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- KILLING JOKE|DISCOGRAPHY
- Killing Joke|キリング・ジョーク:黒色革命
- What’s THIS For…!|ホワッツ・ディス・フォー…!:リーダーに続け
- Revelations|レヴェレイションズ:神よりの啓示
- Ha!|ハ!!:キリング・ジョーク・ライヴ
- Fire Dances|ファイアー・ダンス
- Night Time|ナイト・タイム:暴虐の夜
- Brighter than a Thousand Suns|ブライター・ザン・ア・サウザンド・サンズ:漆黒の果て
- Outside the Gate|アウトサイド・ザ・ゲート
- The Courtauld Talks|ザ・コートールド・トークス
- Extremities, Dirt and Various Repressed Emotions|エクストリミションズ, ダート・アンド・ヴァリアス・リプレスド・エモーション:怒涛
- Pandemonium|パンデモニウム
- Democracy|デモクラシー
- Killing Joke|キリング・ジョーク
- Hosannas from the Basements of Hell|ホナンザ・フロム・ザ・ベースメント・オブ・ヘル
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- KILLING JOKE|DISCOGRAPHY
ヘヴィメタルに最も大きな影響力を持ちMETALLICAをも跪かせるニューウェイヴ/ポストパンクシーン最重要カリスマグループはインダストリアルメタル/メタリックトランスの元祖!!
KILLING JOKE(キリング・ジョーク)は1970年代末から活動を続ける英国のグループで、ニューウェイヴ/ポストパンクシーンに属していましたが、それらの中ではアメリカのSWANS(スワンズ)などと並んでもっともヘヴィな部類に属する音楽性を持ち、ヘヴィメタルシーンにも大きな影響力の持つ存在。
一般的にはインダストリアルのパイオニアとされており、実験性の強い強いノイズ/アバンギャルド色の濃いグループとは異なり、当初よりインダストリアルメタルやダンスロックに近しい音楽性を持っていたことで、のちにインダストリアルメタルのルーツとしても再評価が進むことになります。
なかでも、彼らがメタルリスナーにも名を知られることになった大きなキッカケは、METALLICA(メタリカ)が1987年にリリースしたカバー集『The $5.98 EP – Garage Days Re-Revisited(メタルガレージ)』で、NWOBHM系の楽曲と並んで彼らの1stからのThe Waitを取り上げたことでしょう。
また、トランシーなサイケデリアもKILLING JOKEのよっては重要なエッセンスのひとつで、その流れから主要メンバーのユース(Youth)はサイケデリックトランスシーンでは知らぬ人はいない存在にもなり、自らのレーベルDragonfly Records(ドラゴンフライ・レコーズ)の運営のほか音源制作やDJ活動も行っています。
また、そのユースの代役としてベースを務めていた故ポール・レイヴン(Paul Vincent Raven)は、MINISTRY,GODFLESH,PRONGら大物インダストリアルメタルグループにも参加していました
彼らは才人ぞろいの実力派で常に高水準な作品をリリースしてきましたし、知名度も比較的高いにもかかわらずやや通好みなカルト人気にとどまっており、90年代のインダストリアルメタル全盛期にも波に乗り切れずそのまま解散してしまいます。
しかし2002年の再結成後は、よりヘヴィメタリックでアグレッシヴなインダストリアルメタルへと変貌を遂げたことで、ヘヴィメタルリスナーへの認知度が高まりリスナーの幅を大きく広げ流ことに成功、その後はアルバムリリースも含めコンスタントな活動を続けています。
KILLING JOKE|DISCOGRAPHY
Killing Joke|キリング・ジョーク:黒色革命
オリジナルアルバム 1作目 – (1980年)
80年代に入ると、ニューウェイヴ/ポストパンクシーンでも犬猿の仲だったハードロック/ヘヴィメタルへの接近が時折見られるようになりますが、この時点ではずば抜けてヘヴィでメタリックなサウンドを作り出していた異色のアルバムでした。METALLICAがカバーしたヘヴィな名曲The Waitを収録。
ダンス度:★★☆☆☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
What’s THIS For…!|ホワッツ・ディス・フォー…!:リーダーに続け
オリジナルアルバム 2作目 – (1981年)
前作と並んで、初期の名盤で代表作とし語り継がれているアルバム。当時としてはヘヴィではあるものの、前作と比較するとヘヴィメタリックな過剰さや重さはそれほど強調されていません。むしろやや実験色の方が目立つ作風なのですが、実験性という意味ならもっと振り切った尖ったバンドが多数登場した時期でもあるので、その面だけを見ればやや印象の薄さは否めません。
のちにPRONGに参加するポール・レイヴンは加入前ですが、T-01, T-03をはじめPRONGサウンドの原点と言える曲も多く、PRONGがかなりストレートの影響を受けていることがうかがえます。
ダンス度:★★☆☆☆|ポップ度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Revelations|レヴェレイションズ:神よりの啓示
オリジナルアルバム 3作目 – (1982年)
これまでのスタイルに、ある意味ゴシック的ともいえる耽美性を持ち込み、さらにダンサブルなテイストを強調した作風。過去作からの変化からオールドファンには賛否両論で過小評価を受けがちですが、楽曲は高水準ですしこのアルバムが彼らの作風の幅を広げる起点となったことを考えると、一般的なイメージ以上に重要なアルバムとも言えます。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Ha!|ハ!!:キリング・ジョーク・ライヴ
ライヴアルバム – (1982年)
スタジオアルバム以上にヘヴィでトランシーな名盤ライヴアルバム。シングルB面ながらインダストリアルメタル/ボディミュージック, サイケデリックトランスの原型となる重要曲でもある名曲T-01″Pssyche”を収録していることだけでも、ボンクラ風に言うなら1億点以上はカタいアルバム。ちなみに、ここからユースに変わり“インダストリアル界の仕事人”ポール・レイヴンがベースで参加となります。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Fire Dances|ファイアー・ダンス
オリジナルアルバム 4作目 – (1983年)
トライバル&ダンサブルなエクニック風リズムが聴ける曲が多くなり、ジャケットも含めのちに本格的に注目を集めるワールドミュージックブームの萌芽をも感じさせます。ただし前作からの耽美路線との食い合わせがよくない印象もありますし、ややミニマルで変化に乏しい曲が目立つ上に似た曲調も多いのも気になるポイント。その中で異彩を放つポップなT-09は、印象に残る仕上がりでなかなか。
ダンス度:★★★☆☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Night Time|ナイト・タイム:暴虐の夜
オリジナルアルバム 5作目 – (1985年)
前作以上の新境地切り開きこれまでにない作風となったアルバムで、エレポップ/テクノポップ的なポップ&キャッチーでメロディを大きくフィーチャーしたサウンドへと舵を切っただけでなく、過去作以上にゴシックロック的な仄暗く不穏な耽美色に全体を覆われながらもダンサブルな躍動感をもったアルバムとなりました。
オールドファンからは相変わらずの賛否両論ですが、ライヴの定番T-01, T-03, T-08をはじめ楽曲のクオリティは極めて高く、初期の作風にこだわらなければ聴きどころは満載です。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Brighter than a Thousand Suns|ブライター・ザン・ア・サウザンド・サンズ:漆黒の果て
オリジナルアルバム 6作目 – (1986年)
前作に引き続いて、ゴシカルな耽美テイストをまとったエレポップ/シンセポップ調の作風ですが、ダンサブルなエッセンスはやや薄れ、ヴォーカルラインも含めてメロディアスな面が強調されています。
不穏なジャケットに反してダークさは薄れ、サイケデリアもダンス色もあまり感じられない、ポップでやや明るめの耳なじみのいいメロディを追求した作風は、水準以上ではあるもののKILLING JOKEならではの特色は希薄ですし、前作と比較しても一枚落ちるのは確実で食い足りなさは否めません。とはいえ、T-08, T-09あたりはなかなかの佳曲です。
ダンス度:★★☆☆☆|ポップ度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Outside the Gate|アウトサイド・ザ・ゲート
オリジナルアルバム 7作目 – (1988年)
基本的には前2作のエレポップ寄りのダークな作風は踏襲されていますが、シンセサウンドはフィーチャーしつつもよりオーソドックスなロックミュージックに接近しており、オーガニック質感もあわせ持ったダイナミズムに満ちた作風となりました。
初期2作しか認めないオールドファンに不評なのはともかく、前作に続いて印象のやや薄いアルバムなのは確かですが、楽曲の幅はさらに広がってKILLING JOKE流のポップネスも増しています。ある意味プログレッシヴロックの一種としても聴ける作風でもあり、より広い層に受け入れらうるポテンシャルも感じれます。クレジットにはありませんが、今回もベースはポール・レイヴンが担当。
ダンス度:★☆☆☆☆|ポップ度:★★★★★|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
The Courtauld Talks|ザ・コートールド・トークス
ライヴアルバム – (1989年)
Extremities, Dirt and Various Repressed Emotions|エクストリミションズ, ダート・アンド・ヴァリアス・リプレスド・エモーション:怒涛
オリジナルアルバム 8作目 – (1990年)
インダストリアルメタルの黎明期に突入したことも影響しているのか、この時点では過去最高にヘヴィでハードコアなサウンドに仕上がったアルバム。
残念ながらインダストリアルメタルの波には乗りそびれシーンでの存在感が弱まっていた時期でもあり、彼らのキャリアの中では知名度の面でも評価の面でもイマイチで印象の薄いアルバムですが、楽曲自体は粒ぞろいで極めて高水準な仕上がりとなっており、ヘヴィなサウンドも相まってインダストリアルメタルのリスナーでも十分に楽しめる隠れた名盤です。ポール・レイヴンの参加は一旦ここまでとなります。
ダンス度:★★☆☆☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Pandemonium|パンデモニウム
オリジナルアルバム 9作目 – (1994年)
インダストリアルメタルムーヴメントの絶頂にあたる時期のアルバムで、それを反映したかのように前作に匹敵するヘヴィなサウンドになっていますが、ロック的なヘヴィネスやアグレッションについては前作に分があります。
インダストリアルメタル以上に、サイケデリックトランスをメインフィールドとしていたユースの復帰が反映された、トランス, ダブ,アンビエントなどのEDMサウンドの導入こそが、この時期のKILLING JOKEサウンドを形成する重要で大きなファクターとなっています。
前作よりは大きく取り上げられた印象はあるものの、メタルファン/ロックファンにとってはキャッチネスに欠けるためかそれほど伸びませんでしたが、クオリティ的には文句無しの充実作で前作同様隠れた名盤です。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Democracy|デモクラシー
オリジナルアルバム 10作目 – (1996年)
基本的な部分では前作の延長線上にある作風で、サイケデリックサウンドの重要なエッセンスとなっている点でも同様ですが、メタリックな質感とヘヴィネスによるエッジがややなめらかになり、まろやかでオーガニックな印象となっています。
前半はやや陽性で穏やかな雰囲気を持ったポップな曲調が目立つ流れで、ダークな前作とはかなりイメージが異なり聴き手によってはやや地味にも感じられますが、前作同様に後半はサイケデリックトランスをベースとした楽曲が中心となり、フィジカルな高揚感に満ちています。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験
Killing Joke|キリング・ジョーク
オリジナルアルバム 11作目 – (2003年)
ブランクを挟んでも復帰作で、KILLING JOKE史上では最もヘヴィメタリックでエクストリームなアルバム。ニューメタルの隆盛によるシーンのヘヴィネス過剰化傾向を視野に入れつつ、それとは異なるメソッドで最新ヘヴィミュージックモードに匹敵する最上級のヘヴィネスとアグレッションを持った、圧倒的なクオリティのインダストリアルメタルを完成させています。
これが新世代リスナーやメタルファンにもアピールしたことで、大きくファン層を拡大しコンスタントな活動を続けることに成功しており、ロートル扱いされがちだった彼らを新たなステージへと導くことになった重要作といえます。
ダンス度:★★☆☆☆|ポップ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Hosannas from the Basements of Hell|ホナンザ・フロム・ザ・ベースメント・オブ・ヘル
オリジナルアルバム 12作目 – (2006年)
同時代的なヘヴィネスを持ったサウンドは前作と同様ですが、ダンサブルでトランシーな楽曲が増え同時に曲の長尺化の傾向も見られるようになりました。T-07のようなEサイケトランス調の曲もありますが、全体的にはEDM色は薄く“ダンス対応も可能なヘヴィミュージック”の枠におさまっています。
かなり機能性を追求した作風ながら粒ぞろいの印象的な楽曲がそろっており、充実度と完成度は非常に高いレベルにあります。
一面では前作以前の作風に回帰した部分も見られ、過去作に見られたエッセンスが端々で顔をのぞかせますが、ヘヴィメタリックな質感は維持してるので、前作ほど直接的なヘヴィメタルサウンドではないものの、とりあえずはメタラーでも楽しめる範囲内の変化と言っていいでしょう。今作はユースに変わりポール・レイヴンが参加。
ダンス度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Absolute Dissent|アブソリュート・ディセント:宣戦布告
オリジナルアルバム 13作目 – (2010年)
近作のようなヘヴィなサウンドやEDM系のダンサブルが聴ける曲もあるにはありますが、その比重は大きく下がっており、RevelationsアルバムやNight Timeアルバムあたりの作風に通じるエレポップ系のニューウェイヴリバイバル調の楽曲がメインになりました。
そうなると即効性が薄い分だけ楽曲の質が問われることになりますが、T-03, T-05, T-10, T-12など佳曲も多く水準以上には達しているものの、残念ながら前記の2作品には及ばない惜しい仕上がりです。今作からはポール・レイヴンに変わりユース復帰しています。
ダンス度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
MMXII|MMXII
オリジナルアルバム 14作目 – (2012年)
今作でも、復活直後に充満していたヘヴィネスとメタルエッジな質感はいくぶん後退しています。焼き直し気味なエレポップに偏りがちだった前作とは異なり、今回はサイケデリック色が強くなりましたが、ダンサブル路線やポップ路線など楽曲のバリエーションは豊富ですし、それぞれがよく練られており楽曲アベレージも上昇した充実作です。
さすがに新鮮味こそやや薄いものの、類型化が進みがちなインダストリアルメタルシーンで異彩を放つ個性は健在で、確かな満足を感じることのできるアルバムです。
ダンス度:★★★★☆|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Pylon|パイロン
オリジナルアルバム 15作目 – (2015年)
いわゆる“総決算スタイル”の作品で、特定の音楽性に絞ることなくこれまでに試みたスタイルを織り交ぜてたアルバム。復帰直後ほどではないもののヘヴィメタリックなサウンドも取り戻しつつ、90年代のサイケデリックトランスをベースとしたナンバーや80年代的なエレポップテイストの楽曲も織り交ぜ、バラエティに富んだアルバムに仕上がっています。
楽曲の水準もかなり高いレベルにを維持しており、前作と並んでベテランらしからぬ現役感を感じさせ、類型的なインダストリアルとは大きく隔てられた、KILLING JOKEならではの個性にあふれた会心作と言っていいでしょう。
ダンス度:★★★★★|ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作