Contents
- 1グラムメタル・ムーヴメントが燃え尽きる直前に輝きを放ったアイドル・バンドは、ストロング・スタイルの90年代型ヘヴィメタルへと変貌を遂げて時代の寵児に!?
- 1...1アイドル人気で一躍スターダムに!?
- 1...2グラムメタルの最後の輝き!?
- 1...3同名バンドから権利を買い取る!?
- 1...4最もヘヴィなグラムメタル!?
- 1...5オルタナメタル路線が不評!?
- 1...6ヴォーカリストの脱退で解散!?
- 1...7新ヴォーカルを迎えて再始動!!
- 1...8更なるメンバーチェンジを重ねて活動中!?
- 1.1SKID ROW|DISCOGRAPHY|スタジオアルバム
- 1.1.1Skid Row|スキッド・ロウ
- 1.1.2Slave To The Grind|スレイヴ・トゥ・ザ・グラインド
- 1.1.3Subhuman Race|サブヒューマン・レース
- 1.1.4Thickskin|チックスキン
- 1.1.5Revolutions Per Minute|レヴォリューション・パー・ミニッツ
- 1.2SKID ROW|DISCOGRAPHY|ライヴ/コンピレーション
- 1.2.1B-Side Ourselves|Bサイド・アワースリーヴス
- 1.1PRUNELLA SCALES|プルネラ・スケールズ|DISCOGRAPHY
- 1.1.1.1オルタナ・ハードの実力派が集結!!
- 1.1.2Dressing Up The Idiot|ドレッシング・アップ・ザ・イディオット
- 1.2THE LAST HARD MEN|ザ・ラスト・ハード・メン|DISCOGRAPHY
- 1.2.1The Last Hard Men|ザ・ラスト・ハード・メン
- 1.3SEBASTIAN BACH|セバスチャン・バック|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Bring 'Em Bach Alive!|ブリング・エム・バック・アライヴ!
- 1.3.2Bach 2: Basics|バック・トゥー・ベーシックス
- 1.3.3Finding My Way|ファインディング・マイ・ウェイ
- 1.3.4Angel Down|エンジェル・ダウン
- 1.3.5Kicking & Screaming|キッキング・アンド・スクリーミング
- 1.3.6Give 'Em Hell|ギヴ・エム・ヘル
SKID ROW|DISCOGRAPHY|スタジオアルバム
Skid Row|スキッド・ロウ
オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)
過去のバンドのノウハウの蓄積を活かせるという後発バンドの利点と、バンド本来のセンスが有効に反映された、適度にフックの効いたソツのない仕上がりのアルバム。
キャッチーでロッキンなメタリック・ハードという、グラムメタル類型の枠からは一歩も出ない作風で、取り立てて独自性が感じられないあたりは評価が分かれるところでしょう。
とはいえ、80年代特有のフラッシー路線に傾し過ぎすことのない、グラムメタルとしては比較的ヘヴィなサウンドは、バンドの一応の持ち味となっています。
それに加え、グラマラスなメイクや衣装ではなくストリート系のビジュアルを選択しているあたりには、新世代らしく時流を見据えている様子も透けて見えます。
ヘヴィネス:★★★☆☆|ポップネス:★★★★★|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論
Slave To The Grind|スレイヴ・トゥ・ザ・グラインド
オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)
本格的にブレイクを果たす切っ掛けになっただけでなく、この時代のメタル・シーンを象徴する1枚にまでなった、SKID ROWの代表作。
基本ラインは前作を踏襲しながらも、90年代型のヘヴィ・サウンドへのにマイナー・チェンジが進んだアルバムで、当時ヘヴィ・ミュージックの新トレンドとしての萌芽を見せていた、グランジやグルーヴメタルのエッセンスも大胆に導入しつつ、ヘヴィメタリックな質感を強めています。
中でも、パワーメタル/スピードメタルとも呼べそうなファスト・チューンT-02は、バンドの史上最強のアンセム曲となりました。
そのバランスの良さから、従来のポップなグラムメタルのファンに加えて、オールドスクールなリスナーやモダン志向の新世代にまでアピールできたことで、幅広い層に支持を得ることに成功しています。
ただ、全体的に適度にフックのあって佳曲も曲多いものの、特に際立ったっているのは上記のT-02程度であり、またそのT-02と同路線の曲が他に見られるわけでもないで要注意。
徹頭徹尾ヘヴィ&ファストなストロング・スタイルを期待すると肩スカシとなる恐れがあります。
ヘヴィネス:★★★★☆|ポップネス:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Subhuman Race|サブヒューマン・レース
オリジナルアルバム – 3作目 (1995年)
80年代グラムメタルの名残をのあるサウンドから、完全に90年代の空気をまとったグランジ&グルーヴメタル路線へと移行を果たし、それによって、当然のように賛否両論を招く結果となったアルバム。
エッセンスとしては【グランジ=8:グルーヴ=2】くらいのバランスで、サウンドの質感はグランジに大きく傾いており、特に〈ALICE IN CHAINS〉あたりからの影響が濃厚で、曲によってはメロディもある程度重視されています。
本作は、数あるグラムメタル・バンドのグランジ・アプローチの中では、〈MÖTLEY CRÜE〉のセルフタイトル・アルバムなどと共に数少ない成功例のひとつとして挙げられ、比較されることも少なくありません。
しかし、グラムメタルのバブルにズブズブな上にその歴史を背負う立ち位置でもある〈MÖTLEY CRÜE〉が、そのシガラミからオールド・ファンの顔色をうかがわずにおれないのに対し、SKID ROWは後発組らしいフットワークの軽さで完璧なまでの脱却を果たしています。
クオリティは上々で、キャッチーな冒頭のT-01, T-02をはじめ、パンキッシュなファスト・チューンのT-03, T-07、ヘヴィでダウナーなT-08など佳曲も多く、アベレージでは前作を上回ってすらいます。
しかし、これだけでは微妙に出遅れたトレンド・フォロワー以上のものではなく、それを払拭する存在感を確立するには、さらに大きなプラスαが必要なのも事実。
前作から間を空けることなくリリースを重ねていれば、その中で何か独自のスタイルがつかめていたかもしれません。
ヘヴィネス:★★★★★|ポップネス:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Thickskin|チックスキン
オリジナルアルバム – 4作目 (2003年)
バックに代わる後任のフロントマンとして、ジョニー・ソーリンガー(R.I.P)を迎えた復活第一弾アルバム。
また、本作でのドラム・パートは、レイチェル・ボランがプロジェクト〈PRUNELLA SCALES〉で組んだ元〈SAIGON KICK〉のフィル・ヴァローネが担当しています。
「ヘヴィなだけではオールド・ファンはついて来てくれないけれど、グラムメタルに回帰する気はない」…ということなのか、わかりやすいポップネスを強調させながらも、80年代とは異なった90年代以降の『オルタナ・ハードロック』に生まれ変わるという選択を、ここでの落としどころとしています。
そのため、同様の方法論でつくられた『PRUNELLA SCALES』を思わせる部分もありますが、それ以上にスコットランドの〈THE ALMIGHTY〉あたりに限りなく近い印象を受ける仕上がり。
そのパンキッシュでロッキンなハードロックの合間に、〈MARILYN MANSON〉風, ポップパンク調, ポストグランジ風、などの曲が挿入されるという具合です。
相変わらず無難でソツのない出来栄えを見せてはいますが、この時代に替えのきかないポジションを確立するには独自性や新規性に乏しいため、90年代の先人の焼き直しに過ぎないと言われればそれまでです。
かといって、純粋にクオリティで勝負するにしても、「アンセム級の傑出した曲が満載!」というわけでもないため、強烈な説得力や決め手を欠いているのは大きな弱みとなっています。
ヘヴィネス:★★★☆☆|ポップネス:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
Revolutions Per Minute|レヴォリューション・パー・ミニッツ
オリジナルアルバム – 5作目 (2006年)
基本的な作風はほぼ前作から変化はなく、レイチェル・ボランのソロ・プロジェクト〈PRUNELLA SCALES〉に準じた、パンキッシュでポップなオルタナ・ハードロックで、UK界隈の〈THE ALMIGHTY〉や〈THE WILDHEARTS〉も想起させるサウンド。
あえて言えば、アルバム中の数曲おいて明確なカントリー・サウンドを導入している点が、本作で新たに加わったポイントであり、曲によってはサーフロック風のテイストも感じられます。
楽曲面では、本作もおおむね及第点には達した無難な出来栄えではあるものの、取り立てて際立った曲が見られないという弱点についても同様で、残念ながら前作から飛躍的な向上は感じられません。
ヘヴィネス:★★★☆☆|ポップネス:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
SKID ROW|DISCOGRAPHY|ライヴ/コンピレーション
B-Side Ourselves|Bサイド・アワースリーヴス
コンピレーションアルバム (1992年)
タイトルどおり、シングルのB面曲を集めたコンピレーションですが、全曲カバー曲で構成されており、カバー・ミニアルバムと呼べる体裁です。
取り上げたバンドは、〈RAMONES〉,〈KISS〉,〈JUDAS PREAST〉,〈RUSH〉,〈JIMI HENDRIX〉らのビッグネーム。
なお、〈JUDAS PREAST〉のカバーでは、ロブ・ハルフォードもゲスト参加しています。
アレンジは比較的ストレートですが、マイナス印象には傾かないパワフルでアグレッシヴなな仕上がりで、選曲もナイス。
全5曲という、ヒネリのないアレンジでも飽きのこない適度なボリュームも幸いし、チャート入りを果たしてスマッシュヒットとなりました。
メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤