Contents
- 1サタニック&アンチクライストなアメリカン・オールドスクール・デスメタルから、巧みにメロディを導入したブルータル・メロディック・デスメタル完成させたカルトバンド!!
- 1...1サタニック・ブルータル・デス!?
- 1...2VITAL REMAINSのデスメタル・サウンド遍歴!?
- 1...3マニアックな通好みバンド!?
- 1...4VITAL REMAINSの異色レーベル遍歴!?
- 1...5バンド体制を変えつつも活動継続中!?
- 1.1VITAL REMAINS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Let Us Pray|レット・アス・プレイ
- 1.1.2Into Cold Darkness|イントゥ・コールド・ダークネス
- 1.1.3Forever Underground|フォーエヴァー・アンダーグラウンド
- 1.1.4Dawn of the Apocalypse|ダウン・オブ・ジ・アポカリプス
- 1.1.5Dechristianize|ディクリスチャナイズ
- 1.1.6Horrors of Hell|ホラー・オブ・ヘル
- 1.1.7Icons of Evil|アイコンズ・オブ・イーヴル
- 1.1VITAL REMAINSはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
VITAL REMAINS|DISCOGRAPHY
Let Us Pray|レット・アス・プレイ
オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)
オールドスクールデスメタルを展開しているデビュー作。日本デビューとなった次作と併せて、日本盤もリリースされていました。
楽曲がかなり長尺傾向にあり、ファストパートとスロー/ミッドパートを織り交ぜた、テンポチェンジの多い展開を見せる長尺傾向の楽曲が持ち味です。
いちおう及第点には達していますが、とにかく音楽性からクオリティまで全てにおいて、良くも悪くも“That’s フツー”なデスメタル。
キャリア的には比較的古参なのでそれも自然といえ、80年代ならばともかく、現在のレジェンド級をはじめとした実力派が群雄割拠していたデスメタル戦国時代のこの時期にあっては、決め手に欠いて埋没したのもやむなしです。
チープなジャケットに象徴されるようなマニア向けの二線級アルバムですが、出来が悪いわけではないので「もろもろ納得ずくでお好きならどうぞ。」というところです。
|ブルタル度:★★★★☆
|ブラック度:☆☆☆☆☆
|メロディ度:★☆☆☆☆
|ドラマチ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Into Cold Darkness|イントゥ・コールド・ダークネス
オリジナルアルバム – 2作目 (1995年)
英国エクストリームの名門『ピースヴィル』からのリリースとなったアルバムで、少し遅れて日本でも『ピースヴィル』のディトリビューションが決まったため、1stと併せて日本盤もリリースされていました。
本作の特長のひとつは、ブラックメタル・エッセンスの導入。サウンドはデスメタルそのものでありながら、キーボードを駆使した荘厳で耽美的な演出や、曲によってときおり見られる展開には、ブラックメタルでしかありえない要素が確認できます。
アートワークも北欧ブラックとしか思えない仕上がりで、近年であれば“ブラッケンド・デスメタル”などと呼ばれたかもしれません。
もうひとつは、そのブラッケンド化も含むデスメタルとしての要素と作風の多様化。
MORBID ANGELを思わせる、ブラックメタルとは別ベクトルでのドラマ性や大仰な美意識を高めた曲や、さらなる複雑化を進めた曲展開、ハードコア的なリフワークの導入など、様々な深化と拡散を試みています。
まだまだ発展途上な過渡期サウンドではあるものの、あらゆる面で格段の成長を遂げており、特に音楽性の各方向への深化は目覚ましく、1stとは完全に別バンドと思えるほどの独自性を獲得しています。
|ブルタル度:★★★★☆
|ブラック度:★★★★☆
|メロディ度:★★☆☆☆
|ドラマチ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み 実験作
Forever Underground|フォーエヴァー・アンダーグラウンド
オリジナルアルバム – 3作目 (1997年)
キャリア中盤から、トニー・ラザロとともにバンドの主軸としてサウンドにも影響を及ぼす、日系マルチミュージシャン、デイヴ・スズキ加入後の第一弾アルバム。
ここからは、ブラックメタルやゴシックメタルなど耽美/プログレ志向のエクストリーム・メタルをラインナップする、フランスの『オズモーズ・プロダクション』へ移籍しています。
激烈なブルータル・デスメタルでありながら、これまでにも増してテクニカつで複雑な展開も見せる楽曲は、プログレ・テイストも感じさせるものとなっています。
曲はこれまで以上に長尺路線が増えましたが、卓越した構成力からそれも気にはならず、途中でダレることはありません。
また、ブラックメタル・テイストは薄れたものの、荘厳で壮大なシンフォニック・サウンドがフィーチャーされ、耽美志向は健在。ある種のエピックテイストも感じさせる作風には、MORBID ANGELを想起させる面もあります。
|ブルタル度:★★★★☆
|ブラック度:★★☆☆☆
|メロディ度:★★★★☆
|ドラマチ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Dawn of the Apocalypse|ダウン・オブ・ジ・アポカリプス
オリジナルアルバム – 4作目 (2000年)
前作同様に、メロディとテクニカルな展開を導入したブルータルなデスメタル。この時期の作品の中ではストレートなスタイルで、メロディパートはいくぶん控えめな印象です。
ここでは、デイヴ・スズキのドラミングが光っており、単なるブラストビートだけには止まらない、手数の多いテクニカルドラムで存在感を発揮しています。
|ブルタル度:★★★★☆
|ブラック度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★☆☆
|ドラマチ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Dechristianize|ディクリスチャナイズ
オリジナルアルバム – 5作目 (2003年)
USデスシーンでは貴重なサタニック・フレンドでもある、DEICIDEのグレン・ベントン参加して話題となったアルバム。本作からは、メタルレーベル準大手の『センチュリーメディア・レコーズ』からのリリースとなります。
デスラッシュ、ブルータルデス、メロディックデス、テクニカルデスなど多彩な展開を見せる曲調ながら、基本となる音楽性の軸がしっかりしているので、散漫になることなくひとつの音世界を描き出しています。
メロディの比重ががさらに増して曲の根幹となっているものもありますが、いわゆるメロデスの類型とは全く異なり、あくまでもブルデスの体をなした上で叙情性やドラマ性の演出に機能しています。
激烈ブルータルデス+メロディックなギタソロという、難易度の高さから試みるバンドがあまりないスタイルを見事に成し遂げており、これはなかなかの離れわざ。
さらに、テンションの高さにおいては、カタログ中でも随一と言っていい仕上がりで、これは名盤と呼んでしかるべき1枚でしょう。
|ブルタル度:★★★★☆
|ブラック度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★★☆
|ドラマチ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Horrors of Hell|ホラー・オブ・ヘル
コンピレーションアルバム (2006年)
Icons of Evil|アイコンズ・オブ・イーヴル
オリジナルアルバム – 6作目 (2007年)
DEICIDEのグレン・ベントンが、本作でも引続き参加しています。
音楽的には、ややオーソドックスな普通のデスメタルに近づいており、VITAL REMAINSとしての特異性はいくぶん後退しています。
|ブルタル度:★★★★★
|ブラック度:★★★★☆
|メロディ度:★★★☆☆
|ドラマチ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作