★ TIAMAT(ティアマット) ディスコグラフィー ★ ゴシックメタルとメロデスの双方のルーツに位置するサイケでオリエンタルなスウェーデンの耽美派カルトバンド…必聴アルバムは?

ゴシックメタルとメロデスのムーヴメントの先駆けとして、サイケでオリエンタルなサウンドで北欧の耽美メタル・シーンをリードした、プログレッシヴでオルタナティヴでスウェーデンの異能派グループ！

TIAMAT(ティアマット)は、スウェーデンのゴシックメタルを代表するグループ。

スウェディッシュ・ゴシックメタルのパイオニア！？

TIAMATは、ゴシックメタルのジャンルのパイオニアと見なされる第一世代の中でも、イギリスのPARADESE LOST(パラダイス・ロスト)、オランダのTHE GATHERING(ギャザリング)と並ぶ古くからのキャリアを持ち、ゴシックメタルシーンの真の先駆者に位置付けられるグループです。

スウェーデンにおいては、後続のKATATONIAやCEMETARYらと共に、ゴシック／耽美志向のグループのパイオニアとして、メロディック・デスメタルともリンクかたちで、シーンをリードしてゆきました。

ゴシックメタル黎明期のシーンの主流派だった英国／オランダ勢とは、音楽的背景もゴシックメタルへと到達するまでの経緯も異なる…という意味では、TIAMATはやや変わり種ともいえる存在と言えます。

そのため、後のスウェディッシュ・ゴシック勢と比較しても際立った独自性を持っており、個性あふれるパイオニアたちが独自のメソッドによるサウンドを競っていたゴシックメタル第１世代の中でも、ひときわ際立つ個性を確立していました。
これによって、ゴシックメタルやプログレッシヴ・メタル，耽美派ブラックメタルなどに、道を示した存在にもなりました。

TIAMATの音楽性：デスラッシュ期

ゴシックメタル第一世代のグループは、そのほぼ全てがデスメタルとしてスタートしていますが、それらはスローなドゥームデスのスタイルが大多数を占めていました。

その中でデビュー当初のTIAMATは、時折ドゥーム的なダウンテンポや変則的な展開を多様しながらも、基本的にはファストパートを主軸に据えた、ブラックメタル要素を持ったオールドスクールなスタイルの北欧デスメタル／デスラッシュ・サウンドを展開。
この点において、ゴシックメタル第一世代の中でのTIAMATのキャリアは、やや異例とも言えました。

2ndアルバムでは、ゴシカルな耽美性を持つたメロディとオリエンタルテイストという、TIAMATの持ち味である要素を大々的に導入し、ドゥーミィかつメロディアスな異形のデスメタル／デスラッシュを確立。
この実績によって、TIAMATはメロディック・デスメタルのプロトタイプのひとつとも目されています。

TIAMATの音楽性：ゴシックメタル・実験期

TIAMATは、ジャンルとしてのゴシックメタルも、そのシーンそのものも形成されておらず、名称も確定していなかった時期から、ゴシカルな耽美性とメロディを持ったなドゥームデスを確立していました。
これによってTIAMATは、90年代ゴシックメタル・ムーヴメントの最初のグループのひとつに数えられるようになります。

その後は、デスヴォイスや疾走パートといったデスメタルの要素を排しつつ、様々なアプローチをとってラジカル音楽的実験の展開を続ける動きを見せます。
この時期に試みたアプローチには…
●PINK FROYD(ピンク・フロイド)に例えられる、サイケデリックなプログレッシヴ・ロック的なサウンド。
●テクノポップ，トリップホップ，アンビエントなどを取り入れた、エレクトロニックな作風。
●ハードロック／ヘヴィメタルとニューウェイヴをミックスしたスタンダードなゴシックメタル。
…などが挙げられます。

TIAMATの音楽性：ゴシックメタル・安定期

ゴシックメタルとしてのTIAMATは、よりオーソドックスなロック／ヘヴィメタルをベースに、過去に試みたゴシックメタルのダークでオリエンタルな耽美要素を織り込み、さらにトラッド／フォーク／ポップスに由来するキャッチー＆フッキーなポップテイストが同居した、普遍的かつ個性的なオンリーワンのスタイルを確立。

それ以降は、若干のマイナーチェンジはあれど、おおむね一貫して、このゴシックメタル／ゴシックロックのスタイルが踏襲されています。

TIAMATの現在の活動は！？

TIAMATは、90年代半ばに初期のメンバーがそろって脱退したことにより、ギター兼任フロントマンで中心人物であるヨハン・エドランドのソロ状態となったのを機にバンド体制を一新。
それ以降は、リード・ギタリストは何度かの交代があったものの、それ以外のパートは固定されたメンバーでの活動が現在まで続いています。

バンドは現在でもアクティヴな状態となっていますが、アルバムのリリースは2012年の10作目で止まっており、それ以降は新作のリリースは行われていません。