Contents
- 1NWOBHMの異端派バンドから出発し個性派スラッシュメタルを経て本格的トラッドメタル/フォークメタルのパイオニアとしてシーンをリードし続けた英国の鬼才スティーヴ・ラムゼイ率いる個性派グループ!!
- 1.1SKYCLAD|DISCOGRAPHY
- 1.1.1The Wayward Sons of Mother Earth|ザ・ウェイウォード・サンズ・オブ・マザー・アース
- 1.1.2Tracks from the Wilderness|トラックス・フロム・ザ・ウィルダーネス
- 1.1.3A Burnt Offering for the Bone Idol|ア・バーント・オフェリング・フォー・ザ・ボーン・アイドル
- 1.1.4Jonah's Ark|ヨナズ・アーク:ヨナの箱舟
- 1.1.5Prince of the Poverty Line|プリンス・オブ・パヴァティ・ライン
- 1.1.6The Silent Whales of Lunar Sea|ザ・サイレント・ホエール・オブ・ルナー・シー
- 1.1.7Irrational Anthems|イラショナル・アンセムズ
- 1.1.8Oui Avant-garde á Chance|ウィ・アヴァン-ギャルド・ア・チャンス
- 1.1.9The Answer Machine?|ジ・アンサー・マシーン?
- 1.1.10Vintage Whine|ヴィンテージ・ワイン
- 1.1.11Folkémon|フォーケモン
- 1.1.12No Daylights nor Heeltaps|ノー・デイライツ・ノア・ヒールタップス
- 1.1.13A Semblance of Normality|ア・セムブランス・オブ・ノーマリティ
- 1.1.14In the... All Together|イン・ザ...オール・トゥギャザー
- 1.1.15Forward into the Past|フォーワード・イントゥ・ザ・パスト
- NWOBHMの異端派バンドから出発し個性派スラッシュメタルを経て本格的トラッドメタル/フォークメタルのパイオニアとしてシーンをリードし続けた英国の鬼才スティーヴ・ラムゼイ率いる個性派グループ!!
- SKYCLAD|DISCOGRAPHY
- The Wayward Sons of Mother Earth|ザ・ウェイウォード・サンズ・オブ・マザー・アース
- Tracks from the Wilderness|トラックス・フロム・ザ・ウィルダーネス
- A Burnt Offering for the Bone Idol|ア・バーント・オフェリング・フォー・ザ・ボーン・アイドル
- Jonah’s Ark|ヨナズ・アーク:ヨナの箱舟
- Prince of the Poverty Line|プリンス・オブ・パヴァティ・ライン
- The Silent Whales of Lunar Sea|ザ・サイレント・ホエール・オブ・ルナー・シー
- Irrational Anthems|イラショナル・アンセムズ
- Oui Avant-garde á Chance|ウィ・アヴァン-ギャルド・ア・チャンス
- The Answer Machine?|ジ・アンサー・マシーン?
- Vintage Whine|ヴィンテージ・ワイン
- Folkémon|フォーケモン
- No Daylights nor Heeltaps|ノー・デイライツ・ノア・ヒールタップス
- A Semblance of Normality|ア・セムブランス・オブ・ノーマリティ
- In the… All Together|イン・ザ…オール・トゥギャザー
- Forward into the Past|フォーワード・イントゥ・ザ・パスト
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- SKYCLAD|DISCOGRAPHY
NWOBHMの異端派バンドから出発し個性派スラッシュメタルを経て本格的トラッドメタル/フォークメタルのパイオニアとしてシーンをリードし続けた英国の鬼才スティーヴ・ラムゼイ率いる個性派グループ!!
SKYCLAD(スカクラッド)は、フィドル(ヴァイオリン)をパーマネントメンバーに加えた編成で、ヘヴィメタルシーンで英国のトラッド/フォークミュージックを本格的に取り入れたスタイルを作り上げ、フォークメタルのパイオニアと目されるグループ。
80年代初期のNWOBHM(ニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)ムーヴメントの全盛期に、後のスラッシュメタルにつながるダークなスピード/パワーメタルを演奏していたSATAN(セイタン)、それがリニューアルした発展系の個性派スラッシュメタルのPARIAH(パライア)を母体としたグループで、その中心メンバーだったスティーヴ・ラムゼイ(Steve Ramsey:Gt.)とグレアム・イングリッシュ(Graeme English:Ba.)を中心に、UKスラッシュのSABBAT(サバット)のマーティン・ウォルキーア(Martin Walkyier)をヴォーカルに迎えて結成されました。
当初は、スラッシュ/パワーメタルを基調としてそこにアクセント的にトラッドテイストを加えたスタイルで、マニアックなリスナーのみに愛でられていましたが、のちにアグレッションを抑えトラッド/フォーク色の強を強めたポップでオーガニックな作風で、古くも新しいスタイルを生み出したことから注目を集めるようになります。
彼らの存在は、ブラジルのトライバルサウンドを導入したSEPULTURA(セパルトゥラ)や、フィンランド民謡を取り入れたAMORPHIS(アモーフィス)、やはり北欧のバイキングメタルやそれが欧州全域対応となったペイガンメタル一派などと並んで、00年代以降の新たな方法論の行き詰まりに対する最後の手段として増殖することになる、自国や地域,種族に固有の伝統音楽を取り入れてクロスオーバーさせた“エスノメタル”シーンに対して大きな影響を与えることになります。
なお、2002年のA Semblance of Normality(12th)からは、Martin Walkyierの脱退を受けてギターとバッキングヴォーカルを務めていたKevin Ridleyがメインヴォーカルを務めるようになっています。
SKYCLAD|DISCOGRAPHY
The Wayward Sons of Mother Earth|ザ・ウェイウォード・サンズ・オブ・マザー・アース
オリジナルアルバム 1作目 – (1991年)
この時点では完全にスラッシュメタルに属するスタイルで、トラッド要素やフィドルの導入はアクセント程度にとどまっています。ややプログレッシヴロックのテイストも感じさせるなど、スラッシュ以外のキャリアを持つメンバーによるムーヴメント末期のグループということもあり、類型に収まらない独自性の強いユニークな作風を作り上げています。
|トラッド度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★☆☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
代表作 通好み 実験作
Tracks from the Wilderness|トラックス・フロム・ザ・ウィルダーネス
ミニアルバム – (1992年)
Thin Lizzyの名曲カバーEmeraldやライブを収録。日本盤ではJonah’s Ark(3rd)とカップリング。
A Burnt Offering for the Bone Idol|ア・バーント・オフェリング・フォー・ザ・ボーン・アイドル
オリジナルアルバム 2作目 – (1992年)
スラッシュメタルのアグレッションを持ちつつもこれまでのキャリアが反映され、NWOBHMや,パワーメタルに近いオールドスクールな質感をも漂わせた作風です。まだまだ発展途上の過渡期サウンドで、トラッド色やフィドルの活用も控えめなせいか何かひと味足りない印象もありますが、代表曲も収録されアベレージは高い水準にあります。
|トラッド度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 通好み 実験作
Jonah’s Ark|ヨナズ・アーク:ヨナの箱舟
オリジナルアルバム 3作目 – (1993年)
ややトラッド/フォークのフィーチャー度合いがアップし、スラッシュメタルならではのアグラッションは抑え目になったため、初期作品の中ではもっとも中期以降の作風に近いものです。楽曲の幅は広がり多様性は増したことは評価できる反面、それがやや散漫な印象にもつながっており、アベレージが低いわけではないものの突出した楽曲が少ないこともあって、やや物足りなさを感じさせます。
|トラッド度:★★★☆☆
|ダーク度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
Prince of the Poverty Line|プリンス・オブ・パヴァティ・ライン
オリジナルアルバム 4作目 – (1994年)
過去最にアグレッシヴな作風で、スラッシュメタルとして見るならキャリア中最高傑作と言えます。ダークな作風でこれ以降の作品と異なりトラッド色は薄めではあるものの、バイオリンは効果的に活用されています。名曲ぞろいで文句のつけようがない前半と比較すると、後半の作風がやや地味で勢いが落ちたような印象がありますが、アルバムとしてみれば間違いなく名盤の部類です。この前半でトバして後半はミッドテンポ中心スルメ系という構成は、今後もたびたび踏襲されることになります。
|トラッド度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
The Silent Whales of Lunar Sea|ザ・サイレント・ホエール・オブ・ルナー・シー
オリジナルアルバム 5作目 – (1995年)
前作を踏襲したスラッシュ路線で、そこからトラッド色を強めたのはいいのですがやや消化不良。勢いのある前半は悪くないのですが、やはり中盤からがダレ気味となります。ファストチューン以外の聴かせ方の工夫と楽曲の練り込みが必要性を感じさせます。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Irrational Anthems|イラショナル・アンセムズ
オリジナルアルバム 6作目 – (1996年)
スラッシュとトラッドのブレンドの塩梅がこなれてきて、楽曲アベレージはいくぶん向上しています。このあたりからトラッドメタルとして注目を集めるようになりますが、しばらくは試行錯誤の段階であり、過渡期とも停滞期ともいえる時期が続くことになります。
|トラッド度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 スルメ盤 実験作
Oui Avant-garde á Chance|ウィ・アヴァン-ギャルド・ア・チャンス
オリジナルアルバム 7作目 – (1996年)
スラッシーな前半は悪くないのですが、アコースティック色が増した中盤以降は低調になります。馴染みやすいポップさや聴きやすさは増して、トラッドファンやプログレファンなど幅広いリスナーに知られるようになり、認知度という点においては大きな広がりを見せることになります。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
The Answer Machine?|ジ・アンサー・マシーン?
オリジナルアルバム 8作目 – (1997年)
アコースティック色強めのソフトな音作りとなり、メタルエッジな質感は弱め。ここ数作でのトラッド/フォーク色増量の試みを突き詰めたような作風です。スラッシュ調ではないアップテンポの作風も確立するなど楽曲の多様性は増していますが、ヴォーカルの表現力が追いついていません。
この路線で新規リスナーはつかんだものの、あまり彼らの資質にあっていたとは思えません。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★☆☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤
Vintage Whine|ヴィンテージ・ワイン
オリジナルアルバム 9作目 – (1999年)
初期のスラッシュ路線とは異なりますがヘヴィメタリックなエッセンスが増しており、それだけでなく、フォークメタルとしても一皮むけた印象を聴き手に与えます。これまでの試行錯誤が実って、メタルとトラッドのブレンドのバランスが向上していますし、フックがあり耳を引く楽曲も多い力作です。
|トラッド度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 実験作
Folkémon|フォーケモン
オリジナルアルバム 10作目 – (2000年)
『ポケモン』をもじったふざけたタイトルに反して、完成度は高い充実作です。前作で到達したスタイルをさらに推し進めたことにより、スラッシュ/メタル色がさらにアップしてヘヴィに作風になっています。楽曲も適度にフックが効いていて粒ぞろい。中期ではトップクラスの仕上がりで第二の黄金期といえるほどです。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★★★☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
No Daylights nor Heeltaps|ノー・デイライツ・ノア・ヒールタップス
オリジナルアルバム 11作目 – (2002年)
セミアコースティックでのセルフカバーアルバムで、ここからヴォーカルがケヴィンに代わっています。ソフト&スムースで聴きやすい歌唱で荒々しさは薄れましたが、実のところ表現力の弱さでは前任者と同程度でしょう。セルフリメイクなので楽曲の質は必然的に高いのですが、結果的にただのトラッドパンク/トラッドロックと大差なくなってしまいました。スラッシュ曲は意識的にオミットされアレンジも凡庸なので重要性は薄いアルバムです。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★☆☆☆☆
|ポップ度:★★★★★
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論
A Semblance of Normality|ア・セムブランス・オブ・ノーマリティ
オリジナルアルバム 12作目 – (2004年)
重厚で重層的なシンフォ系パワーメタル風のモダンな音作りになり、オーガニックな質感はやや薄れました。プログレ色も強まった新境地サウンドは、サイケ風味などの新鮮味もあり歓迎できるものです。
ウォルキーアのようなクセの無いケヴィンのヴォーカルで一般受けしやすくなったとされていますが、メリハリを欠くため曲によっては単に下手なだけにも感じられることもあます。新しい作風でのマイナスが目立つ仕上がりとなりましたが、後半はいくぶん以前の作風に近くなりヴォーカルも違和感は感じられなくなります。
|トラッド度:★★☆☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|ポップ度:★★★★☆
|マニア度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
In the… All Together|イン・ザ…オール・トゥギャザー
オリジナルアルバム 13作目 – (2009年)
基本的には前作と同路線ですが、以前ほど直接的ではないもののトラッド/フォーク色をとり戻し、さらにはここにきて作風の幅もさらに広がり、完成度も全盛期に匹敵するレベルに達しています。
ドゥーミィ&グルーヴィなT-04などの新境地み見られ、ときおり入るオリエンタルテイストも効果的です。ケヴィンのヴォーカルもウォルキーアを意識したようなラフなスタイルになって力強さが増し、アラがあまり目立たなくなったことも幸いしています。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★★★☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Forward into the Past|フォーワード・イントゥ・ザ・パスト
オリジナルアルバム 14作目 – (2017年)
前作よりややトラッド時代に近づいた作風が中心で、水準以上ではあるものの近作での多様化が頭打ちになり、やや類型的に思える楽曲が多くなりました。エクストリームなT-02は貴重な新機軸なのですが、ケヴィンのヴォーカルがあまりにパワー不足で激しい楽曲に対応しきれていません。
|トラッド度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|ポップ度:★★★☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論