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★ DEEP PURPLE(ディープ・パープル) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ヘヴィメタルのプロトタイプを確立させた毀誉褒貶激しいブリティッシュ・ロック・レジェンド!!…必聴アルバムは?

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DEEP PURPLE|DISCOGRAPHY

Shades of Deep Purple|シェイズ・オブ・ディープ・パープル:ハッシュ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1968年) 第1期

便宜的に“第1期”と呼ばれる最初期は、ソリッドなサウンドでスピードメタルの原型を生み出した“第2期”とは大きく異なり、サイケとプログレの間に位置するような、いわゆる“アートロック”系のサウンドを展開しています。

このデビュー作でも、アートロックの代表格であるVANILLA FUDGEやIRON BUTTERFLY、THE MOODY BLUESなども想起させる、サイケテイストを持ったヘヴィロックが聴けます。
ヘヴィネスでは“第2期”以降をも上回り、それと同時に親しみやすいでポップネスと、ダンサブルともいえる躍動感も併せ持ったサウンドです。

曲は、THE BEATLESやJIMI HENDRIXらによるロック・スタンダード曲のカバー/孫カバーが半数を占めていますが、そもそも、この時代のロック・アルバムにはカバー曲が多い傾向もあり、それ自体は特異なものではありません。

また、オリジナルを大胆にアレンジしたカバー曲は、アートロックではよく見られるのマナーのひとでもあり、いずれの曲も独自のアレンジを施して、原曲とは異なる魅力を生み出しています。

中でも本作の邦題にもなっているT-02は、後年にもKULA SHAKERらネオサイケ/ヴィンテージ系を中心とした多数のバンドによって孫カバーされてきた名曲です。

|サイケ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|叙 情 度:★★★☆☆
|ポップネス:★★★★★
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 賛否両論 通好み

The Book of Taliesyn|ザ・ブック・オブ・タリエシン:詩人タリエシンの世界

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オリジナルアルバム – 2作目 (1968年) 第1期

前作と同様に、THE BEATLESをはじめとしたスタンダード・ナンバーをアレンジした、カバー曲の割合が高めのアートロック・アルバム。

ここでは、疾走感すら感じるノリのいいアップテンポなナンバーやパートが目立つようになっており、T-01やT-03あたりのファストパートなどでは、後の金看板となるスピードチューンにも通じるようなテンションの高い展開も見られ、ロック的な躍動感やダイナミクスが感じられます。

そのため、“第1期”作品のとしては、全盛期以降のリスナーにも比較的馴染みやすい1枚といえるかもしれません。

サイケ・テイストについては、純粋にトリッピーなサイケデリアを追求したようなつくり込みは少なく、良くも悪くもこの時代相応のトレンドとしてのサイケ・デコレーションに抑えられているので、ディープなサイケ・サウンドが苦手なリスナーであってもさほど抵抗なく聴けるでしょう。

いずれにせよ、当時においての独自性や存在感こそ薄いものの充実度は高く、作風の好き依頼はあるにせよ、質においては黄金期の名盤に引けを取るものではありません。

|サイケ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|叙 情 度:★★★☆☆
|ポップネス:★★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 賛否両論 通好み

Deep Purple|ディープ・パープル:ディープ・パープル III

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オリジナルアルバム – 3作目 (1969年) 第1期

初期のアートロック路線のラストを飾る本作はオリジナル曲が中心となり、恒例のカバー曲はDONOVANによるT-03のみとなりました。
基本的なアートロック路線に変わりはないものの、良くも悪くも過去作に漂っていたユルさが払拭されて、張り詰めたような緊張感に満ちあふれ、重厚さと同時に繊細さを感じさせる洗練されたサウンドとなっています。

同時に、過去のドリーミーな明るさが薄まって、逆に陰鬱ともいえるダークネスをまとっており、ヘヴィネスについてもキャリア中で最上級といえるほどです。
また、ラストのプログレ風も大作T-08などには、ブラックモアによるとおぼしい中世趣味やネオクラシカル・テイストも感じさせます。

このサウンドは、後のヴィンテージ系ドゥーム/ストーナー/ゴシックメタルの原点のひとつとも呼べるもので、ジャケットアートに、グルーミーなアルバムの定番となったヒエロニムス・ボッシュの絵を用いたことも納得です。

この3rdまでがいわゆる“第1期”の作品で、ヘヴィメタルの延長…あるいはそのルーツとしてDEEP PURPLEを求めるリスナーにはスルーされがちですが、クオリテイはどれも折り紙つきなので、ネオ・サイケ/ストーナー/ヴィンテージロックなどを嗜むリスナーならば、是が非でも押さえておきたいところです。

|サイケ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|スピード:★★☆☆☆
|叙 情 度:★★★☆☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

Deep Purple in Rock|ディープ・パープル・イン・ロック

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オリジナルアルバム – 4作目 (1970年) 第2期

キャリアの黄金期にあたる“第二期”の幕開けを飾り、本格的なブレイクのきっかけともなった、バンドのターニングポイントで初期の代表作でもあるアルバム。
ここで初お目見えとなり今後の彼らの代名詞にもなる、疾走感あふれるスピード・チューンを目玉とした、ハードロック・サウンドへと完全に生まれ変わっています。

これ以降、アルバムあたり1〜2曲のキラーチューンとその他の曲との落差の激しくなり、捨て曲の多さと波が荒さが批判を生みがちなDEEP PURPLEも、ここは上り調子の脂の乗った時期だけあって、アラも無ければスキも無い名盤の名に恥じない充実作に仕上がっています。

一般に名曲とされるのは、ファストなT-01やアートロックの名残を残したプログレ風のT-03ですが、それ以外も、ファストチューンからミッドテンポのヘヴィロックまで、やや地味に思える曲でも聴きどころを備えており、徹頭徹尾水準を下回ることのない出来栄えです。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★★★☆
|叙情度:★★☆☆☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Fireball|ファイアボール

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オリジナルアルバム – 4作目 (1971年) 第2期

キャッチーなスピードチューンを軸にしてアルバムを組み立てる…というマナーが、早速定例化しだしたアルバム。

前後に位置するのが歴史的名盤で代表作だけに、それと比較してしまうと存在感ではあと一歩及ばないものの、スキのないつくりは前作から引き継がれており、やや地味ながらも密度の高い1枚です。

一般的に、定番のスピードチューンT-01以外では、ポップなT-03が代表曲と扱われていますが、むしろプログレ風のT-05からダーク&ドゥーミィなT-06〜T-07と続く後半の流れこそ、聴きどころと言っていいでしょう。

ファストチューンが少なく、前後のアルバムと比較するとややインパクトに欠けるという弱点はあるものの、ヘヴィヴルーヴのミッドチューンやプログレ風など楽曲は多彩で充実しており、アルバムとしての聴き応えは十二分です。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|叙情度:★★☆☆☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Machine Head|マシン・ヘッド

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オリジナルアルバム – 6作目 (1972年) 第2期

T-01, T-05, T-07という、ロック史上に残る名曲が3つもそろったインパクトも手伝い、一般には“in Rock(4th)”と並ぶかそれ以上の代表作とされています。

確かにその3曲はどれも文句なしのキラーチューンで、それだけで名盤認定してもお釣りがくるレベルですが、それ以外を見回すと、アイデアや雰囲気だけは悪くは無いものの、いま一歩作り込みが甘く捨て曲感が漂いますし、焼き直の匂いが強いのもマイナス。

とはいえ、キラーチューンの足を引っ張らない程度には無難に仕上げられており、印象に残らないだけでアルバムのノイズとしてマイナスになるほどではありません。

印象的なアートワークは、ヘヴィメタルとサイケデリックの交差を象徴するようにも見えますが、実際に本作はプロト・ヘヴィメタルの1枚とも見なされるアルバムです。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|叙情度:★★☆☆☆
|ポップネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Made in Japan|メイド・イン・ジャパン:ライヴ・イン・ジャパン

DEEP_PURPLE_Made_in_Japan

ライヴアルバム (1972年) 第2期

この時代のアーティストのライヴアルバムは、スタジオアルバムを上回る名盤と称されることが少なくありません。
日本公演を記録した本作も同様で、オールタイムベストと呼ぶリスナーも多く、この時期の代表作となっています。

ことに、第二期以降のDEEP PURPLEアルバムは、名曲とそれ以外の落差が増したこともあって、ファンやマニアでなければ名曲ぞろいの本作1枚でも十分、といった風潮さえあります。

演奏についても、近年のメタルバンドに多いベスト盤やサンプラーの代用品にしかならないライヴアルバムとは、そこに渦巻いている熱量がケタ違い。スタジオとはひと味違うどころかそれを上回ろうかというインパクトを見せています。

いつからかメタル界隈では、“ギターソロ以外はスタジオ盤と1音違わぬ完全再現こそ至上!”といった偏った評価傾向が広がりまっています。
しかし、そもそも本作は、ハードロック・バンドでもジャムバンド並みのインプロ能力で、何時間でも続けられるグループがゴロゴロしていた時代の1枚。それら中では、アレンジはむしろ比較的おとなしい方ともいえます。

ネット配信が広まって、もはやレア感がライヴ盤の付加価値になり得ないこの時代こそ、あえてライヴ盤をリリースするなら、最低限このレベルのスペシャル感はクリアしてほしいものです。

Who Do We Think We Are|フー・ドゥ・ウィ・シンク・ウィ・アー:紫の肖像

Deep Purple Who Do We Think We Are UK GB

オリジナルアルバム – 7作目 (1973年) 第2期

のちにBLACK SABBATHなどにも参加し、現在は再度DEEP PURPLEに復帰している、バンドの代名詞ともいえる存在のフロントマン、イアン・ギランが在籍していた“第2期”の、ラストを飾るアルバム。

これまでのビッグ・ウェーブに乗って、チャート・ランキングやセールス面では引き続き絶好調だったものの、ギランとブラックモアの不仲が決定的になっていたバンド事情を反映してか、迷走気味の中途半端なアルバムに仕上がっており、実際、評価も賛否両論の問題作でした。

一応は、“ヘヴィなブルーズロック路線の追求”がコンセプトのようですが、どうにもLED ZEPPELINの後追い臭さが漂っています。
そもそも、本作最大のヒットチューンとされるT-01「Woman from Tokyo」からして、気を使って日本公演で演奏されても全く嬉しくない見事な凡曲。
ベスト盤の常連という栄誉を浴びながらも、他の名曲に遠く及ばないミソッカス・チューンなため、ベスト盤でも肩身の狭い思いをしています。

ヘヴィなT-03、アップテンポなT-4、ZEPPELIN風リフのT-05あたりはナカナカの佳曲ですが、それらも看板を張れるレベルではありませんし、その他も“悪くもないけど良くもない”中途半端な曲が並んで、終始モヤモヤさせてくれます。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|叙情度:★☆☆☆☆
|ポップネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤
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