★ VIPER(ヴァイパー) ★ このアルバムがスゴイ!?|ラテン・メロディックメタルの基礎を築いた後も進化の歩みを止めない伝説のブラジリアン・パワーメタルの革命児!!…必聴アルバムは?

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ラテン・メロディックサウンドの代名詞ANGRAのアンドレ・マトスが在籍していたブラジリアン・パワーメタルムーヴメントの立役者は、常にスタイルを更新し続けてハイクオリティなアルバムをドロップ!!

VIPER(ヴァイパー)はブラジルのパワーメタルバンド。ブラジリアン・メロディックパワーメタルの火付け役であり、のちにANGRA(アングラ)やSHAMAN(シャーマン)のフロントマンとしてシーンをリードしてきた、故アンドレ・マトス(Andre Matos)が在籍していたことでも知られています。

VIPERはアルバムごとにアプローチを変化させてきたバンドで、当初はHELLOWEEN(ハロウィーン)に代表されるジャーマンパワーメタルの影響下にあるスタイルでデビュー。現在では全世界に酷がったことで“メロディック・パワーメタル/スピードメタル”と称されるているこのスタイルを、いち早く海外で展開したバンドとして注目を集めます。

さらに、ネオクラシカルテイストを取り入つつよりメロディアスなスタイルになったことで、特にそういった作風が好まれる日本での注目度が大きく高まることになりますが、その時期の作風への影響力が大きかったマトスの脱退を契機に音楽性をさらにシフトしてゆき、ハードコアやファンクメタルなどの特性を持った持った“クロスオーバースラッシュ”に近いエッセンスを取り入れるようになります。

さらには、スラッシュメタルの衰退とムーヴメントの収束、世界的なハードコアブームによるヘヴィミュージックシーンの変化を背景に、完全にハードコアフィールドへと移行。
オルドスクールなハードコアやクロスオーバー、メロディックパンク/レゲエパンクなど、作風を広げつつもを高水準なアルバムをリリースし続けてゆきますが、とりたてて特筆するほどの結果は残せず、ヘヴィメタルシーンでもほぼ黙殺に近い状態となります。

バンドはレーベルとの間のトラブルなどもあり1996年には活動停止となりますが、2005年には活動を再開し、パワーメタルに回帰した新作スタジオアルバムもリリースします。
2009年には再び活動休止となりますが、2012年にはツアー活動のために再び活動開始。その後もバンドはアクティヴな状態となっており、スタジオフルアルバムのリリースこそないもののライヴ音源やシングルなどのリリースは行っています。

VIPER|DISCOGRAPHY

Soldiers of Sunrise|ソルジャーズ・オブ・サンライズ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1987年)

初期のヘヴィメタルやNWOBHMの影響を受けつつも、スラッシュメタル以降のアグレッションを持った、初期のHELLOWEENにも通じるパワーメタル/スピードメタル。ファンタジーストーリーをテーマにした勇壮なサウンドといった、いわゆるアメリカンエピックメタルに近いテイストもあります。
メンバーが10代の頃の作品ということもあり、良くも悪くも粗さと稚拙さが目立つB級の域を超えることのないアルバムで、次作がスマッシュヒットとなった日本でも過渡期の習作に近い扱いをされています。その評価はおおむね正解で好みが別れるアルバムではありますが、小細工に頼らないストロングスタイルのパワーメタルサウンドを好むリスナーならば、スピードチューン主体で勢いで聴きとおせる仕上がりの本作は、代表作とされる2nd以上に楽しめるかもしれません。

メタル度:★★★★★|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★★★
叙情メロ度:★★☆☆☆|エピック度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 通好み

Theatre of Fate|シアター・オブ・フェイト

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オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)

マトスの志向性が強く反映された作風で、ベートーベンの“月光のソナタ”をカバーしているほか、他の曲にもときおりクラシック由来のフレーズを織り交ぜた、いわゆるネオクラシカルテイストやプログレ的な凝った展開など、のちのANGRAの通じる作風に仕上がっています。
ことに日本においては、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンなどの系譜に属す日本ウケのいい作風が評価され、彼らの最高傑作とされているアルバム。
確かに技量的には大幅に向上しており、良質なパワーメタルナンバーも聴けまが、ネオクラ系やシンフォ系に慣れ親しんでいるリスナーでなければ、この時代にはさすがにベタベタすぎる“おなじみのクラシックフレーズ”てんこ盛りの楽曲は、聴いていて気恥ずかしささえこみ上げてきます。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
叙情メロ度:★★★★☆|エピック度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤

Evolution|エヴォリューション

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オリジナルアルバム – 3作目 (1992年)

マトスが抜けたことによって、ネオクラシカルな様式美テイストが完全に払拭されたアルバム。スラッシーながらややオーソドックスなパワーメタルに、クロスオーバースラッシュに見られるパンキッシュテイストやファンクメタルテイストをミックスしたようなスタイルで、ある種ファニーとも表現可能なサウンドには初期のANTHRAXなども思わせる部分もあります。ヴォーカルはオーソドックスなハイトーンスタイル。
前作の“ネオクラ”スタイルの支持者からはおおむね不評で、固定客は失うことにはなりましたが、ようやく彼らなりの独自性を確立しており、アイデアも多彩で完成度では過去最高。
ややつかみどころのない部分はありますが、なかなか味わい深いサウンドですし、エピック的な大仰さがない分だけ間口は広がったともいえます。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
叙情メロ度:★★☆☆☆|エピック度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Vipera Sapiens|ヴァイパラ・サピエンス

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ミニアルバム:EP (1993年)

“Evolution(3rd)”アルバムと同時期の音源によるミニアルバムで、再結成後を除くと日本盤がリリースされた最後の音源です。
作風も“Evolution”アルバムと同様で楽曲のレベルも高いので、アルバムが気にいたリスナーなら併せて押さえておきたいところです。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★★☆
叙情メロ度:★★☆☆☆|エピック度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Coma Rage|コーマ・レイジ

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オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)

前作での作風をベースにしつつも、パンキッシュなテイストが大幅に強化されたアルバム。日本盤はリリースされず日本ではほぼ黙殺状態でしたが、海外ではメタルレーベル最大手の“ロードランナー・レコーズ”からリリースされています。
この変化には、メロコア(メロディックパンク)ブームを含むハードコア人気が背景にあるのは確かで、実際に、それに類するスピーディーなハードコアパンクも披露しています。しかしそれは、メタル上がりのメロコアバンドによくあるメロパワをチューニングしたスピードパンクとは異なり、もっと以前のオールドスクールハードコアやクロスオーバースラッシュを原型としつつ、さらに遡ったパンクロックやさらに原初的なプロト・パンクまでを飲み込んだサウンドです。
ポップながらやや通好みな仕上がりで、メロコアの定番バンドのようなわかりやすさはありませんが、メタルもハードコアパンクもOKなリスナーなら聴いて損のないアルバムでしょう。
T-13の“I Fought the Law”は、ソニー・カーティスの…というよりもTHE CRUSHいによるバージョンで知られている名曲のカバー。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★★☆
ハーコー度:★★★☆☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Tem pra Todo Mundo|テン・プラ・トード・ムンド

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オリジナルアルバム – 5作目 (1996年)

レーベルの倒産とそれに絡むマスター音源の紛失などで、一時はお蔵入りになっていたというアルバム。
パンキッシュながらも、ヘヴィメタリックなサウンドを基調としていた前作とは異なり、民族楽器奏者も含む多くのローカルミュージシャンを迎えてヴォーカルにもポルトガル語を用いた、パンキッシュなラテンロックアルバムへと大変貌を遂げました。
曲はメタル要素は皆無の完全に軽快なパンクロックサウンドとなっており、曲によってはラテンテイストな曲の他にも、レゲエ/スカテイストのいわゆるラガパンク/スカパンクもあり、ストリングスを交えたアコースティックロックも聴けます。
ネオクラシカルファンはともかくメタル専門のリスナーにはなかなか辛いサウンドですし、かといって取り立てて珍しいスタイルでもないのですが、クオリティは上々なのでラテンロック/ラテンパンクファンなら聴いて損はないかもしれません。

ラテン度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|スピード:★★★☆☆
パンク度:★★★★☆|ポップ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

All My Life|オール・マイ・ライフ

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オリジナルアルバム – 6作目 (2007年)

初期のメロディックパワーメタルに回帰したアルバムですが、直近のキャリアを反映してかロッキンなリズムの曲も見られ、それらはむしろメロコアそのものといっても過言でない仕上がりです。結果的にメロディックパワーメタルとある種のメロコアの、実質的なサウンドの距離の近さを再確認させてくれます。
ネオクラシカル/シンフォニックなテイストは希薄で、歌詞も初期のようなエピック風のファンタジー路線ではないため、メロディアスでありながら骨太でパワフルな、ストロングスタイルのメロディックパワーメタルになっています。
コレといった決め曲には欠けますが水準は高く、何よりその小細工にはしらない骨太なスタイルは、近年では思いのほか貴重なもの。00年代以降のパワー/スピードメタルで幅を利かせる、フラッシーなシンフォニックサウンドや過剰に高密度で情報量の多いサウンドに、辟易してるリスナーなら一聴の価値アリです。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★★☆
叙情メロ度:★★★★☆|エピック度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
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