★ DIAMOND HEAD(ダイアモンド・ヘッド)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|かのMETALLICHAが最も大きな影響を受けたNWOBHMシーンきっての個性派重要バンド!!…必聴アルバムは?

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パンキッシュなスピードメタルとLED ZEPPELIN由来のヘヴィグルーヴが、METALLICHAやMEGADETHのスラッシュサウンドの原型にもなった伝説の異色NWOBHMバンドは、現代によみがえって進化を続ける!!

DIAMOND HEAD(ダイアモンド・ヘッド)はイギリスのヘヴィメタルバンドで、1980年前後の英国で勃発した新世代ヘヴィメタルとハードロックリバイバルのムーヴメント、NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティシュ・ヘヴィ・メタル)の中で登場したグループ。

彼らは、NWOBHMムーヴメントの渦中ではなく後年の再評価によって、大きく知名度を高めることになったケースのバンドで、80年代初頭のムーヴメントの間に3枚のスタジオ・フルアルバムをリリースしていますが、リアルタイムでは目立った結果を残せないまま、ムーヴメントの収束とバンド自身の解散を迎えてしまいます。

DIAMOND HEADの名が広く知られるようになり、再結成まで実現して今名を活動を続けるような事態を生んだ直接の要因は、スラッシュメタルムーヴメントの中で、そのフラッグシップとして頭角を現していたMETALLICHAが彼らの曲を度々カバーして、リスペクトと影響をアピールしたこと。

NWOBMマニアとして名高いラーズ・ウルリッヒを擁するMETALLICHAは、いくつかのNWOBHM時代のマイナーバンドの曲をカバー曲として取り上げていましたが、中でもDIAMOND HEADについては特別に複数曲を取り上げており、また、ことあるごとにMETALLICHAサウンドの原点たる存在として、その影響力の大きを喧伝していました。

これによって、METALLICHAやMEGADETHらスラッシュメタルシーンの中核をなすグループが、多大な影響を受けた知る人ぞ知るレジェンドとしてそのファンが知るところとなり、一気に再評価の機運が高まります。それが起爆剤となって、DIAMOND HEADをはじめとしたいくつかのNWOBHMバンドが、再結成や活動再開する予想外の事態となります。

彼らの音楽性は、アルバムによって何度か大幅に変化していますが、特に大きな特徴として挙げられるのは、70年代ロックの中でもLED ZEPPELINからの多大な影響を受け、それを換骨奪胎した似ているようで似ていないサウンドと、シーンでも異彩を放つオリジナリティの強い変則的で特異なリフワーク。
特にこの独創的なリフワークこそが彼らのサウンドの根幹としてスタイルを形作り、スラッシュメタルをはじめとした数々の後続バンドにも影響を与えました。

DIAMOND HEADは、90年代の再結成はバンドの内部事情から短命に終わりましたが、2000年の再々結成以降は、オリジナルメンバーはブライアン・タトラーのみとなるも、アルバムリリースも含めてコンスタント活動を続けています。

DIAMOND HEAD|DISCOGRAPHY

Lightning to the Nations|ライトニング・トゥ・ザ・ネイションズ – ザ・ホワイト・アルバム

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オリジナルアルバム – 1作目 (1980年)

レーベルと契約が取れなかったために、自費制作に近いかたちでの限定生産リリースとなった幻のアルバムで、予算不足から未印刷の白紙ジャケットだったため“ホワイトアルバム”とも呼ばれていました。再発盤のジャケットは、何度か異なるデザインに差し替えられているので要注意。
そんな不遇なイレギュラー的アルバムながら、LED ZEPPELINら70年代ロックを独自のセンスで換骨奪胎して全く異なる質感を持つに至った、刺激的で独創的なヘヴィメタルへと仕上がった珠玉の名曲がつまった名盤。ここで聴ける、スピードメタルとは異なるトルク型のアグレッションとグルーヴを持ったサウンドは、従来のメタルバンドとも異なる、NWOBHMシーンでもひときわユニークでなもの。当時としてはまさにニューウェイヴ名を冠するにふさわしい新世代サウンドでした。
METALLICHAによってカバーされた名曲の全てを含む初期の代表作で、のちのスラッシュメタルにも散りばめられたフレーズがこの一枚に詰まった重要作です。

ゼペリン度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★★☆
変則リフ度:★★★★★|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Borrowed Time|ビロウド・タイム:偽りの時

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オリジナルアルバム – 2作目 (1982年)

前作にも収録された2曲を含むメジャーデビュー作。1stが再発されるまでは代表作という扱いで、現在でも評価の高いアルバムです。
前作の主軸としてスラッシュメタルに影響を与えた、アグレッシヴなファストチューンは減少して、ロドニィ・マシューズの手によるアートワークに象徴されるような、プログレ風の叙情的でドラマティックな凝った展開を、じっくり聴かせる曲が中心となっています。
サウンドも、70年代回帰テイストを感じさせる、ややオーガニックなハードロック的な質感が強まっており、スラッシュの原点を求めてさかのぼって来たリスナーにはやや不満が残るかもしれませんが、これはこれと割り切れるなら、上質な叙情派ハードロックとして楽しめるでしょう。

ゼペリン度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
変則リフ度:★★★★☆|叙 情 度:★★★★☆|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤

Canterbury|カンタベリー

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オリジナルアルバム – 3作目 (1983年)

簡単に言うならポップロック化が進んだアルバムで、曲によっては前作のスタイルを踏襲されてますが、特異なリフワーク主体の作風からは完全に離れ、メタルエッジな質感がさらに後退したオーガニックなものとなり、より普遍的なポップロックサウンドを展開しています。
この時期のNWOBHMシーンでも見られた、アメリカマーケットを意識したものと考えることもできますが、米国的なポップロックサウンドよりも、U2などのポストパンク/ニューウェイヴ系のUKポップロックに近いテイストが濃厚に感じられます。
初期の作風を期待すると裏切られますが、通好みで地味ながらもナカナカ捨てがたい味のあるアルバムです。

ゼペリン度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|スピード:★★☆☆☆
変則リフ度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Death and Progress|デス・アンド・プログレス

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オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)

METALLICHAらスラッシュメタルの原点として注目が高まり、その流れに乗じた再結成の末にリリースされた復活作。
前作と比較するとヘヴィネスが大きく強化されており、曲によってはメタリックな質感も感じられます。時代背景からグランジの影響ともされがちですが、グランジの典型的なスタイルとは一線を画しており、ファンキーでブルージーなテイストを持つよりオーソドックスなハードロックを展開しています。
初期の、“アク”や“クセ”の強さは大聴く薄まってややデオドラントされ気味の作風は、ちょっと前のメインストリームを意識したようにも聴こえ、曲によってはレニー・クラヴィッツのヘヴィナンバーを思わせる部分さえあります。
おおむね水準以上の良質なハードロックではあるものの、その“That’s無難”なスタイルを大きく超えたり逸脱するプラスαは見られません。

ゼペリン度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
変則リフ度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

All Will Be Revealed|オール・ウィル・ビー・リヴィールド

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オリジナルアルバム – 5作目 (2005年)

今回ばかりは、“グランジ化”と言われても仕方のないスタイル。ミッドテンポ主体のサウンドは、LED ZEPPELINという共通のルーツを持っていることもあって、時にSOUNDGARDENや後期のEXTREMEあたりを想起させます。若干ファストチューンもありますが、ロックテイストが強いハードロックンロール的な作風です。
とはいえ、そもそもが彼らのバックグラウンドとサウンドの変遷を考えるなら、一度はこうなったであろうスタイルで違和感はありません。サウンドにも堂に入っており付け焼き刃感は感じられませんが、できればもうひとヒネリ欲しいところです。

ゼペリン度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
変則リフ度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤

What’s in Your Head?|ホワッツ・イン・ユア・ヘッド?

DIAMOND_HEAD_Whats_in_Your_Head?

オリジナルアルバム – 6作目 (2007年)

基本的には、完全に前作を踏襲したものですが、ヘヴィネスとグルーヴが強化され、ドゥームに傾いた楽曲も見られるようになりました。ヘヴィ路線だけでなく、ロッキンなファストチューンも健在です。
ヘヴィグルーヴも前回のDIAMOND HEAD本来の作風自体が、グランジやドゥーム。ストーナーと互換性のあるものなので、前作同様自然に馴染んだ仕上がりの良作ではあるのですが、グランジ以前にそれに通じるアプローチで独自のスタイルを作ったバンドだけに、もうひと工夫が欲しかっというのも確かです。

ゼペリン度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★☆☆
変則リフ度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤

Diamond Head|ダイアモンド・ヘッド

DIAMOND_HEAD_Diamond_Head

オリジナルアルバム – 7作目 (2016年)

全体的にヘヴィメタリックな質感が強まっており、初期作を想起させるリフやフレーズを織り込んだ、疾走感あふれるなメタルナンバーも聴くことができます。ただし、復帰後のハードロック/ヘヴィロック寄りの曲も見られ、純粋な原点回帰というよりは過去作の総決算に近いスタイル。
もはや、“変則リフの玉手箱”状態だった最初期のような名曲は期待できませんが、いつも通り楽曲アベレージは高水準安定ですし、本作は作風的に純メタルリスナーでも抵抗が少なめに仕上がっています。

ゼペリン度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
変則リフ度:★★★★☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

The Coffin Train|ザ・コフィン・トレイン

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オリジナルアルバム – 8作目 (2019年)

さらにヘヴィメタリック作風になり、1stに近いトリッキーなリフワークで聴かせるスピードチューンや、2ndの頃の叙情的でドラマティック展開のプログレ風ナンバーも見られます。
このキャリアのバンドとしては、ベテランに多い無意味な長尺志向や大作主義にも、ミッドテンポとバラードばかりの枯れた作風にもに落ち着いておらず、勢いに満ちて緩慢な印象を与えないアルバムです。
前作以上に過去作の総決算&原点回帰的な作風で、焼き直しに近い曲やリフの使い回しも目立ちますが、現役NWOBHMバンドに多いキャリアの切り売りのような印象を感じさせない程度には現役感もあり、総決算スタイルとしては理想に近い会心作と言っていいでしょう。

ゼペリン度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★★☆
変則リフ度:★★★★☆|叙 情 度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Lightning to the Nations 2020|ライトニング・トゥ・ザ・ネイションズ 2020

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リレコーディングアルバム+カバー (2020年)

名盤“Lightning to the Nations(1st)”丸ごとリメイクに、カバー曲を加えたアルバム。アートワークは、“ホワイトアルバム”と呼ばれた初期の無地ジャケットを意識したデザインとなっています。
サウンド自体がやや現代的なヘヴィネスを持っている反面、アレンジはやや落ち着いたハードロック調で、ファストチューンもレイドバックしていることで、本来の魅力であるパンキッシュな疾走感を失っています。
カバー曲は、METALLICA, LED ZEPPELIN, JUDAS PRIEST, DEEP PURPLEという、いかにも過ぎる選曲とストレートなアレンジで意外性は皆無。再録/カバーともに総じてオリジナルを超える部分はなく、原曲の良さが担保する最低限度の魅力にとどまっているので、熱心なファンやマニアでなければオリジナルだけ抑えておけば十分でしょう。

アレンジ:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
変則リフ度:★★★★★|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論
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