★ ICED EARTH(アイスド・アース)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|オリジナルホラーストーリーテーマにドラマティックなダークメタルを展開する孤高のUSパワー/スラッシュバンド!!…必聴アルバムは?

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ムーヴメントが終息を迎えたスラッシュメタル没落時代にダークでドラマティックなサウンドで独自の地位を築いた、孤高のエピックパワー/スラッシュメラルバンどの守備範囲は自作のホラー/オカルト創作神話から戦記, モンスター, アメコミまで!!

ICED EARTH(アイスド・アース)は、USデスメタルの聖地フロリダ州タンパを拠点とするパワー/スラッシュメタルバンド。
スラッシュメタルがムーヴメントとしての役割を終え、完全な終息を迎えつつあった1990年にデビューを果たした最後発にあたるのグループのひとつで、スラッシュメタルサウンドを持ちつつもその類型的スタイルにとどまらない、後発世代特有の独自のアプローチを展開してゆきます。

中心メンバーのジョン・シェイファー(Jon Schaffer)が考案したホラー/オカルト神話的ストーリー「サムシング・ウィキッド・サーガ(Something Wicked Saga)s」を中心に、オカルト/ホラーを主な題材としたコンセプトと世界観で楽曲と歌詞を展開していることで知られており、USスラッシュメタル系のバンドとしては珍しく“エピックメタル”ともみなされているグループです。

デビュー当初は、ドラマ性/ストーリー性の強いスラッシュメタルとしてもカテゴライズ可能な作風でしたが、次第にパワーメタル色やより広義的な意味でヘヴィメタルと呼ぶべきサウンドに移行してゆきます。その、ドゥームメタルやゴシックメタルにも通じるダークなサウンドから、NEVERMOREなどと同様にダークメタル/ダークパワーメタルと称されることもあります。

また、ICED EARTHは実質的に、現在唯一のオリジナルメンバーとなるジョン・シェイファー(Gt.)によるソロプロジェクトに近いバンドで、デビュー以来ヴォーカリストを含む全パートが頻繁に入れ替わっています。一時期は元JUDAS PREASTのティム “リッパー”オーウェンズも在籍していた時期もあり、これによってマイナーな存在から一躍知名度を高めました。
メンバーチェンジはあれど正式なデビュー以来大きなブランクはなければ、バンドのコンセプトや音楽性に極端な変化もなく、現在もコンスタントなアルバムリリースを行いつつ活動を続けています。

ICED EARTH|DISCOGRAPHY

Iced Earth|アイスド・アース

ICED EARTH_Iced_Earth

オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)

スラッシュメタルと扱われていた時期で、確かにリフはスラッシーでラフなヴォーカルも含めそれらしいアグレッションは感じられます。ドラマティックかつ大仰でやや長尺なスラッシュサウンド、という特徴だけ挙げると初期メタリカなども思い浮かびますが、それとは完全に似て非なるもので、基本は様式美サウンドを展開するエピカルなパワーメタル。
スラッシュの可能性を広げたという見方は好意的過ぎで、いいとこ取りを狙った結果どっちつかずで新鮮味のないサウンドになったというのが妥当でしょう。“様式美系リスナーが聴きやすいスラッシュメタル”としての価値は認められるも、その層は技巧派ヴォーカルを好むため、ラフな歌唱が批判の的にもなりました。
いろいろとアイデアを盛り込んではいるものの稚拙さとセンスの欠如は否めず、これらの欠点込みでカルト的人気を持つアルバムという面は認められるものの、少なくともハードコアなスラッシャー向きとはいえません。

スラッシュ度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|スピード:★★★★☆
エピック度:★★☆☆☆|ダークメタル度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Night of the Stormrider|ナイト・オブ・ザ・ストームライダー

ICED EARTH_Night_of_the_Stormrider

オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)

前作を踏襲した作風ですが、スラッシュテイストを感じられるのはヘヴィでクランチーなリフワーク程度で、オリジナルストーリーを元に、よりオールドスクールなメタル美意識とエピック的な過剰演出を追求した、様式美系パワー/スラッシュメタルとなりました。
スラッシュメタルとして聴くには不満がつきませんが、ハナからそういった作風と割り切るなら、トータルでのクオリティはいくぶん向上していますし、フレーズ単位では印象に残るパートも増えています。しかし、構成力やセンスがいまひとつでメリハリと変化に乏しい点は変わらずで、アルバム通して聴くと楽曲があまり印象に残りません。その意味では、IRON MAIDENがよく見せる無駄に長い曲に近い印象もあります。とはいえ、前作と並んでオールドファンからは人気の高いアルバムではあります。

スラッシュ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★★☆☆|ダークメタル度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤

Burnt Offerings|バーント・オフェリングス

ICED EARTH_Burnt_Offerings

オリジナルアルバム – 3作目 (1995年)

今に続くICED EARTHスタイルの基本が完成され、加えて音楽的にも大きな向上を見せており、ファンからは最高傑作に挙げられることも多い作品。ここではダンテの『神曲』を基にしたオリジナルストーリーを展開しています。
スラッシーなアグレッションと現代的なダークネスを持ち、そこにエピック的なドラマ性と演出が共存した作風は、同時期にSANCTUARYから名を改めて再デビューを果たしたNEVERMOREに通じる、ダークパワーメタルサウンドと呼べるもの。スラッシーな部分があるはいえ、スラッシュメタルという認識は捨てた方がいいでしょう。
再度ヴォーカル交代があり、90年代のICED EARTH全盛期を支えたマット・バーロウ(Matt Barlow)が新たに就任。バーロウはダーティシャウトとクリーンヴォイスを使い分け、類型的なハイトーンスクリームもこなしますが、ノーマル歌唱はこれまたNEVERMOREのウォーレン・デーン(Warrel Dane)に通じる中低音域主体のディープヴォイスが基本。これは、ドゥームメタル/ゴシックメタルに通じる暗さと深みと持った作風にはベストチョイスですが、一般メタラーには好みが分かれるかもしれません。

スラッシュ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★★★☆|ダークメタル度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 スルメ盤 実験作

The Dark Saga|ザ・ダーク・サーガ

ICED EARTH_The_Dark_Saga

オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)

リリース当時、マーベルの『X-MEN』と並んで90年代アメコミブームの中核を占め、アメコミフィギアブームを巻き起こして社会現象にもなった、イメージ・コミックスの『スポーン』を題材にしたアルバム。マーベルのウルヴァリンをテーマにした、スウェディッシュデスバンドENTOMBEDの1993年作“Wolverine Blues”以来の本格的アメコミタイアップ作品です。
イメージ・コミックスの代表トッド・マクファーレンに直接掛け合い、頼んで拝んで許可を得るなど苦労した甲斐もあって、メジャー感もアップして気合十分の充実作に仕上がっています。スラッシュテイストはさらに後退しましたが、いまさら彼らにそれを求めるリスナーは多くはないでしょう。
バーロウ時代では、もっともエピック的ドラマ性追求のための過剰演出や装飾が抑えられたタイトな作風で、そこは聴き手によって評価の分かれるポイントでもありますが、そういったエピック様式美が苦手なリスナーにとっては、全キャリアを通しての最高傑作と言えるかもしれません。

スラッシュ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★☆☆☆|ダークメタル度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤

Something Wicked This Way Comes|サムシング・ウィキッド・ディス・ウェイ・カムズ

ICED EARTH_Something_Wicked_This_Way_Comes

オリジナルアルバム – 5作目 (1998年)

ICED EARTHにとってのライフワーク的テーマとなる、ホラー神話的オリジナルストーリー『サムシング・ウィキッド:邪悪なもの(Something Wicked)』を本格的に題材として取り上げ、そのタイトルがはっきりを明示されたアルバム。
ストーリー性はともかく、音楽的には前作同様に過剰なエピック的演出や装飾に頼らず、純粋に楽曲によるドラマ性の表現で勝負するタイプの作風で、NEVERMOREのダーメタルサウンドにアプローチにさらに接近した印象もあります。メランコリックなミッドチューンからスラッシーなファストチューンまでバリエーション豊かで、ややスタイルは異なるものの前作と並んで彼らのピークに位置するアルバムと言えるでしょう。

スラッシュ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★★☆☆|ダークメタル度:★★★★★|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤 通好み

Horror Show|ホラー・ショウ

ICED EARTH_Horror_Show

オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)

“狼男”, “ ミイラ男”, “切り裂きジャック”, “ジキル博士”, “ドラキュラ”, “フランケンシュタイン”, “オペラ座の怪人”など、曲ごとに異なるホラー/怪奇モノのクリーチャーを取り上げてテーマにしたアルバム。
題材となったモンスターは、そのほとんどがすでに手垢にまみれ過ぎてファニーなホラーアイコンになってしまっているものなので、どうしても『怪物大集合!』的な色物感がでてしまい、ユーモアを欠いたダークなエピックサウンドとは相性が良くありません。かといって、それをあえてシリアスに叙情的に表現し直すにはバンドの力量が足りていないので、テーマ選択や表現方法に工夫が欲しかったところです。
テーマを抜きにしても、前作までの曲調のバリエーションや展開の妙に乏しく、同じような大仰なだけの単調な楽曲が続く様はさすがにつらいものがあります。バーロウの有終の美を飾るには、少々残念なアルバムです。

スラッシュ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★★★☆|ダークメタル度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

Tribute to the Gods|トリビュート・トゥ・ザ・ゴッズ

ICED EARTH_Tribute_to_the_Gods

カバーアルバム (2002年)

タイトル通りカバー曲オンリーのトリビュートアルバムで。取り上げたバンドは、BLACK SABBATH, BLUE ÖYSTER CULT, AC/DC, IRON MAIDEN, JUDAS PRIEST, ALICE COOPERS, KISSという、ド定番のレジェンド。原曲は文句無しの名曲ぞろいですし、BLUE ÖYSTER CULTとALICE COOPERSのセレクトで“わかっている感”も出していますが、カバーアルバムとしては選曲の意外性もなければアレンジのユニークさもない凡庸な仕上がりです。この時期はまだ、「これならオリジナルアルバムを聴いた方が…」と思わせてくれていましたが、これ以降はそれも怪しくなります。

スラッシュ度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
選 曲:★★★☆☆|アレンジ:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論

The Glorious Burden|ザ・グロリアス・バーデン

ICED EARTH_The_Glorious_Burden

オリジナルアルバム – 7作目 (2004年)

バーロウに代わるヴォーカルリストとして、JUDAS PRIESTへの加入で名を上げたティム・リッパー・オーウェンスが加入。よりメタル様式美とストレートなエピック色が強まったオールドスクールよりのサウンドtなり、彼らならではの独自性はさらに薄れています。
本作のテーマは過去の様々な戦争ですが、ジョン・シェイファーの米国保守的な思想性が強く出ており、ヨーロッパなどでは米国軍事主義肯定と賞賛と受け取られ不評を買う結果となりました。

スラッシュ度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
エピック度:★★★☆☆|ダークメタル度:★★☆☆☆|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論

Framing Armageddon (Something Wicked, Part 1)|フラミング・アーマゲドン (サムシング・ウィキッド, パート・ワン)

ICED EARTH_Framing_Armageddon_Something_Wicked,_Part_1

オリジナルアルバム – 8作目 (2007年)

The Crucible of Man (Something Wicked, Part 2)|ザ・クルーシブル・オブ・マン (サムシング・ウィキッド, パート・ワン)

ICED EARTH_The_Crucible_of_Man_Something_Wicked,_Part_2

オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)

Dystopia|ディストピア

ICED EARTH_Dystopia

オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)

Plagues of Babylon|プラグス・オブ・バビロン

ICED EARTH_Plagues_of_Babylon

オリジナルアルバム – 11作目 (2014年)

Incorruptible|インコラプティブル

ICED EARTH_Incorruptible

オリジナルアルバム – 12作目 (2017年)

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