★ KANSAS(カンサス)ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|大陸的な雄大さでアーシーなサウンドが異彩を放つアメリカンプロ・グレッシヴロックの重鎮!!…必聴アルバムは?

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大陸的なサザン・プログレの第一人者としてUSプログレシーンの基礎を作り、DREAM THEATERらプログメタルにも多大な影響を与えたアメリカン・プログレ・レジェンド!!

KANSAS(カンサス)は、その名のとおりアメリカ合衆国カンサス州を拠点とするロックバンド。

プログレッシヴロック・アメリカーナ!?

KANSASは70年代中期に盛り上がりを見せた、日本では“アメリカン・プログレハード”とも呼ばれる、USプログレッシヴ・ロックシーンを代表するグループのひとつ。

主に英国のプログレッシヴ・ロックの影響を受けてそのセオリーを用いつつも、アメリカンなローカライズが施された“アメリカン・プログレハード”の中でも、特にブルーズやカントリー, フォークなどのルーツミュージックの要素が強い作風で知られています。

70年代USプログレッシヴの代名詞!?

70年代に登場した“アメリカン・プログレハード”の主要バンドは、のちにマーケティング主体のポピュラリティを追求したアリーナロックや産業ロックと呼ばれるポップロックへと移行、本格的にブレイクして知名度を高めメインストリームに登りつめるケースが一般的でした。
その中でKANSASは、70年代のプログレ時代の方が高く評価されて代表作もその時期に集中しており、同期のビッグネームの中では例外的に、プログレバンドとしてパブリックイメージを維持している稀有なグループといえます。

産業ロック路線には向かない硬派バンド!?

80年代に突入すると、KANSASも他の“アメリカン・プログレハード”系バンドと同様に、アリーナロック/産業ロック路線を試みていました。

それなりの結果を残しはしたものの、同期のバンドがラジオやMTVでヘヴィローテーションされてヒットを飛ばしていた状況には及びませんでしたし、自身の70年代の活躍ほどの目覚ましい成功には至りませんでした。

プログメタルのルーツとして再評価!?

90年代の中期頃になると、DREAM THEATERのブレイクに端を発したプログメタルブームの中で、それらに影響を及ぼしたのルーツ的な存在として、RUSH(ラッシュ)などとともに再評価の機運が高まります。

往年のプログレッシヴロック時代のスタイルに回帰した新作アルバムは、それほど大きなセールスをあげることはなく、2000年代には新作のリリースも途絶えていましたが、2016年からはややスパンは長くなったものの再び新作アルバムも発表するようになりました。

ツートップ不在の新体制で活動中!!

現在、全盛期のバンドの顔でメインソングライターでもあった、ケリー・リヴグレンとスティーヴ・ウォルシュはともにバンドを去っていますが、デビュー以来バンドを支え続けたオリジナルメンバーの、リッチ・ウィリアムズとフィル・イハートを中心とした体制で活動を続けています。

KANSAS|DISCOGRAPHY

Kansas|カンサス:カンサス・ファースト・アルバム

KANSAS_Kansas

オリジナルアルバム – 1作目 (1974年)

バイオリンをフィーチャーした、ブルーズ/カントリーなど、ルーツロックテイストが濃厚ながらも、テクニカルでスリリングな展開を見せるハードロック。今時の表現でならば“プログレ・アメリカーナ”とでも呼べそうなサウンドです。

これは、90年代からちょっとした人気となるルーツロック系ジャムロックバンドの、FISH(フィッシュ)やBLUES TRAVELER(ブルース・トラヴェラー)などにも、いくらか影響を与えたとも思えるものです。

欧州的プログレ様式を好む傾向のプログレファンからの人気は今ひとつのようですが、この作風は彼らならではの持ち味であり、本作はそれがもっとも濃厚に感じられるユニークなアルバム。完成度においても全盛期に引けを取るどころか、むしろいきなりピークを迎えたともいえます。

プログレ度:★★★★★|ルーツ度:★★★★★|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★★★★|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み 実験作

Song For America|ソング・フォー・アメリカ

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オリジナルアルバム – 2作目 (1975年)

アメリカンなルーツロックテイストを感じさせるサウンドに、テクニカルでスリリングな展開を織り込んだスタイルという大枠はそのままで、基本的には前作から極端な変化はありません。

ヘヴィネスが大きく増して、より一般的なアメリカンハードロックに近づきながらも、同時に欧州プログレ的なエッセンスも強調され、アメリカンプログレハードのオーソドックスが完成を迎えつつあります。10分超の大作2曲楽を含む楽曲も、おしなべて高品質。

“プログレ・アメリカーナ”的な組み合わせの妙による特異な魅力は薄れたものの、様式美派のプログレリスナーやメタルクラスタに向けた、ポップに傾き過ぎない王道プログレ路線としてはベストかもしれません。

プログレ度:★★★★★|ルーツ度:★★★★☆|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★★★★|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

Masque|マスク:仮面劇

KANSAS_Masque_a

オリジナルアルバム – 3作目 (1975年)

アメリカンルーツロック由来の土臭さがかなり払拭された一方で英国プログレテイストが強まり、やや洗練されたプログレハードサウンドとなりました。

これまで通り長尺曲もあるものの、それらも含めて全体的にいくぶんコンパクトなつくりで、曲によってはポップな産業ロック/AORテイストも濃厚です。

プログレ/ハードロックとして聴くと、初期作品の中ではやや地味でインパクトに欠けますが、軒並み水準以上でアラは目立ちませんし、DEEP PURPLEを思わせるプロト・メタル的ファストチューンのT-07や、ドラマティックな長尺曲のT-08は名曲と呼べる仕上がりです。

プログレ度:★★★☆☆|ルーツ度:★★★☆☆|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

通好み スルメ盤

Leftoverture|レフトオーヴァーチュア:永遠の序曲

KANSAS_Leftoverture

オリジナルアルバム – 4作目 (1976年)

人気ホラードラマ『スーパーナチュラル』のイメージソングに起用されて、リバイバルブームを巻き起こした名曲T-01を含むKANSAS最大のヒット作。

洗練が進んだ前作の路線を推し進めており、全体的には産業ロック/AOR系に接近したポップネスが強調されたサウンドが中心ながら、ラストのT-08などは過去最高にプログレテイストが強化されたテクニカルな名曲です。

ユニークさや楽曲アベレージでは初期二作の方が上回っているものの、メロディックロックファンにもプログレファンにもアピールできるという意味では、文句無しも絶妙な仕上がり。
幅広い層を巻き込んだ名盤たるに必須要素となる、バランスの良さやわかりやすさ、そしてキラーチューンの重要性を再確認できるアルバムです。

プログレ度:★★★★★|ルーツ度:★★★☆☆|叙情度:★★★★☆
ハドロク度:★★★★★|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Point Of Know Return|ポイント・オブ・ノウ・リターン:暗黒への曳航

KANSAS_Point_Of_Know_Return

オリジナルアルバム – 5作目 (1977年)

前作とともに、セールスやチャート面ではKANSASのキャリアのピークに位置し、完成度においてもそれに比肩するアルバム。

前作と比較するとインストパートの充実が目立つようになっており、スリリングなテクニカル系のプログレアルバムとして見るなら前作を大きく上回ります。

プログレ色が強い反面、一般層にアピールするわかりやすいドラマ性やポップネスは控えめですが、アコースティックでフォーキーな叙情曲T-07は、代表曲として多くのバンドからカバーもされている名曲。
それ以外も楽曲は軒並み高水準で、トータルで見ても密度が高くスキの無い聴きごたえ抜群の充実作です。

プログレ度:★★★★★|ルーツ度:★★★☆☆|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み

Monolith|モノリス:モノリスの謎

KANSAS_Monolith

オリジナルアルバム – 6作目 (1979年)

近作同様に様式プログレ特有のやエピック的なドラマ性を感じ察せるジャケットに相反して、本作ではプログレ色テイストはやや抑え目。
わかりやすさを重視した、産業ロック/AOR的なポップロックアプローチを重視しており、曲も比較的コンパクト。全キャリア中でも最もポップな部類のアルバムとなっています。

曲の中では、変則的でアップテンポなT-07が印象を残す以外は、おおむね“悪くはない”及第点レベルで、過去作ほどの際立った名曲は見られずスリルにも欠けます。

チャート的にも一気に80年代にかけて下降線を描くこととなり、同ジャンルのライバルがポップな産業ロックに転身してヒットをとばし、メインストリームのアリーナバンドへと飛躍していく流れとは対象的に、彼らは次第に低迷の度を深めてゆくことになります。

プログレ度:★★★☆☆|ルーツ度:★☆☆☆☆|叙情度:★★☆☆☆
ハドロク度:★★★☆☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

Audio Visions|オーディオ・ヴィジョン

KANSAS_Audio_Visions

オリジナルアルバム – 7作目 (1980年)

メインストリームのアリーナロックバンドを目指してポップ路線に振り切ったわりには、フックが弱く精彩を欠いていた前作をブラッシュアップ。その欠点の解消を狙ったと思しきアルバムで、曲も聴きやすさ優先のコンパクトなつくりで、最長でも6分台におさまっています。

ポップネスの強化を狙っている節もありますが、ヘヴィ&ハードな質感も十分に残しており、最初期に近い雰囲気も漂わせたプログレ風曲や、メタルファンにもイケそうなハードロックチューンも見られます。

本作の目玉で名曲級のT-05をはじめ、ハードなT-07やドラマティックT-09など佳曲も多く、クオリティのバラツキはあるものの、前作をはるかに上回り全盛期にも比肩しうる充実作です。名作/傑作には一歩届かないものの、隠れた良作と言ってもいいでしょう。

プログレ度:★★★★☆|ルーツ度:★★☆☆☆|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Vinyl Confessions|ビニール・コンフェッション

KANSAS_Vinyl_Confessions

オリジナルアルバム – 8作目 (1982年)

前作リリース後スティーヴ・ウォルシュが脱退。ケリー・リヴグレンとベーシストのデイブ・ホープがキリスト教に目覚めたために、クリスチャンロック化してしまったアルバム。

もちろん、このタイミングでプログレ路線に回帰するわけもなく、大衆受けする産業ロック/AOR系のハードロックへと完全に本格移行して、アーバンなポップサウンドに磨きをかけるという、80年代チャート狙いマナーに則ったものです。

いっそ開き直って清々しいほどにチャート狙いを隠さない作風も、どっちつかずで煮え切らない作品よりは好感が持てますが、それでも軽薄/軟派に転ばないあたりは、彼ら本来の資質の表れかもしれません。

クリスチャンロック/CCMという微妙な立ち位置とテーマ性ではあるものの、サウンド面では、オールタイムベスト級のT-01, T-07, T-10をはじめ各曲おしなべて高水準な力作で、これもまた隠れた好盤と呼べます。

プログレ度:★★★☆☆|ルーツ度:★☆☆☆☆|叙情度:★★★★☆
ハドロク度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

Drastic Measures|ドラスティック・メジャーズ

KANSAS_Drastic_Measures

オリジナルアルバム – 9作目 (1983年)

これまでの数作で展開してきた、ポップ路線のひとつの終着点と呼ぶべきアルバム。

これまで以上にハードロック的なダイナミズムは抑えられ、80年代メインストーム系のAOR風ハードポップサウンドを徹底しており、キーボードサウンドも、ニューウェイヴ系シンセ風の音色がフィーチャーされています。
一方で、ヘヴィメタルブームを反映してか、メタリックな質感のファストなハードロックチューンも聴かせるなど、アルバムにいくらかの起伏をもたせています。曲調はナカナカに多彩ですが、KANSASファンにはとしては好みは分かれそうな作風です。

プログレ度:★☆☆☆☆|ルーツ度:★☆☆☆☆|叙情度:★★★☆☆
ハドロク度:★★☆☆☆|ポップ度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

Power|パワー

KANSAS_Power

オリジナルアルバム – 10作目 (1986年)

短い活動停止期間を終えての復帰作。スティーヴ・ウォルシュが復帰し、さらに現在はDEEP PURPLEのギタリストとして知られる、USサザンプログレシーンの雄スティーヴ・モーズが加入した新体制での1作目です。

KANSAS特有の土臭さは感じられず、ややクールで人工的なサウンドは、当時のRUSHあたりを思わせる部分もありますが、基本的にはプログレテイストは抑えめ。

時代を反映してか、メタリックな質感の強いハードロック寄りの作風も見せますが、T-01やT-05あたりが軽くポップメタル風という程度で、タイトルやジャケットのイメージほどにはパワフルでもメタリックでもありません。

やや無難にまとまりすぎていてスリルには欠け、また、華やかのようでわりと地味なつくりとはいえ、当時増殖していた量産型のグラムメタルや産業ロックの水準は、軽く上回るレベルではあります。

プログレ度:★★☆☆☆|ルーツ度:★★☆☆☆|叙情度:★★☆☆☆
ハドロク度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

In The Spirit Of Things|イン・ザ・スピリット・オブ・シングス

KANSAS_In_The_Spirit_Of_Things

オリジナルアルバム – 11作目 (1988年)

引き続きスティーヴ・モーズが参加して曲作りにも全面的に関わった作品で、1951年にカンサスを襲った洪水をテーマにした、プログレテイストを強めのコンセプトアルバム。

そのテーマからか、最初期ほどではないものの再びアーシーなルーツテイストを取り入れており、いわゆる“古き良きアメリカ”的なアーリーアメリカンへのノスタルジーと憧憬が込められた、叙情あふれるなアルバムとなりました。

プログレ的なドラマ性とスリリングな展開を持ちつつも、牧歌的なほの明るさの中にも哀愁を漂わせた、ゆったりとした落ち着いた作風は、シティポップ風のAORとはまたひと味違った“大人のロック”を体現しています。

注目度も低くやや地味な印象もありますが完成度は極めて高く、ゴスペル的な高揚感を持つクライマックスのT-10をはじめとした良質な曲がそろっており、隠れた名盤と呼ぶにふさわしい1枚です。

 

プログレ度:★★★★☆|ルーツ度:★★★★★|叙情度:★★★★★
ハドロク度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤

Freaks Of Nature|フリークス・オブ・ネイチャー

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オリジナルアルバム – 12作目 (1995年)

Always Never The Same|オールウェイズ・ネヴァー・ザ・セイム

KANSAS_Always_Never_The_Same

オリジナルアルバム – 13作目 (1998年)

Somewhere To Elsewhere|サムホエア・トゥ・エルスホエア

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オリジナルアルバム – 14作目 (2000年)

The Prelude Implicit|ザ・プレリュード・インプリシット:暗黙の序曲

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オリジナルアルバム – 15作目 (2016年)

The Absence of Presence|ジ・アブセンス・オブ・プレゼンス

KANSAS_The_Absence_of_Presence

オリジナルアルバム – 16作目 (2020年)

KANSAS|DISCOGRAPHY

Two For The Show|トゥー・フォー・ザ・ショウ:偉大なる聴衆へ

KANSAS_Two_For_The_Show

ライヴアルバム (1978年)

Live At The Whisky|ライヴ・アット・ザ・ウイスキー

KANSAS_Live_At_The_Whisky

ライヴアルバム (1992年)

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