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★ SACRED REICH(セイクレッド・ライク) ディスコグラフィー ★ ポリティカルなアティチュードとユーモアが同居したアリゾナのオールドスクール・スラッシャー!!…必聴アルバムは?

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SACRED REICH|DISCOGRAPHY

Ignorance|イグノランス

SACRED_REICH_Ignorance

オリジナルアルバム 1作目 – (1987年)

“D.I.Y.感”が漂うアートワークが象徴する様な、ハードコア風味も濃厚なストレートなクロスオーバー・スラッシュを展開するデビュー・アルバム。

ヘヴィメタル的な美意識は希薄ですが、ヘヴィメタル的な整合感は強めで、それがサウンドにも効果的に生かされていることもあり、ハードコア界隈に顕著な、悪い意味での“初期衝動の美学”にこだわり過ぎた結果、ただ単調で一本調子なだけに終わるという、ダメなクロスオーバーにありがちな事態に陥ってはいません。

さすがに、スラッシュメタル・シーンのトップに食い込めるほどの仕上がり、…とまではいえませんが、疾走感あふれる爽快な楽曲が中心となっており、その合間にダークで不穏なインストT-03なども挟まれるなど、彼らなりの工夫を凝らした高水準な力作と言えます。

|スラッシュ度:★★★★★
|ヘヴィネス:★☆☆☆☆
|スピード:★★★★☆
|ハードコア度:★★★★☆
|グルーヴ:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Surf Nicaragua|サーフ・ニカラグア

SACRED_REICH_Surf_Nicaragua

ミニアルバム – (1988年)

アルバム未収録の3曲に加え、〈BLACK SABBATH〉のカバーや1st収録曲のライヴ音源も含む、6曲入りのEP/ミニアルバム。

イメージキャラクターをフィーチャーした、ユーモラスなジャケットのインパクトも手伝って、ある面では知名度では1stすら超える面がありますが、それだけでなく、アンセム曲でもあるタイトルトラックT-01も収録された充実度の高い1枚と言えます。
後年では、スプリットや単体で何度となく再リリースされています。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★☆☆☆☆
|スピード:★★★★☆
|ハードコア度:★★★★☆
|グルーヴ:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

The American Way|ジ・アメリカン・ウェイ

SACRED_REICH_The_American_Way

オリジナルアルバム 2作目 – (1990年)

完全な終息を迎えつつあった当時のスラッシュ・シーンにおいて、トップグループからマイナーバンドにまでの間で活発化していた、次の時代を見据えての“ポスト・スラッシュ”の新展開を試みたアルバム。

とはいえ、完全な脱スラッシュのアプローチではなく、ここでは、オールド・スクールなスラッシュメタルの枠の中で、ミッドテンプ主体のグルーヴメタルに接近したような印象です。

ときおり疾走パートも織り込むなど工夫は見られ、タイトルトラックのT-02あたりは及第点ですが、ミッドテンポ一本槍で攻めるにはアイデアやセンスに欠けることもあり、アルバムとしてトータルで見ると低調で消化不良の印象は拭えません。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
||スピード:★☆☆☆☆
|ハードコア度:★★☆☆☆
|グルーヴ:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Independent|インディペンデント

SACRED_REICH_Independent

オリジナルアルバム 3作目 – (1993年)

引き続き、ミッドテンポの楽曲を新機軸として模索しているアルバムで、前作よりもややスラッシュメタルからは距離を置いた曲が目立つようになりました。
必然的に、一般的にはスラッシャーからの評価はかんばしいものではなく、印象の薄い…というよりもむしろ悪い意味で印象の強いアルバムですが、意外にも作風の多様性を増しながらも充実度の高い力作です。

前作同様に時代を反映して、全体的にヘヴィグルーヴに重点を置いた作風となってはいるものの、手探り感の強かった前作と比較すると、スラッシュの定型にこだわり過ぎない分だけ、ミッドテンポもこなれて板についており、独自のグルーヴメタルの確立に近付きつつあります。

また、T-01を始めとしたファスト・チューンやファスト・パート込みの曲にも、再び比重が置かれるようになったほか、ドゥームメタル風のT-06や、アコースティックなインストT-05やスローなT-09などの、ダークでメロディアスなナンバーなどもあり、フラットな印象だけが残る前作から一転して、変化に富んだ多彩な構成となっています。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ハードコア度:★★★★☆
|グルーヴ:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Heal|ヒール

SACRED_REICH_Heal

オリジナルアルバム 4作目 – (1996年)

基本的には、前作と同様のヘヴィグルーヴ路線ですが、スラッシーな質感を残しつつもより一層ヘヴィネスを増して、同時代的なグルーヴメタルへと大きく接近。
雰囲気はややダークに傾いているものの、曲によってはPANTERAばりのサザンメタル風ナンバーも見られ、T-06ではファンキーでブルージーな軽妙なサウンドも聴かせます。

前作同様スラッシャーからは評価の低いアルバムながらも、単なるPANTERAフォロアーには陥らない、彼らなりのスタイルを貫いており、名盤には到底届かないものの楽曲も高水準な好盤で、総合力においてはは1st以降ではベストとも言えます。

ただし、どうしても「出遅れたトレンド追従」という印象はついて回り、そのそしりをモノともせずに新たなモードを確立させるだけの、圧倒的な独自性/圧倒的なクオリティを提示できているかと問われると、「NO」と答えるほかありません。

なお、T-08『Who Do You Want to Be?』はダニー・エルフマンのバンド〈OINGO BOINGO〉のカバー。
意外性のある選曲ですが、本来がパンキッシュなファストチューンだけに違和感はなく、絶妙な出来栄えを見せています。

|スラッシュ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★☆☆☆
|ハードコア度:★★★☆☆
|グルーヴ:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み 実験作

Still Ignorant (1987-1997)|スティル・イグノランス

SACRED_REICH_Still_Ignorant

ライヴアルバム (1997年)

Ignorance & Surf Nicaragua|イグノランス & サーフ・ニカラグア

SACRED_REICH_Ignorance_&_Surf_Nicaragua

カップリングアルバム – (2007年)

デビュー作と名ミニアルバムの代表作をカップリングして、レアトラックとライヴ映像も加えた決定版。

Awakening|アウェイクニング

SACRED_REICH_Awakening

オリジナルアルバム 5作目 – (2019年)

再結成から20年近くを経てようやくリリースされた、復活第一弾のスタジオフルレンス。

ハードコア風味のジャケットアートから、多くの再始動スラッシャーと同様の、初期への原点回帰が期待されますが、ややスラッシーな質感とでハードコア風味を強めたものの、ヘヴィグルーヴ要素も見られるなど、疾走曲中心の初期作に完全回帰したわけでもなく、過去の総決算的なスタイルと言っていいものです。

オールドスクール・スラッシュが、そのリバイバル以降一定のリスナー層を確立しているとはいえ、さすがにブームに便乗するには完全に種を逃しており、遅きに失した感は否めせんし、それを意識せずに済むほどの極上の出来栄えを見せているわけでもなく、曲数を抑えたわりには密度は薄めです。

とはいえ、及第点は軽くクリアしていますし、再結成スラッシュにありがちな、現代性を意識したただ速いだけの厚塗りスラッシュという、画一的なスタイル陥っていないあたりは評価できます。
また、フルアルバムで8曲30分強というコンパクトな仕様は、大容量時代から揺り戻しとはいえ、その潔さは好印象です。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ハードコア度:★★☆☆☆
|グルーヴ:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論
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