Contents
- 1アメリカのMINISTRY,イギリスのKILLIN JOKEと並び80年代初頭のニューウェイヴ/ポストパンク全盛期からエレクトリックなロックサウンドで活動を続け、ジャーマン・インダストリアル・メタルの基礎を築いたドイツのリビング・レジェンド!!
- 1...1時代ごとに音楽性の更新し続けるドイツのレジェンド!?
- 1...2DIE KRUPPSはインダストリアル・メタル第一世代!?
- 1...380年代〜:実験的ニューウェイヴ/インダストリアルとして!!
- 1...490年代〜:メタルギターでインダストリアル・メタルに開眼!!
- 1...5DIE KRUPPSはノイエ・ドイチェ・ヘァテの原点!?
- 1...6DIE KRUPPSは今もシーンの第一線で活動中!!
- 1.1DIE KRUPPS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Stahlwerksinfonie|スタルヴァークシンフォニ
- 1.1.2Volle Kraft voraus!|ヴォへ・クラフト・ヴォハウス
- 1.1.3Entering the Arena|エンターリング・ジ・アリーナ
- 1.1.4I |I (ワン)
- 1.1.5A Tribute to Metallica|ア・トリビュート・トゥ・メタリカ
- 1.1.6II - The Final Option|II(トゥー) - ザ・ファイナル・オプション
- 1.1.7The Final Remixes|ザ・ファイナル・リミックス
- 1.1.8Rings of Steel|リング・オブ・スティールV - Metal Machine Music|V(ファイヴ) - メタル・マシーン・ミュージック
- 1.1.9Live im Schatten der Ringe|ライヴ・イン・シャッテン・ダー・リング
- 1.1.10Vision 2020 Vision|ヴィジョン・2020・ヴィジョン
- 1.1.11Songs from the Dark Side of Heaven|ソング・フロム・ザ・ダーク・サイド・オブ・ヘヴン
DIE KRUPPS|DISCOGRAPHY
Stahlwerksinfonie|スタルヴァークシンフォニ
オリジナルアルバム – 1作目 (1981年)
Volle Kraft voraus!|ヴォへ・クラフト・ヴォハウス
オリジナルアルバム – 2作目 (1982年)
Entering the Arena|エンターリング・ジ・アリーナ
オリジナルアルバム – 3作目 (1985年)
I |I (ワン)
オリジナルアルバム – 4作目 (1992年)
ヘヴィメタリックなギターサウンドが導入され、前作でのいかにも80年代なシンセポップ・サウンドから、本格的なインダストリアル・メタル路線へと舵を切って、ターニング・ポイントとなったアルバム。
メタルギター担当には、同じドイツのスラッシュメタルの中でも特にモダンなアプローチで知られた、ACCU§ERのレネ・シュッツとフランク・トーマスを迎えています。
また、METALLICAの4thアルバム『メタルジャスティス』からのスマッシュヒットとなった、代表曲『One』のカバーも収録するなど、本作はメタルファンに引っかかるトピックには事欠きません。
これらによって、METALLICAのトリビュート・アルバムをリリースにもつながるなど、ヘヴィメタル界隈でも注目を集め、メタルリスナーに認知される大きな要因になりました。
楽曲は多彩な作風がのものが収録されていますが、この時点では、まだポストパンク/ニューウェイヴの延長線上にある作風が中心となっており、ヘヴィネスも控えめでメタルギターのフィーチャー度合いも高くはありません。
キャッチーなフックは多々見られるものの、MINISTRY系のデジタル・スラッシュ勢や、EDM/EBM系のアッパーなサウンド比較すると、わかりやすいダイナミズムによるカタルシスや即効性はやや弱め。
とはいえ、ある種の気品と知性を感じさせるハイセンスでスタイリッシュなサウンドは、通好み系のリスナーに高く支持されていました。
ダンス度:★★★★☆|アバン度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
A Tribute to Metallica|ア・トリビュート・トゥ・メタリカ
トリビュートカバーアルバム (1992年)
本格インダストリアル・メタル路線への橋渡しにもなった、直近のアルバム『I(4th)』において、METALLICAの代表曲『One』をカバーしたことをキッカケとして世に出た企画盤。
全曲がMETALLICAのカバー曲のみで構成されたミニアルバムで、現在では、オリジナル盤には未収録だった『One』と『The Unforgiven』を加え、さらにリミックス曲も追加された、フルアルバム・ボリュームのカップリングで出回っています。
曲調だけを見れば、比較的原曲に近いストレートなアレンジながらも、メタリック・ギターがメインのバンドサウンドではなく、あえてピコピコ系の電子音を主体にしたシンセポップ調に仕立てることで、オリジナルとの異化効果を狙っています。
とはいえ、彼ら本来の力量を考えると“お遊びに”近いノリにも感じられ、原曲を徹底解体〜再構築しつくた実験的なアレンジを期待すると、肩透かしは逃れません。
しかし、リミックス曲ではそれなりのアレンジを見せおり、やはりMETALLICAカバーで名を上げたAPOCALYPTICAやBEATALLICAら、『パロディバンド』や『ユーチューバンド』の“やってみた系”カバーと比較すれば、ユニークで聴きどころがありますし、そもそも、作品が持つ意義や重要性が全く異なります。
残念ながら、多くのメタルファンにとっては、毎度の“電子音アレルギー”を発症させるだけに終わり、おおむねバッシングか黙殺で迎えられる結果となりましたが、メタル界隈での知名度アップにつながったことは事実です。
インダス度:★★★☆☆|メタル度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
II – The Final Option|II(トゥー) – ザ・ファイナル・オプション
オリジナルアルバム – 5作目 (1993年)
インダストリアル・メタルの中では、やや通好みなマニア人気にとどまっていたDIE KRUPPSが、前作やMETALLICAカバーで注目を集めたこともブースターとなり、インダストリアル界隈のみならず、一般のメタルリスナーも巻き込んた、幅広い層へのアピールに成功したブレイクスルー。
元HEATHEN〜現EXODUSのリー・アルタスが、パーマネントなメタル・ギター担当として加入した、最初のアルバムでもあります。
ヘヴィメタリック・テイストを増強しつつも、前作と同様の多彩な作風に仕上がっており、ヘヴィグルーヴやラップメタルなどの同時代的なメタルサウンドまで取り入れるなど、従来の彼らのキャリアとバックボーンが生かされただけ以上に、ベテランらしからぬ先鋭性なアプローチが目立ちます。
メタル的なヘヴィネスを極めたサウンドという面では、この後の作品に譲ることになりましたが、本作はとりわけ独創的かつ抜群の完成度を誇る、粒ぞろいな楽曲が目白押しで、楽曲アベレージの高さにおいてはここがピークと言っていいでしょう。
ダンス度:★★★★☆|アバン度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
The Final Remixes|ザ・ファイナル・リミックス
リミックスアルバム – (1994年)
インダストリアル・メタルとも所縁のある、各シーンのトップアーティストが参加したリミックスアルバム。
インダストリアル・メタルのファンにはおなじみの、チャーリー・クローザー(NINE INCH NAILS)、サシャ・コニエツコ(KMFDM)をはじめ、ニューウェイヴ/ポストバンク界隈の、アンドリュー・エルドリッチ(THE SISTERS OF MERCY)やフィリップ・ボア(VOODOOCULT)。
メタル畑のジェフ・ウォーカー(CARCASS),アーロン・アエディ(PARADISE LOST),ジム・マーティン(FAITH NO MORE)、他にもCLAWFINGER,PRO-PAINR,L.A. GUNSのメンバーなど、多数にのぼる豪華な顔ぶれです。
ヘヴィな曲はよりヘヴィに、曲によってはよりダンサブルに、よりエクスペリメンタルにアレンジされ、原曲を超えたとさえ言えそうなミックスも多数収録された、ビギナーの入り口にも最適な名盤。
解体度:★★★☆☆|アレンジ:★★★★★|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Rings of Steel|リング・オブ・スティールV – Metal Machine Music|V(ファイヴ) – メタル・マシーン・ミュージック
オリジナルアルバム – 9作目 (2015年)
Live im Schatten der Ringe|ライヴ・イン・シャッテン・ダー・リング
ライヴアルバム (2016年)
Vision 2020 Vision|ヴィジョン・2020・ヴィジョン
オリジナルアルバム – 10作目 (2019年)
Songs from the Dark Side of Heaven|ソング・フロム・ザ・ダーク・サイド・オブ・ヘヴン
カバーアルバム (2021年)
解体度:★★☆☆☆|アレンジ:★★★★☆|総合評価:★★★★★
入門盤 通好み 実験作