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★ THERION(セリオン) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|オペラティックでゴシカルな次世代型シンフォニック・メタルで覇権を握ったスウェディッシュ・デスメタルの古豪!!…必聴アルバムは?

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90年代初頭のポスト・デスメタル戦国時代をオペラ・ヴォーカルとゴシカルな耽美性でサバイブしたスウェーデンの古参ミュージシャンは、合唱隊とオーケストラを率いたプロジェクトで次世代型ヘヴィメタル様式美を確立したイノベイター!?

THERIONのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

THERION(セリオン)は、スウェーデンのデスメタル/ヘヴィメタル・グループ

THERIONの音楽スタイルは!?

THERIONは、1991年にデスメタルとしてアルバムデビューを果たしていますが、じきに複数の周辺ジャンルの要素を取り入れて組み合わせる“ハイブリッド手法”をとるようになり、幾度かにわたって基本となる音楽性の変更も重ねています。

THERION自身の音楽性が内包する、あるいは影響を受けたジャンルには、「スラッシュメタル」,「デスメタル」,「メロディックデスメタル」,「ゴシックメタル」,「ドゥームメタル」,「シンフォニックメタル」,「プログレッシヴロック」、そしてオールドスクールな「ヘヴィメタル」などが含まれ、活動時期ごとに区切ってそれらの各ジャンルの中から特に影響の強いものにラベリングされています。

また、THERIONのサウンドの大きな特徴には、オーケストレーションに加えて、オペラ風のコーラス(合唱)パートを大々的に用いていることが挙げられ、そのことから「オペラティック・メタル」というカテゴリーが用いられることもあります。

加えて、ホラーやファンタジーを中心とした物語性の強い歌詞や世界観、ドラマティックで大仰な音楽スタイルから、「エピック・メタル」のジャンルとして語られることもあります。

デスメタルとしてのTHERION!?

最初期のTHERIONは、ブルータルなスタイルでメロディは希薄な、オールドスクールでストレートなデスメタルとしてスタートしています。

名プロデューサー〈トーマス・スコグスバーグ〉らに代表される、俗に「バズソー・サウンド」と呼ばれるスウェディッシュ・デスに特徴的な音づくりは用いておらず、作風についても彼のその典型的なスタイルとは異なるものながらも、まさに90年代初頭に隆盛を極めたオールドスクールなデスメタルそのものの音楽性を展開していました。

この時期は、ブレイク以降のファンからはあまり振り返られることはありませんが、THERIONの活動自体は、母体となった〈BLITZKRIEG〉と〈MEGATHERION〉の別名義の時期も含めるならば1987年にまで、それらを除いても1988年までさかのぼることが可能です。

そのため、そのキャリアを考慮するならば、THERIONもまた〈ENTOMBED〉や〈DISMEMBER〉らと同格の、スウェディッシュ・デスメタルの基礎を築いたパイオニアのひとつと見なすことも可能です。

ただし、THERIONの主なファン層が、デスメタルから脱却して以降に流入したリスナーに占められていることや、現在はこの時期のメンバーの大半が脱退していることなどもあって、デスメタル期のTHERIONが積極的に取り上げられることはほとんどありません。

メロデス/ゴシックメタルとしてのTHERION!?

THERIONは、スウェーデンのデスメタル・シーンにおいては比較的早い時期から、後のメロディック・デスメタルやゴシックメタルのに通じる、メロディや耽美性/叙情性/情緒性の大々的導入や、女性ヴォーカルのフィーチャーなどのアプローチを行っており、目端のきくマニアや好事家層の注目を集めていました。

この時期は、メロディック・デスメタルやゴシックメタルのジャンルが定義される以前たっだことから、日本においては「耽美派デスメタル」などとも称されており、音楽的にも耽美系スウェディッシュ・デスに特有の、メロディック・デスメタルとゴシックメタルの双方にリンクするスタイルを特徴としていました。

そのことからTHERIONは、〈EDGE OF SANITY〉や〈DARK TRANQUILLITY〉、または〈TIAMAT〉,〈CEMETARY〉,〈KATATONIA〉ら黎明期の主力グループと共に、スウェーデンのシーンにおけるこれらのジャンルのパイオニア、あるいはプロトタイプと認められています。

シンフォニック/オペラティック・メタルとしてのTHERION!?

メロデス/ゴシックメタル・アプローチの耽美路線へと突入したTHERIONは、その当初より、シンフォニック要素やオペラ風のコーラスを部分的ながらデスメタルに折り込むことで、荘厳かつ大仰な耽美性やドラマ性の表現に用いていました。

その後、90年代後半になると、それらの要素を大々的に導入してその比重を増し、自身の独自性として本格的に全面に押し出すようになります。
この時期からは、ほぼ全てのアルバムにおいて、多人数の管弦楽器隊やコーラス隊がサポートメンバーとして参加しています。

このシンフォニック/ネオクラシカル志向で、大仰でエピカルなドラマティシズムを押し出し音楽性は、オールドスクールなヘヴィメタルファンの嗜好性にも沿ったものでしたし、さらに、THERION=クリストファー・ジョンソンが志向する伝説/神話などに題材をとったエピカルなストーリ性もまた、それらのファンが好むものでした。

加えて、この時期以降はアルバム内におけるデスヴォイスの比率も大幅に減退しており、一般層にも聴きやすく馴染みやすいものとなってゆきます。

これらの要因がブースターとして功を奏した結果、メロデス・ムーヴメントが勃発した時点ではそれほど華々しい脚光を浴びることは無かったTHERIONも、日本のメディアなどからも好意的に取り上げられる機会が一気に増え、様式美志向の保守的リスナーの覚えもめでたい存在となるなど、支持層の拡大に成功しています。

THERIONのバンド体制は!?

THERIONは、ギターとヴォーカルに加えてキーボードや打ち込みからオーケストラ・アレンジまで行う、クリストファー・ジョンソン主導のグループです。

デビュー当初よりジョンソンはバンドの中心的存在にあり、楽曲の多くも手掛けていましたが、ジョンソン以を除く全てのオリジナルメンバーがバンドを離れ、音楽性を耽美デス路線にシフトして以降は、完全にジョンソンのソロ・プロジェクトと化しており、他のメンバーは何度となく変更されています。

2000年付近と2010年付近にメンバーが総入れ換えされていますが、それ以外ではドラムを除くとメンバー変更は行われていないため、2000年代以降は比較的安定していると言えるでしょう。

また、2009年からリード・ヴォーカルとして加わった元〈CANDLEMASS〉のトーマス・ヴィクストロームは、近年ソングライティングにも携わるようになっています。

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