Contents
- 1ラッピング・ヴォーカルとヘヴィグルーヴを取り入れたハードコアサウンドで、90年代ラップメタル/グルーヴメタルに一石を投じた、ロスアンゼルスの通好みな老舗メタリック・ハードコア・グループ!
- 1...190年代グルーヴコア/ラップコアの代表格!!
- 1...2DOWNSET.サウンドの特徴は!?
- 1...3先駆者ながら知名度の低い通好みバンド!?
- 1...4解散するも復活を果たして会心作をドロップ!?
- 1.1DOWNSET.|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Downset.|ダウンセット
- 1.1.2Do We Speak a Dead Language?|ドゥ・ウィ・スピーク・ア・デッド・ランゲージ?
- 1.1.3Check Your People|チェック・ユア・ピープル
- 1.1.4Universal|ユニヴァーサル
- 1.1.5One Blood|ワン・ブラッド
- 1.1.6Maintain|メインテイン
- 1.1DOWNSET.はコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
DOWNSET.|DISCOGRAPHY
Downset.|ダウンセット
オリジナルアルバム – 1作目 (1994年)
ミッドテンポのヘヴィグルーヴが主体という意味ではBAIOHAZARDと同様のスタイルとも言えますが、それと比較するとヘヴィメタル・テイストはかなり薄目の、まさに“グルーヴコア”といった質感のサウンドです。
また、ファンク/HIPHOPとも濃厚なミクスチャーぶりを見せているため、ハードコア/メタル的な剛直なヘヴィネスだけでなく、それらに由来するしなやかなグルーヴも感じさせます。
ヴォーカル・スタイルはBAIOHAZARDよりもかなりラップ色が強いものですが、ニューメタルに見られる本格的なラッピング技能を追求したスタイルとは異なるもので、あくまでも“リズム主体のパーカッシヴなシャウト・ヴォーカル”と表現し得るものです。
T-01はバンドを代表する名曲ですし、それ以外の曲もシンプルで無骨なだけのようで適度にツイストを効かせてほどよく練られており、フィジカルに響くだけの単なるモッシュ・ミュージックでは終わっておらず、リスニングにも耐えうるだけの魅力を備えています。
ヘヴィネス:★★★★☆|モッシュ度:★★★★★|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
Do We Speak a Dead Language?|ドゥ・ウィ・スピーク・ア・デッド・ランゲージ?
オリジナルアルバム – 2作目 (1996年)
前作と比較するとミクスチャー・テイストはいくぶん控えめで、ストレートなハードコア・テイストが強まっており、ファストなハードコア・ナンバー増えました。
時代を反映してか、イントロやSE扱いのトラックを除いても前作と比較するとやや曲数が多いことも影響しているのか、特にミッドチューンでは曲調が似かよいがちな傾向が見られます。
とはいえ、楽曲のバリーション自体は同ジャンルの中で比較すると多彩な部類ですし、何よりフックの効いたキメ曲が多いことでその欠点も相殺されています。
前作を支持するリスナーからは不評も聞こえてくるものの、総合的にはそれにひけをとるものではなありませんし、純粋なモッシュ・ミュージックとして割り切った視点で見るならば、むしろ本作の方が優れているとも言えます。
|メタル度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|モッシュ度:★★★★★
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Check Your People|チェック・ユア・ピープル
オリジナルアルバム – 3作目 (2000年)
質感がこれまでになくヘヴィメタリックなものとなり、濃厚なミクスチャー・テイストは前作以上に後退。大半の曲ではラップ・ヴォーカルにその名残が残る程度です。
楽曲は前作に引き続き、ストレートなメタリック・ハードコア・ナンバーが大半を占めています。
サウンドの質感にニューメタルに通じる面があることに加えて、過去作と比較すると各曲のインパクトにおいても一枚落ちることも原因となって、オールドファンの評価はかんばしくありませんし、かといって新規リスナーを呼び込めたかというとこれも疑問です。
とはいえ、モッシュアンセムと呼べる曲もいくつか見られ、同系統のジャンルでの水準は軽くクリアしてるので、新規のメタル系リスナーの入り口としては最適なアルバムともいえます。
|メタル度:★★★★☆
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|モッシュ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論
Universal|ユニヴァーサル
オリジナルアルバム – 4作目 (2004年)
2009年に解散となる前のラストアルバム。
基本的な作風に大きな変化はないものの、初期のグルーヴコア時代とは質感が完全に異なり、前作におました、ニューメタル系の重層的でヘヴィメタリックな音づくりとなりました。
ファンクメタル系のバウンシーなリズムや、ヘヴィでアグレッシヴなの中にも感じられた軽妙さが薄れており、これもニューメタル風の重圧的なヘヴィネスに取って代わられています。
細かい部分を見ればそれなりに新たな工夫もあるのですが、楽曲に変化をつけるためとはいえ、小手先のリフワークやニューメタルで使いまわされたアイデアに頼りがちなあたりは、どうしても評価が分かれざるをえないでしょう。
なにより、過去作には見られたアンセム級の突出したナンバーが見られないのも、アルバムの印象を弱めています。
|メタル度:★★★★★
|ミクスチャ度:★☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|モッシュ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 実験作
One Blood|ワン・ブラッド
オリジナルアルバム – 5作目 (2014年)
解散後、5年余りのブランクを経ての復活第一弾。
新機軸を試みるも小手先レベルに終わっていた前作から一転して、ここではファンクメタル/ミクスチャー的な軽妙さこそ感じられないものの、サウンドの質感や曲調などの作風の根本的な部分から、アルバム全体に満ちた熱量に至るまでが、かなり全盛期の“それ”を思わせるものへと回帰しています。
とはいえ、前作のような小細工に頼り過ぎることなく、あくまでも純粋に曲作りの面で工夫を凝らして多様性を見せており、単なる過去の焼き直しには終わっていません。
全盛期にはわずかに及ばないものの、効果的なフックがあって緩急も効いた高水準な楽曲が多く、ブランクが気にならないほどに充実度の高い、期待値を超えた力作に仕上がっています。
|メタル度:★★★★☆
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|モッシュ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Maintain|メインテイン
オリジナルアルバム – 6作目 (2022年)