★ TESTAMENT(テスタメント)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ベイエリアの伝統を受け継ぎながら独自の進化を繰り返すベイエリアの個性派スラッシュメタル!!…必聴アルバムは?

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TESTAMENT|DISCOGRAPHY

The Legacy|ザ・レガシー

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オリジナルアルバム – 1作目 (1987年)

TESTAMENTは、活動スタートの早い後発グループという特殊な立ち位置もあって、このデビューアルバムの時点ですでに出来上がっており、ベーシックなスタイルの確立と非常に高いクオリティとを実現していました。

1stアルバムとしての完成度の高さという意味では、スラッシュシーンでも別格とされる、METALLICA(メタリカ)やMEGADETH(メガデス)のデビューアルバムにも匹敵するものでした。

疾走感と重量感にあふれていながらドラマティックでフック満載の楽曲は、だからといって同様のメロディ志向のバンドのようにパワーメタルに傾くわけでもなく、スラッシュメタル以外の何物でもないものであり、ベイエリアスラッシュシーンの中でも特異な魅力を放つ存在たらしめていました。

やや同じような曲調が目立ち多様性に欠ける面もありますが、それ以外は文句のつけようがないほぼ完璧な作品であり、各曲それぞれが全てオールタイムベストになりうるレベルにあります。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤

The New Order|ニュー・オーダー

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オリジナルアルバム – 2作目 (1988年)

音楽性についてはほぼ前作の路線を継承したアルバムで、前作と並んで初期の代表作に数えらていますが、その前作と比較してしまうと楽曲ごとのクオリティでは一歩及ばないことは否めません。

もちろん、決してつまらない作品ではなく、本作単体で見れば並のバンドなら最高傑作と讃えられるような名盤クオリティで、前作ともそれほど大きな差が付いているわけではありません。

とはいえ、楽曲に端々にややツメの甘さが感じられますし、前作で唯一の欠点とも言えたバリエーションに乏しさも解消されておらず、明らかにこのスタイルでの行き詰まりが見られます。前作で彼らのポテンシャルを見て期待値が上がっているだけにいるだけに、厳しめの評価となるのも致し方ないところでしょう。

もっとも、バンド側もそのあたりの自覚はあるようで、次作以降は作品ごとに音楽性の幅を広げることをテーマにしたような創作活動を続けることになります。

なお、T-08はAEROSMITHのカバーで、TESTAMENTならではの絶妙なアレンジセンスを見せています。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤

Practice What You Preach|プラクティス・ホワット・ユー・プリーチ

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オリジナルアルバム – 3作目 (1989年)

前作に限界を感じて多様化を狙ったのはわかりますし、その試みはある程度は達成できてもいますが、新機軸が全体的に未消化であまりサマになっていない部分が多く、アルバムのクオリティを劇的に高めるには至っていません。

凝った展開といつものTESTAMENT節を見せるミッドチューンのタイトルトラックT-01、バラッド調からスタートしてアグレッシヴにドラマティックに盛り上がるT-02、ハードロッキンでパンキッシュな異色曲T-09といったあたりは準名曲とも呼べる出来栄えでもあり、光る部分が無いわけではありません。

しかし、アルバムトータルとして判断するならば、残念ながら今に至るテスタメントのキャリア中では最も低調な作品と言うほかないでしょう。

新要素を作品に対してプラスに反映させて、クオリティと多様性が同居させられるようになるには、次作以降の展開を待たなければなりません。

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Souls Of Black|ソウルズ・オブ・ブラック

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オリジナルアルバム – 4作目 (1990年)

前作で取り入れたバラッドなどに加えて、重量感のあるミッド〜スローテンポの楽曲を新機軸として活路を見出した1枚。
SLAYER(スレイヤー)でにおける“South of Heaven(サウス・オブ・ヘブン)”にあたるアルバムで、それと同様にスピード至上の傾向のあるスラッシュ界隈では問題作として低評価を受けがちです。

しかし、前作ではあまり結果を出せなかった新機軸を導入して楽曲の多様性を広げる試みが、ここではいよいよプラスに働いて、高いレベルでの多様化に成功しています。

中でも、タイトルトラックのT-04はヘヴィグルーヴを取り入れたミッドテンポ・ナンバーですが、まさに多様化の試みが実を結んだオールタイムベスト級のキラーチューンといえる1曲。現在ではオールドファンも認めざるをえないアンセムとして定着、ライヴにも欠かせない存在になってます。

T-09は、この時期の定番にもなっていたメロディアス&エモーショナルなヘヴィバラッドの名曲で、表現力を増したヴォーカルにチャック・ビリーの成長も見て取れます。

新機軸ばかりが取りざたされがちですが、収録曲の多くは彼ら本来の疾走感を持ったスラッシュチューン。新機軸の充実ぶりが突出すぎているので、それと比較するとややも印象が弱く感じられますが、それでも水準以上には仕上げられています。

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

The Ritual|儀式 :ザ・リチュアル

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オリジナルアルバム – 5作目 (1992年)

スラッシュメタルのムーヴメントが終焉を迎え、シーンのビッグネームも音楽性を一新してスラッシュから脱却を図っていた時期の作品。

本格的なヘヴィグルーヴ導入が取りざたされがちですが、同時に歌モノ路線, メロディ強調でより広義的なヘヴィメタルにも接近し、結果的に従来のメタル様式美にはとらわれない独自のスタイルを確立しています。

その意味では、METALLICAならブラックアルバム、MEGADETHならCountdown to Extinction(破滅へのカウントダウン)、ANTHRAXではSound of White Noise(サウンド・オブ・ホワイト・ノイズ)といった、同時期の脱スラッシュ作品と同じ位置にあり、賛否に大きく分かれオールドファンの評判が芳しくないというのも、またそれらの作品に共通しています。

とはいえ、スピードが控えめになった以外、基本的にはこれまでの流れの延長線上にあり、ベーシックなスタイルはそのままに多様性を増しているので、上に挙げたBIG4作品ほどラジカルな変化や実験性は感じません。

クオリティ面ではその上記BIG4アルバムに匹敵しており、楽曲クオリティはおおむねハイレベル。中でも、T-02は間違いなくオールタイムベスト級の名曲ですし、メロウでソウルフルなバラードM-10もライヴに欠かせないアンセム曲となっていました。

メタル度:★☆☆☆☆|ハードコア度:★☆☆☆☆|実験度:★☆☆☆☆
独自性:★☆☆☆☆|総合評価:★☆☆☆☆
殿堂入り 入門盤 賛否両論 実験作

Low|ロウ

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オリジナルアルバム – 6作目 (1994年)

短期間の活動停止を挟んでの復活作。デビューから黄金期を支えたアレックス・スコルニック(Gt.)とルイ・クレモント(Dr.)が抜け、これ以降は両パートはスポット参加が中心となりますが、ここではEXODUSやWHITE ZOMBIE(ROB ZOMBIE)で知られるジョン・テンペスタと、デス/スラッシュ界をセッションメインで生き抜くジェームス・マーフィーという仕事師2名が起用されています。

音楽的には、今までの音楽キャリアを総括する総決算的な面があると同時に、デスメタルやグルーヴメタルなど当時の最先端エクストリームメタル視野に入れた作風で、同時代的なヘヴィサウンドへとアップデートしています。

とはいえ、新要素の取捨選択センスと、新機軸も丸ごと飲み込んで自分達のスタイルにしてしまう地力の強さと個性は相変わらずで、多くのトレンド・フォロアーとは全く異なるステージにあります。

本格的な再ブレイクがこれ以降となるため、やや過小評価の傾向がありますが、現在に至る方向性とスタイルを定めた重要作であり、後期TESTAMENTを代表する名盤の1枚です。

スラッシュ度:★★★★★|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆
エクストリミティ:★★★★☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Demonic|デモニック

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オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)

デスメタル要素を大々的に導入して全編ドスの効いたデス声で歌い、賛否両論を巻き起こしたアルバム。
移植作ながらウルトラヘヴィな名盤です。

手数の多いマシーナリーなドラミングがメタルファンに人気の、ジーン・ホグラン(Dr.)が参加。

スラッシュ度:★★★☆☆|スピード:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★★
エクストリミティ:★★★★★|叙情度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

The Gathering|ザ・ギャザリング

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オリジナルアルバム – 8作目 (1999年)

前作の不評で路線変更を余儀なくされたのか、単にデス路線はやり尽くしたと判断したのか、どちらにしてもほぼそのひとつ前の“Low(6th)”と同路線に回帰し、前作Demonicのデスメタルサウンドは構成要素のひとつにとどめられています。

ここでは、再びジェームス・マーフィーが参加したほか、SADUSやDEATHを始め多数のバンドに参加し、渡りの変態ベーシストとして知られるスティーブ・ディジョルジオ(Ba.)、元SLAYERのデイヴ・ロンバート(Dr.)が加わって、さながらドリームバンドの様相を呈しています。

その豪華メンバー…何よりロンバートというビッグネームの参加で大きな話題になったこともあって、後期では特に一般からの評価も高い人気作品となっています。

実際にクオリティも高く良くできた総決算的アルバムですが、これまでアルバムごとに見せてきた新機軸は特に無く、良くも悪くも安定感重視の仕上がりといった印象です。
また、本作は「聴いてるぶんには気持ちいいけど、その後まで印象に残る曲が少ない」パターンに陥っており、曲のバリエーションが豊富な割にはやや平坦に感じられる面があり、楽曲ごとの存在感という点では前作や前々作に大きく水を開けられています。

スラッシュ度:★★★★★|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆
エクストリミティ:★★★★☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤

First Strike Still Deadly|ファースト・ストライク・スティル・デッドリー

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セルフカバーアルバム (2008年)

初期2作のナンバーから5曲づつをピックアップして新録したセルフカバーアルバム。
当然、曲の良さは折り紙付きですが、アレンジについては予想の範囲を一歩も出ません。

スラッシュ度:★★★★★|スピード:★★★★★|ヘヴィネス:★★★★☆
エクストリミティ:★★★★☆|叙情度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作

The Formation of Damnation|ザ・フォーメーション・オブ・ダムネイション

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オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)

チャック・ビリーの療養期間を挟んで、久々のリリースとなる復活アルバム。
この当時のスラッシュリバイバルの影響もあってか、近年の基本系となる90年代型TESTAMENTサウンドをベースににしつつ、80年代のオールドスクールテイストを混ぜ込んだような作風となっています。ただし、アグレッションや疾走感はひかえめで、メロディラインを強調した印象です。

それが原因か悪い意味での手癖感が強く、いつもの「何をやっても自然と滲んでくるTESTAMENT節」というよりも、“TESTAMENT A.I.”に作曲させたとか、“TESTAMENT素材集”を継ぎ接ぎしたという印象も感じさせます。

そんな守りに入ったが感が強い作風のわりにはクオリティが今ひとつ。T02やT-07などの佳曲はあるものの、残念ながら現時点では後期でもっとも低調な仕上がりです。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

Dark Roots of Earth|ダーク・ルーツ・オブ・アース

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オリジナルアルバム – 10作目 (2012年)

一般的には00年代以降後期ではもっとも評価の高く、セールス/チャート面でも好調だったアルバム。

90年代からのモダン・スラッシュ路線をベースにして、歌メロやギターソロでのキャッチーなメロディラインを意識した作風という意味では前作と変わりませんが、出来上がりはかなり印象の異なるものとなっています。

大きな変化は、まずサウンドがヘヴィでアグレッシヴにパワーアップされていること。また、前作のメロディラインなどには、初期を意識してそれに寄せた印象があったのに対して、ここでは現在進行形のサウンドでのアプローチへとアップデートされています。

キャッチーでフック満載の力作であるのは確かですが、やや曲が長尺傾向にあることで及第点ギリギリの曲がダレ気味でマイナスに傾くため、T-02, T-04, T-06といった名曲と他との差が広がり、波荒になっているのが弱点です。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆
エクストリミティ:★★★★☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Brotherhood of the Snake|ブラザーフッド・オブ・ザ・スネイク

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オリジナルアルバム – 11作目 (2016年)

前作と比較すると曲がコンパクトになり、疾走曲が多めでストレートな作風が中心。アルバム単体で見れば勢いにあふれた快作で、楽曲も前作よりもムラが少なくツブがそろっています。

しかし、音づくりから曲調までほぼ前作を踏襲しており、音だけなら前作との連作とも思えるほど。TESTAMENTにしては上積みや新機軸が見られませんし、やや作風の振り幅が狭すぎるきらいはあります。

本作ならではの個性をアピールできていないため、前作からの流れで見ると代わり映えがなさ過ぎて物足りなさが残るのは確かで、そのあたりとシンプルな作風をどう判断するかが、評価の分かれ目にもなるでしょう。

スラッシュ度:★★★★★|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆
エクストリミティ:★★★★☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤

Titans of Creation|タイタンズ・オブ・クリエイション

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オリジナルアルバム – 12作目 (2020年)

00年代の終盤から4年に1作ペースで、それもオリンピックの年にリリースを続けてこれで4作目。いよいよ、スポーツ利権イベントに興味のないメタラーに、その訪れを知らせる存在になっています。

アベレージの高い安定感に定評のある彼らだけに、毎度その期待に違わぬ確かな満足度のアルバムを作り続けており、本作も大きな穴の無く特に文句をつけるところは見当たりません。
また、近作の中ではやや初期作品に寄せたような雰囲気も持っているので、オールドファンのなじみやすいでしょう。リサイクル風のフレーズもあえて狙っていると好意的に解釈したくなります。

しかし、常に高水準ではあるもののやや作風の固定化/類型化がかなり進んでいるようにも見え、90年代の実験性の強かった時期の「今回はこうきたか!」という新鮮な驚きは味わえなくなってしまったという寂しさもあります。
また、前作から、アルバム通してやや一本調子気味で、少々バリエーションに乏しくメリハリに欠けるのと、キメ曲がやや弱く過去の水準に達していないのも惜しいところ。

それでも、このレベルのキャリアを持つベテランの中ではまだまだ現役感が十分に感じられますし、まだまだ次作が気になるくらいのポテンシャルは感じさせるだけの充実度を見せてくれています。

スラッシュ度:★★★★☆|スピード:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆
エクストリミティ:★★★☆☆|叙情度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論
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