★ METALLICA(メタリカ)ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|USスラッシュメタルBIG4(四天王)の筆頭格にしてN0.1セレブメタルバンド…必聴アルバムは?

metallica-rogo ◆ M, N

メディアからクズ扱いの最先端アンダーグラウンドバンドから、メンバーの死を乗り越えて世界一のセレブメタルに成り上がったカリスマメタルバンドの明日はどっちだ?!

METALLICA(メタリカ)は、スラッシュメタルバンドとしてデビューしたアメリカ合衆国のヘヴィメタルバンド。当初ロサンゼルスを拠点としていましたが、のちにサンフランシスコに拠点を移しており、いわゆる“ベイエリアスラッシュ”とみなされています。

METALLICAは最古のスラッシュメタルのひとつ?!

スラッシュメタルシーンにおいては、結成時期/デビュー時期ともに古いキャリアを持つ古参バンドのひとつであり、またそれらの中でも確実に最も大きな成功を収めたバンドです。

METALLICAはスラッシュメタルBIG4の筆頭バンド?!

METALLICA,MEDGADETH,ANTHRAXとともに、スラッシュメタル出身のバンドの中で、キャリア, 知名度, 実績, 影響力, 売り上げなど、総合的に見たトップ4グループとして、スラッシュメタルBIG4(日本ではスラッシュメタル四天王)と称されています。
この、スラッシュメタルBIG4の中でも、人気やセールスの面でMETALLICAは完全に抜きん出て、もはや別のステージにある巨匠的存在に成長しています。

これは、スラッシュメタルがまだアンダーグラウンドでハードコアな存在で、キワモノとして忌避されがちだった時期に、彼らがいち早く普遍的なヘヴィメタルへと接近して広く受け入れられたことと、早い時期にトレンドとマーケティングを意識した展開に移ったことが大きいと思われます。

NWOBHMフリークとしての知識を作品に反映?!

また、メンバーの中でも、特にラーズ・ウルリッヒはNWOBHMマニアとして名高い人物で、初期…特にデビュー作のスタイルにそれが大きく反映されているほか、たびたびNWOBHMシーンも通好みなバンドの曲をカバーで取り上げており、それで注目を集めた結果オリジナルのバンドが再結成/活動再開するという事態にまでなりました。

つきまとうバートンとムステインの影?!

METALLICAはそのデビューの直前まで、MEDGADETHの主宰であるデイヴ・ムステインが在籍しており、初期の作風にはクリフ・バートンの存在とともに、ムステインの影響も大きいという説が一般的です。
そのため、音楽性についてはバートンが在籍してムステインの影響も残っていた第1期と、バートン逝去後の第2期とでは大きく異なり、第2期はメインストリームの動向も視野に入れて、その時期ごとに作風を大きく変化させているため、たびたび賛否両論を巻き起こしています。

METALLICAは暴君ツートップによるジャイアニズムバンド?!

バートンの死後はジョイソン・ニューステッド〜ロバート・トゥルージロへと変わっていますが、その処遇について批判も飛び交い、ジェイムズ・“ジャイアン”・ヘットフィールドとラーズ・“スネ夫”・ウルリッヒの人間性が疑問視されることもありました。
とはいえ、トラブルを乗り越えて活動を続け、世界有数のセレブバンドに成り上がった今も、寡作ながらアルバムリリースを続けており、彼ら以降メタルシーンを背負う大物が現れていないこともあって、いまだヘヴィメタルシーンの顔であり続けています。

METALLICA|DISCOGRAPHY

Kill ‘em All|キル・エム・オール

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オリジナルアルバム – 1作目 (1983年)

NWOBHMの影響強い楽曲をハードコアななサウンドで味付けしたような本作は、当時としては異形ともいえる荒々しいエクストリームサウンドで、リアルタイムではマニア人気にとどまっていましたが、のちの再評価が進み、今では最高傑作に押されることも珍しくありません。
事実、時代の扉を開く熱量の塊のような1枚で、捨て曲なしの隙のない楽曲は、荒さや稚拙さを差しひいいてあまりあるもの。METALLICA屈指の名盤と認めるにやぶさかではありません。

アルバムの知名度やアンセム曲を含むバンドの代表作という意味では、やはり2nd,3rdに分がありますが、スラッシュメタルという枠で判断するならこの作品に匹敵するものは作り出せておらず、バンドの二枚看板ジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒのメタルセンスは、ここで絞り尽くされたようにも思えます。もちろん、マテリアルだけ残してバンドを追放された、ムステインの存在が最重要なのは言うまでもありません。

某メタル誌が当時ゴミ扱いしてボロクソに叩いたことでも有名。デスメタルなどに対してもそうでしたが、それは某誌の不明の示すと同時に、保守メタラーには理解の外にある進化系ヘヴィメタルが生まれたことの証でもあります。

スラッシュ度:★★★★★|スピード:★★★★★|グルーヴ:★★☆☆☆
叙 情 度:★☆☆☆☆|ロッキン度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 通好み

Ride the Lightning|ライド・ザ・ライトニング

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オリジナルアルバム – 2作目 (1984年)

T-01『Fight Fire With Fire』とT-05『Trapped Under Ice』は、バンド屈指のファストチューンで、スラッシュ黎明期だった当時の感覚でいえば規格外に革新的で過激なサウンドだったのは間違いなく、本作が入口となったオールドファンの支持が高いのも理解できます。

ただし、全体で見ればすでにこの時点で楽曲の多様化が進んでいて、アルバム半数以上はミッド〜スローテンポの曲で、メロウなバラード風の展開や、ドラマ性重視のプログレ的な凝った展開を見せるなど、スラッシュの枠に収まらない、普遍的で広義的なヘヴィメタルへと変貌を遂げています。

エクストリームでアグレッシヴなスラッシュアルバムとしては完璧な前作がありますし、有名曲を含む代表作としては次作の方が存在感で上回りますが、アルバムオリエンテッドな完成度では、“Master of Puppets(3rd)”よりもこちらの方が上。
インパクトの強い前後2作品に挟まれ、近年ではやや影の薄い“通好みの1枚”といった印象があるものの、重要度完成度ともに上位に位置する、スルーの許されないアルバムです。

 

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆|グルーヴ:★★☆☆☆
ロッキン度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 通好み

Master of Puppets|メタル・マスター

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オリジナルアルバム – 3作目 (1986年)

基本的には前作の延長線上にありながらも、より一層オーセンティックなヘヴィメタルに接近してポピュラリティを獲得した作品で、一般的にはバンド初期の代表作とされ、スラッシュメタルの名盤企画などでもほぼ確実に取り上げられるアルバム。
アナログで言えばA面に当たる前半の流れは完璧で、特に冒頭の2曲はMETALLICA史どころかメタル史に燦然と輝く名曲ですし、T-08もシメを飾るんふさわしい佳曲です。

その一方で、バンドが転換地点を迎えたことからか、楽曲の出来不出来の差が激しくなったり、のちに顕著となる悪癖である「曲がダラダラと無駄に長い」傾向がハッキリ現れたりという、マイナス要素も浮上しています。そのため聴き手にとっては、“いくつかの名曲がその失点をカバーできているか?”が評価の分かれ目となります。
また、欠点とはいえませんが、前作でも見られたミッドチューンには、第2期に通じるグルーゔテイストが強まっており、今にして思うとすでに転換期にあったことが理解できます。

しかし、歪な面もあるとはいえMETALLICAやスラッシュメタルを語るならば必聴ですし、メタルを俯瞰的に把握するためにも押さえておく必要のある重要作です。

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆|グルーヴ:★★★☆☆
ロッキン度:★★★☆☆|叙 情 度:★★★☆☆|総合評価:★☆☆☆☆
殿堂入り 代表作 入門盤

The $5.98 EP – Garage Days Re-Revisited EP|ガレージデイズ

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カバーミニアルバム (1987年)

DIAMOND HEAD(ダイヤモンド・ヘッド)とHOLOCAUST( ホロコースト)、さらにBUDGIE(バッジー),KILLING JOKE(キリング・ジョーク),THE MISFITS(ミスフィッツ)といった、METALLICAが影響を受けて作品にも反映されるほどの、重要バンドのカバー曲で構成されたミニアルバム。

通好みななNWOBHMバンドやポストパンクやハードコアなど、一般のメタルリスナーにはあまり馴染みのないバンドの曲が並びますが、いずれも原曲の良さを彼らなりに料理したマニアックなセンスの良さが光る好盤。一時期は廃盤となってプレミア付きで取引されていました。

お遊び的な作品ながら、彼らの取り上げたバンドが活動再開したり、メタルファンの中でも知名度を獲得するなど、大きな波紋を巻き起こす契機にもなった重要作です。

スラッシュ度:★★★★☆|選 曲:★★★★★|アレンジ:★★★★☆
意 外 性:★★★★☆|通好み度:★★★★★|総合評価:★★★★★
通好み

…And Justice for All|メタル・ジャスティス

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オリジナルアルバム – 4作目 (1988年)

前作のヒットで勢いづいた矢先、ムステインに続いてクリフ・バートン(Ba.)までもを失い、やむなくベースレス(嘘)&センスレス(本当)でなんとかカタチにした、第二期METALLICAの初アルバム。
METALLICAが大ブレイクしてセレブ界へと羽ばたくキッカケのメジャー展開作品ですし、ここでの、前作を踏襲したミッドグルーヴや苦し紛れの新機軸の変拍子リフが、PANTERAやMESHUGGAHらセンスを持ったバンドにによって昇華され、グルーヴメタルやジェント確立の引き金になった側面もあります。
しかしながら、そんな歴史にとどめるべき重要な一面がありながらも、手放しでは評価できない作品です。

ニューステッドへの嫌がらせにでのベース音をカットした結果の、スカスカの音質が問題視されがちですが、最大の問題は現メンバーのコンポーザーとしての能力の低さでしょう。
T-01はまだ及第点ですし、PV化もされたT-04『ONE』は間違いなくバンド代表曲に数えられます。しかし、アルバムとして見れば、手の込んだプログレ的なことをやっている風で、その実ただ切れ味の鈍いリフをダラダラとひたすら垂れ流している印象だけが残ります。

冗長なだけの長尺曲の数々は現メンバーの力量不足をあらわにしているだけですし、一部で評価されがちな変拍子路線も変態性で金を取れるレベルではありません。アルバム全体で「スイマセン! 俺らじゃこれが限界っス!」と主張しているようで、“クリフのセンスと構成力なくしてこれまでの音楽性の維持は不可能。”という事実を周知させる結果に…。

日本盤は、ラストに入ったボーナス曲、DIAMOND HEAD(ダイヤモンド・ヘッド)の名曲カバーThe Princeの存在で大きく救われていて、これは英断と言えます。
これが初メタリカのリスナーも多く、いわゆる“初体験補正”や“リアルタイム補正”で高評価されがちですが、過去作には到底及ばず、好意的に言っても「アイデアは悪くないんどけどねぇ」というところ。次作での路線変更は止む無しだったということですね。

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★☆☆☆|グルーヴ:★★★☆☆
ロッキン度:★★☆☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 賛否両論

Metallica|メタリカ(通称:ブラックアルバム)

オリジナルアルバム – 5作目 (1991年)

黒いジャケットから“ブラック・アルバム”とも呼ばれている、時代と環境が生んだ奇跡の名盤。これをもって文字どおり真の第二期METALLICA・新生METALLICAと呼べるバンドに生まれ変わります。

前作はそれまでの勢いもあってセールスは上げたものの、さすがに主力が抜けた体制で初期の音楽性を再現することに限界と危機感を感じたようで、本作は腕利きプロデューサーボブ・ロックの前面バックアップと監修のもと、入念なリサーチとミーティングを重ねて大幅にスタイルを一新してきました。

当時USシーンを席巻していたALICE IN CHAINSなどの、グランジ系ヘヴィ/ハードロックをヒントに、ヘヴィグルーヴにサウンドの焦点を当てた、ロッキンなのサウンドにシフトしましたが、これが大いに功を奏しています。この路線は特にジェイムズ・ヘットフィールド(Vo.)の資質に合っていたようで、驚くほどのハマリっぶり。独特のコブシを効かせたヴォーカルスタイルも確立させ、堂々としたアメリカンヘヴィロックサウンドを展開しています。

作風や立ち位置の変化については当然のように賛否両論ありますが、本作に対しては好き嫌いはともかくクオリティまで否定するのはさすがに無理筋。既に前作の時点で完全な別バンドなので、オールドファンは割り切りが必要ですが、聴いておくべきアルバムなのは揺るがない事実です。

スラッシュ度:☆☆☆☆☆|スピード:★★☆☆☆|グルーヴ:★★★★☆
ロッキン度:★★★★★|叙 情 度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Load|ロード

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オリジナルアルバム – 6作目 (1996年)

前作に引き続きボブ・ロックの指揮のもと作られた今作は、基本的な音楽性は前作を踏襲していますが、いわゆるNWOAHR(ニューウェーブ・オブ・アメリカン・ハードロック)やストーナーロックなど、ポストグランジ的な新世代アメリカンロックの影響を受け、大陸的なレイドバックした作風になっています。

初期のスラッシュ路線や欧州メタル的構築美を期待するファンはもちろん、前作を支持したリスナーにまで大バッシングを受けることになりますが、このアメリカンハードロックベースのスタイルは第二期METALLICAとは相性がは抜群。曲数の多さが災いしてやや無駄な曲が目立つものの、クオリティは高水準です。

スラッシュ度:☆☆☆☆☆|スピード:★★☆☆☆|グルーヴ:★★★★☆
ロッキン度:★★★★★|叙 情 度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Reload|リロード

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オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)

前作とワンセットの連作に近いアルバムで、作風はLordと全く同じで変化はありません。「当初は前作と2枚組になる予定だった。」などという触れ込みもありましたが、それは話半分で聞いたほうがいいかもしれません。

前作には無かったファストチューンが2曲ほどあるおかげで、こちらを高く評価するファンも少なくありませんが、実際は前作のアウトテイクレベルの曲にテコ入れで新録を加えたような印象も漂い、明らかに一枚落ちる仕上がりです。それでもセルフプロデュースに近いかたちの“Death Magnetic(9th)”以降に比べれば、はるかにクオリティが高いのが皮肉ですね。

スラッシュ度:★☆☆☆☆|スピード:★★★☆☆|グルーヴ:★★★★☆
ロッキン度:★★★★★|叙 情 度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Garage Inc. |ガレージ・インク

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カバーアルバム (1998年)

Garage Days(ガレージデイズ)の収録曲に新録曲や他の既発曲を加え、2枚組の全てがカバー曲で構成された企画盤。

新録曲はBLACK SABBATH,BLUE ÖYSTER CULT,THIN LIZZY,LYNYRD SKYNYRDといったハードロッククラシックのビッグネームが中心。MOTÖRHEADにいたってはなぜか4曲もカバーしています。

METALLICAはカバーの選曲やアレンジセンスには今も定評があり、原曲も名曲ぞろいなので近年のオリジナルアルバムよりもはるかに楽しめる仕上がりですが、90年代以降はジェイムズ節が強くなりすぎているので、新録曲はややクドさや単調さを感じることもあります。

何より、かのMETALLICAもオリジナルよりカバー曲の方が楽しめるバンドになってしまった、という現実を目の当たりにすると、熱心なファンでなくても一抹の寂しさを感じずにはおれません。

スラッシュ度:★★☆☆☆|選 曲:★★★★☆|アレンジ:★★★☆☆
意 外 性:★★☆☆☆|通好み度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
通好み スルメ盤

S&M – エス・アンド・エム

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ライヴアルバム with オーケストラ (1999)

なぜかメタル業界では定期的に企画されるオーケストラとの共演作で、過去作をコラボしたライヴアルバム。
コラボにしろオーケストラカバーにしろこの手の作品は腐るほどありますが、そのほとんどがせいぜいカフェ向けのボサノバカバーやレゲエカバー程度の当たり障りの無い仕上がりで、あえてこのスタイルで演る意味を感じられるアルバムとなると、頭をひねってもなかなか思いつきません。

この作品とて、結局のところ腐るほどあるその手の企画盤の1枚で、例外的な成功作にはなりえておらず、これから自宅や中古屋のCD棚で腐っていくのが確実な出来です。

結局のところバンド/オーケストラ/プロデューサー全てが、企画力,アイデア力,アレンジ力,コラボ力諸々において力不足ということに尽きまるでしょう。
セルフカバーなので原曲の良さでそれなりには聴けますが、「あのMETALLICAが音楽文化の象徴オーケストラを従えて…」というシチュエーションだけで、充足感を覚えられる人以外にはオススメできません。
これではアンチメタル層から、“メタル=クラシックコンプレックス”という定番の誹りを受けても何も言い返せませんね。

スラッシュ度:★★☆☆☆|選 曲:★★★☆☆|アレンジ:★★☆☆☆
意 外 性:★☆☆☆☆|通好み度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論

St. Anger|セイント・アンガー

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オリジナルアルバム – 8作目 (2003)

アグレッシヴで疾走感を持ったサウンドに生まれ変わり、これでオールドファンも納得…かと思いきや、これまた賛否両論だったアルバム。

当時はニューメタル全盛の時期でしたが、グルーヴメタルやニューメタルのスタイルは自分たちには向かないと判断しのか、本作では、90年代のブームの名残があったハードコアや、そこからブームが派生したガレージロック風のエッセンスを取り入れて、イメージの一新を図るアプローチです。
作風も初期のスラッシュ路線とは異なり、実のところ、ベーシックな部分はこれまでの第二期スタイルを踏襲したものなのですが、サウンドはラフなローファイ風でロウでジャンクな質感を持った、ややクセのあるもの。

このローファイ風なプロダクションで隙間の多いサウンドがメタルファンにウケが悪く、どちらかというと評価は“否”に傾きがちで、不評については保守的嗜好からくる過小評価の面が強いとも言えます。実際、この作品までの参加となったボブ・ロックの手腕もあって、楽曲のクオリティは高い水準で安定しており、特に冒頭2曲は名曲で後期の代表曲として黄金期の名曲と並べても恥ずかしくない完成度。
ただし、CD容量MAXまで曲を詰め込む当時の悪習の弊害もあって、アルバムとしては中盤以降やや似たような曲調が目立って少々ダレ気味なのはマイナスポイントです。

スラッシュ度:★★☆☆☆|スピード:★★★★☆|グルーヴ:★★★☆☆
ロッキン度:★★★★☆|叙 情 度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤

Death Magnetic|デス・マグネティック

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オリジナルアルバム – 9作目 (2008)

スラッシュメタル再評価の機運が高まり、インスパイア系バンドや再結成組で活気付く中のアルバム。ここでは、プロデューサーに重鎮リック・ルービンを迎えています。
賛否両論あれどクオリティの向上に貢献して最盛期を支えた盟友ボブ・ロックから、ベテランにはとりあえず原点回帰を促してを好きにやらせるルービンを起用したのは、“スラッシュリバイバルへ便乗するエクスキューズでは?…遠いう勘ぐりもできてしまいます。

原点回帰という噂も聞こえてファンの期待も高まりますが、結局のところ初期3作はあくまでデイヴ&クリフの遺産に過ぎず、現体制での原点は、四作目の“メタルジャスティス(…And Justice for All)”。そして、このメンツでの限界はそのメタルジャスティスでの凋落ぶりに示されています。
原点回帰しようにも最初期に戻るセンスはもはや無く、本気で黄金期のスラッシュサウンドを取りもどしたければ、デイヴ・ムステインにでも頭を下げるしかありません。

案の定、メタルジャスティスのメソッドを現代の作風でブラッシュアップした本作は、微妙なリフをひたすら垂れ流す単調なスタイルや無駄に長尺でメリハリに欠ける曲まで、極めて忠実に再現した作品に…。
部分的には光るものゼロではないので、これでONEに匹敵する名曲まで再現できればいくらか印象も違ったかもしれませんが力及ばずでした。

むしろ爆死覚悟で初期3作路線にチャレンジした方が、良くも悪くも面白い結果になったハズですが、リック・ルービンが「お前らにはムリだ。」というとも思えないので、本人たちが自重したのか、ジャスティスこそ現体制の原点という意地があるのかどちらかでしょう。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|グルーヴ:★★☆☆☆
ロッキン度:★★★☆☆|叙 情 度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 お布施

Hardwired… to Self-Destruct|ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト

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オリジナルアルバム – 10作目 (2016)

ベテランバンドの中期以降の作品にありがちな、いわゆる総決算スタイルのお布施対象作品です。
比較的アグレッシヴな曲が多いので、それだけで満足できる向きにはそれなりに楽しめるかもしれませんが、真面目に評価するに値する作品かは疑問です。

とにかく、今のメンツでメタルっぽい音でジャムればこうなるだろうな…という、ボキャブラシーのやりくりと手癖感だけが感じられる凡庸なアルバム。一部で、NWOBHMの匂いが云々…という声もありますが、NWOBHMの影響の濃い初期のリフを使いまわしているのでそれは当然でしょう。

聴いていてストレスがたまるほどではないものの、聴いた後も見事に何も残らないまるで引っかかりの無い楽曲が目白押しで、ファンクラブの特典アイテム程度ならともかく、腐っても全米トップの位置にあるバンドがよくこれを正式な作品としてリリースする気になったものです。

熱心なサポーターや、CD棚のMETALLICAブースに空きを作りたくないマニアには“必携盤”でしょうが、“必聴盤”と呼ばれることだけは決してないでしょう。

スラッシュ度:★★☆☆☆|スピード:★★★☆☆|グルーヴ:★★★☆☆
ロッキン度:★★★☆☆|叙 情 度:★☆☆☆☆|総合評価:★★☆☆☆
賛否両論 お布施
◎ METALLICAはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!

METALLICAは時期によって音楽性が極端に異なるので、リスナーの好みでおすすめも大きく変わります。単純に定番の代表曲が聴ける代表作ということならMaster of Puppets(3rd)につきるでしょう。ただし、激しさにあふれたスラッシュメタルを求めるなら全編テンションみなぎるKill ‘em All(1st)か“METALLICAで最も速い!”とされる曲を含むRide the Lightning(2nd)あたりから入った方がいいかもしれません。より現代的なサウンドや普遍的なヘヴィロック/ハードロックサウンドを求めるならブラックアルバムことMetallica(5th)がオススメです。

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