Contents
- 1スラッシュ没落時代にダークでドラマティックなサウンドで独自の地位を築いた、孤高のエピックパワー/スラッシャーの守備範囲は、自作の創作ホラー神話からファンタジー, 戦記, モンスター, アメコミまで!!
- 1...1スラッシュ・ムーヴメント断末魔に咲いた徒花!?
- 1...2スラッシュメタルからパワーメタルへ!?
- 1...3エピックメタルとしてのICED EARTH!!
- 1...4ダークメタルとしてのICED EARTH!!
- 1...5ICED EARTHのバンド体制は!?
- 1...6ICED EARTHの中核ジョン・シェイファーとは!?
- 1.1ICED EARTH|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Iced Earth|アイスド・アース
- 1.1.2Night of the Stormrider|ナイト・オブ・ザ・ストームライダー
- 1.1.3Burnt Offerings|バーント・オフェリングス
- 1.1.4The Dark Saga|ザ・ダーク・サーガ
- 1.1.5Something Wicked This Way Comes|サムシング・ウィキッド・ディス・ウェイ・カムズ
- 1.1.6Horror Show|ホラー・ショー
- 1.1.7Tribute to the Gods|トリビュート・トゥ・ザ・ゴッズ
- 1.1.8The Glorious Burden|ザ・グロリアス・バーデン
- 1.1.9Framing Armageddon (Something Wicked, Part 1)|フレイミング・アルマゲドン (サムシング・ウィキッド, パート・ワン)
- 1.1.10The Crucible of Man (Something Wicked, Part 2)|ザ・クルーシブル・オブ・マン (サムシング・ウィキッド, パート・ツー)
- 1.1.11Dystopia|ディストピア
- 1.1.12Plagues of Babylon|プレイグス・オヴ・バビロン
- 1.1.13Incorruptible|インコラプティブル
スラッシュ没落時代にダークでドラマティックなサウンドで独自の地位を築いた、孤高のエピックパワー/スラッシャーの守備範囲は、自作の創作ホラー神話からファンタジー, 戦記, モンスター, アメコミまで!!
ICED EARTH(アイスド・アース)は、USデスメタルの聖地フロリダ州タンパを拠点とする、パワー/スラッシュメタル・バンド。
スラッシュ・ムーヴメント断末魔に咲いた徒花!?
ICED EARTHは、スラッシュメタルがムーヴメントとしての役割を完全に終えて、終息を迎えつつあった1990年にデビューを果たした、ムーヴメント最後発にあたるのグループのひとつ。
スラッシュメタル特有のサウンドを持ちつつもその類型的スタイルにとどまらない、後発世代特有の独自のアプローチを展開してゆきます。
近年は、熱烈な過激派トランピストとして世を騒がせた、ジョン・シェイファー(Jon Schaffer)のリーダー・バンドとして一躍その悪名を高めています。
スラッシュメタルからパワーメタルへ!?
デビュー当初のICED EARTHは、ドラマ性/ストーリー性の強い『スラッシュメタル』としてカテゴライズ可能なものでした。
しかし、スラッシュ的な質感は維持しつつも、持ち味である伝統的なヘヴィメタルの要素を次第に強めてゆき、『パワーメタル』や、より広義的な意味で『ヘヴィメタル』と呼ぶにふさわしいサウンドへと移行してゆきます。
初期以降は、一般的『パワーメタル』と見なされており、詳細なサブジャンルを必要とする場合は、パワーメタルとスラッシュメタルの間に位置する音楽性を意味する、『パワー・スラッシュ』とカテゴライズされることもあります。
エピックメタルとしてのICED EARTH!!
ICED EARTHは、ジョン・シェイファーによる、ホラー/オカルト神話風の創作ストーリー、「サムシング・ウィキッド・サーガ(Something Wicked Sagas)」を繰り返し作品のテーマに用いており、ライフワークのようなものになっています。
その他にも、既存のホラー作品やファンタジー、アメコミ作品、戦記/軍記などをテーマに取り上げ、そのコンセプトと世界観で楽曲と歌詞を構築し、壮大なストーリー性の高い作品展開を続けてきました。
これによって、USスラッシュメタル系のバンドとしては珍しく、これらのテーマ性を持ったジャンルである『エピックメタル』の一派とも見なされています。
ダークメタルとしてのICED EARTH!!
『ダークメタル』や『ダーク・パワーメタル』は、トラディショナルなヘヴィメタル/パワーメタルのサウンドを基調としつつ、ドゥームメタルやゴシックメタルなどに通じる要素を持った、ヘヴィメタルのスタイルを指して用いられることが多く、代表的なグループにはNEVERMOREなどが挙げられます。
ICED EARTHは、ダークで重厚・壮大なテーマ性に見合う音楽性を構築するために、時にドゥームメタルやゴシックメタルに通じるエッセンスも取り入れるようになったことで、『ダークメタル』『ダークパワーメタル』にも接近しており、その一環としてと扱われることもあります。
ICED EARTHのバンド体制は!?
ICED EARTHは、80年代半ばからTHE ROSE〜PURGATORYと名義を改めて活動を続けた、ジョン・シェイファー(Gt.)を中心としたグループを母体としており、初期メンバーはそこからスライドされていました。
ICED EARTHとしてのデビュー時には、シェイファーとデイブ・アベル(Ba.)のみとなり、そこにランドール・ショーバー(Gt.)を加えた3人が初期の中心メンバーとなります。
のちに、唯一のオリジナルメンバーとなったジョン・シェイファー(Gt.)によるソロプロジェクトに近い体制となり、ヴォーカリストを含む他の全パートが頻繁に入れ替わっています。
一時期は元JUDAS PREASTのティム “リッパー”オーウェンズも在籍していた時期もあり、これによってマイナーな存在から一躍知名度を高めました。
メンバーチェンジはあれど正式なデビュー以来大きなブランクはなければ、バンドのコンセプトや音楽性に変化もなく、現在もコンスタントなアルバムリリースを行いつつ活動を続けています。
ICED EARTHの中核ジョン・シェイファーとは!?
ジョン・シェイファーは、ICED EARTHの創設時からのバンドの中心メンバーであり、ギターとヴォーカルを務めるほかメイン・ソングライターとして大半の楽曲に関与しています。
ICED EARTH作品の継続的な題材となっている「サムシング・ウィキッド・サーガ」もシェイファーの手によるものです。
しかし、シェイファーは過去にテーマに歌詞において、米国覇権主義やそれによる戦争行為をロマンティシズムを持って肯定するような意図を感じさせたことで、良識的なリスナーの非難を浴び、その思想性が危惧されていました。
のちに、狂信的なトランピストと化し、選挙に敗れたドナルド・トランプが煽った2021年の連邦議会襲撃に参加したことで、テロリストとして拘束されます。
現在シェイファーは収監されており、活動再開の見込みは不明で、実質的にICED EARTHの活動は絶えたと見られています。