★ RAINBOW(レインボウ)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|英米の様式美メタルマスターがタッグを組んだドラマティックなスピードメタル/パワーメタルの原点!!…必聴アルバムは?

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DEEP PURPLEを脱退した元祖ネオクラシカル様式美早弾きギターヒーロー、リッチー・ブラックモアが重厚な欧州的メタル美意識とアメリカマーケットでの商業的成功を追求した、毀誉褒貶が絡み合うハードロックレジェンド!!

RAINBOW(レインボウ)は、イギリスを拠点とした英米ミュージシャンを中心とした混合ハードロック/ヘヴィメタルバンド。

深紫から虹色へ!?

当時、DEEP PURPLE(ディープ・パープル)に在籍していた、“元祖ネオクラシカル早弾きギターヒーロー”のリッチー・ブラックモアが、自由に理想とする音楽性を追求するために詩人のプロジェクトとして結成したグループです。

カリスマメタルシンガーを発掘!!

英米を中心とした混成バンドで、メンバーはブラックモア以外は流動的ですが、カリスマドラマーのコージー・パウエルなどの腕利きミュージシャンを常時そろえていました。
特に、ヴォーカリストの発掘に定評があり、のちに米国ではオジー・オズボーン並ぶメタルアイコンとなるロニー・ジェオムズ・ディオを筆頭に、ダンディなポップシンガーながらメタルヴォーカル最強のひとりにカウントされるグラハム・ボネット、様式美界隈のセッションヴォーカリストとして高い需要を誇ったジョー・リン・ターナーなど、当時のメタル/ハードロック界隈では無名だった逸材が、RAINBOWでの活躍を機にシーンのトップシンガーとして認められるようになります。

意外にもUSルーツテイスト濃厚!?

初期はブルーズやロックンロールなどのアメリカンルーツミュージックをベースとした、ハードロックを主軸としつつも、プログレをルーツにした欧州的なネオクラシカルテイストや、ディオのリーダーバンドDIOの原点ともいえる重厚なドラマティック&ファンタジックサウンドなど、プロトメタルサウンドと呼ぶべき音楽性を追求していましたが、のちに、最大のメタル市場となるアメリカのメインストリームも視野に入れて、ブラックモア自ら率先して産業ロック/ポップメタルを取り入れたスタイルへと移行します。

終焉と再始動、そして趣味の世界へ…

1984年のDEEP PURPLEの再結成にブラックモアが参加して活動の中心に据えたことで、RAINBOWは解散となりますが、DEEP PURPLEとの関係が悪化して再び袂を分かったことで、1994年にはすぐさまRAINBOWを再結成します。
しかし、これは世界的な成功にはつながらなかったこともあってか、アルバム一枚で早くも打ち止め。1997年には再度解散し、ブラックモアは公私のパートナーであるキャンディス・ナイトとのユニットBLACKMORE’S NIGHTを結成、趣味性の強い中世コスプレのトラッドロックバンドとして活動を続けています。

再結成RAINBOWの明日はどっち!?

その後、2015年に再びRAINBOWを再始動させ現在も活動中ですが、これはどちらかというと増加の一途をたどっていたメタルフェスなどもターゲットに入れた集金ライヴ用のユニットで、アルバムはリリースされていません。メンバーもそれなりの知名度を持つのはキーボードのイェンス・ヨハンソンのみで、それ以外はBLACKMORE’S NIGHTの身内という、コストと使いやすさ最優先の体制となっています。

RAINBOW|DISCOGRAPHY

Ritchie Blackmore’s Rainbow|リッチー・ブラックモアズ・レインボウ:銀嶺の覇者

RAINBOW_Ritchie_Blackmores_Rainbow

オリジナルアルバム – 1作目 (1975年)

ヴォーカルにロニー・ジェオムズ・ディオを迎えたデビューアルバムで、ディオはこれを機にブレイクして後にメタルアイコンとなります。ブラックモア、ディオともに、ネオクラシカルやファンタジー系エピックなど、メタル様式美の権化というイメージが定着していますが、ここで聴けるのはそこから想像されるものとはやや異なります。
確かにそれらの要素も少なからず織り込まれていますが、両者ともブルーズやロックンロールなどのUSルーツミュージックに根ざしているだけに、ノリノリのロックンロールT-03, T-07や、ブルージーなT-02, ファンキーなT-05など、それが強く表れた曲が目立ちます。これこそがブラックモア、ディオなどのルーツミュージックをバックグラウンドに持った世代と、孫引きを続けて良くも悪くも純化…ある意味では漂白された、現在のシンフォ/ネオクラメタル世代との差と言えるでしょう。

メタル度:★★☆☆☆|ネオクラ度:★★☆☆☆|ルーツ度:★★★★★
様式美度:★★★☆☆|産業ポップ度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 通好み 実験作

Rising|ライジング:虹を翔る覇者

RAINBOW_Rising

オリジナルアルバム – 2作目 (1976年)

“ドラムを抱いた渡り鳥”と呼ばれる、セッション系カリスマドラマーのコージー・パウエルが参加し、黄金期の布陣が整ったアルバム。ルーツ色の強かった前作から一転、ヘヴィネスとソリッドな質感が大きく強化され、ディオのソロにもつながるようなプロト-ヘヴィメタルサウンドが本格的に確立されてます。
アナログA面にあたる前半4曲は、1stの発展系といえるようなルーツミュージック色を感じさせる楽曲が並び、そのいずれも佳曲ではありますが、何と言ってもハイライトは、アナログB面にあたるヘヴィなT-05とスピードチューンT-06の8分超の大作2曲。
いずれも、ブラックモアがDEEP PURPLE時代から追求してきたドラマティックな様式美サウンドを、ディオのアメリカンなヘヴィネスとポップセンスの力を借りて完成に導いており、これ以降のヘヴィメタル世代に多大な影響を与えることとなります。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★☆☆|ルーツ度:★★★☆☆
様式美度:★★★★☆|産業ポップ度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Rising
ハードロック¥611レインボー

Long Live Rock ‘n’ Roll|ロング・ライヴ・イン・ロックンロール:バビロンの城門

RAINBOW_Long_Live_Rock_n_Roll

オリジナルアルバム – 3作目 (1978年)

ディオが参加した最後のアルバム。前作で到達したプロトメタルサウンドを、さらにブラッシュアップしてシェイプすることで、よりポップでコンパクトな整合感を持ったヘヴィメタルを確立させています。
中でもスピードチューンのT-05は、JUDAS PRIESTの“Exciter”、RIOTの“Warrior”、MOTÖRHEADの“Overkill”、SWEETの“Set Me Free”などと並んで、ヘヴィメタル様式確立以前に生み出されてスピードメタル/パワーメタルの基本形となった超重要曲。
一方で、T-01やT-07などのポップなロックンメタルチューンは、これ以降の米国シーンを意識したマーケティングメタル展開の予兆を漂わせていますが、クオリティ面では一分のスキもない完成度であり、前作と並ぶRAINBOWの代表作である事は間違いありません。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★☆☆|ルーツ度:★★★★☆
様式美度:★★★★☆|産業ポップ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Down to Earth|ダウン・トゥ・アース

RAINBOW_Down_to_Earth

オリジナルアルバム – 4作目 (1979年)

本来はポップシンガーでありながら、エキセントリックな4オクターブハイトーンシャウトを武器に、メタル界最強ボーカルリストとして引く手数多となる、“メタルダンディ”ことグラハム・ボネットがハード/ヘヴィ界隈に名を成すきっかけとなったアルバム。
マーケットでの成功を意識して、エッジの効いたヘヴィネスはそのままにポップ路線に舵を切っており、当時メインストリーム対応の産業ロック/ポップロック化を進めていた、FOREIGNERやJOURNEYといったUSプログレハードバンドのサウンドにも通じる面を持つ作風です。
スマッシュヒットとなったポップチューンT-01やT-05以外の曲も軒並み水準を上回るクオリティで、音楽性の変化については当然のように賛否両論あるものの、否定論者であってもその完成度には一目置かざるを得ないほどです。ただし、最大のヒットとなったそのT-05はオリジナルではなく、UKハードロックバンドARGENTのラス・バラードの持ち曲のカバー。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★☆☆|ルーツ度:★★★☆☆
様式美度:★★☆☆☆|産業ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Difficult to Cure|ディフィカルト・トゥ・ケア:アイ・サレンダー

RAINBOW_Difficult_to_Cure

オリジナルアルバム – 5作目 (1981年)

ブラックモアの推し進める商業ポップ路線への反発やクリエイティヴ面の相違で、前作を最後にグラハム・ボネットとコージー・パウエルと決別。このことからも、ブラックモアは一般的な“偏執的ネオクラシカル様式美の権化”というイメージ以上に、ビジネスライクな商売人という面が大きいことがわかります。
後任は、USロックバンドFANDANGOのフロントマンだったジョー・リン・ターナーと、BLACK SABBATHとBLUE ÖYSTER CULTという英米ビッグネームをはじめいくつものバンドを渡り歩き、現在はジャーマンメタルAXEL RUDI PELLに在籍中のボビー・ロンディネリ。
ジャケットアートの重鎮ヒプノシス手によるアートワークの本作は、メンバーチェンジとさらなるポップ路線の強化で、オールドファンから見限られるきっかけにもなったアルバムでもあります。
確かにもはやAORとしか呼べない産業ポップ曲が増えていますが、ネオクラシカルなスピードメタルチューンの名曲T-02やヘヴィなT-08、ベートーヴェンの第九をカバーアレンジしたT-09などで、オールドファンにも色目を使っています。クオリティも低いわけではなくキラーチューンも存在するので、好き嫌いはあれどチェックして損のない1枚です。
バンド最大のヒットとなる、ドラマティックな哀愁のポップメタルT-01はまたしてもラス・バラードのカバー曲で、この時期のRAINBOWにとってラス・バラードは、もはや優秀な外部ソングライターとも影のメンバーとも呼ぶべき存在でした。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★☆☆|ルーツ度:★★☆☆☆
様式美度:★★★★☆|産業ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Straight Between the Eyes|ストレイト・ビトウィーン・ジ・アイズ:闇からの一撃

RAINBOW_Straight_Between_the_Eyes

オリジナルアルバム – 6作目 (1982年)

今回も引き続きUS産業ロック/ポップロックテイストの強いアルバムではあるものの、前作のようなマーケットを狙いすぎたAORチューンは姿を消し、やや初期への原点回帰も見られるスタイルとなっています。
そのためオールドファンの支持もいくぶん取り戻したようですが、良きも悪くも無難で守りに入った印象の強いアルバムです。
毎度の目玉ファストチューンのT-01やとヘヴィなT-05はそれなりに印象に残るものの、過去の名曲と比べるとやや精彩を欠きますし、過去作には確実に見られたキラーチューンが不在で、それ以外もせいぜいが及第点どまりなので、あえて本作を選ぶ理由が見つからないのが弱点です。なお、アートワーク引き続きヒプノシスによるもの。

メタル度:★★★☆☆|ネオクラ度:★★☆☆☆|ルーツ度:★★☆☆☆
様式美度:★★★☆☆|産業ポップ度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 お布施

Bent Out of Shape|ベント・アウト・オブ・シェイプ:ストリート・オブ・ドリームス

RAINBOW_Bent_Out_of_Shape

オリジナルアルバム – 7作目 (1983年)

黄金期のメンバーは身内のロジャー・グローヴァーのみとなり、やや旬を過ぎたラストアルバムということもあって注目度も評価もそれほど高くないものの、意外にも聴きどころの多いアルバム。
基本的にはUSチャート狙いのここ数作の流れにあるもですが、これまでの総決算的な面もあり、曲も近作で目立つ産業ロックやAOR調だけでなく、ネオクラシカルなスピードメタルやDEEP PURPLEを思わせるオーソドックスなハードロックまでなかなかに多彩。
今回は、アップテンポなトラックが比較的多めでそれが適所に配置されているため、最後まで勢いが途切れないのもアルバムの印象を良くしているポイントで、総合力では黄金期には及ばないものの前作よりはアベレージは上回っています。
アートワークは引き続きヒプノシスですが、本作ではストーム・ソーガソン名義。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★★☆|ルーツ度:★★☆☆☆
様式美度:★★★☆☆|産業ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 通好み

Stranger in Us All|ストレンジャー・イン・アス・オール:孤高のストレンジャー

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オリジナルアルバム – 8作目 (1995年)

DEEP PURPLEから再度脱退したブラックモアが再始動した、RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW名義の90年代RAINBOW唯一のアルバム。
解散前のアメリカンなヘヴィネスやポップテイストが払拭されて、欧州的美意識に覆われたサウンドとなっており、ときおり感じさせるダークな耽美志向には、シンフォ系のゴシックメタルにも通じる部分も見受けられます。
その辺りも含めて、のちの欧州系シンフォニックメタルにつながるサウンドですが、ここでもブルーズロックテイストを感じさせる曲が見られたり、UKロックの先輩格YARDBIRDSをカバーするあたりに、様式美と同時にルーツにもこだわるブラックモアの特性があらわれています。
良くも悪くもベテラン特有の新奇性の薄いハードロックで、ブラックモア信仰と美メロ/ネオクラシカル志向の強い日本とスウェーデンこそヒットしたものの、それ以外でブラックモアが期待したほどの成功には届かず、これ1枚で打ち止めとなります。ヴォーカルは便利屋的な印象の強いドギー・ホワイト。

メタル度:★★★★☆|ネオクラ度:★★★★☆|ルーツ度:★★☆☆☆
様式美度:★★★★☆|産業ポップ度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 お布施

BLACKMORE’S NIGHT[ブラックモアズ・ナイト]|DISCOGRAPHY

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BLACKMORE’S NIGHT[ブラックモアズ・ナイト]は、ブラックモアとキャンディス・ナイトを中心としたコスプレ系トラッド/フォークロックバンド。ナイトはルネサンスマニアの元モデルで、現在はブラックモアの公私でのパートナー的な立場にあり、再結成RAINBOWにも参加していました。
現在のコスプレ系シンフォニックメタルと同様に、コスプレ趣味を含む“中世欧州文化マニア”がひとつの大きな勢力となって、大掛かりなコスプレイベントも行われているという欧米文化事情が根底にあるバンドとも言えます。

THE GATHERINGらを筆頭とした、トラッド/フォーク色を持つフィメイルゴシックメタルのブレイクが、ひとつの契機となって生まれたバンドであることは確実ですが、BLACKMORE’S NIGHTの音楽的なベースとなっているのは、70年代前後に活躍して“英国フォーク三美神(歌姫系フォークBIG3)“とも称される、MELLOW CANDLE, SPIROGYRA, TUDOR LODGEらを中心としたと、プログレ文脈でも語られるフィメイル系フォーク/フォークロック。
加えてCLANNADやVÄRTTINÄらに代表される、80年代以降のワールドミュージック文脈で注目された欧州トラッドバンドや、各地のニューエイジ/ヒーリング系のアーティスト、ALL ABOUT EVEのようなトラッドゴシックといった、各シーンの歌姫系グループの存在も背後にあるのは間違いないところです。

音楽的には、様式美UKロック出身ならではの、わかりやすい整合感やドラマティシズムといった持ち味はありますが、基本的には音楽的な実験性や探究心よりも、ブラックモアらの中世趣味と欧州的美意識の発露や、エピックバンドにありがちな世界観への耽溺が重視されています。

“伝統継承”をお題目に独自性の欠如が天引きされがちなスタイルとはいえ、近年のトラッドメタル/フォークメタルと比較しても独自の要素に乏しく、“メタルファンが前記のジャンル/バンドに至る足がかり”という以上のものにはなりえていません。いずれにせよ、バンド自体がブラックモアらの趣味性の強いものであり、それに共感できるリスナーでなければBGM以上の意義は見出せないでしょう。

Shadow of the Moon|シャドウ・オブ・ザ・ムーン

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オリジナルアルバム – 1作目 (1997年)

Under a Violet Moon|アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン

BLACKMORES_NIGHT_Under_a_Violet_Moon

オリジナルアルバム – 2作目 (1999年)

Fires at Midnight|ファイアーズ・アット・ミッドナイト

BLACKMORES_NIGHT_Fires_at_Midnight

オリジナルアルバム – 3作目 (2001年)

Ghost of a Rose|ゴースト・オブ・ア・ローズ

BLACKMORES_NIGHT_Ghost_of_a_Rose

オリジナルアルバム – 4作目 (2003年)

The Village Lanterne|ヴィレッジ・ランターン

BLACKMORES_NIGHT_TheVillage_Lanterne

オリジナルアルバム – 5作目 (2006年)

Winter Carols|ウィンター・キャロルズ

BLACKMORES_NIGHT_Winter_Carols

オリジナルアルバム – 6作目 (2006年)

Secret Voyage|シークレット・ヴォヤージ

BLACKMORES_NIGHT_Secret_Voyage

オリジナルアルバム – 7作目 (2008年)

Autumn Sky|オータム・スカイ

BLACKMORES_NIGHT_Autumn_Sky

オリジナルアルバム – 8作目 (2010年)

Dancer And The Moon|ダンサー・アンド・ザ・ムーン

BLACKMORES_NIGHT_Dancer_And_The_Moon

オリジナルアルバム – 9作目 (2013年)

All Our Yesterdays|オール・アワ・イエスタデイズ

BLACKMORES_NIGHT_All_Our_Yesterdays

オリジナルアルバム – 10作目 (2015年)

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