Contents
- 1NSHC(ニュースクール・ハードコア)シーンで頭角を現してメタリック・グルーヴを極め、PANTERAの魂と90年代オールドスクール・グルーヴメタルを継承のインスパイア街道をゆく“PANTERAクローン”の最右翼!!
- 1...1THROWDOWNは元祖メタルコア・バンド!?
- 1...2『グルーヴメタル』の伝統を受け継ぐメタルコア・バンド!?
- 1...3PANTERA系のグルーヴ・メタル・サウンドを追求!?
- 1...4PANTERAクローンを極めたTHROWDOWN!?
- 1...5THROWDOWNの現在の活動状況は!?
- 1.1THROWDOWN|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Beyond Repair|ビヨンド・リペア
- 1.1.2You Don't Have to Be Blood to Be Family|ユー・ドント・ハヴ・トゥ・ビー・ブラッド・トゥ・ビー・ファミリィ
- 1.1.3Haymaker|ヘイメーカー
- 1.1.4Vendetta|ヴェンデッタ
- 1.1.5Venom & Tears|ヴェノム・アンド・ティアーズ
- 1.1.6Deathless|デスレス
- 1.1.7Intolerance|イントレランス
- 1.1.8Take Cover|テイク・カヴァー
THROWDOWN|DISCOGRAPHY
Beyond Repair|ビヨンド・リペア
オリジナルアルバム – 1作目 (1999年)
『N.S.H.C.(ニュースクール・ハードコア)』のムーヴメントも末期に近づき、周辺ジャンルとのさらなるクロスオーバーと、それによる細分化が進んでいた時期のデビューアルバム。
ここでは、『N.S.H.C.』に多いドゥーム/スラッジ的なスローな展開や、メロディアスなギターソロなどは見られない、ファストパートの比率の多めの、ストロングスタイルのメタリック・ハードコアを聴かせます。
ある意味では〈HATEBREED〉あたりにも近いスタイルともいえますが、異なるのはスラッシュメタル・テイストは希薄なハードコア寄りのサウンドということ。
ヴォーカルもデスヴォイス寄りののスタイルではなく、生声に近いダーティーなハウリング・シャウトです。
同系統のバンドの水準はクリア出来ているものの特筆するほどようなセールス・ポイントが見られないサウンドは、王道というよりは無難と呼ぶ方が適切でしょう。
|パンテラ度:★☆☆☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み
You Don’t Have to Be Blood to Be Family|ユー・ドント・ハヴ・トゥ・ビー・ブラッド・トゥ・ビー・ファミリィ
オリジナルアルバム – 2作目 (2001年)
ハードコア・テイストが強めの基本的な音楽性については、おおむね前作と同路線といえるものです。
ただし、ここではダウンテンポ傾向が強まっており、ファスト・パートが控えめな、ミッド・テンポを主体とした作風を展開しています。
また、ニューメタルに通じるようなヘヴィネスも感じられるようになり、さらには、若干ながらクリーン・ヴォイスも混じえたスタイルとなりました。
この作風の変化については、好み分かれる面は否めませんが、前作よりも楽曲面での工夫が見られ、飽きずに聴き通せる仕上がりとなったのは確かで、全体的に確かな成長の跡がうかがえるアルバムと言えます。
|パンテラ度:★☆☆☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Haymaker|ヘイメーカー
オリジナルアルバム – 3作目 (2003年)
本作から、ギタリストのデイヴ・ピーターズがヴォーカルへとパート・チェンジとなっており、そのフィル・アンセルモに近い声質の歌唱によって、PANTERA路線を加速させる起爆剤になります。
本人がアンセルモを意識してるのは確実でしょうが、ここでは、あえて似すぎないようにセーブしているのか、クローンと呼ぶレベルにまでは届かない程度にとどまっています。
作風はこれまで通りで、『N.S.H.C.』以降のグルーヴコアといったスタイルですが、楽曲自体については“PANTERAクローン”という印象は感じさせませんし、曲づくりにもさらなる工夫が見られます。
ただし、ヴォーカルを前面に押し出したミックスは、歌モノでもないのにかかわらず少々ヴォーカルが主張し過ぎで、バックとのバランスが良くないあたりがどうしても気になるところです。
|スピード:★★★★☆
|メロディ:★★★★☆
|革新度:★★★★☆
|過剰度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
Vendetta|ヴェンデッタ
オリジナルアルバム – 4作目 (2005年)
前作からヴォーカルを務めるデイヴ・ピーターズがいよいよ本格的に開き直って、アンセルモ・クローンぶりをアピールしてきたアルバム。
楽曲についてははこれまでのスタイルを踏襲されたもので、まだまだハードコア・テイストが強めではあるものの、、力づくでPANTERA風味を撒き散らるヴォーカルラインに引っ張られて、ソレっぽさが増した印象もあります。
とはいえ、この時期には上質なグルーヴメタル自体がなかなか貴重な存在であり、半端なニューメタルやメタルコアを聴くよりはるかに充実感がありましたが、評価すべきポイントもその一点のみに集中することになってしまいます。
|パンテラ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論
Venom & Tears|ヴェノム・アンド・ティアーズ
オリジナルアルバム – 5作目 (2007年)
ヴォーカルだけでなく楽器隊のプレイから楽曲のつくりまで、完全にPANTERAクローンをコンセプトとされた、その路線での頂点にあるアルバム。
ただし、PANTERA特有のサザンメタル風味/スラッジ風味はオミットされ、全盛期のグルーヴメタル・サウンドに的が絞られています。
クローンとしての出来は、90年代のPANTERA風サウンド全盛期にさえ見られなかったレベルで、詳しくないリスナーならば、PANTERAのアウトテイクと言われれば真に受けるかもしれないほどです。
当然、批判も少なくありませでしたんが、ここまでの徹底クローン路線は本作のみで終わることから、メンバーの死で帰らぬバンドとなったPANTERAへのトリビュートとも考えられますし、何より珍盤/奇盤好きならネタとして是非とも抑えておきたいところです。
クローン系の作風でバッシングを受けないためには、完成度は勿論のことですが、古典レベルのバンドかニッチなバンドを狙うことと、パロディ/インスパイアの意思表示がポイントとで、特に、上手くニッチを突いて開拓できれば、“ヴィンテージ系”や“リバイバルの火付け役”と、もてはやされることにもなります。
例えば、古典・伝統芸能レベルの“ビートルクローン”などは置いといても、この期に及んで“レッドクローン”などあからさま過ぎて失笑ものですし、“サバスクローン”もかつてはニッチな存在でしたがもはや飽和状態です。
このタイミングでの“PNTERAクローン”は、ムーヴメントのスパンが長期化したため“いにしえ感”はありませんが、ニッチとしてはギリギリでアリでしょう。
しかし、コンセプトについては明示していないため、パロディ風のジャケットやロゴ、アルバムタイトルで仄めかしておけば、バッシングはかわせたしれません。
|パンテラ度:★★★★★
|ハーコー度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Deathless|デスレス
オリジナルアルバム – 6作目 (2009年)
本作も引続き“PANTERAクローン”路線ですが、ヴォーカルスタイル以外の音づくりの面では、前作ほどダイレクトなインスパイア・スタイルではなく、楽曲もPANTERA風一本やりというわけではありません。
より広義的なグルーヴメタル・サウンドへと以降し、ニューメタル/メタルコアのテイストも加えられているほか、当時の“歌もの系ニューメタル”にありがちな、エモーショナルな歌い上げパートも導入されています。
“独創的”や“新奇性”という言葉とは無縁…という意味では相変わらずですが、この時代において高品質なグルーヴメタル・アプローチを展開している、という一点においては、やはり貴重な存在ではあります。
|パンテラ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤
Intolerance|イントレランス
オリジナルアルバム – 7作目 (2014年)
ストレートな“PANTERAインスパイア”のアプローチからは距離を置き、同時にニューメタル・テイストも薄れており、スラッシーな疾走パートも増えているため、やや初期の作風へと回帰した印象もあります。
ヴォーカルスタイも、発声法は相変わらず“アンセルモ・スタイル”に近いものの、クローンからは距離を置こうという意識が見えます。
ここにきて、“PANTERAクローン”というセールスポイントが薄れた今、このキャリアのして明確な独自性を確立していない弱点が再度浮かび上がりますが、狭いレンジの中に限るとはいえ試行錯誤の跡は見えますし、高品質なグルーヴ・メタルコアを提示しているという事実に変わりはありません。
|パンテラ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 実験作
Take Cover|テイク・カヴァー
カヴァーアルバム (2020年)