Contents
- 1NY-OSHC(ニューヨーク・オールドスクール・ハードコア)の伝統のサウンドを頑固一徹に守り続ける、パンキッシュなスピードとメタリックなヘヴィネスが融合したがストロングスタイルのベテランカリスマバンド!!
- 1.1SICK OF IT ALL|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Sick of It All|シック・オブ・イット・オール
- 1.1.2Blood, Sweat and No Tears|ブラッド, スウェット・アンド・ノー・ティアーズ
- 1.1.3Just Look Around|ジャスト・ルック・アラウンド
- 1.1.4Scratch the Surface|スクラッチ・ザ・サーフェイス
- 1.1.5Built to Last|ビルト・トゥ・ラスト:最後の闘志
- 1.1.6Call to Arms|コール・トゥ・アーム
- 1.1.7Yours Truly|ユース・トゥルーリィ
- 1.1.8Life on the Ropes|ライフ・オン・ザ・ロープス
- 1.1.9Death to Tyrants|デス・トゥ・タイランツ
- 1.1.10Based on a True Story|ボーズド・オン・ア・トゥルー・ストーリィ
- 1.1.11XXV Nonstop|XXX ノンストップ
- 1.1.12The Last Act of Defiance|ザ・ラスト・アクト・オブ・ディファイアンス
- 1.1.13Wake the Sleeping Dragon!ウェイク・ザ・スリーピング・ドラゴン
NY-OSHC(ニューヨーク・オールドスクール・ハードコア)の伝統のサウンドを頑固一徹に守り続ける、パンキッシュなスピードとメタリックなヘヴィネスが融合したがストロングスタイルのベテランカリスマバンド!!
SICK OF IT ALL(シック・オブ・イット・オール)は、80年代後期より活動を続けるアメリカ合衆国ニューヨークを拠点とするハードコアバンド。ニューヨークハードコアシーンの中でも、一般にOSHC(オールドスクール・ハードコア)と呼ばれるカテゴリーに分類されています。
このOSHCは、90年代に勢力を伸ばして現在のメタルコアの直接のルーツとなった、ヘヴィメタル色の強いメタリックハードコア…いわゆるNSHC(ニュースクール・ハードコア)に対して、それ以前の80年代から続くスタイルを指すジャンル。SICK OF IT ALLは、OSHCシーンを代表する顔役的なバンドであり、一説ではOSHCというジャンル自体がSICK OF IT ALLのスタイルをNSHCシーンと差別化を図るためにつくられたものとも言われています。
メタル色の強いNSHCとの対比構造からか、OSHCは“ヘヴィメタル要素を持たないパンキッシュなもの”という認識もされがちですが、決してそういうわけではありません。OSHC自体が“ハードコアクロス meets スラッシュメタル”のクロスオーバースラッシュやグルーヴコアの基となるジャンルだけあって、本来が比較的メタル成分は強めで、近年ではそれを理由に、メタルコア未満のメタルテイストを持つハードコアを指す『ヘヴィハードコア』とラベリングされることもあります。
基本的には、ハードコア本来のパンキッシュな曲調とスラッシーでメタリックな質感を持った、ファストチューンを主軸に据えた疾走感重視のスタイルで、アルバムごとの劇的な変化は見られないいわゆる“金太郎飴タイプ”の作風ですが、活動時期やアルバムによって狭いスタイルの中でやや異なる音楽性も試みています。
80年代に一時代を築くいたクロスオーバー・スラッシュのムーヴメントが収束して、バンドの解散や失速が相次ぎ、90年前後からはニューヨークのハードコアシーンも多様化と細分化を見せていゆきます。
その中で、クロスオーバー勢と入れ替わるように大手レーベルに進出してメジャー展開を行うようになり、90年代のハードコアブーム期には、ニューヨークハードコアシーンでもBIOHAZARDとともに頭一つ以上飛び抜けた知名度を持つバンドとなります。
ハードコアブームの収束やニューメタル/メアルコアの勢力拡大、それに伴うマイナーレーベルへの移籍などもあって、90年代後半からは全盛期ほどの存在感は示せていませんが、シーンの中でも信頼度の高いグループとしてコンスタントな活動と新作リリースを続けています。
SICK OF IT ALL|DISCOGRAPHY
Sick of It All|シック・オブ・イット・オール
ミニアルバム:EP (1987年)
クラストにも近いなリズムのファストパートに、米国的なグルーヴを感じさせるダウンパートを織り交ぜた作風のデビューEP。彼らの基本スタイルがここに詰まっており、それは現在に至るまで大きな変化はありません。
10曲のうちの8曲はデビューアルバム“Blood, Sweat and No Tears”に収録されていますが、そちらは再録バージョンため、荒々しいヘヴィネスを持ったこの盤にこだわるファンも少なくありません。
ヘヴィネス:★★☆☆☆|キャッチー度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 通好み
Blood, Sweat and No Tears|ブラッド, スウェット・アンド・ノー・ティアーズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)
“Sick of It All(EP)”収録曲の大半を、再録して収録した含むデビューアルバム。
どストレート過ぎるくらいのストロングスタイルですが、アイデアはなかなか多彩でキャッチーなフックが効いて印象に残るため飽きさせません。中には現在も代表曲にあげられるアンセムナンバーも収録されていますし、楽曲スタイルの幅の広さということであれば、全盛期の名盤とされる次作“Just Look Around”や“Scratch the Surface”をも上回っています。
ヘヴィネス:★★★☆☆|キャッチー度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Just Look Around|ジャスト・ルック・アラウンド
オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)
日本盤もリリースされて彼らの名を知らしめたアルバムで、ここから数作がSICK OF IT ALLキャリアの黄金時代となります。
基本的な作風に変化はないものの、パンキッシュな軽さやポップ感が払拭されたサウンドは格段にヘヴィ&メタリックなもの。曲もファストなハードコアとしては比較的長めになって、整合感を感じさせるようにもなっています。
作風の幅の狭さが気になるようだと、そこが評価が分かれるポイントにもなりえますが、曲数も多すぎず少なすぎずで、このスタイルの中で飽きさせないギリギリのラインに収めています。アブラの乗り切った時期の充実度の高いアルバムという意味では次作と双璧で、代表作と呼ぶにふさわしい1枚です。
ヘヴィネス:★★★★☆|キャッチー度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Scratch the Surface|スクラッチ・ザ・サーフェイス
オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)
SICK OF IT ALLのカタログ中でも、最もヘヴィなアルバムと呼ばれている1枚。確かに代表曲のタイトルトラックT-08をはじめ、BIAHAZARDなどのグルーヴコアにも通じるような、ヘヴィネスとグルーヴを持ったミッド〜スローチューンやブレイクダウンパートを持つ曲が多く、印象に残るポイントとなっています。
ファストチューンも健在ですが、こちらも前作に増してヘヴィな音作りが特徴的。また、時折はさまるヘヴィながらポップな楽曲もアクセントとして効果的です。いずれも楽曲は粒ぞろいで全編テンションがみなぎっており、最高傑作に挙げるファンも多く、名盤として前作と並び称されているのも納得でしょう。ただし、パンキッシュなサウンドを好む層からは評価が割れがちです。
ヘヴィネス:★★★★★|キャッチー度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Built to Last|ビルト・トゥ・ラスト:最後の闘志
オリジナルアルバム – 4作目 (1997年)
長期化するメロコア(メロディックパンク)ブームやガレージロックリバイバルなど、ロッキン&パンキッシュなサウンドが流行した世相を反映されてか、ヘヴィネスやメタリックな質感がいくらか払拭され、名曲T-01, T-05をはじめとして、パンキッシュなロックンロールをベースとした、メロディアスで陽的なナンバーが目につくアルバムとなりました。一面では最初期に近いスタイルに回帰したという見方もできます。
一方で、ドラマティックな展開や凝ったフレーズ/リズムワークを持った曲も聴かせるなど、アイデアとセンスの面では懐の深さも感じさせ、メロコアの一部に見られるただのポップなノリと勢いだけのスタイルと同列には語ることはできません
リスナーの嗜好によって評価が分かれる部分を置いておいても前作までの勢いは感じられず、本作を最後にメジャーレーベル“East West”をドロップしたことも、彼らはひとつのピークを超えてしまったことを象徴しています。
ヘヴィネス:★★★☆☆|キャッチー度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Call to Arms|コール・トゥ・アーム
オリジナルアルバム – 5作目 (1999年)
メジャーレーベル“East West”から、メロディックパンク/ハードコアブームで知名度を上げた、インディーズ大手のファットレコード(Fat Wreck Chords)への移籍第一弾。
レーベルカラーが反映されたのか、ややポップに傾いていた前作以上にメタル色がやや薄まったポップパンク的な展開を見せ、メロコアそのものと呼べるようなナンバーも目につきます。
良くも悪くも余裕を感じさせるアルバムで、2nd〜3rdの圧倒的な熱量は感じられませんし、作風の変化もあって評価は分かれがちですが、楽曲の多様性に関してだけであれば大きく向上しています。過去作と比べると敷居は低いので、ビギナーやライトファンにとっつきやすいアルバムかもしれません。
ヘヴィネス:★★★☆☆|キャッチー度:★★★★★|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 実験作
Yours Truly|ユース・トゥルーリィ
オリジナルアルバム – 6作目 (2000年)
Life on the Ropes|ライフ・オン・ザ・ロープス
オリジナルアルバム – 7作目 (2003年)
Death to Tyrants|デス・トゥ・タイランツ
オリジナルアルバム – 8作目 (2006年)
Based on a True Story|ボーズド・オン・ア・トゥルー・ストーリィ
オリジナルアルバム – 9作目 (2010年)
XXV Nonstop|XXX ノンストップ
オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)
The Last Act of Defiance|ザ・ラスト・アクト・オブ・ディファイアンス
オリジナルアルバム – 11作目 (2014年)
Wake the Sleeping Dragon!ウェイク・ザ・スリーピング・ドラゴン
オリジナルアルバム – 12作目 (2018年)