- ヘヴィグルーヴ/インダストリアルメタルの異端はバンドのフロントマンとして登場し、ハリウッドで活動する世界的なホラー映画監督としての地位を築くまでに至ったサブカルメタルのカリスマの音楽活動の評価は?
- WHITE ZOMBIE|DISCOGRAPHY
- Soul Crusher|ソウル・クラッシャー
- Make Them Die Slowly|メイク・ゼム・ダイ・スロウリィ
- La Sexorcisto: Devil Music Volume One|ラ・セクソシスト:デヴィル・ミュージック・ヴォリューム・ワン
- Astro-Creep:2000 – Songs of Love, Destruction and Other Synthetic Delusions of the Electric Head|アストロ-クリープ:2000 – ソングス・オブ・ラヴ, デストラクション・アンド・アザー・シンセティック・デリューションズ・オブ・エレクトリック・ヘッド
- Supersexy Swingin’ Sounds|スーパーセクシー・スウィンギン’・サウンズ
- ROB ZOMBIE(ロブ・ゾンビー)|DISCOGRAPHY
- Hellbilly Deluxe: 13 Tales of Cadaverous Cavorting Inside the Spookshow International|ヘルビリィ・デラックス:13テイルズ・オブ・カダヴァラス・インサイド・ザ・スプークショウ・インターナショナル
- American Made Music to Strip By|アメリカン・メイド・ミュージック・トゥ・ストリップ・バイ
- The Sinister Urge|ザ・シニスター・アージ
- Educated Horses|エデュケイテッド・ホーセズ
- Hellbilly Deluxe 2: Noble Jackals, Penny Dreadfuls and the Systematic Dehumanization of Cool|ヘルビリー・デラックス 2:ノーベル・ジャッカルズ, ペニー・ドレッドフル・アンド・ザ・システマティック・ディヒューマナイゼイション・オブ・クール
- Mondo Sex Head|モンド・セックス・ヘッド
- Venomous Rat Regeneration Vendor|ヴェノモス・ラット・リジェネレーション・ヴェンダー
- The Electric Warlock Acid Witch Satanic Orgy Celebration Dispenser|ジ・エレクトリック・ウォーロック・アシッド・ウィズ・サタニック・オージィ・セレブレーション・ディスペンサー
- 共有:
- 関連
- WHITE ZOMBIE|DISCOGRAPHY
ヘヴィグルーヴ/インダストリアルメタルの異端はバンドのフロントマンとして登場し、ハリウッドで活動する世界的なホラー映画監督としての地位を築くまでに至ったサブカルメタルのカリスマの音楽活動の評価は?
WHITE ZOMBIE(ホワイト・ゾンビー)は、現在では本人名義のバンドで活動に加え、ジョン・カーペンター監督の名作ホラー『ハロウィーン』のリメイクの成功などにより、むしろハリウッド大作も手がける映画監督としての活動で名が知られるようになった、ロブ・ゾンビー(Rob Zombie)がかつて率いていたオルタナティヴメタルグループ。
そもそもWHITE ZOMBIEは、グラムメタル華やかな時期のに、初期グランジ/オルタナティヴロックが活発化していたアンダーグラウンドシーンで、いかにもアングラサブカル臭が漂うノイズ/ジャンクロック寄りのサウンドを持つヘヴィメタルとして活動をスタートします。
その後、グルーヴメタルムーヴメント全盛期を迎える中で、レトロ&キッチュなビジュアルとサイケデリアを漂わせたヘヴィグルーヴサウンドを武器にメジャーデビュー。
その後インダストリアルサウンドでさらなるブレイクを果たしたのちソロに転向、今度はグルーヴメタルの進化系として台頭してきたニューメタルのパイオニアとしてシーンに影響を与える…といった具合に、長年にわたって決して最前線の先頭には立たないものの、常に一線に近いところに独自のポジションを築いてそこに収まってきました。
イラストやアートワークも手がけるマルチクリエイターROB ZOMBIEの才能を生かした、スクリーミン・ロード・サッチ,スクリーミング・ジェイ・ホーキンスなどルーツに持つ、ハマーホラーなどキッチュなのレトロホラーテイストを元にしたグラムロック/ショックロック系ビジュアルも彼らの大きな持ち味です。
そのあたりのビジュアルまでも含めたコンセプチュアルなセンスは、同じ90年代サブカル/アート系グループの二大巨頭だったマリリン・マンソンにも通じるもので、その代替の効かない独自性も彼らがシーンの中でニッチなポジション確立できてたことにもつながっています。
WHITE ZOMBIE|DISCOGRAPHY
Soul Crusher|ソウル・クラッシャー
オリジナルアルバム 1作目 – (1987年)
ノイズ/ジャンクロックに近いチープなアングラメタル。
アングラ度:★★★★☆|マニア度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み 実験作
Make Them Die Slowly|メイク・ゼム・ダイ・スロウリィ
オリジナルアルバム 2作目 – (1989年)
メヴィメタル色を強めたが、まだアングラ色が強いジャンクメタルサウンド。
アングラ度:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み 実験作
La Sexorcisto: Devil Music Volume One|ラ・セクソシスト:デヴィル・ミュージック・ヴォリューム・ワン
オリジナルアルバム 3作目 – (1992年)
メジャーデビュー作であり、それにふさわしい一線級のクオリティを持ったサウンドへと生まれ変わり、作風もジャンクなヘヴィメタルからレトロなサイケデリックセンスを持ったグルーヴィーヘヴィロックへと変貌を遂げています。完成度の高いヘヴィロックに変身したことでチープがキッチュへ進化し、ヘヴィグルーヴの第一線へと躍り出て注目を集めます。
アングラ度:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 通好み 実験作
Astro-Creep:2000 – Songs of Love, Destruction and Other Synthetic Delusions of the Electric Head|アストロ-クリープ:2000 – ソングス・オブ・ラヴ, デストラクション・アンド・アザー・シンセティック・デリューションズ・オブ・エレクトリック・ヘッド
オリジナルアルバム 4作目 – (1995年)
この後定番のスタイルとして現在も続く、ダンサブルでグルーヴィーな新世代インダストリアルメタルを確立させたアルバム。ここで生み出したキャッチーでフックの効いたヘヴィサウンドで一気にスターダムにのし上がり、後に続くニューメタルムーヴメントにも多大な影響を与えています。
アングラ度:★★☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Supersexy Swingin’ Sounds|スーパーセクシー・スウィンギン’・サウンズ
オリジナルアルバム 5作目 – (1996年)
FEAR FACTORYをはじめ当時リリース増えつつあったメタル系リミックスアルバム。リミックスの人選は豪華でもなければ意外性もないが、原曲を生かしたミックスとしては高水準な仕上がり。
アングラ度:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
ROB ZOMBIE(ロブ・ゾンビー)|DISCOGRAPHY
メンバーを改めてROB ZOMBIE名義のソロプロジェクトに近い体制となったバンド。よりヘヴィネスを強めたサウンドでニューメタルシーンの一角として第一線での活動を続ける一方、並行して映画監督としても活躍して知名度を高めます。
WHITE ZOMBIE時代と合わせて後続のニューメタルグループへの影響力も無視できない重要バンドである一方、サウンドの定型化/類型化も指摘されがちにもなります。
Hellbilly Deluxe: 13 Tales of Cadaverous Cavorting Inside the Spookshow International|ヘルビリィ・デラックス:13テイルズ・オブ・カダヴァラス・インサイド・ザ・スプークショウ・インターナショナル
オリジナルアルバム 1作目 – (1998年)
WHITE ZOMBIE時代最大のヒット作となったAstro-Creep:2000での、インダストリアルグルーヴメタル路線を踏襲した作風ですが、ニューメタル勢に対抗してより厚みとヘヴィネスを増した作風となっています。Astro-Creep:2000の軽妙さは感じられませんが、それに類するサウンドを求めるリスナー向けとしては水準レベルの無難な仕上がりではあります。
アングラ度:★☆☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論
American Made Music to Strip By|アメリカン・メイド・ミュージック・トゥ・ストリップ・バイ
リミックスアルバム – (1999年)
WHITE ZOMBIE時代も含めると2作目となるリミックスアルバムで、前回同様に原曲を生かした控えめなミックスですが、原曲に魅力的なものが少ないので、このタイミングではなく数作後にベスト選曲でのリリースした方がよかったでしょう。
アングラ度:★★☆☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 賛否両論 実験作
The Sinister Urge|ザ・シニスター・アージ
オリジナルアルバム 2作目 – (2001年)
前作同様水準には達していますし、タイアップの影響で耳に残っているキャッチーな曲もありますが、いかんせん代わり映えのなさはカバーしきれません。メニュー豊富な食堂で1ヶ月間3食同じメニューをオーダーするタイプのリスナー向きで、それ以外は他の作品を持っていれば手を出す必要なないでしょう。
アングラ度:★☆☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論
Educated Horses|エデュケイテッド・ホーセズ
オリジナルアルバム 3作目 – (2006年)
映画監督活動を反映してかホラーサントラ風の映像を想起させるようなアルバムで、これまでになく実験的で作風も多彩です。La Sexorcisto〜の頃のレトロサイケ調も取り戻しほか、時にゴシック的耽美性も感じさせる意欲作です。
アングラ度:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Hellbilly Deluxe 2: Noble Jackals, Penny Dreadfuls and the Systematic Dehumanization of Cool|ヘルビリー・デラックス 2:ノーベル・ジャッカルズ, ペニー・ドレッドフル・アンド・ザ・システマティック・ディヒューマナイゼイション・オブ・クール
オリジナルアルバム 4作目 – (2010年)
今回はソロ1~2作目の定番スタイルに戻りましたが、そうなると音楽的なボキャブラリーと表現力の乏しさが気になります。やや多様性は増していますが判で押したような曲が多く、熱心なサポーター向け商品の域は出ていません。
アングラ度:★☆☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論
Mondo Sex Head|モンド・セックス・ヘッド
リミックスアルバム – (2012年)
WHITE ZOMBIE時代も含めると3作目となるリミックスアルバムで、これまでが原曲を生かしてそれを大きく崩さないミックスだったのに対して、本格的なEDMアレンジが中心になっています。
EDM愛好家なら抵抗なく聴き通せますが、ヘヴィミュージックの脱構築としての意味が見出せるアプローチは少なく、EDMとしても凡庸なものが多くユニークものはあまり見られません。
アングラ度:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Venomous Rat Regeneration Vendor|ヴェノモス・ラット・リジェネレーション・ヴェンダー
オリジナルアルバム 5作目 – (2013年)
La Sexorcisto〜の頃の持ち味だったレトロサイケ調ヘヴィネスを強めた作風で、ニューメタルの類型からは脱却した広義の意味でのヘヴィロックサウンドになりました。あまりのマンネリぶりに見切りをつけたリスナーでも、一聴してみる価値んある数少ないアルバムです。
アングラ度:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
The Electric Warlock Acid Witch Satanic Orgy Celebration Dispenser|ジ・エレクトリック・ウォーロック・アシッド・ウィズ・サタニック・オージィ・セレブレーション・ディスペンサー
オリジナルアルバム 6作目 – (2016年)
ここ数作と同様に、ソロ初期のわかりやすいキャッチーでポップなニューメタルサウンドがやや影を潜めた。ほぼ3分以下という特にコンパクトな作りで、フリーキーな趣味性も感じられますが、全体的には実験性や新規性は薄く低調です。
アングラ度:★★★☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤