Contents
- 1能天気なパーティー・バンドが跋扈するL.A.メタル・シーンの中、憂いを帯びたメロディとギターヒーローの存在で欧州/日本で絶大な人気を誇った叙情派グラムメタル・バンド!!
- 1...1グラムメタルの本場LAの代表的バンド!?
- 1...2チャラくも能天気でもない異色のグラムメタル!?
- 1...3アメリカに先駆けてヨーロッパで人気沸騰!?
- 1...4DOKKENにとって日本がメインのマーケット!?
- 1...5ドッケン&リンチのツートップ抗争から解散!?
- 1...6再結成後も再び分裂して活動を続ける!?
- 1.1DOKKEN|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Breakin' the Chains|ブレイキン・ザ・チェインズ
- 1.1.2Breaking the Chains|ブレイキング・ザ・チェインズ
- 1.1.3Tooth and Nail|トゥース・アンド・ネイル
- 1.1.4Under Lock and Key|アンダー・ロック・アンド・キー
- 1.1.5Back for the Attack|バック・フォー・ジ・アタック
- 1.1.6Dokken|ドッケン
- 1.1.7Dysfunctional|ディスファンクショナル
- 1.1.8Shadowlife|シャドウライフ
- 1.1.9Erase the Slate|イレーズ・ザ・スレート
- 1.1.10Long Way Home|ロング・ウェイ・ホーム
- 1.1.11Hell to Pay|ヘル・トゥ・ペイ
- 1.1.12Lightning Strikes Again|ライトニング・ストライク・アゲイン
- 1.1.13Greatest Hits|グレイテスト・ヒッツ
- 1.1.14Broken Bones|ブロークン・ボーンズ
- 1.1DON DOKKEN|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Up From the Ashes|アップ・フロム・ザ・アッシェズ
- 1.2LYNCH MOB|リンチ・モブ|DISCOGRAPHY|スタジオアルバム
- 1.2.1Wicked Sensation|ウィイッド・センセーション
- 1.2.2Lynch Mob|リンチ・モブ
- 1.2.3Smoke This|スモーク・ディス
- 1.2.4REvolution|レヴォルーション
- 1.2.5Smoke and Mirrors|スモーク・アンド・ミラーズ
- 1.2.6Sun Red Sun|サン・レッド・サン
- 1.2.7Rebel|レベル
- 1.2.8The Brotherhood|ザ・ブラザーフッド
DOKKEN|DISCOGRAPHY
Breakin’ the Chains|ブレイキン・ザ・チェインズ
オリジナルアルバム – 1作目欧州盤 (1981年)
当初DOKKENは、イギリスやドイツを中心としたヨーロッパ各地を活動のベースに選んでおり、デビューアルバムとなる本作は、アメリカ本国に先駆けてフランスのレーベルからリリースされていました。
のちにアメリカでもリリースされ、それ以降は日本も含めそちらが正式盤として流通しています。
両盤には一部楽曲のリレコーディングや歌詞/タイトルの差し替え、曲順の入れ替えなど変更点もありますが、基本的には同一の内容と考えて問題ありません。
Breaking the Chains|ブレイキング・ザ・チェインズ
オリジナルアルバム – 1作目米国盤 (1983年)
本作は、ヨーロッパで先行リリースされていた同タイトルを、本国アメリカデビューに向けて再編集したもの。
ポップな作風ではあっても、グラム/ヘアメタル系のチャラキラなスイート・ポップロックとは一線を画しており、翳りを持ったウェットなサウンドが持ち味としており、欧州をターゲットとしただけのことはあります。
そのクールな質感のポップネスは、元祖USヘヴィメタル・バンドと呼ばれるBLUE ÖYSTER CULT(ブルー・オイスター・カルト)に通じる部分も見られます。
RIOTを思わせるようなアップテンポなナンバーから、メロウなナンバーまで、比較的バラエティに富んでいるものの、次作からアルバムの目玉となるスピードメタルナンバーはここではまだ見られません。
次作以降と比較すると、ややマイナー臭さを感じさせるサウンドでもありますが、反面、それが本作の捨てがたい味にもなっています。
ポップネス:★★★☆☆|チャラい度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Tooth and Nail|トゥース・アンド・ネイル
オリジナルアルバム – 2作目 (1984年)
DOKKENが、ヘヴィメタル人気の高まった米国をターゲットに定めて、大きくブレイクすることとなったアルバム。
基本的には前作の作風が踏襲されているものの、スピードメタル・ナンバーからメロウなバラードまでと、楽曲がはさらに多彩となり、より振り幅の大きなアルバムに仕上がっています。
クオリティも向上して、それぞれの楽曲もフックが強くなっており、良くも悪くもマイナー臭が漂っていた前作とは打って変わって、メジャー感があふれた堂々とした出来栄えです。
代表作としては、キャリアの頂点に当たる“Back for the Attack(4th)”と双璧と呼びうるアルバムですが、こちらを最高傑作に挙げるファンも少なくありません。
ポップネス:★★★☆☆|チャラい度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Under Lock and Key|アンダー・ロック・アンド・キー
オリジナルアルバム – 3作目 (1985年)
米メインストリームでのメタルブームを意識したことで、そこで人気の高いポップでメロウなグラムメタル・サウンドに、大きくスリ寄ってしまったアルバム。
とはいえ、過去作に近い作風の序盤3曲は及第点を与えられますし、ファスト・チューンのT-05, T-10はDOKKENのオールタイムベストに選ばれるにふさわしい名曲です。
しかし、アルバムの半数を占めて全体に影響を及ぼしている即物的な楽曲…チープなバラードとコマーシャル過ぎるなポップソングの存在は、メタルアルバムとしては大きく印象を落とすものです。
マーケティングとアイデンティティーに折り合いをつけるには失敗しており、これによって、これまでのヘヴィメタルの矜持を失っただけでなく、品格, 品質ともに大きく引き下げる結果ととなっています。
ポップネス:★★★★☆|チャラい度:★★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論
Back for the Attack|バック・フォー・ジ・アタック
オリジナルアルバム – 4作目 (1987年)
解散を前にした黄金期のラストアルバムで、“Tooth and Nail(2nd)”と並んでDOKKENの代表作に挙げられますが、セールスや一般的な知名度では本作が上回ります。
T-01は言わずと知れた名曲ですし、ポップナンバーは多いものの前作でハナについたベタベタなバラードは姿を消しており、1stと2ndに感じられた彼らの持ち味である硬質なクールネスも多少取り戻しています。
しかし、ここでもまだメインストリームへ色目を使っているためか、いまひとつ突き抜けない中庸な印象は拭い去れませんし、アルバムの密度では2ndに大きく及びません。
なにより、曲数が増えたわりには似たような曲調が目立って、バリエーションに乏しいだけでなく、いたずらに凡曲が増えただけの結果に終わってアベレージを下げていることは、大きなマイナス要因となっています。
もし、これまでのように10曲に収めていれば、さらに印象が向上したかもしれません。
ポップネス:★★★☆☆|チャラい度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Dokken|ドッケン
オリジナルアルバム – 5作目 (1994年)
日本のみのリリースとなった復活アルバム。…なのですが、完全に日本でしか聴けないわけではありません。
というのも、次作の“Dysfunctional(6th)”が、本作の全世界盤としてリリースされたもので、タイトルと曲順が異なることと、収録曲が少ないこと以外は基本的には同じ内容、…というカラクリがあるためです。
今回はタイトルごと変えているものの、欧州で先行リリースしていた“Breakin’ the Chains(1st)”と同じケースなので、よほどマニアでなければ両方そろえる必要もないでしょう。
日本のファンの嗜好に合わせて、“Dysfunctional(6th)では終盤に回されたファストチューンが、T-01として冒頭に配置してツカミをよくしてあります。
Dysfunctional|ディスファンクショナル
オリジナルアルバム – 6作目 (1995年)
オリジナル・メンバーでの復活アルバムで、日本限定でリリースされた“Dokken(5th)”アルバムのワールド・バージョン。
“80年代バンドの90年代作品”とうことで、御多分に洩れずグランジ/ヘヴィグルーヴの影響が取りざたされて、叩かれたアルバムで、確かに、ややオーガニックなミッド・チューンが中心のハード/ヘヴィロックという意味では、グランジに通じる一面はあります。
しかし、グランジ・サウンドをそのままコピーしたというよりは、“ヘヴィネス&グルーヴに重点を置いた70年代ハード/ヘヴィロック・リバイバル”、というメソッドだけを参照して組み立てたという印象です。
これは、むしろMETALLICAの“ブラック・アルバム”や“Lord”あたりのアプローチに近いもので、グランジのように取り立ててダウナーだったりパンキッシュだったりというわけではありません。
暗いといっても、そもそもDOKKEN自体が、翳りのある作風を持ち味としていたバンドです。
冷静に聴くなら、スピードメタルチューンが無い以外は、基本的には80年代のDOKKENサウンドと大きな違いはありませんし、むしろアベレージは80年代から大きく向上してさえいます。
サイケ風のT-08は新境地ですがなかなかの佳曲ですし、これでT-10クラスのファスト・チューンがあと1〜2曲あって、それを前半にも配置してあれば、食いつきは大きく変わったと思われます。
ポップネス:★★★☆☆|チャラい度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Shadowlife|シャドウライフ
オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)
Erase the Slate|イレーズ・ザ・スレート
オリジナルアルバム – 8作目 (1999年)
Long Way Home|ロング・ウェイ・ホーム
オリジナルアルバム – 9作目 (2002年)
Hell to Pay|ヘル・トゥ・ペイ
オリジナルアルバム – 10作目 (2004年)
Lightning Strikes Again|ライトニング・ストライク・アゲイン
オリジナルアルバム – 11作目 (2008年)
Greatest Hits|グレイテスト・ヒッツ
オリジナルアルバム – 12作目 (2010年)
”]Broken Bones|ブロークン・ボーンズ
オリジナルアルバム – 13作目 (2012年)