★ THE SMASHING PUMPKINS(スマッシング・パンプキンズ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ドリーミィなポップネスと轟音ヘヴィサウンドが絡み合うオルタナティヴアートロック!!…必聴アルバムは?

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ヘヴィでポップでサイケデリックなプログレ/アートサウンドで、90年代オルタナティヴシーンのトップに登りつめた個性派バンドがつむぐドリーミーでメランコリックなロックタペストリー!!

THE SMASHING PUMPKINS(スマッシング・パンプキンズ)は、アメリカ合衆国シカゴで結成されたオルタナティヴロックバンド。語り手によっては、“グランジ”ジャンルに属するグループとして扱われることもあります。

オルタナティヴロック/グランジシーンの中ではやや後発にあたるグループで、初期は、ドリーミーなサイケデリアとノイジーな轟音サイケデリアが同居した、ヴィンテージテイストの漂うヘヴィロックとしてスタートしていましたが、シーンの中でも屈指といえるポップサウンドが注目を集めていました。

3rdアルバムではオルタナティヴロックシーン中でも異質といえる古典的で普遍的なポップネスと、プログレ的ともいえるコンセプトと精緻な音作りによる二枚組大作いう相反する個性を取り入れますが、これがで大ブレイクして一気にシーンのトップに躍り出ます。これにより、90年代のオルタナティヴロックを代表するバンドのひとつに数えられる、ビッグネームへと成長しました。

その後、アメリカのメインストリームシーンに広がりっていた、ニューウェイヴリバイバルを作品に反映させさたサウンドに移行し、USメインストリームでのゴシカルな耽美系サウンドの認知と普及にひと役買います。しかし作風の変化もあってかセールスは伸びず失速気味となり、またグランジを中心とした90年代オルタナティヴロックブームの収束や、オリジナルメンバーのジミー・チェンバレン(Dr.)とダーシー・レッキー(Ba.)の脱退(チェンバレンはのちに復帰)などの不安定なバンド状況なども重なってか、2000年には解散を迎えることとなります。

解散後、フロントマンのビリー・コーガンとジミー・チェンバレン(Dr.)はZWAN(ズワン)を結成、ジェームス・イハ(Gt.)はソロでの活動へと移行します。しかしZWANはアルバム1枚を残して解散となり、2006年にはコーガンとチェンバレンが中心となって再結成。それ以降は解散前とは異なるZWAN時代にも近い比較的オーソドックスなロックサウンドとなるも、コンスタントなアルバムリリースを重ねており、2018年にはイハも復帰して今なお活動を続けています。

THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY

Gish|ギッシュ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1991年)

当世的な解釈によるモダンハード/ヘヴィロックサウンドは、グランジとして聴くことも可能ではありますが、ドリーミーなサイケデリアを漂わせ時にファンキーな展開も見せる作風という面では、どちらかというとジェーンズ・アディクションあたりにも通じるもので、やはり広義のオルタナティヴロックと呼ぶのが妥当でしょう。
彼らのアルバムの中でも特にヴィンテージテイストが強いだけでなく、最もアシッディーでトリッピーな作風でもあり、その意味では彼らのカタログ中でも随一の仕上がり。のちのニューウェイヴポップ/ゴシックポップ路線とは大きく異なるので、それらに馴染めないリスナーはもちろん、ドゥーム/ストーナーを嗜むリスナーなども試して見る価値はあります。

ヘヴィネス:★★★☆☆|サイケ度:★★★★★|エレクト度:☆☆☆☆☆
ゴシック度:★☆☆☆☆|プログレ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 通好み 実験作

Siamese Dream|サイアミーズ・ドリーム

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オリジナルアルバム – 2作目 (1993年)

前作の延長線上にある作風ですが、ドリーミィなサイケデリックセンスはそのままにヘッヴィネスが大幅強化されており、レトロなヴィンテージテイストがやや薄れて、当時のオルタナティヴシーンに多いパンキッシュな作風になったことで、いわゆる“グランジ”のイメージに近いサウンドにとなっています。クライマックスは8分超の大作T-11で、メタリックなサイケプログレナンバーは圧巻の仕上がり。
彼らの作品中最もヘヴィな作風でもあり、その轟音サイケサウンドはいわゆる“シューゲイザー”系のサウンドにも通じるもの。ポップかつロマンティック&ドリーミーな部分だけがピックアップされがちな、THE SMASHING PUMPKINSのパブイメージに引きずられているリスナーは新鮮な驚きを感じることでしょう。メタル/ハードロック系のリスナーにもなじみやすいかもしれませんし、前作同様にドゥーム/ストーナーを嗜むリスナーなども試して見る価値はあります。

ヘヴィネス:★★★★☆|サイケ度:★★★☆☆|エレクト度:☆☆☆☆☆
ゴシック度:★☆☆☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み

Mellon Collie and the Infinite Sadness |メロンコリー・アンド・ザ・インフィネイト・サッドネス:メロンコリーそして終りのない悲しみ

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オリジナルアルバム – 3作目(1995年)

二枚組アルバムながら欧州各国も含めチャート上位に喰いこむヒットとなった、THE SMASHING PUMPKINSの代表作にして、90年代オルタナティヴロックを象徴する名盤のひとつ。
さすがにこのボリュームで捨て曲なしとまではいきませんが、シングルカットだけでも5曲にのぼる粒ぞろいの楽曲が並び、二枚にわたってストレスなく聴きとおせるというだけでも奇跡的です。
本作はコンセプトアルバムとも呼べるもので、過去にないほど多彩なアイデアを詰め込んで緻密に作り込まれた作風は、オルタナ世代のプログレハードとも表現でいるもの。作風もこまで通りのサイケデリックテイストも感じられますが、ヘヴィロックからポップチューンまでこれまで以上に多彩で、万華鏡のように様々な表情を見せ飽きさせません。
収録時間の短いアナログLPであれば二枚組も珍しくはありませんが、ほぼフルタイム収録のCDでベスト盤でも企画盤でもないスタジオアルバムでとなると、当時としてはかなり異例。これ以降ロックシーンの中でも2枚組アルバムは増えてきますが、その意義を見出せるほどのものやクオリティが伴ったものとなると極めてマレで、なおかつこれだけの大ヒットとなったケースは数えるほどでしょう。

ヘヴィネス:★★★☆☆|サイケ度:★★★☆☆|エレクト度:★☆☆☆☆
ゴス/耽美度:★☆☆☆☆|プログレ度:★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Adore |アドア

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オリジナルアルバム – 4作目(1998年)

これまでのヘヴィネスやノスタルジックなヴィンテージテストが減退し、ニューウェイヴリバイバルを反映させた80年代のエレポップ/シンセポップテイストとゴシック的な耽美性とロマンティシズムが強調されたアルバム。
サウンドの質感も、初期のオーガニックなロックサウンドから、マシーナリーなエレクトロニックサウンドへと変化を遂げ、彼らに持ち味のサイケデリックテイストも、サウンドの変化とともにややケミカルな人工的な印象を与えるもの変質しています。
この音楽性の変化が原因でファンが離れセールスや評価が伸び悩んだとされがちですが、質感以外は過去作と大差ない曲が多いことを考えれば、むしろ、印象的な突出した曲が乏しいことこそが問題でしょう。特に中盤以降は及第点ではあるものの変化に乏しい曲が並び、当時の“CD容量フル活用時代”特有の収録曲の多さを持て余した印象が残ります。
エレクトロニックテイストを導入したわりには、それが効果的に活かされた曲が少なく表面的なものに終始していることも気になります。インダストリアルな代表曲のT-02に匹敵するインパクトを持ち、マシーナリーなサウンドを生かされたナンバーあと数曲あれば、客層は変われど評価は維持できていたでしょう。

ヘヴィネス:★★☆☆☆|サイケ度:★★☆☆☆|エレクト度:★★★☆☆
ゴス/耽美度:★★★★☆|プログレ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Machina/the machines of God |マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド

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オリジナルアルバム – 5作目(2000年)

第一期THE SMASHING PUMPKINSのラストアルバム。前作でのエレクトロニックな音づくりは踏襲しつつも、それ以前のヘヴィロックサウンドも取り入れた“総決算”的な作風で、ニューウェイヴテイストやゴス系耽美志向は薄まった一方で、従来のサイケデリックテイストはかなり強化されています。
前作の弱点はバンドも理解していたようでヘヴィロックナンバーからポップチューンまで、楽曲の多様性を増してアルバム全体のメリハリもつき、ダレずに聴きとおせるバランスの良いアルバムになりましたが、欲を言えばもうひとつ新しいアイデアと多様性が欲しいところ。
ニューメタルブームの影響と言えるかが微妙ですが、カタログ中ではもっともヘヴメタル/ハードロックのエッセンスの濃い仕上がりとなっているので、メタラーの入り口には良いかもしれません。
ダーシー・レッキーはクレジットされているものの、レコーディングにはほぼ不参加とされています。

ヘヴィネス:★★★★☆|サイケ度:★☆☆☆☆|エレクト度:★★☆☆☆
ゴス/耽美度:★★★☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論

Machina II/the friends & enemies of modern music|マシーナII

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オリジナルアルバム – 6作目 (2000年)

Zeitgeist|ツァイトガイスト

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オリジナルアルバム – 7作目 (2007年)

Teargarden by Kaleidyscope|ティアガーデン・バイ・カレイディスコープ

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オリジナルアルバム – 8作目 (2009年)

Oceania|オセアニア〜海洋の彼方

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オリジナルアルバム – 9作目 (2012年)

Monuments to an Elegy|モニュメンツ・トゥ・アン・エレジー

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オリジナルアルバム – 10作目 (2014年)

Shiny and Oh So Bright, Vol.1/LP:No Past. No Future. No Sun.|シャイニー・アンド・オー・ソー・ブライト VOL.1 / LP:ノー・パスト、ノー・フューチャー、ノー・サン

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オリジナルアルバム – 11作目(2018年)

THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY:Others

Pisces Iscariot|パイシーズ・イスカリオット

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コンピレーションアルバム (1994年)

ZWAN [ズワン]|DISCOGRAPHY

THE SMASHING PUMPKINS解散後に、フロントマンのビリー・コーガンとジミー・チェンバレン(Dr.)が中心となって結成されたバンド。
THE SMASHING PUMPKINSのサウンドを踏襲しつつも、より統一感を持ったオーソドックスなロックサウンド展開していましたが、セールスがともなわなかったことでアルバム1枚を残して解散となります。
そのままコーガンとチェンバレンが主導で、THE SMASHING PUMPKINSとしての活動を再開することとなりますが、ZWANで作り上げた音楽性は再結成THE SMASHING PUMPKINSのサウンドにも活かされています。

Mary Star of the Sea|マリー・スター・オブ・ザ・シー

ZWAN_Mary_Star_of_the_Sea

オリジナルアルバム – 1作目 (2003年)

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