★ SAMAEL(サマエル)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|アート系エクストリームメタルの総本山スイスが生んだ孤高のインダストリルブラックメタル!!…必聴アルバムは? 

SAMAEL_logo ◆ S, T

CELTIC FROSTの流れをくむブラックメタルからゴシカルでダンサブルなインダストリアルメタルへと転身を遂げた、スイッツエクストリームメタルシーンならではの独自の美意識にあふれる異端のブラックメタルバンド!!

SAMAEL(サマエル)はブラックメタルバンドとしてキャリアをスタートし、のちにゴシックメタルテイストを持つインダストリアルメタルへと移行することになるスイスのエクストリームメタルバンド。

初期のブラックメタルというと、あえてローファイでノイジーな音作りを施したサウンドがパブリックイメージとなっており、VENOMの流れをくむ初期衝動系のパンキッシュな疾走型サウンドや、BATHORYをルーツとした大仰なアトモスフェリックな様式美系サウンドが主流となっていました。SAMAELはその時期においては比較的良好な音質としっかりしたヘヴィネスを持ち、同郷のレジェンドであるCELTIC FROSTの初期を思わせるようなドゥーミィなサンドで異彩を放っていました。

90年代の中期頃からインダストリアルメタル的なサウンドメイクとゴシックメタルに端を発した耽美エッセンスを取り入れるようになり、ついにはドラムマシンと本格的なデレクとろにっくサウンドをを導入したインダストリアルゴシックメタルスタイルへと移行。

彼らは、個性派ジャーマンスラッシュバンドDESPAIR(ディスペイア)出身で、デイヴ・ロンバードとのユニットGRIP Inc.(グリップ・インク)やインダストリアルプロジェクトOODOOCULT(ヴードゥーカルト)などでの活動で知られ、インダストリアルやゴシックに造詣のあるプロデューサとして活躍ウォルデマー・ゾリヒタ(Waldemar Sorychta)と組むことが多く、インダストリアルへ路線への転向にはゾリヒタの存在も影響も考えられます。

テーマや世界観の面でも、いかにもブラックメタルなサタニズムを扱ったものから、いわゆる“意識高い系ブラックメタル”に先駆けてスピリチュアルでポリティカルな一面も持つ作風へと移行し、当初の虚仮威し的なイメージを払拭してスタイリッシュなものへと変化していき、音楽的にもダンサブルなEDMサウンドやニューウェイヴ/ポストパンクサウンドの導入など、アルバムごとにマイナーチェンジを試みなています。

ブラックメタルのいかがわしさやビジュアル系の延長的な側面に惹かれて参入する層にアピールする、キャッチーなビジュアルや様式美的なサウンドとは一線を画している反面、それほどマニア心をくすぐる立ち位置でもないため、微妙なポジションに落ち着いている印象はあるものの、通好みなファンに支えられコンスタントな活動を続けています。

SAMAEL|DISCOGRAPHY

Worship Him|ワーシップ・ヒム

SAMAEL_Worship_Him

オリジナルアルバム – 1作目 (1991年)

同郷のCELTIC FROSTの初期に近い作風で、ファストパートよりもドゥーミィテイストの強いドラァギーなスローパートが中心となったアルバム。クラストコアの影響も見られます。当時のブラックメタルの中のではひときわ異彩を放つ存在で、ヴォーカルスタイル以外には類型的なブラックメタル要素が見られないサウンドは、むしろドゥームデスやスラッジとして聴かれるべきかもしれません。
サウンドが生真面目な分だけ振り切った異形の外連味には欠けますし、手堅くまとまってはいるものの残念ながらそれ以上のレベルではないので、B級メタル愛好家以外には積極的にオススメしづらいところがあります。

ブラック度:★★★☆☆|ゴシック度:☆☆☆☆☆|エレクト度:☆☆☆☆☆
オルタナ度:★☆☆☆☆|ドゥーム度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 通好み スルメ盤 実験作

Blood Ritual|ブラッド・リチュアル

SAMAEL_Blood_Ritual

オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)

こだわり系バンドに人気のミュージシャンズ・ミュージシャン、ウォルデマー・ゾリヒタのプロデュースによりプロダクションが向上。初期CELTIC FROSTに連なるドゥーミィな作風については前作から大きな変化はないものの、さらにヘヴィネスが増してしてより重厚で禍々しいサウンドになりました。
クオリティ面でパワーアップしていくぶん洗練された反面、発展途上のカオス感やアングラ的な得体の知れなさはやや薄れた印象があるので、そのあたりは好みが分かれるところかもしれません。

ブラック度:★★★☆☆|ゴシック度:★☆☆☆☆|エレクト度:☆☆☆☆☆
オルタナ度:★☆☆☆☆|ドゥーム度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作  通好み スルメ盤

Ceremony of Opposites|セレモニィ・オブ・オポジッテス

SAMAEL_Ceremony_of_Opposites

オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)

前作に続きウォルデマー・ゾリヒタのプロデュースのてによる作品で、ドゥーミィ&ヘヴィな暗黒サウンドという基本路線は踏襲しつつも、サウンドはさらにヘヴィネスを増し、ヘヴィグルーヴやゴシックテイスト, インダストリアルテイストなど新機軸の導入によって新境地を切り開くとともに、次作以降の新たな音楽性に至るターニングポイントにもなったアルバム。
過去作でアクセントの役割を果たしていたアップテンポなナンバーが見られないにもかかわらず、楽曲は大幅に多様性を増してたことにより、変化に富んで単調さは感じられません。
本格的に注目を集めるようにもなった初期の代表作で、当時より高い評価を得ており米国シーンでまでもそれなりの結果をあげています。

ブラック度:★★★☆☆|ゴシック度:★★☆☆☆|エレクト度:★☆☆☆☆
オルタナ度:★★☆☆☆|ドゥーム度:★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Rebellion|リベリオン

SAMAEL_Rebellion

ミニアルバム (1995年)

Passage|パッセージ

SAMAEL_Passage

オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)

本格的なインダストリアルメタル路線に足を踏み入れたアルバム。ドゥーミィ&グルーヴィーなゴシックインダストリアルメタルといった趣の、ややスタイリッシュで重厚&荘厳なエクストリームメタルサウンドは、時にLAIBACH(ライバッハ)などの匂いも漂わせます。ヴォーカルはデスヴォオイス寄りのディストーションスタイル。
決してオンリーワンの強固な個性が感じられるわけではありませんが、ありそうで意外になかった作風ではあります。その点も含め、上質な作品ではあるものの、突出した楽曲や強烈なインパクトに欠けることで通好みにとどまっているあたりは、彼らのキャリアを通しての弱点です。
SAMAEL御用達プロデューサーのゾリヒタは、VOODOOCULTなどでのインダストリアル経験もあってまさにうってつけ人材ですが、彼らに共通する煮え切らないマニア受けの作風からか、プラスアルファの化学反応や相乗効果は生み出せていません。

ブラック度:★★★☆☆|ゴシック度:★★★☆☆|エレクト度:★★★☆☆
オルタナ度:★★★☆☆|ドゥーム度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Exodus|エグゾダス

SAMAEL_Exodus

ミニアルバム (1998年)

Exodus
メタル¥1,426Samael

Eternal|エターナル

SAMAEL_Eternal

オリジナルアルバム – 5作目 (1999年)

サウンドのデジタル色がアップして、よりマシーナリーなサウンドとなりました。ダンサブルなビートを持った楽曲もありますが、EDM系のビートはあまり用いられずインダストリアルメタルの脇に収まるもの。これまでの禍々しくヘヴィなドゥームデステイストは払拭されており、ヴォーカルはデスヴォイスに近いものとディープなゴスヴォイス系を微妙に使い分けています。
時にポップネスも漂わせますがそれはアルバムの主軸ではなく、旧ユーゴスラビアのインダストリアルバンドLAIBACH(ライバッハ)〜RAMMSTEIN(ラムシュタイン)系統の帝国的な重厚さと、ゴシックメタルに近い荘厳さが大きな特徴。やや淡白で外連味にも新鮮味もは欠けますし、アトモスフェアに流されがちなあたりも好みの分かれるところですが、この雰囲気が好きな人ならハマるサウンドです。

ブラック度:★★★☆☆|ゴシック度:★★★★☆|エレクト度:★★★★☆
オルタナ度:★★★☆☆|ドゥーム度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 通好み スルメ

Telepath|テレパス

SAMAEL_Telepath

ミニアルバム (2004年)

Reign of Light|レイン・オブ・ライト

SAMAEL_Reign_of_Light

オリジナルアルバム – 6作目 (2004年)

ブラックメタル/デスメタルからはさらに距離を置いた作風となり、インダストリアルメタルのジャンルの中で様々なスタイルを追求しているアルバムで、ヴォーカルもディストーショナルではあるもののデスヴォイスの範疇には収まらなくないもの。毛色の違ったデス/ブラックという枠を超えて、インダストリアルフィールドでも戦える作品となっています。
方向性が近く迷いの無さやインパクトで彼らを上回るRAMMSTEINの登場以降それに引きずらがちですが、ここではいくぶん独自性を主張するようになっています。その結果、大仰な演出やアトモスフィアに頼らず楽曲の質で勝負するようになったことが功を奏してか、楽曲の多様性も増して印象的なメロディやフレーズも時折見られるようになり、一皮むけた印象があります。

ブラック度:★☆☆☆☆|ゴシック度:★★★★☆|エレクト度:★★★★★
オルタナ度:★★★★☆|ドゥーム度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

On Earth|オン・アース

SAMAEL_On_Earth

ミニアルバム (2005年) 

Era One|エラ・ワン

SAMAEL_Era_One

オリジナルアルバム – 7作目 (2006年)

インダストリアルメタル特有のメタルエッジでヘヴィなサウンドは後退し、80年代ニューウェイヴ/ポストパンク時代のエレポップ/シンセポップを思わせるサウンド。前作同様多彩な曲調も大きな長所で、ポップネスをましたキャッチーな曲からアンビエント/ニューエイジ風の曲まで様々な表情を見せます。T-03,T-04などはノリのいいダンサブルな曲ですが、90年代以降のEDM系のサウンドとは異なり80年代のダンスポップ/ディスコポップとRAMMSTEINをミックスしたをような印象。RAMMSTEINをに引っ張られる感じはまだありますが、それほど気にならない程度です。
いずれにせよ、インダストリアル/エレクトロニック路線としては、独自性/クオチティトもに前作から本作にかけてがピークと言っていいでしょう。

ブラック度:★☆☆☆☆|ゴシック度:★★★☆☆|エレクト度:★★★★★
オルタナ度:★★★★★|ドゥーム度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Aeonics – An Anthology|イオニクス – アン・アンンソロジィ

SAMAEL_Aeonics_An_Anthology

ベストアルバム (2007年)

Solar Soul|ソラー・ソウル

SAMAEL_Solar_Soul

オリジナルアルバム – 8作目 (2007年)

ポップなエレクトロニックサウンドを追求した前作とは打って変わり、再びメタル度の高めたヘヴィなインダストリアルメタルへと回帰したサウンド。その作風は、ある意味ではSAMAEL流ゴシックメタルとでも呼べそうなもので、前作まで音楽性に抵抗を感じていたヘヴィメタルリスナーにとっては、久々に馴染みやすいアルバムとなりました。
これまでの実験的な試みが功を奏してか、楽曲についてはそれなりのバリエーションを持っていますが、それで前2作での多様性に富んだ楽曲と比較してしまうと、音楽性の幅が狭まった分変化に乏しくやや単調にも感じられます。
プロデュースは、毎度おなじみのウォルデマー・ゾリヒタ。

ブラック度:★☆☆☆☆|ゴシック度:★★★★☆|エレクト度:★★★☆☆
オルタナ度:★★☆☆☆|ドゥーム度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 通好み スルメ盤

Above|アバヴ

SAMAEL_Above

オリジナルアルバム – 9作目 (2009年)

SAMAELの全キャリア中でも最もエクストリーム&アグレッシヴで、オーソドックスなブラックメタルに接近したアルバム。重厚なミッド〜スローテンポ中心の彼らとしては、疾走感に満ちたファストナンバーが中心なった異色作でもあります。サウンドについても、プリミティブな王道ブラックメタルほどローフィサウンドを追求 してはいないものの、いくぶんそれを狙ったようなジャンクな質感で仕上げられています。
適度な叙情的メロディを持った、スラッシーでアップテンポなブラックメタルとしては、あらゆるの面で申し分のない仕上がりで、この手のサウンドが好きなら聞いて損はありません。
しかし、クオリティは最上級とはいえ、取り立ててユニークなアプローチが見られるわけではありませんし、90年代の前半ならともかく今となっては目新しさはみじんも感じられません。「彼らがこの時期にやる必要がある音楽だったのか?」、「SAMAELのファンが求める作風なのか?」と問われれば、数多の疑問符から逃れられることはできないでしょう。

ブラック度:★★★★★|ゴシック度:★☆☆☆☆|エレクト度:★☆☆☆☆
オルタナ度:★☆☆☆☆|ドゥーム度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作

Antigod|アンチゴッド

SAMAEL_Antigod

ミニアルバム (2010年)

Lux Mundi|ラックス・ムンディ

SAMAEL_Lux_Mundi

オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)

今回のゾリヒタプロデュースで、再度Passage(4th)やSolar Soul(8th)のような、ヘヴィでゴシカルなインダストリアルメタルへと移行しています。その2作と比較すると、よりヘヴィネスを強調した重厚なサウンドでクオリティも上々ですが、ヘヴィサウンドにこだわるあまり全体的にフラットな仕上がりになってしまい、それなりに作風に幅をもたせてある割は単調に感じられます。

ブラック度:★☆☆☆☆|ゴシック度:★★★★☆|エレクト度:★★★☆☆
オルタナ度:★★☆☆☆|ドゥーム度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 通好み スルメ盤

Hegemony|ヘゲモニィ

SAMAEL_Hegemony

オリジナルアルバム – 11作目 (2017年)

前作に続いて、彼らのベーシックなスタイルがとなっているヘヴィなゴシックインダストリアル路線で、ゴシックテイストがいくぶん薄まって、アップテンポな楽曲がやや増えた印象はあるものの、それ以外に大きな変化は一切ありません。なにぶんいつも通りの彼らのアルバムなので、いつも通り水準は軽くクリアしてはいるものの、これといった決め手に欠けるのもいつも通り。
ヘヴィネスにこだわりすぎていることと一時期見せていた実験的な試みが見られないことで、楽曲のバリエーションが極端に狭まった様に感じられ実際以上に変化に乏しいのもいつも通りですね。そして、ゾリヒタプロデュースもいつも通り。
T-06のようなファストナンバーや、6thや7thに見られた以ポップナンバーをもっと効果的に配置することができれば、最後まで飽きずに聴きとおせたかもしれません、

ブラック度:★☆☆☆☆|ゴシック度:★★★☆☆|エレクト度:★★☆☆
オルタナ度:★★☆☆☆|ドゥーム度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 通好み スルメ盤
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