★ THEATRE OF TRAGEDY(シアター・オブ・トラジェティ)ディコグラフィー ★ 歌姫メタル王国オランダが生んだ上質なポップネスに満ちたエレクトロニックゴシックメタル!…必聴アルバムは? 

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デスヴォイスとソプラノヴォイスが織り成す“美醜コントラスト”スタイルを打ち捨て、エレクトロニックなインダストリアル/エレポップスタイルを確立した、歌姫メタルの一大メッカオランダを代表するフィメイルゴシックメタルバンド!!

THEATRE OF TRAGEDY(シアター・オブ・トラジェティ)は、デスヴォイスを交えた男女のツインヴォーカルをフィーチャーしたノルウェーのゴシックメタルバンド。

かつてのゴシックロックシーンがそうであったように、ゴシックメタルでもパ女性ヴォーカル/コーラスをフィーチャーするケースが黎明期より見られました。しかし最初期はPARADISE LOSTやANATHEMAらのようにゲストとしての起用が主流で、その後Moon of SorrowやThe Third and the Mortalのようなパーマネントなメンバーとして在籍しているグループが登場するもののマイナーな存在にとどまっていました。

その後、以前は部分的に女性ヴォーカを用いていたTHE GATHERINGが専任ヴォーカリストを女性をに切り替えて大ブレイクしたことから、女性ヴォーカルをフロントに据えた“歌姫系バンド”が一気に増加し、その影響はゴシックメタルシーン以外にまで波及します。

THEATRE OF TRAGEDYはが特徴的だったのは、ソプラノ歌姫系の女性ヴォーカルをフィーチャーしただけでなくデスヴォイスの男性ヴォーカリストとツインヴォーカル体制だったことです。男女ツインヴォーカル自体は、それこそ80年代のゴシックロックから見られる手法ですが、それが以後のメタルシーンにひとつの典型パターンとして定着したことに対する彼らの影響は無視できないでしょう。

デビュー当初はゴシックメタル黎明期の主流だったドゥームデスベースに耽美テイストを加えたスタイルでしたが、メンバー交代を機に上質のポップセンスを軸に据えた作風に移行。
さらには、エレクトロニックサウンドを取り入れた耽美派エレポップ/インダストリアルゴシックであブレイクして注目を集めますが、のちにゴシックメタルスタイルへ回帰しています。

THEATRE OF TRAGEDY|DISCOGRAPHY

Theatre of Tragedy|シアター・オブ・トラジェティ

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オリジナルアルバム 1作目 – (1995年)

ディストーションの効いたドゥームデス系のヘヴィなバッキグにトラッド/フォーク調の叙情的なメロディが乗るスタイルで、キーボード, ピアノ, ヴァイオリンなどもフィーチャーしたシンフォプログレ的な雰囲気も漂わせます。ヴォーカルは男性デスヴォイスと歌姫系の繊細な女性ヴォーカルによるるオペティックともいえる掛け合い調。
と、要素を書き出すと何やらスゴそうですが、簡単に言ってしまえば初期ANATHEMA+初期THE GATHERINGの一音で片付くもの。
これ以降の様式化が極まったフィメイル系ゴシックメタルよりはよほど評価できますが、この時点では単なるいちフォロアーの域を超えるものではありませんし、技術的には水準程度ではあるもののアイデアやセンスについてはあと一歩です。

ゴスメタ度:★★★★★|耽美度:★★★☆☆|ポップ度:★☆☆☆☆
エレクト度:★☆☆☆☆|独自性:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

スルメ盤

Velvet Darkness They Fear|ヴェルヴェット・ダークネス・ゼイ・フィアー

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オリジナルアルバム 2作目 – (1996年)

本作も、基本的には前作を踏襲していますが、徹頭徹尾ドゥーミィな作風だった善徳と比較すると、ややアップテンポな楽曲も含稀るなどいくぶん楽曲の幅が広がりを見せています。
この当時、彼らはパイオニア勢に次ぐ存在としてクローズアップされ、知名度大きく伸ばしていた時期ですが、それは、一般メタラーにとってはまだデスメタルがメロディーやクリーンヴォイス, 女性ヴォーカルをフィーチャーするだけで目新しがられ注目され時期ということが大きいでしょう。
実際、前作からいくらか成長を見せた本作も、ゴシックメタルのトップグループと比較すると根本的な作曲能力と独創性、アイデアにセンスと全てにおいて不足が見られます。

ゴスメタ度:★★★★★|耽美度:★★★☆☆|ポップ度:★☆☆☆☆
エレクト度:★☆☆☆☆|独自性:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 賛否両論 スルメ盤

Aégis|イージス

THEATER_OF_TRAGEDY_Aégis

オリジナルアルバム 3作目 – (1998年)

創始メンバーのうちギタリストが総入れ替えになっており、ヴォーカルも兼ねるレイモンド(Raymond István Rohonyi)中心の体制になったアルバム。ドゥームデスサウンドは払拭され、レイモンドもデスヴォイスを封印してノーマルな歌唱となりました。そのメンバーチェンジが影響したのかは不明ですが、これまでとは見違えるほどに大化けして数段上のステージに達しています。
当時の英国系と北欧系のゴシックメタルの中間位置するような作風で、時にPARADISE LOSTを想起させるような部分も見られるなど、特に独創的な作風に開眼したわけではないのですが、とにかく作曲センスに大幅に向上が感じられます。
過去作ではドゥームデスとしてのエクストリミティとゴシック的アトモスフィアの表現だけに意識が向き、それのみにとらわれているようでしたが、本作ではポップネスとキャッチネスに重点を置いた作風となっており、結果的にこれが楽曲クオリティの大幅な向上につながっています。

ゴスメタ度:★★★★★|耽美度:★★★★★|ポップ度:★★★☆☆
エレクト度:★★☆☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Musique|ミュジック

THEATER_OF_TRAGEDY_Musique

オリジナルアルバム 4作目 – (2000年)

すでにゴシックメタルのパイオニアの多くが、メタルサウンドからの脱却もいとわない実験的な試みを追求していた時期のアルバムで、ここでは彼らもさらに大胆に初期路線からの逸脱を試み、ヘヴィな耽美派シンセポップ/エレポップともライトなインダストリアルゴシックとも表現できる、エレクトリックなサウンドへと大きな変貌を遂げています。
メタル色は大きく後退しつつも、楽曲によっては要所ではメタルギターをフィーチャー。ヴォーカルは当時の女性ヴォーカリストLiv Kristineがメインで、男性ヴォーカルはバッキング扱いとなっています。
楽曲は前作で開眼したポップセンスを軸にした作風で、アンビエントやダンスミュージックはエッセンスとしての導入にとどめ、ゴシックの名を冠しつつも純粋に高品質なポップミュージックとして聴ける楽曲が並んでいます。
RAMMSTEINほか既存の楽曲に近いものもあったりと、独自性については必ずしも高評価はできませんが、メインストリームで勝負できるクオリティは認めざるをえないでしょう。

ゴスメタ度:★★☆☆☆|耽美度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★★
エレクト度:★★★★★|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み 実験作

Assembly|アセンブリィ

THEATER_OF_TRAGEDY_Assembly

オリジナルアルバム 5作目 – (2002年)

基本的な作風は完全に前作を踏襲したもので、80sリバイバル風のインダストリアルメタルmeetsテクノポップといったテイストですが、さらにポップセンスに磨きがかかっており、楽曲によってはアメリカのメインストリーム系女性シンガーが持ち曲にしていてもおかしくないレベルにあります。
メタルリスナーや初期のゴシックメタルサウンドにこだわる向きには不評ですが、同じフィメイルヴォーカル路線でも、この時期各地で増殖していたシンフォゴシック系の様式美ネオクラシカルメタル勢よりははるかに高く評価できます。

ゴスメタ度:★★☆☆☆|耽美度:★★☆☆☆|ポップ度:★★★★★
エレクト度:★★★★★|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み 実験作

Storm|ストーム

THEATER_OF_TRAGEDY_Storm

オリジナルアルバム 6作目 – (2006年)

基本的には直近の二作を踏襲したポップネス重視なスタイルですが、エレクトロニックなアレンジは継承しつつも大幅にヘヴィメタリックなバンドサウンドへと回帰しており、再びゴシックメタルと呼んでも差し支えない作風になりました。
結果的に、凡百の類型的なシンフォ系様式美ゴシックメタルバンドとの差別化を図る要素が薄れ、それらと彼らを隔てる垣根が格段に低くなってしまいましたが、過剰で華美な装飾を極力抑えたタイトな美意識と音楽性でそれらとかろうじて一線を画しています。

ゴスメタ度:★★★★☆|耽美度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆
エレクト度:★★★☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤

Forever Is the World|フォーエヴァー・イズ・ザ・ワールド

THEATER_OF_TRAGEDY_Forever_Is_the_World

オリジナルアルバム 7作目 – (2009年)

ゴシックメタルのパイオニア勢が初期のメタリックなサウンドへの回帰を見せていた時期で、彼らも本格的にゴシックメタルスタイルに回帰しています。とは言っても、最初期のドゥームデス路線ではなく、最高傑作Aégis(3rd)のスタイルを基調に近年のエレポップスタイルをミックスしたようなスタイルで、まさに総決算と呼ぶにふさわしいアルバム。
やはり、楽曲の主軸となるのは彼らの最大の持ち味であるポップネスで、安易な耽美ギミックやアトモスフィアに流されない彼らならではのゴシックメタルサウンドに仕上がっています。
男性ヴォーカルのレイモンドは相変わらず引っ込んでいますが、楽曲によっては久々にデスヴォイスを本格解禁し、ツインヴォーカルでの掛け合いも聴かせます。

ゴスメタ度:★★★★★|耽美度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆
エレクト度:★★☆☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
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