Contents
- 180年代メインストリームのバブリーなファンク・ミュージックを取り入れた“ファンクメタル”と、テクニカル・ギターの鬼才ヌーノ・ベッテンコートの存在が、アイドル人気優先のグラムメタル・シーンで異彩を放っつ!!
- 1...1ヌーノ・ベッテンコート在籍のグラムメタル・ブーム末期の徒花!?
- 1...2バブリーなポップメタルからファンキーな通好みサウンドへ!?
- 1...3オルタナティヴ・ロックに接近して新境地へ!?
- 1...4解散と再結成とソロ・プロジェクトの躍進!?
- 1.1EXTREME|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Extreme|エクストリーム
- 1.1.2Pornograffitti|ポルノグラフィティ
- 1.1.3III Sides to Every Story|III サイズ・トゥ・ストーリィ
- 1.1.4Waiting for the Punchline|ウェティング・フォー・パンチライン
- 1.1.5Saudades de Rock|サウダージ・デ・ロック
- 1.1.6Six|シックス
- 1.1NUNO [ヌーノ]|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Schizophonic|スキゾフォニック
- 1.2MOURNING WIDOWS [モーニング・ウィドウズ]|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Mourning Widows|モーニング・ウィドウズ
- 1.2.2Furnished Souls for Rent|ファーニッシュド・ソウルズ・フォー・レント
- 1.3POPULATION 1[ポピュレーション ワン]|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Population 1|ポピュレーション・ワン
- 1.3.2Sessions from Room 4|セッション・フロム・ルーム・フォー
- 1.4DRAMAGODS[ドラマゴッズ]|DISCOGRAPHY
- 1.4.1Love|ラヴ
- 1.5PERRY FARRELL'S SATELLITE PARTY[ペリィ・フェレル'ズ・サテライト・パーティ] |DISCOGRAPHY
- 1.5.1Ultra Payloaded|ウルトラ・ペイローデッド
NUNO [ヌーノ]|DISCOGRAPHY
EXTREME解散後のヌーノ・ベッテンコートによるワンマン・プロジェクトで、このNUNO(ヌーノ)名義としては、アルバム1枚のみを残しています。
基本的には全パートをベッテンコートが担当していますが、EXTREMでの盟友ゲイリー・シェローン’Gary Cherone)が1曲、現在DREAM THEATER所属でANNIHILATORにも参加していたマイク・マンジーニ(Mike Mangini)が2曲ゲストとして色を添えています。
主な音楽性は、適度にヘヴィでポップなハードロックですが、ポップメタル・バンドEXTREMEというくびきから解き放たれたためか、オルタナポップ/ストレンジポップ的なギターポップ風の楽曲も目立つなど、これまではできなかったアプローチにも取り組んだことで、楽曲のスタイルはの幅広いものとなりました。
メタルファンにわかりやすく例えるなら、THE WILDHEARTS(ワイルドハーツ)とGALACTIC COWBOYS(ギャラクティック・カウボーイズ)の間のどこかといった印象です。
Schizophonic|スキゾフォニック
オリジナルアルバム – 1作目 (1997年)
|ファンク度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
MOURNING WIDOWS [モーニング・ウィドウズ]|DISCOGRAPHY
NUNO名義に続く、ヌーノ・ベッテンコートのソロ・プロジェクト。
EXTREME時代には結局実現できなかった、モダンなファンクメタル・サウンドを展開しており、ベッテンコート関連の中では最もヘヴィでメタル度の高いプロジェクトと言えます。
とはいえ、ヘヴィグルーヴ〜ニューメタル系のゴリゴリのヘヴィサウンドというよりは、TM STEVENS(TM スティーヴンス), STEVIE SALAS(スティーヴィー・サラス), VERNON REID(ヴァーノン・リード:ex LIVING COLOR)などのプロジェクトに近く、多様性と柔軟さを持ったスタイル。
あえていうなら、それらのミュージシャンズ・ミュージシャン系アーティストとEXTREMEの、中間に位置するサウンドといったところです。
Mourning Widows|モーニング・ウィドウズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1998年)
|ファンク度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
ポップ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み 実験作
Furnished Souls for Rent|ファーニッシュド・ソウルズ・フォー・レント
オリジナルアルバム – 2作目 (2000年)
|ファンク度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
ポップ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み
POPULATION 1[ポピュレーション ワン]|DISCOGRAPHY
この次に展開されるDRAMAGODSの、直接的な前身にあたるプロジェクト。
ここではヘヴィネスやメタルエッジな質感は感じられず、テクニカルギターも全編にフィーチャーされているわけではなくかなり控えめです。
あえていうなら、オルタナ・ポップともストレンジ・ポップとも呼べそうな、ギターポップ・サウンドを主体とした作風ですが、楽曲によっては異なるアプローチをとっており、思いのほか変化に富んだサウンドを披露しています。
Population 1|ポピュレーション・ワン
オリジナルアルバム – 1作目 (2002年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Sessions from Room 4|セッション・フロム・ルーム・フォー
ミニアルバム:EP (2004年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
DRAMAGODS[ドラマゴッズ]|DISCOGRAPHY
DRAMAGODSは、その前身にあたるヌーノ・ベッテンコートのプロジェクト、『POPULATION 1』の名称が諸事情で使えなくなったため、名義を改めたものです。
とは言っても、オルタナポップ系のサウンドに傾いていたPOPULATION 1とは異なり、DRAMAGODSではヘヴィなサウンドも交えたバラエティに富んだ楽曲を展開しており、ベッテンコートのこれまでのキャリアの総集編といった作風です。
ライヴではサポート・メンバーを迎えていましたが、アルバムではほぼ全パートをベッテンコートひとりで録音していています。
Love|ラヴ
オリジナルアルバム – 1作目 (2005年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤
PERRY FARRELL’S SATELLITE PARTY[ペリィ・フェレル’ズ・サテライト・パーティ] |DISCOGRAPHY
USオルタナティヴ・シーンの顔役的存在でもある、ペリー・ファレル(PERRY FARRELL)とベッテンコートによるプロジェクト。
ファレルは、JANE’S ADDICTION(ジェーンズ・アディクション)やPORNO FOR PYROS(ポルノ・フォー・パイロス)のフロントマンンにして中心人物として活躍したほか、米国を代表するオルタナティヴ・ロックフェス『ロラパルーザ』の創始者でもある人物です。
デビュー当時の両者の立ち位置を知るなら、かなり予想外の組み合わせですが、90年代以降にグランジとは異なるアプローチでの、ハードロック/ファンクロック/プログレッシヴ・ロックの再構築を行っていた点では、両者は共通しています。
また、グラマラスなメイクでパフォーマンスしていたJANE’S ADDICTIONを、異形のグラムメタルと捉えることも可能とするなら、この組み合わせも納得できるかもしれません。
バンドメンバーは、ファレル人脈からは、その奥方のエティ(コーラス)、ベッテンコート側からは盟友マイク・マンジーニの人脈であるケビン・フィゲイレド(Dr.)。
他にもゲストとして、RED HOT CHILI PEPPERSのジョン・フルシアンテほか、多彩な顔ぶれが参加していました。
アーティスト肌と職人肌のすれ違いからか、方向性の不一致を理由にベッテンコートは1年足らずで脱退。EXTREMEのを再結成することになります。
ファレルもJANE’S ADDICTION再結成に動いたために、バンドは活動を終えています。
Ultra Payloaded|ウルトラ・ペイローデッド
オリジナルアルバム – 1作目 (2007年)
どちらかというとファレル主導の印象が強く、楽曲面にも持ち前のアート感覚とサイケデリック・テイストや、ツイストの効いたポップセンスが強く出たものです。
ベッテンコートは、ほぼ全曲にギターかベースで参加、ドラムも身内のフィゲイレドということで、演奏面で職人ぶりを発揮しています。
予想を大きく超えてゆくのケミストリーは生まれていませんし、良くも悪くも余裕を感じさせるつくりからか、音楽メディアからは評価はあまり振るいませんでした。
とはいえ、オルタナシーンのベテラン同士ならではの、リラックスしつつもスキのない高品質のハードロックアルバムであり、このサウンドは、EXTREMEやベッテンコート単身では、つくり出せなかったであろうことも事実です。
|ファンク度:★★★☆☆
|サイケ度:★★★★☆
|ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作