム – 2作目 (1990年)

DANZIGのでディスコグラフィー中では、ヘヴィメタルテイストはやや控えめで、最もオーガニックな質感を持つアルバム。

基本的には前作を踏襲したダークなヘヴィロックですが、よりブルーズ,カントリーなどのルーツミュージック色を増してレイドバックした、ブルージーでロッキンな楽曲が目立つ作風となっており、曲によっては、いわゆるゴシック・カントリーの先駆けと呼べそうなものも見られます。

DANZIGがリック・ルービンと組んでいた初期作品は、どれをとっても見事な仕上がりを見せており、本作もまた、前作に引き続いて独創的でフックにあふれた捨て曲無しの必携盤です。

〈エルヴィス・プレスリー〉のカバーアルバムでDANZIGに興味を持ったリスナーが、本格的なDANZIGワールドへの入り口とするなら、本作がイチ押しと言えるでしょう。

|メタル度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★★★
|ロッキン度:★★★★★
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Danzig II: Lucifuge
ハードロック¥1,324Danzig

Danzig III:How the Gods Kill|ダンジグIII:第三の大罪~ハウ・ザ・ゴッズ・キル

DANZIG_Danzig_III_How_the_Gods_Kill

オリジナルアルバム – 3作目 (1992年)

ベーシックな部分では従来のスタイル作風を踏襲しつつも、これまで以上にダーク&ダウナーな色合いを深めており、DANZIGが自身の流儀でドゥーム/ゴシック路線を追求したとも解釈できるアルバムです。

過去作と比較するとヘヴィネス,ダークネス,ディープネス、どれもが大きく増しており、シリアスな圧力に満ちあふれた作品に仕上がっています。

ドラマティシズムとロマンティシズムが増して、やや凝った展開が大仰な印象を与える作風は、前作までのリスナーには評価が分かれるところかもしれませんが、逆に、ドゥームメタル/ゴシックメタル系のクラスタも含むダーク志向のメタルリスナーにとっては、1st以上になじみやすい1枚と言えるかもしれません。

アルバムのアートワークは、多くのメタル/ロックバンドのジャケットを飾り、メタル界隈でも欠かせない存在となったスイスのアーティスト〈H・R・ギーガー〉の手によるもので、数あるギーガージャケットの中でも強烈な印象を残す1枚です。

|メタル度:★★★★☆
|ルーツ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Thrall-Demonsweatlive|スレール – デーモン・スウィートライヴ:背信~ダンジグ・ライヴ

DANZIG_Thrall-Demonsweatlive

ミニアルバム (1993年)

アルバム未発表曲とライヴ音源で構成されたミニアルバム。

2020年にリリースされるプレスリー・カバーアルバム『Danzig Sings Elvis』に先駆けた、エルヴィスのカバー曲『Trouble』も収録されており、DANZIGのエルヴィス・フリークぶりが確認できます。

とはいえ、ここでは後の『Danzig Sings Elvis』とは異なり、かなりヘヴィメタリックなアレンジが施されています。

|メタル度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 通好み

Danzig:4|ダンジグ:4

DANZIG_Danzig_4

オリジナルアルバム – 4作目 (1994年)

名伯楽リック・ルービンと組んで、「デフ・アメリカン」からリリースされた最後のアルバム。
音楽性は、前作『Danzig III:How the Gods Kill(3rd)』で舵を切ったゴシック/ドゥーム路線の流れの上にあり、ミッド〜スローテンポが主体でヘヴィネス重視のダークでドゥーミィな作風は前作同様ですが、よりゴシカルな耽美性が強調された作り込まれた作風となっています。

楽曲バリエーションは豊富で、従来通りのヘヴィなロックンロールやドゥーム寄りのヘヴィ&ダウナーなナンバーから、エモーショナルでメロディアスなヘヴィバラッド、アンビエント風のナンバーまでと、多様性では全カタログ中でもトップに位置する1枚です。

サウンドの質感にについても、前作までのオーガニックなテイストの強い音づくりから、ややマシーナリーで無機質なテイストを漂わせる端正なものへの変化が見られ、また、部分的にはインダストリアル風味のエレクトロニックなサウンド処理も施されています。
このあたりからは、次作からのインダストリアル・メタル展開の予兆も感じさせますが、ここではあくまでも彩り程度に収まっており、デジタル風味が苦手なリスナーでもそれほど抵抗なく聴ける範囲でしょう。

よりドゥーミィによりゴシカルに深化/進化して緻密に作り込まれた重厚なサウンドは、過去作にあった生々しさが薄れたたことで好みが分かれるかもしれませんが、それを差し引いても、総合的に見れば名盤といわざるをえないのは確実です。
粒ぞろいの楽曲が並んだ一分のスキも無い充実作として、有無を言わさぬほどの圧倒的完成度を誇っている事実は揺るぎようがなく、第1期DANZIGの総決算にしてひとつの頂点と言っても過言ではありません。

|モダン度:★★★★☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Danzig 4
ハードロック¥1,324Danzig

Danzig 5:Blackacidevil|ダンジグ 5:ブラック・アシッド・デヴィル

DANZIG_Danzig_5_Black_acid_evil

オリジナルアルバム – 5作目 (1996年)

音楽性をめぐる確執からリック・ルービンの元を離れ、新興レーベル「ハリウッド」へ移籍、さらには、長年の盟友イーリー・フォン(Eerie Von:Ba.)や、チャック・ビスケッツ(Chuck Biscuits:Gt.)ら、これまでのメンバーとも袂を分かってワンマン状態となった作品。

その背景が透けて見えるような、素人の手によるDTPワークが丸わかりなジャケットが物悲しさを漂わせる本作は、グレン・ダンジグ本人のインダストリアルサウンドへの興味と、ソロ状態で思うようにメンバーが集まらなかったことが理由と思われるインダストリアル路線の第一弾で、大いにファンの物議を醸すことになりました。

かように評判はかんばしくないものの、楽曲自体はこれまでの延長線上にあるつくりであり、魅力的な上々の仕上がりを見せています。
しかしDANZIG本来の持ち味と彼が導入したインダストリアルサウンドの相性が壊滅的なまでに悪く、数曲を除いては完全にお互いを相殺したことで印象を落としています。

ヘヴィネスを欠いた上にインダストリアルならではの試みも特に見られず、単なるローファイな打ち込みサウンドに収まっていますし、ヴォーカルも高・中音域メインでエフェクトをかけてあるため、グレン・ダンジグの大きな魅力でもマッシヴでディープな歌声が台無しな上に、高音での線の細さが目立ってしまい良いところがありません。

〈ALICE IN CHAINS〉のギタリストジェリー・カントレルのゲスト参加や、〈BLACK SABBATH〉の名曲『Hand of Doom』のカバーもあまり意味を成していませんが、楽曲の骨子自体は悪くないだけに、ここは是非ともセルフリメイクが待たれるところです。

|モダン度:★★★★☆
|インダス度:★★★★★
|ロッキン度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★☆☆☆☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み 実験作

Danzig 6:66:Satans Child|ダンジグ 6:66:サタンズ・チャイルド

DANZIG_Danzig_666_Satans_Child_a2
オリジナルアルバム – 6作目 (1999年)

前作に続いて、インダストリアル・メタル路線の一環とみなされているアルバム。

ただし、本作はドラムも含めた完全なバンドサウンドに戻っており、サウンドも前作ほどにはデジタル色は濃厚でなく、部分的なデコレーション程度にとどまっています。

前作に見られたダンサブルなナンバーは皆無で、3rdや4thあたりの作風に通じるディープでドゥーミィなヘヴィ・チューンが主体となっており、インダストリアル・ドゥームとでも呼べそうな作風も見られます。

クオリティは決して低いわけではなく、楽曲を個別に聴き込めばそれなりに旨味も感じられるのですが、構成/展開が全体的にシンプルで、ややミニマル気味の楽曲が大半を占めており、過去作のような強烈なフックを持った曲は見られません。

そういった作風に加え、アトモスフェア頼りの傾向が強いこともあって、アルバムを通して見るとやや変化に乏しくボンヤリとした印象があり、リスナーによっては聴き流し系アルバムで終わりかねない危惧もあり、やや聴き込みを要する1枚とも言えます。

|モダン度:★★★★★
|インダス度:★★★☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Live on the Black Hand Side|ライヴ・オン・ザ・ブラック・ハンド・サイド

DANZIG_Live_on_the_Black_Hand_Side

ライヴアルバム (2001年)

Danzig 777:I Luciferi|ダンジグ 777:アイ・ルシフィリ

DANZIG_Danzig_777_I_Luciferi

オリジナルアルバム – 7作目 (2002年)

基本的な音づくりは前作から大きな変化はありませんが、初期の「デフ・アメリカン」在籍時に近いロッキンなテイストも目立つようになり、曲によっては、この時期のマシーナリーなヘヴィサウンドで初期の楽曲を演奏しているような印象もあります。

楽曲の多様性については前作から広がりを見せてはいるものの、なまじ初期に近い作風が目立つために、残念ながら、曲の出来栄えが初期の名曲群に全く及ばないことを実感させる皮肉な結末となりました。

前作同様に、それなりに聴ける内容ではあるものの、初期の名盤と比較すると圧倒的にフックを欠いているという欠点は解消されておらず、あえて言えば、初期の作風とはやや毛色の異なるT-09が印象に残る程度。
凡百のバンドならいざ知らず、DANZIG作品として判断するならギリギリ及第点に届くかどうかで、凡庸な仕上がりと言わざるを得ないでしょう。

|メタル度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Circle of Snakes|サークル・オブ・スネイク

DANZIG_Circle_of_Snakes

オリジナルアルバム – 8作目 (2004年)

〈PRONG〉のトミー・ヴィクターが加わった最初のアルバム。これ以降ヴィクターは、〈PRONG〉や〈MINISTRY〉との掛け持ちながら、パーマネントなメンバーとして参加するようになります。

前作でのロッキンな原点回帰的アプローチは無かったことに…とまではいかないものの、かなり控えめで、再び同時代的なモダンメタル・サウンドのを用いた、ドゥームメタル寄りのスロー〜ミッドテンポ主体の作風となりました。

その意味では、『Danzig 6:66:Satans Child(6th)』に近いアプローチとも言えますが、〈BLACK SABBATH〉風の曲も見られるなど、よりオーソドックスなドゥーム/スラッジやグルーヴメタル/ニューメタルへの接近傾向が目立ちます。
『Danzig 5:Blackacidevil(5th)』以降のインダストリアル路線に括られることもありますが、ヘヴィメタル的なソリッドなサウンドではあるとはいえ、インダストリアル風味は希薄です。

00年代の作品としては、原点回帰風味の前作の方が評価される傾向があるものの、コンセプトの一貫性という点でも、楽曲アベレージにおいても、本作の方がいくらかリードしています。

|モダン度:★★★★★
|インダス度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

通好み スルメ盤 実験作

The Lost Tracks of Danzig|ザ・ロスト・トラック・オブ・ダンジグ

DANZIG_The_Lost_Tracks of_Danzig

レアトラックアルバム (2007年)

「The Lost Tracks of Danzig」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Deth Red Sabaoth|デス・レッド・サバス

DANZIG_Deth_Red_Sabaoth

オリジナルアルバム – 9作目 (2010年)

〈PRONG〉のトミー・ヴィクター(Gt.)に続いて、過去に2度ほど短期での参加経験がある元〈TYPE O NEGATIVE〉のジョニー・ケリー(Dr.)が、パーマネントなメンバーとして加入した最初のアルバム。

前々作『Danzig 777:I Luciferi(7th)』以来の原点回帰路線ですが、申し訳程度の“なんちゃって原点回帰”だった前々作とは異なり、本腰を入れて本格的な原点回帰を目指しています。

ここ数作とは異なるオーガニックな質感を強めた音づくりと、アップテンポなロックンロール・ナンバーも含むルーツアメリカン・テイストを強めた楽曲は、まさに初期3作品を意識した仕上がり。
印象に残るフレーズやリフワーク、メロディが満載のフッキーな作風という点においては後期作品では随一ですし、それだけに佳曲も豊富で、聴き応えは申し分のない充実作と言えます。

とはいえ、全体的にシェイプ不足でツメの甘さが目立ちますし、出来栄えだけを見るならば、さすがに名曲ぞろいで捨て曲なしの初期作品と比較すると見劣りはやむを得ないでしょう。

そんな中で、メロディアスなヘヴィロック・ナンバーT-06は、初期の名曲に比肩しうるキャリア後期では屈指のキラーチューン。
この名曲の存在は大きく、本作の骨子として全体の印象を決定づけるだけでなく、アルバムのグレードを一段も二段も引き上げています。

「デフ・アメリカン」離脱以降のアルバムの中ではでは間違いなくベストの出来栄えであり、初期の名盤には一歩及ばないとはいえ、あえて“キャリア後期の名盤”称号を授けるとするなら本作をおいて他にありません。

|メタル度:★★★★☆
|ルーツ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤

Skeletons|スケルトンズ

DANZIG_Skeletons

カバーアルバム  (2015年)

|メタル度:★★★☆☆
|選  曲:★★★★☆
|アレンジ:★★★★☆
|意外性:★☆☆☆☆
|そのまま度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

通好み スルメ盤

Black Laden Crown|ブラック・レーベル・クラウン

DANZIG_Black_Laden_Crown

オリジナルアルバム – 10作目 (2017年)

|メタル度:★★★★☆
|ルーツ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 通好み スルメ盤

Danzig Sings Elvis|ダンジグ・シングス・エルヴィス

DANZIG_Danzig_Sings_Elvis

トリビュートカバーアルバム (2020年)

|メタル度:★☆☆☆☆
|選  曲:★★★☆☆
|アレンジ:★★☆☆☆
|意外性:★☆☆☆☆
|そのまま度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

通好み スルメ盤
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