英国エクストリームシーンのミュージシャンズ・ミュージシャン系から、ニューヨークシーンのカリスマプロデューサーとなったアレックス・ニューポートが生み出すジャンクでノイジーな超重圧メタリックヘヴィグルーヴサウンド!!
FUDGE TUNNEL(ファッジ・トンネル)は、数少ない英国産のヘヴィ・オルタナティヴ系グルーヴメタルバンドで、90年代英国ロックシーンではTHERAPY?と並ぶ知る人ぞ知る隠れた重要バンドでもあります。NAPALM DEATH(ナパーム・デス)をはじめとした各国エクストリームミュージックシーンの大物が名を連ねる、英国の名門レーベル『イヤーエイク(EARACHE RECORDS)』黄金期に名を連ねていたことでもしられています。
その音楽性は、一部のグランジ勢やHELMET(ヘルメット)などに代表されるニューヨークのノイズ/ジャンクロック系にも通じる荒々しく生々しい質感をもったもので、ヘヴィミュージックのサブジャンル再編成の影響から、近年一部ではスラッジメタルとしラベリングされそのパイオニアに数えられることもあります。
基本的にはハードコアルーツのヘヴィグルーヴ/グルーヴメタルバンドではありますが、根底にあるのがUKポストパンクやハードコアということも有り、BIOHAZARD(バイオハザード)などの米国産とはひと味違った個性を持ったそのサウンドは、数多のヘヴィグルーヴ系グループの中でも独自の存在感を放っていました。
ウルトラヘヴィでアグレッシヴなサウンドながら、ヘヴィグルーヴ系に多いマッチョ感あふれたフィジカル志向が薄いあたりはHELMETらポストハードコア出身バンドに共通するポイントで、モッシャー向けのキャッチーなわかりやすさに欠けるものの、ケレン味のないストイックな音楽性とシニカルでポリティカルなツイストの効いた文系センスを持ち味として、一部で高い評価を受けていました。
ややマニアックで通好みな傾向のサウンドということもあり、結果的には大きくブレイクするでもなく活動も短期間に終わる結果となりますが、好事家のリスナーはもちろんやミュージシャンからの評価も高いミュージシャンズ・ミュージシャン的な存在。中でも中心人物アレックス・ニューポートは、現在ではニューヨークを拠点に、国内外の数多くのアーティストとのコラボレーションからプロデューサー,エンジニアまで幅広く活動しています。
ニューポートの活動野中でメタルリスナーにも広く知られているのは、SEPULTURA(セパルチュラ)のマックス・カヴァレラとのユニットNAILBOMB(ネイルボム)で、これがが世界的な知名度も獲得する契機になりました。
FUDGE TUNNEL|DISCOGRAPHY
Hate Songs in E Minor|ヘイト・ソング・イン・イー・ミラー
オリジナルアルバム 1作目 – (1991年)
前作を踏襲したハードコアやノイズロックとドゥーム/スラッジをクロスオーバーしたような作風で、いくぶんヘヴィメタル的な整合感も増していますが、USヘヴィオルタナティヴからの影響も強く感じさせ、時にはグランジ的な質感やメロディを持っているなど、楽曲の幅においてはこの時期の方がより多彩で表情豊かなものとなっています。
スラッジ度:★★★★☆|ジャンク度:★★★★☆|総合評価:★☆☆☆☆
代表作 通好み スルメ盤
Creep Diets|クリープ・ダイエッツ
オリジナルアルバム 2作目 – (1993年)
前作を踏襲したハードコアやノイズロックとドゥーム/スラッジをクロスオーバーしたような作風で、いくぶんヘヴィメタル的な整合感も増していますが、USヘヴィオルタナティヴからの影響も強く感じさせ、時にはグランジ的な質感やメロディを持っているなど、楽曲の幅においてはこの時期の方がより多彩で表情豊かなものとなっています。
スラッジ度:★★★★☆|ジャンク度:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 通好み 実験作
The Complicated Futility of Ignorance|ザ・コンプリケイテッド・フューティリティ・オブ・イグノランス
オリジナルアルバム 3作目 – (1994年)
彼らのカタログ中でも最高のヘヴィでメタリックなサウンドですが、ドゥーム/スラッジ的な曲もあるものの全体的にはその要素はやや薄くなり、硬質でストロングなサウンドとなってヘヴィグルーヴ/グルーヴメタル色が強まったアルバム。これ以前と比較するとやや表情に乏しくなりましたが、圧倒的な重圧を持ったウルトラヘヴィネスラウンドはそれを補って余りある存在感を持っています。
90年代ヘヴィグルーヴの隠れた名盤として、英国のみならず世界中の通好みなリスナー/アーティストから圧倒的支持を受けており、ニューメタル時代に登場する数少ないUKニューメタル/メタルコアバンド、RAGING SPEEDHORNなどにも影響を与えています。
しかし大きなブレイクには結びつかず、これ以降はプロデュース/エンジニアなど裏方や各種プロジェクトやセッションを中心に活動をすることになります。
スラッジ度:★★★☆☆|ジャンク度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
In a Word|イン・ア・ワード
コンピレーションアルバム -(1995年)
結果的にFUDGE TUNNELの置き土産となった編集盤。未発表音源などレアトラックスを中心としたセットリストですが、オリジナルアルバムにも匹敵する充実度の必聴盤です。彼らの作品の中では、現在でも比較的入手しやすい1枚。
スラッジ度:★★★★☆|ジャンク度:★★★★★|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Best Of The Desk|ベスト・オブ・ザ・デスク
ライヴアルバム – (2020年)