★ KATATONIA(カタトニア)ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|一介のフォロアーからゴシックメタルシーンのトップグループに上りつめた北欧鬱のベテラン!!…必聴アルバムは?

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耽美系ドゥームデスとプロト-メロデスをつなぐスウェディッシュゴシックメタルのひとつとして、一介のフォロアーから“鬱”, “暗黒”, “退廃”などのワードが刺さるデプレッシヴ厨二世代のカリスマへと成り上がったベテラン!続けていれば花ひらく!?

KATATONIA(カタトニア)はスウェーデンのゴシックメタルバンドで、アルバムデビューはそれほど早くはないものの、比較的古くから耽美的なドゥームデススタイルを試みており、スウェディッシュゴシックではTIAMAT(ティアマト)に次ぐ存在とみなされています。
いわばANATHEMA(アナセマ),MY DYING BRIDE(マイ・ダイイング・ブライド)などと並。PARADAISE LOST(パラダイス・ロスト)やTHE GATHERING(ギャザリング)に続く“フォロアー第1世代”と呼べるキャリアを持つグループです。

デビュー当初は、ルーツに当たる英国やオランダのゴシックメタルも視野に入れつつも、北欧で動きが目立ってきていたメロディックデスメタルのプロトタイプに近いアプローチと、プログレ的な凝った曲展開持ち味としていました。
初期作品は、メロデスやゴシックなど耽美系/プログレ系志向のエクストリームメタルシーンでは知らぬ者無しとなりつつあった、ダン・スウォノがプロデュースを手掛けるだけでなくDay DiSyraah名義でサポートメンバーとして参加していたことと、デスメタルのメロディ/耽美サウンド導入だけで大きなトピックとなり得た時代だったことから、日本でもそれなりの注目を集めました。

しかし、同期の主要グループが他とは一線を画するだけの確固とした独自性を持っていたのに対して、彼らはあくまでそれらの最大公約数的なスタイルにとどまっており、フォロアーを超越しうる域に達することはできず続々と登場してきた多数のゴシックメタル勢に埋没しがちでした。

とはいえ技量自体は水準以上のレベルにあったため、他の第1世代同様80年代のニューウェイヴ/ポストパンク系ゴシックサウンドや、REDIO HEAD(レディオ・ヘッド)などのオルタナティヴ・メランコリック系を取り入れるなどの試行錯誤をも試みつつ、他の先駆的サウンドを独自のバランスで巧みにブレンドする術を獲得しそれを純化させていったことで、高水準なハイブリッド系ゴシックメタルサウンドを確立させます。

その結果、他のフォロアーたちの多くが息切れを起こして姿を消していく中、コンスタントな活動とアルバムリリースを続けて生きながらえたことで競合が少なくなったことも幸いし、SENTENCED(センテンスド)などに匹敵するキング・オブ・フォロアーとしてゴシックメタルシーンのトップグループに数えられるまでに成長、一部ではカリスマ的な人気も獲得しています。

ゴシックメタルシーンでも、荘厳さや重厚さよりも陰鬱で内省的な詩情/叙情を前面押し出しつつメタルから大きく逸脱しない作風から、メランコリックメタル,鬱メタルなどと称されることもあります。

KATATONIA|DISCOGRAPHY

Dance of December Souls|ダンス・オブ・ディセンバー・ソウルズ

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オリジナルアルバム 1作目 – (1993年)

数多のメロディ/耽美志向のデスメタル/ブラックメタルを手がけるカリスマ、ダン・スウォノのプロデュースによるデビュー作。スウォノはプロデュースだけでなく、キーボード兼ヴォーカルでメンバーとしても参加しています。
英国系のゴシックドゥームデスを基調につつも、センス的にはメロディックデスメタル/ブラックメタルとの親和性が強い、初期北欧ゴシックに多かった“ドゥームメロデス”とでもいった作風。ゴシックメタル路線をゆくかメロデスに手を伸ばすか悩み中」といった思惑も透けて見えます。
楽曲は10分オーバーが3曲とかなりの大作志向ですが、これらにの長尺曲にはスウォノの作風に通じるものがあり、長尺を生かしきれておらずコンパクトにシェイプした方が効果的に感じられるあたりまで共通しています。
とはいえ、アトモスフェア頼りの作風ながらも、そこにとどまらず試行錯誤試みていることはうかがえます。

メタル度:★★★★★|ヘヴィ度:★★★★★|耽美度:★★☆☆☆
プログレ度:★★★★★|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Brave Murder Day|ブレイヴ・マーダー・デイ

KATATONIA_Brave_Murder_Day

オリジナルアルバム 2作目 – (1996年)

引き続き“ゴシックドゥーム meets メロデス”な作風ですが、前作を踏襲しつつも音楽性の幅はやや広がり、曲によっては当時のPARADISE LOSTの影響受けたような耽美的なメロディも見られます。その一方で、T-03のようにのちの“鬱メタル”路線へとつながる独自のダークでメランコリックなセンスも確認できます。
大作趣味の楽曲も健在ながら全体的にはいくぶんシェイプされ、冗長さが減ってコンパクトにまとまっており、相変わらずアトモスフェアだよりで曲弱く決定打を欠いているとはいえ、部分的に印象に残るパートやフレーズもあり、クオリティとオリジナリティは確実に向上しています。
ダン・スウォノは引き続き、セッションメンバーとエンジニアして参加。

ヘヴィ度:★★★★☆|ハード度:★★★★☆|メロディ:★★★★☆
大作度:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

Discouraged Ones|ディスカーレイジド・ワンス

KATATONIA_Discouraged_Ones

オリジナルアルバム 3作目 – (1998年)

メタルエッジなサウンドは健在ですがドゥーミィなヘヴィネスは薄れており、デスヴォーカルも封印してクリーンヴォイスのみとなり完全にデスメタル色を払拭、PARADISE LOST, ANATHEMA, TIAMATらに倣って、80年代ニューウェイヴ/ポストパンクのエッセンスを取り入れ、さらに90年代のメランコリック系オルタナティヴロックにも接近した、メロウなゴシックメタルサウンドへと移行。“陰鬱系”, “デプレッシヴ系”, “メランコリック系”などと表現されるようになる、現在まで続く基本スタイルを確立しました。
アプローチに取り立てて新鮮味は見られないものの、メロディについてはかなり独特のセンスが見られ、それを武器にしたアトモスフェリックなサウンドで、フォロアーの中で頭ひとつ飛び抜けた存在となりました。問題はバンドに対するよほどの“愛”がない限り、ほとんどの曲が同じに聴こえてしまうことでしょう。
初期では数少ない、ダン・スウォノが完全ノータッチのアルバムです。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★★☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤 賛否両論 スルメ盤

Tonight’s Decision|トゥナイツ・デシジョン

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オリジナルアルバム 4作目 – (1999年)

基本路線に前作から大きな変化はありませんが、1曲ごとに明確な個性付けを行おうとする意思はうかがえます。残念ながらそれは完全な成功には至っていませんが、いくらか印象的な楽曲を増やすことはできています。そのためにPARADISE LOSTからのレンタルアイデアと多分に活用しており、時折切り込んでくるギターのフレージングやソロパートなどにその影響が見られます。
問題は、アルバム中で突出したT-03やT-07といった楽曲が完全いPARADISE LOST風の曲調、他はジェフ・バックリィのカバーT-10が原曲の良さを見せているくらいで、比較的KATATONIカラーの強い楽曲がまったくパッとしないことでしょう。アルバムトータルとしては、曲単位で目立ったところがない前作の方がむしろ好印象です。
ダン・スウォノは、セッションメンバーとしてドラムを担当。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★☆☆☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

Last Fair Deal Gone Down|ラスト・フェア・ディール・ゴーン・ダウン

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オリジナルアルバム 5作目 – (2001年)

キュアダイス・ロストといった風情のT-07はそれなりに印象に残る曲ですが、その他の楽曲については、バンドに対するよほどの“愛”がない限りほとんどが同じに聴こえてしまうことでしょう。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィ度:★★☆☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★☆☆☆☆|独自性:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作 お布施

Viva Emptiness|ビバ・エンプティネス

KATATONIA_Viva_Emptiness

オリジナルアルバム 6作目 – (2003年)

PORCUPINE TREE(ポーキュパイン・トゥリー)や同郷のANEKDOTEN(アネクドテン)に代表される、モダンプログレ路線に活路を見出したようで、最初期のプログレメタル調とは異なるスタイルながら変則的なリズムや展開を用いるなど、ゴシックメタル路線にいくぶんプログレテイストを取り入れた作風に。その一環でヘヴィパートとメロウパートを織り交ぜて緩急をつけた曲が増えた結果、直近の作風からヘヴィネスの度合いが多少アップすることになりました。
レンタルっぽい最大公約数的スタイルはあい変わらずですが、現在進行形でスタイルの確立と多様性の獲得を試みている意気込みは評価できます。
当時“カタトニア”といえば、後発のUKオルタナポップバンドを指していましたが、そのCATATONIAが解散認め混乱はが少なくなり、彼らが“カタトニア代表”として認められるようになりました。。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 スルメ盤 実験作

The Great Cold Distance|ザ・グレイト・コールド・ディスタンス

KATATONIA_The_Great_Cold_Distance

オリジナルアルバム 7作目 – (2006年)

前作同様プログレ色強めの作風。本格的にPORCUPINE TREEやANEKDOTENなどのダークな新世代プログレを追求しており、彼らのモダンプログレ路線としては決定盤と呼ぶに値するアルバムです。
本作では、おそらく作風的に共感するところも多いと思われる、米国の陰鬱系メタル/ダークプログレの代表格TOOLを意識した面も目立ち、トリッキーなリズムなどにその影響が現れていますが、この新しい地を取り入れる試みはまずまず成功しています。
相変わらずオリジナリティと決め手には欠けるていますが、そこにさえ目をつむれば中堅ゴシックメタルとしてはトップ水準に達した魅惑的なメランコリックダークサウンドを楽しめます

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★★★☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Night Is the New Day|ナイト・イズ・ザ・デイ

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オリジナルアルバム 8作目 – (2009年)

前作から一転して、トリッキーなリズムや変則的な曲展開などプログレ的なアプローチよりも、北欧ゴシックメタル/耽美メタル的な様式とアトモスフィアを重視した作風となりました。また、TOOLを意識した作風を試みた流れからか、ヘヴィな曲ではニューメタル感じさせるようなリフワークやフレージングが見られます。
各ジャンルの比率としては、《北欧ゴシックメタル70%、ダークプログレ10%、TOOL系モダンプログレ10%、ニューメタル10%》…というところ。結果的に前作で覚醒しつつあったユニークさは半減し、独自性は後退してしまいましたが、冒頭2曲とラストはなかなかです。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作

Dead End Kings|デッド・エンド・キングス

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オリジナルアルバム 9作目 – (2012年)

前作から特に大きな変化は見られません。アベレージは幾らか向上しましたが、突出した曲がないという欠点は相変わらず解消されないので、個々の楽曲を味わうというよりも、アルバムオリエンテッドな考え方で1作通してアトモスフェアを堪能する作風と割り切った方がいいかもしれません。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 スルメ盤

Dethroned & Uncrowned|デスローンド&アンクラウンド

KATATONIA_Dethroned_&_Uncrowned

オリジナルアルバム 10作目 – (2013年)

“Dead End Kings(9th)”のアコースティックバージョン。元の作品自体が楽曲本来のメロディや歌で勝負する作風ではなく、原曲自体が単体で聴くと印象に残らないため、それが強まってただフラットに流れていくだけに終わっています。

メタル度:★☆☆☆☆|ヘヴィ度:★☆☆☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論  スルメ盤 実験作 お布施

The Fall of Hearts|ザ・フォール・オブ・ハーツ

KATATONIA_The_Fall_of_Hearts

オリジナルアルバム 10作目 – (2016年)

過去にも見られたダークプログレ寄りの作風ですが、ここに来てその路線でのこれまでの最高峰The Great Cold Distanceをに匹敵するか上回るグレードを持つアルバムをリリースし、遅咲きバンドの尻上がりぶりを見せてきました。
ヘヴィなダークプログレメタルという意味では以前と変わりませんが、オルタナプログレ/モダンプログレ的なスタイルよりも、よりオーソドックスなヘヴィメタル/ハードロック、プログレロック/メタル色が大きく勝っている印象です。技巧面でもモダンなテクニカルスタイルより、オールドスクールプログレ風技巧路線が目立ちますが、そのあたりの王道と革新のブレンドの塩梅はなかなか絶妙。
これまでになくヘヴィメタル的なダイナミズムが感じられるため、アトモスフィア重視のゴシック系サウンドに抵抗がある一般メタルリスナーにも聴きやすいアルバムです。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★★★☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

City Burials|シティ・ベリアルズ

KATATONIA_City_Burials

オリジナルアルバム 11作目 – (2020年)

プログレ的なトリッキーでテクニカルな部分はかなり減退し、ロック/メタル的な躍動感とダイナミクスがより一層強化されており、その意味では前作以上に一般メタルリスナーにも聴きやすいアルバムですが、変則的なプログレサウンドを期待したリスナーにはやや肩スカシでしょう。もろもろ考慮すると総合的には前作に及ばないものの、なんとか肩を並べられる出来栄えで、曲調が多彩なため飽きずに聴き通せます。
気になるのは、彼らについてまわる“借り物の集大成”感がいつにも増して目立つ点。例えるなら、美味しい出来合いの料理を仕入れてアレンジし、見栄え良く盛り付けたカフェめしという感じです。ただし、仕入れの目利きは確かですし、繊細な盛り付けだけでも金が取れるレベルにはあり、また、一応オリジナルのソースや付け合わせ, トッピングなどで一手間かけている…といったところでしょうか。
ちなみに、スウェディッシュゴシックメタルの大御所TIAMATのラストアルバムに参加していた、Roger Öjersson(Gt.)加入後の初アルバムとなります。

メタル度:★★★★★|ヘヴィ度:★★★☆☆|耽美度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 賛否両論
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