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★ TNT(ティー・エヌ・ティー) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ノルウェイの森からまれたドリーミーでメロディックなフラワーメタル・サウンドで異彩を放った北欧メタル黎明期の至宝!!…必聴アルバムは?

TNT_Logo ◆ S, T
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TNT|DISCOGRAPHY

TNT|ティー・エヌ・ティー

TNT_TNT
オリジナルアルバム – 1作目 (1983年)

このデビュー作で聴けるのは、のちに彼らのパブリックイメージとして広がるスイートなハードポップではなく、バンド名の由来と思われるAC/DCを意識したようなヘヴィロックと、HANOI ROCKS系の北欧ロックンロールがミックスされたようなワイルドで骨太なサウンド。

ここでノルウェイ語での歌唱を聴かせるのは、のちにバンドの顔となるトニー・ハーネルではなく、初代ヴォーカリストのダグ・インゲブリグセンです。

HANOI ROCKSがルーツにあることやグラムメタル黎明期という時代性もあって、グラマラスでポップなエッセンスも濃厚ですが、ヘヴィでメタリックなサウンドと、フェミニン系ハイトーンとは異なるやや“酒焼け系”のハスキーヴォーカルもあって軟弱さや軽薄さは感じさせません。

少々地味ながらも良質なハード/ヘヴィロックではあるので、全盛期のTNTサウンドは少々甘すぎるとお嘆きのリスナーも一聴の価値があります。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|ポップネス:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★☆
|骨 太 度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤
TNT
ロック¥1,935TNT

Knights of the New Thunder|ナイツ・オブ・ザ・ニュー・サンダー

TNT_Knights_of_the_New_Thunder

オリジナルアルバム – 2作目 (1984年)

サウンドのベースが、ヘヴィなロックンロールからオールドスクールなヘヴィメタルへと移行しており、TNTのカタログでは唯一、上質な正統派メタルサウンドが聴けるアルバムです。

NWOBHMよりはアメリカンスタイルに近いソリッドでヘヴィなメタルサウンドが基本で、この時代の北欧メタルシーンの中ではなかなかにアグレッシヴなものですが、この時点から彼らの持ち味のポップネスは濃厚で、“Intuition(4th)”に近い作風も見られます。

ヴォーカルは、本作以降の黄金期〜再結成後までフロントマンとしてバンドを支え、その伸びやかな4オクターブハイトーンと貴公子的ルックスで、米国でのブレイクや日本でのアイドル人気にも貢献したトニー・ハーネル。
技量は前任者を上回っており、スクリームにも対応もできるようになりましたが、中低音域においては線が細さが目立ち力強さには欠けますし、やや類型的なため個性や存在感においては前任者に及びません。

ジャケットのダサさに定評がある彼らのカタログ中でも、本作のソレは最低レベルですが、ここまでくると逆にキッチュで味になっています。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|ポップネス:★★★☆☆
|ドリミー度:★☆☆☆☆
|チャラい度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤

Tell No Tales|テル・ノー・テイルズ

TNT_Tell_No_Tales

オリジナルアルバム – 3作目 (1987年)

メタルエッジな質感やヘヴィネスが大幅に後退して、グラムメタルブーム真っ盛りのUSシーンを意識した、ポップな産業メタル路線へと舵をり切りました。

バックグラウンドの違いによるのか、アメリカングラムメタルのポップロックサウンドとはひと味異なるクールなセンスも感じられるものの、基本的にはスパイスをかけたくなるくら甘々のバブルガム&ロリポップメタル。
サウンド面では、なまじ前作までのヘヴィメタル・サウンドを意識したところが見られるため、余計にアンバランスで軽薄さだけが引き立つ結果となっています。

彼らのキャリアで最もアグレッシヴなスピードメタルナンバーT-11は、名曲に迫る佳曲といった出来えでこのアルバムでは唯一の聴きどころとなっていますが、それだけのためにアルバムを入手すべきかは悩ましいところです。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★★☆☆
|チャラい度:★★★★★
|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤

Intuition|インテュイション

TNT_Intuition

オリジナルアルバム – 4作目 (1989年)

一般的には、当時のメインストリームだったグラムメタル系のポップ路線で成功を収めた代表作で、オールタイムでの最高傑作と見なされているアルバム。
ただし、米国シーンのグラムメタル・スタンダードとは、似て非なる感触があります。

メタリックな産業ロック, ハードポップ, AORなどと表現可能なスタイルという点では同様なのですが、彼らなりのバックグラウンドも反映しつつアメリカン・ポップメタルへ追従した結果、それが極まり過ぎてマーケティングの枠を超えて奇形化した…とでもいった印象です。
恐ろしくポップなのは間違いないのですが、その奥になんとなく不安になるようなストレンジな匂いを感じさせます。

ここでの作風は、時に“フラワーメタル”などと呼ばれることもあり、ドリーミィでポップなサウンドはその異名も伊達ではないと思わせるものです。
カラフルでスイートなサウンドは、米国バンドならばドギツい原色まみれなりそうなところですが、ここではビビッド過ぎない淡い色彩に抑えられ、時に透明感すら感じさせます。

また、前作では欠点でしかなったヴォーカルの線の細さやサウンドの軟弱さも、本作には不思議とマッチしており、ひとつの魅力として昇華されるというミラクルを生んでいます。
いずれにせよ、スウェディッシュ・ポップから各地のトラッドポップまで、独自のポップミュージック・シーンが背景に存在する北欧だからこそ生まれ得たのかものかもしれません。

ただし、本作は決して彼らのスタンダードではなく、むしろいい意味で血迷ったイレギュラーなもの。再結成後も含めた他のアルバムを本作を基準に評価するのは不毛でしょう。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★☆☆☆☆
|ポップネス:★★★★★
|ドリミー度:★★★★★
|チャラい度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Intuition
ロック¥1,731TNT

Realized Fantasies|リアライズド・ファンタジーズ

TNT_Realized_Fantasies

オリジナルアルバム – 5作目 (1992年)

すでにグランジの台頭でハードロックシーンが塗り替えられた時期ということで、新たな一手を模索した結果、前作のフラワーメタルから一転したものとなります。

今回は、この時期においてはまだ現役感のあったGUNS N’ ROSES(ガンズ・アンド・ローゼズ)に代表される、ロックンロールをベースとしたオーソドックスなアメリカン・ハードロックに近い、いわゆる『バッドボーイ・ロックンロール』とも呼ばれる、グラムメタル/産業ロックのニューモードに転向しました。

残念ながら、トレンドにうまく乗ったとはいえず、時代性と無縁のサウンドを追求したともいえず、何をやればいいかわからなくなって、目の前にある自分たちの守備範囲の無難なスタイルに落ち着いたという印象だけが残ります。

位置付けとしては、時代の間に取り残されたアルバムといったところで、ある意味ニッチな1枚と言うことはできるかもしれません。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★☆☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★☆☆☆☆
|チャラい度:★★★★★
|総合評価:★★☆☆☆

代表作 賛否両論

Firefly|ファイアフライ

TNT_Firefly

オリジナルアルバム – 6作目 (1997年)

オーガニックで70年代テイストも漂わせたヘヴィサウンドで、御多分に洩れず“グランジ化”したセルアウトアルバムとのバッシングも飛んだ復帰作。
もっとも、最初期は骨太なヘヴィサウンドを展開していた彼らにとっては、ある意味ではかつてのヘヴィネスを取り戻しただけとも言えます。

作風は、ドゥームテイストの変則的ヘヴィロックT-01、オリエンタルでちょいサイケなT-07、彼らポップロックを90年代風に焼き付けたT-08、ちょっとU2っぽいT-09、ALICE IN CHAINS風のT-10など作風ななかなか多彩。
80年代風のフラッシー路線ではないもののポップな楽曲が半数を占め、十分すぎるほどスイートでメロディアスなサウンドも聴かせる曲もあります。

アベレージは比較的高い水準にありユニークな曲もあるものの、全盛期のファンに色目を使った微妙なポップチューンのおかげで、ただでさえ方向性の定まらない作風がさらに散漫なものになっていますし、アルバムの軸になる決め曲を欠いているのも難点です。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★☆☆☆
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み 実験作

Transistor|トランジスター

TNT_Transistor

オリジナルアルバム – 7作目 (1999年)

おおむね前作と同路線ながらややストレートなつくりで、よく言えば統一感が感じられる、悪く言えば幅が狭く単調な作風です。

やや80年代テイストが強まって曲によっては、“Intuition(4th)”の曲ををモダン&ヘヴィにしたような印象もあり、オールドファンには歓迎すべきポイントかもしれません。
T-02やT-11などはそれなりの佳曲ですが、本作も「悪くはないが良くもない」といった曲が多く決め手には欠きます。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★☆☆☆
|チャラい度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

My Religion|マイ・レリジョン

TNT_My_Religion

オリジナルアルバム – 8作目 (2004年)

基本的な作風については、前作から大きね変化はありません。

90年代以降のトレンドが反映されていることは否定できませんが、基本的には、キャッチーなメロディーとフラッシーなギターがフィーチャーされた、80年代的な感性に根差したオーソドックスなハードロックです。

相変わらず決め手には欠けますが一定水準は保っているので、“Intuition(4th)”の幻影にとらわれなければ、メロディックハードや産業ロックが好きなリスナーならば相応に楽しめるでしょう。

|メタル度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★☆☆☆
|チャラい度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤

All the Way to the Sun|オール・ザ・ウェイ・トゥ・ザ・サン

TNT_All_the_Way_to_the_Sun

オリジナルアルバム – 9作目 (2005年)

前作をさらにオーソドックスなメロディック・ハードに寄せたような作風。
80年代の呪縛からはいくらか逃れたように感じられますが、基本的に80年代ヘヴィメタル/ハードロックの楽曲マナーから逃れてないので、ターゲットが曖昧になっています。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★☆☆☆
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

The New Territory|ザ・ニュー・テリトリー

TNT_The_New_Territory

オリジナルアルバム – 10作目 (2007年)

やや多様性が増したように感じる以外は、方向性に目立った変化はなく、同様のオーソドックスで適度にメロディックなハードロックを展開しています。

ハードロックのリスナーなら聴いてストレスになることはないのですが、あえてTNTブランドを選ぶほどの意義は感じさせてくれません。

|メタル度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★★☆☆☆
|チャラい度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤

Atlantis|アトランティス

TNT_Atlantis

オリジナルアルバム – 11作目 (2008年)

ヘヴィメタル/ハードロック様式のくびきから逃れて、単にパワーポップと呼べそうな、より普遍的なポップロック・サウンドに到達しています。

ヘヴィネスは希薄で、従来のフラッシーなギターソロも払拭されており、メタラー受けのよいサウンドとは言いかねますが、かといって一般の音楽リスナーにまでアピールできるほどに、クサミやエグミを取り除けているかというと、なんとも微妙なラインかもしれません。

とはいえ、良質なポップアルバムではありますし、アプローチ自体は意欲的な試みとして評価できます。

|メタル度:★☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|ポップネス:★★★★★
|ドリミー度:★★★☆☆
|チャラい度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Atlantis
メタル¥1,528TNT

A Farewell To Arms / Engine|フェアウェル・トゥ・アームズ / エンジン

TNT_A_Farewell_To_Arms

オリジナルアルバム – 12作目 (2010年)

再びオールドスクールなハードロックへと回帰しています。
ここでは80年代風の産業ロックテイストは控えめで、よりヘヴィメタルに寄ったソリッドなサウンドを展開しており、オールドファンはともかく、メタラーには馴染みやすいサウンドです。

|メタル度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|ポップネス:★★★★☆
|ドリミー度:★☆☆☆☆
|チャラい度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 スルメ盤

XIII|サーティーン

TNT_XIII

オリジナルアルバム – 13作目 (2018年)

XIII
ハードロック¥1,681TNT
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