Contents
- 1ダウンテンポなスローパート交えたウルトラヘヴィなサウンドで、ニューヨークからデスメタルの聖地フロリダへと乗り込んだブルータル・デスメタル・マスターは止まることなく活動を続ける!!
- 1...1USブルータル・デスの主力グループ!?
- 1...2USデスメタルの準メジャー・グループ!?
- 1...3超重量級のブルータル・デスメタル!?
- 1...4メジャー落ちするも根強い活動を続ける!?
- 1.1MALEVOLENT CREATION|マルヴォレント・クリエイション|DISCOGRAPHY
- 1.1.1The Ten Commandments|ザ・テン・コマンドメンツ
- 1.1.2Retribution|リトリビューション
- 1.1.3Stillborn|スティルボーン
- 1.1.4Eternal|エターナル
- 1.1.5Joe Black|ジョー・ブラック
- 1.1.6In Cold Blood|イン・コールド・ブラッド
- 1.1.7The Fine Art of Murder|ザ・ファイン・アート・オブ・マーダー
- 1.1.8Manifestation|マニフェステイション
- 1.1.9Envenomed|エンヴェノムド
- 1.1.10The Will to Kill|ザ・ウィル・トゥ・キル
- 1.1.11Warkult|ウォークルト
- 1.1.12Conquering South America|コンクエリング・サウス・アメリカ
- 1.1.13Doomsday X|ドゥームズデイ・エックス
- 1.1.14Live at the Whisky a Go Go|ライヴ・アット・ザ・ウイスキー・ア・ゴー・ゴー
- 1.1.15Invidious Dominion|インヴィディアス・ドミニオン
- 1.1.16Australian Onslaught|オーストラリアン・オンスロート
- 1.1.17Dead Man's Path|デッド・マンズ・パス
- 1.1.18The 13th Beast|ザ・サーティーンス・ビースト
- 1.1.19Memories of a Beast|メモリーズ・オブ・ア・ビースト
- 1.1.20Rebirth/Live|ラビリス/ライヴ
MALEVOLENT CREATION|マルヴォレント・クリエイション|DISCOGRAPHY
The Ten Commandments|ザ・テン・コマンドメンツ
オリジナルアルバム – 1作目 (1991年)
多数のデスメタル・バンドも在籍していた、名門メタルレーベル『ロードランナー』の前身にあたる『ロードレーサー』系列の、『R/C RECORDS』からリリースされていたデビューアルバム。
作風は、この頃からすでにヘヴィネス重視の傾向が見られ、疾走感はありつつも重量級というトルクフルなサウンドを展開しており、デビュー作ながら完成された上質なデスメタルサウンドを聴かせてくれます。
ファスト&スローを交えた楽曲が目立ちますが、近年のようなモッシャー向けのノルマ的なブレイクダウンとは異なり、あくまで楽曲に変化とメリハリをつけるための緩急という音楽的な目的による展開となっています。
|ブルタル度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Retribution|リトリビューション
オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)
引き続き『R/C RECORDS』からのリリースとなった2ndアルバムの本作は、一般的にMALEVOLENT CREATION初期の代表作と見なされるだけでなく、90年代のアメリカン・デスメタル黄金期を代表する、ブルータル・デスメタル・アルバムの1枚に数えられています。
スローパートとファストパートを巧みに織り交ぜたスタイルについては、ここでも変化は見られませんが、本作においては、楽曲の端々で時折グルーヴをも感じさせるようになりました。
とはいえ、基本的にはスピーディーな突進力が勝っており、スローパートが疾走感を妨げたり、中だるみを招くなどマイナスに働くことはないため、楽曲に効果的な緩急を与える要素として、その魅力に直結しています。
|ブルタル度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
Stillborn|スティルボーン
オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)
『ロードレーサー/R/C RECORDS』が『ロードランナー』に切り替えられたことにより、『ロードランナー』ブランドとしてリリースされていた唯一のアルバム。
やや作風に変化が見られ、従来のように1曲中にファストパートとスローパートを織り混ぜずに、ファストはファストで、スローはスローで、グルーヴはグルーヴでと、曲ごとにベクトルを定めたアプローチが目立つようになっています。
彼らのカタログ中では過小評価の傾向のあるアルバムで、プロダクションの悪さによるくぐもった音質に加え、この時代特有のグルーヴ・スラッシュを思わせるヘヴィグルーヴが批判されがちですが、音質はともかくとして、ヘヴィネス志向については以前からなので今更というところでしょう。
なお、本作での急なプロダクション劣化は、レーベルの待遇も影響すると伝えられ、それがレーベルと袂を別つ原因になったとされています。
しかし、音質に難ありとはいえ、スラッシーな疾走感に満ちたデスメタルとしては、前作を上回る部分すら見られる充実した作品であることは事実。
ラフなサウンドに耐性があって、音質を気にせずに楽曲だけに目をやることができるならば、特に問題なく楽しめるはずです。
|ブルタル度:★★★★★
|ファスト度:★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★★
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 賛否両論 通好み
Eternal|エターナル
オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)
古巣の『ロードランナー』をドロップアウトして、『ペイヴメント(PAVEMENT MUSIC)』へ移籍しての第一作。
ドゥーム, スラッジ, グランジ, ジャンク/ノイズなど、ヘヴィなオルタナティヴ・ロックが中心だった、当時の『ペイヴメント』への移籍はやや意外でしたが、ウルトラヘヴィな作風がカラーとして定着していたレーベルだけに、ある意味では納得とも言えます。
音楽性は、前作に近いストレートな作風ですが、以前のようなファスト&スローで緩急をつけた楽曲が増え、また、音質が向上した上にブルタリティもアップしており、心機一転でやや吹っ切れたような印象さえ漂わせています。
|ブルタル度:★★★★★
|ファスト度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 入門盤
Joe Black|ジョー・ブラック
コンピレーションアルバム (1996年)
『Stillborn(3rd)』や『Eternal(4th)』の時期の、レアトラックを集めた編集盤アルバム。
迷走期とされる時期の音源であることや、EDMビートを導入したインダストリアル・リミックス曲も含む実験的なアプローチも見せたことなどが影響して、生粋のデスメタラーからは、好ましからざるアルバムとみなされがちです。
とはいえ、リベラルなリスナーにとっては、ファンアイテム以上の価値がある好盤と言えるでしょう。
|ハード度:★★★★☆
|メロディ:★★★★☆
|大作度:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
In Cold Blood|イン・コールド・ブラッド
オリジナルアルバム – 5作目 (1997年)
引き続き『ペイヴメント』からのリリースとなるアルバム。
MALEVOLENT CREATIONとしては珍しくダウンテンポは極力控えられて、ファストチューンが主体となっており、彼らとしてはやや異色ともいえるストレートなデスメタルを聴かせる1枚です。
前作同様に、いかにもなブルータル・デスメタル系のエクストリミティを追求した作風で、以前のスラッシーな心地よい疾走感が薄れたあたりは、オールドファンにとっては、好みが分かれるポイントとなる可能性があります。
とはいえ、申し分のない極上のデスメタル・アルバムと言える出来栄えであり、これはこれでと割り切れるならば、よりブルータルに舵を切ったサウンドを堪能できます。
|ブルタル度:★★★★★
|ファスト度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 入門盤 賛否両論
The Fine Art of Murder|ザ・ファイン・アート・オブ・マーダー
オリジナルアルバム – 6作目 (1998年)
前作からはまた印象がガラリと変わっており、クラスト/ハードコアのテイストが強く、また、メロディアスなギターソロも多用されるなど、全体的にオールドスクールなスウェディッシュ・デスメタルの要素を強めています。
彼らとしては異色なこの作風のためか、好き嫌いの分かれる1枚となっていることは否めず、一般的にはそれほど評価されている様子はありません。
とはいえ、本作もまた一級品の出来栄えであることは間違いありませんし、心地よい疾走感に満ちたスラッシーなファストナンバーの充実度では、最高峰に位置していた『Stillborn(3rd)』にも匹敵するとも言えます。
|ブルタル度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
入門盤 賛否両論 実験作
Manifestation|マニフェステイション
コンピレーションアルバム (2000年)
Envenomed|エンヴェノムド
オリジナルアルバム – 7作目 (2000年)
MALEVOLENT CREATIONの持ち味として定着し、過去のアルバム中には多少なりとも織り込まれていた、ダウンテンポなスローパートはもとより、ブレイクダウンやヘヴィグルーヴまでもを一切排除。
ファストチューン・オンリーで勝負をかけるという、かなり思い切ったアプローチを見せるアルバムです。
モダンなメロ・デスラッシュも含めた、スウェディッシュ・デスメタルの要素も織り込んだサウンドは、前作を踏襲したとも言えるもので、必然的に、主にオールドファンからの賛否両論を呼ぶという結果からは逃れることはできません。
とはいえ、迷いのない勢いと疾走感にあふれたスラッシーなデスメタルは、申し分ない極上の出来栄えを見せており、いわゆる「細いこととはいいんだよ!」な気分に聴き手を持ってゆくだけの、説得力と存在感に満ちています。
|ブルタル度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み
The Will to Kill|ザ・ウィル・トゥ・キル
オリジナルアルバム – 8作目 (2002年)
Warkult|ウォークルト
オリジナルアルバム – 9作目 (2004年)
Conquering South America|コンクエリング・サウス・アメリカ
ライヴアルバム (2004年)
Doomsday X|ドゥームズデイ・エックス
オリジナルアルバム – 10作目 (2007年)
Live at the Whisky a Go Go|ライヴ・アット・ザ・ウイスキー・ア・ゴー・ゴー
ライヴアルバム (2008年)
Invidious Dominion|インヴィディアス・ドミニオン
オリジナルアルバム – 11作目 (2010年)
Australian Onslaught|オーストラリアン・オンスロート
ライヴアルバム (2010年)
Dead Man’s Path|デッド・マンズ・パス
オリジナルアルバム – 12作目 (2015年)
The 13th Beast|ザ・サーティーンス・ビースト
オリジナルアルバム – 13作目 (2019年)
Memories of a Beast|メモリーズ・オブ・ア・ビースト
コンピレーションアルバム (2019年)
Rebirth/Live|ラビリス/ライヴ
ライヴアルバム (2019年)