Contents
- 1ユーロ・デスの第三勢力オランダのオールド・スクールなデスメタルから、ジャズ/フュージョン・アプローチのテクニカルなサウンドを極めた“ダッチ・テック・デス”のパイオニア!!
- 1...1PESTILENCEはダッチ・デスの老舗!?
- 1...2オールドスクールとテクニカルの間を行き来する!?
- 1...3テクニカル・デスメタルとしてのPESTILENCE!!
- 1...4PESTILENCEの不安定なメンバー編成!!
- 1...5テクニカル・デス再評価と2度の解散〜再結成!!
- 1.1PESTILENCE|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Malleus Maleficarum|マレウス・マレフィマルム
- 1.1.2Consuming Impulse|コンシューミング・インパルス
- 1.1.3Testimony of the Ancients|テスティモニー・オヴ・ジ・エインシェンツ ~古人の証言~
- 1.1.4Spheres|スフィアーズ ~存在の証明~
- 1.1.5Chronicles of the Scovrge|クロニクルズ・オブ・ザ・スカヴァージ
- 1.1.6Resurrection Macabre|リザレクション・マカブレ
- 1.1.7Doctrine|ドクトリン
- 1.1.8Obsideo|オブシディオ
- 1.1.9The Dysentery Penance|ザ・ディセンテリィ・ペナンス
- 1.1.10Presence of the Past|プレゼンス・オブ・ザ・パスト
- 1.1.11Reflections of the Mind|リフレクションズ・オブ・ザ・マインド
- 1.1.12Presence of the Pest (Live at Dynamo Open Air 1992)|プレゼンス・オブ・ザ・パスト:ライヴ・アット・ダイナモ・オープン・エアー1992
- 1.1.13Hadeon|ハデオン
- 1.1.14Twisted Truth|トゥイステッド・トルース
- 1.1.15The Roadrunner Albums|ザ・ロードランナー・アルバム
- 1.1.16Exitivm|エクシティヴィエム
PESTILENCE|DISCOGRAPHY
Malleus Maleficarum|マレウス・マレフィマルム
オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)
スラッシュ・メタルの特徴を色濃く残した、プレ・デスメタル/アーリー・デスメタル時代ならではの、まさにデスメタルのプロトタイプと呼ぶべきサウンド。
〈SLAYER〉や〈KREATOR〉といった先人達からの影響も端々に感じられ、とりたてて際立った出来栄えとはいえませんが、デスメタルがスラッシュメタルから派生したものであり、エクストリームなスラッシュメタルとオールドスクールなデスメタルが紙一重……ということを理解するにはよいサンプルです。
|プログレ度:★☆☆☆☆
|独自性:★★☆☆☆
|テクニカル度:★★☆☆☆
||マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
通好み スルメ盤 実験作
Consuming Impulse|コンシューミング・インパルス
オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)
80年代後半のデスメタル黎明期の、ダッチ・デスメタル/ヨーロピアン・デスメタルを代表し得る立ち位置の1枚。
オーソドックスなオールドスクール・デスメタルそのもの…といったサウンドで、ここでのヴォーカル・スタイルや軽いテクニカル志向には、同時期のチャック・シュルディナーの〈DEATH〉を思わせる部分もあり、今後の展開の前触れとも感じさせます。
際立った個性は見られないものの、適度な緩急を持った楽曲のクオリティ自体は上々で、中でもT-06は名曲といえる出来栄えです。
後にテクニカル路線へと舵を切った時期の、PESTILENCEの実験的サウンドを快く思わない、保守的な原理主義リスナーからは「これぞ最高傑作」との呼び声も高く、ブルータルなデスメタル/デスラッシュ路線としての代表作と言えます。
|プログレ度:★☆☆☆☆
|独自性:★★☆☆☆
|テクニカル度:★★★☆☆
|マニア度:★★★☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤
Testimony of the Ancients|テスティモニー・オヴ・ジ・エインシェンツ ~古人の証言~
オリジナルアルバム – 3作目 (1991年)
〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉での活躍で知られるトニー・チョイを迎えて、本格テクニカル路線への一歩を踏み出した、ターニングポイントにあたるアルバム。
とはいえ、テクニカル・デスメタルというラベルから想像される、複雑で目まぐるしい曲展開や予測のつかない変則的な構成…いわゆる“プログレ”的なエッセンスはそれほど濃厚なわけではありません。
あくまでも、オールドスクールでストレートなデスメタルの枠内であることを前提として、副食的に変則的なアイデアや小技を盛り込んでいくスタイルですが、欧州勢のその手のアルバムとしては上位に来る1枚と言えるでしょう。
本作は、通常のデスメタル・ナンバーの間に、インストの小曲が交互に挟まれる構成となっていますが、このインストも単なるつなぎに終わらずひとつの聴きどころにもなっているので、ここは、曲単位ではなくアルバム・オリエンテッドな作品と捉えたいところです。
|プログレ度:★★★☆☆
|独自性:★★★☆☆
|テクニカル度:★★★★☆
||マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Spheres|スフィアーズ ~存在の証明~
オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)
前作のトニー・チョイから、現在は〈OBSCURA〉の主要メンバーとして知られるヨルン・パウル・テセリンへと、ベーシストの交代が行なわれた本作ですが、「ジャズ・メタル/メタリック・フュージョンとも呼び得るプログレ・デス」…といった作風は、そのパイオニアという意味でもクオリティにおいても、同時期の〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉にも匹敵する出来栄えで、同様のスタイルの代表格として共に並び称されています。
音楽性においてはフロリダ勢との共通要素も多々あるものの、地域性や文化背景が影響した音楽的な傾向か、それらと比較すると陰鬱でヒネくれた変態性が際立つサウンドになっています。
ストレートなオールドスクール・デスメタルから逸脱したことで、オールドファンからの評価は割れがちですが、それでも〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉と比較するとデスメタル・テイストは強めです。
いずれにせよ、本格的なテクニカル・デスとしては前作と並び、PESTILENCEのアルバムとしても最高峰に位置する本作は、『ジャズメタル/メタリック・フュージョン』系を深掘りするならば、聴き逃すわけにはいかない重要作です。
|プログレ度:★★★★☆
|独自性:★★★★☆
|テクニカル度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Chronicles of the Scovrge|クロニクルズ・オブ・ザ・スカヴァージ
ライヴアルバム (2006年)
Resurrection Macabre|リザレクション・マカブレ
オリジナルアルバム – 5作目 (2009年)
テクニカル路線の功労者、トニー・チョイを再び迎えての復活第1弾。
本作では、前作『Spheres(4th)』での、ジャズ・デメスタル/メタリック・フュージョン系のアプローチを捨て、『Testimony of the Ancients(3rd)』の頃に近い、オーソドックスなブルータル・テクニカル・デスに落ち着いています。
及第点には達している作品ではあるのですが、ここにきての復帰作で、現在では新鮮味も特異性も薄まった、普通のストレートなテクニカル・デスを展開するという選択には疑問が残ります。
このスタイル一筋を愚直に続けてきたというのであればともかく、彼らの場合、前作ですでに完全に新たなステージに到達しているだけに、攻めの姿勢に欠ける印象が否めません。
一見すると安全パイのようで、実際のところオールド・ファンもプログレ期のファンも唸らせるには至らず、かといって、新規ファンを掴めるようなフックやわかりやすさも無いという、なんとも中庸なだけのアルバムとなっています。
|プログレ度:★★☆☆☆
|独自性:★★☆☆☆
|テクニカル度:★★★★☆
|マニア度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 お布施
Doctrine|ドクトリン
オリジナルアルバム – 6作目 (2011年)
Obsideo|オブシディオ
オリジナルアルバム – 7作目 (2013年)
The Dysentery Penance|ザ・ディセンテリィ・ペナンス
初期デモ音源・ライヴ (2015年)
Presence of the Past|プレゼンス・オブ・ザ・パスト
ライヴアルバム (2015年)
Reflections of the Mind|リフレクションズ・オブ・ザ・マインド
リマスターベスト (2016年)
プロデュースをはじめ、エンジニアリング/マスタリングなどで、耽美/プログレ系エクストリームメタルを多く手掛ける、スウェーデンのミュージシャン、ダン・スウォノの手によるリマスタリングが施された、ベストアルバム。
Presence of the Pest (Live at Dynamo Open Air 1992)|プレゼンス・オブ・ザ・パスト:ライヴ・アット・ダイナモ・オープン・エアー1992
ライヴアルバム (2016年)
Hadeon|ハデオン
オリジナルアルバム – 8作目 (2018年)
Twisted Truth|トゥイステッド・トルース
コンピレーションアルバム (2018年)
The Roadrunner Albums|ザ・ロードランナー・アルバム
コンピレーションアルバム (2020年)
Exitivm|エクシティヴィエム
オリジナルアルバム – 9作目 (2021年)