Contents
- 1元SLAYERのUSスラッシュ最強のカリスマ・ドラマーとジャーマン・スラッシュの異能派マルチ・ミュージシャンがタッグ結成!日本でもヒットを飛ばした異色のポスト・スラッシュ・グループ!!
- 1...1スラッシュメタル・シーンのドリームチーム!?
- 1...2GRIP Inc.の活動に影響を与えたVOODOOCULTとは!?
- 1...3GRIP Inc.はスラッシュ?ポストスラッシュ!?
- 1...4GRIP Inc.の音楽性は!?
- 1...5GRIP Inc.の活動の顛末は!?
- 1.1GRIP Inc.|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Power of Inner Strength|パワー・オブ・インナー・ストレングス
- 1.1.2Nemesis|ネメシス
- 1.1.3Solidify|ソリディファイ
- 1.1.4Incorporated|インコーポレイテッド
- 1.1.5Hostage to Heaven|ホステージ・トゥ・ヘヴン
- 1.1DESPAIR|ディスペア-|DISCOGRAPHY
- 1.1.1History of Hate|ヒストリー・オブ・ヘイト
- 1.1.2Decay of Humanity|ディケイ・オブ・ヒューマニティ
- 1.1.3Beyond All Reason|ビヨンド・オール・リーズン
- 1.2EYES OF EDEN|アイズ・オブ・エデン|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Faith|フェイス
- 1.3ENEMY OF THE SUN|エネミィ・オブ・ザ・サン|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Shadows|シャドウズ
- 1.3.2Caedium|カエディウム
- 1.4VOODOOCULT|ヴードゥーカルト|DISCOGRAPHY
- 1.4.1Jesus Killing Machine|ジーザス・キリング・マシーン
- 1.4.2Voodoocult|ヴードゥーカルト
GRIP Inc.|DISCOGRAPHY
Power of Inner Strength|パワー・オブ・インナー・ストレングス
オリジナルアルバム 1作目 – (1995年)
ファストなスラッシュ・チューンを含めた、アップテンポな楽曲の存在が目立つデビューアルバム。
これらのアグレッシヴな楽曲は、過去の類型化したスラッシュメタルとも、当時勢いを増しつつあったメロディックなデスラッシュとも、一線を画したスタイルを確立しており、独創的な仕上がりを見せています。
一方で、ダークなアートメタル・ナンバーの数々によって、ゾリヒタ特有のアクの強いセンスも十二分に発揮されています。
わかりやすいアグレッションが生きたキャッチーな楽曲という意味では、全アルバム中でも最高の充実ぶりを見せているので、スラッシュメタルフリークなら最も満足度の高い1枚と言えるでしょう。
オリエンタル度:★★★☆☆|暗黒耽美度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Nemesis|ネメシス
オリジナルアルバム 2作目 – (1997年)
前作と比較すると、ファスト〜アップテンポの曲は目に見えて少なくなっており、ミッドテンポ中心のグルーヴメタル寄りの楽曲が幅を利かせています。
ゾリヒタ色の強いダークな作風という点はいつも通りではあるものの、ゾリヒタの特異なアクの強さはやや控えめになっており、より普遍的でオーソドックスなヘヴィメタルに接近してもいます。
その意味では、フルアルバム4作品の中では、一般メタラーにとっても最も間口の広い仕上がりとも言えますし、本作リリース後に来日公演を果たしているなど、日本に限っていえば人気のピークにあった時期のアルバムです。
これ以降は、ヘヴィメタルの多様化/細分や、オールドスクール・スラッシュのリバイバルなどのあおりを受けたこともあり、やや存在感が薄れて失速気味にもなってゆきます。
オリエンタル度:★★☆☆☆|暗黒耽美度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
Solidify|ソリディファイ
オリジナルアルバム 3作目 – (1999年)
1stの時点ではそれなりに感じられた、スラッシュ・テイストは前作以上に薄まっており、脱スラッシュ傾向が強まっています。
アップテンポなナンバー自体は数曲収録されていますが、これまでのような突進力重視のストレートでわかりやすいスラッシュ・チューンとは異なり、ダウンテンポを織り込むなどツイストの効いた変則的なものです。
ゾリヒタ色がさらに強まったことで、全体的末期CORONERや同時期のVIVODにも通じる、ダークでサイケなアートメタル感覚が濃厚になっており、一般的な日本のメタラー嗜好を考えれるなら、通好みで食いつきの良く無い作風に向かっているのは間違いなく、スラッシャー向けとも言いかねますし、キャッチーなキラーチューンを欠くという弱みはあります。
しかし、楽曲自体はこれまで以上にアイデアを凝らして練り上げられており、完成度や楽曲アベレージでも過去作を上回ってさえいます。
そのため、ミドルテンポ主体であっても適度にアクセントが効いており、メリハリを失わないので、単調に陥ってダレることなくスムースに聴きとおせます。
オリエンタル度:★★★☆☆|暗黒耽美度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 通好み 実験作
Incorporated|インコーポレイテッド
オリジナルアルバム 4作目 – (2004年)
ラストアルバムの本作に及んでも取り立てて劇的な変化は見せておらず、いわゆる“キャリアの総決算”的な作風となっています。
とはいえ、その手のアルバムによく見られる、単なる焼き直しや寄せ集めには陥っておらず、楽曲はさらに工夫を凝らつつも洗練させて練り上げられており、全キャリア中でも一二を争う出来栄えを見せています。
もちろん、ゾリヒタ印のクセの強い無国籍サウンドは健在ですが、前作ほどには通好みで人を選ぶ作風ではなく、フックが効いたわかりやすい仕上がりです。
さらには、前作では影を潜めていた、ストレートな突進型ファスト・スラッシュ.パートも復活し、楽曲のバリーションもさらに豊かになっているため、ゾリヒタ作品としては存外聴きやすいアルバムと言えるでしょう。
オリエンタル度:★★★☆☆|暗黒耽美度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Hostage to Heaven|ホステージ・トゥ・ヘヴン
EP (2015年)