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★用語辞典★『モダンヘヴィネス:Modern Heaviness』とは?《悪魔の音楽用語辞典…メタル/ロック界隈の基礎知識》

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音楽用語|も|『モダンヘヴィネス:Modern Heaviness』【音楽ジャンル/ムーヴメント】

『モダンヘヴィネス』とは、主に90年代以降の日本のヘヴィメタル界隈で、当時の新世代のヘヴィミュージックを指して用いられていた呼称。

シーンと時代を限定して便宜上使われた呼称!?

グルーヴメタルやヘヴィオルタナティヴなどのヘヴィグルーヴ、ニューメタル、グランジ, インダストリアルメタル, ヘヴィなラップメタルなどの、90年代以降にアメリカを中心に主流をなしたオルタナティヴ系ヘヴィミュージックと、その影響下にあるサウンドを指します。

これらのジャンル中でも、リアルタイムで明確なジャンル名が定着していなかった、グルーヴメタルや初期ニューメタルに対して便宜的に用いられており、疾走感以上にヘヴィネスとグルーヴが重視されていたことがその呼称の由来となっています。

同時期のヘヴィミュージックムーヴメントでも、デスメタルなどのエクストリームメタルに対してはあまり用いられません。

『モダンヘヴィネス』日本でしか通じないって本当!?

一般に、『モダンヘヴィネス』が『ミクスチャーロック』などと同様の、日本独自の定義による和製英語ジャンルといわれているのは事実で、基本的に日本のメタル界隈以外では通用しないものと考えていいでしょう。

日本では明確なジャンル名が定着していなかった、当時の“最先端ヘヴィミュージック”に対して、マスコミが便宜的に用いていた呼称/表現に過ぎませんが、その影響力が大きかったことから一時期のメタルクラスタには一般的なものとして広まっていました。

ネガティヴな意味合いで使われることも!?

当時のメタルクラスタの中では、日本のメタルマスコミの煽動によってこれらのジャンルへの反発が大きかったことから、否定的な意味合いで使われることもありました。

それには、モダンヘヴィネス系のサウンドがヘヴィミュージックの中心となるだけでなく、新たなメインストリームにまで成長したことで、オーソドックスなヘヴィメタル/ハードロック, グラム系のポップメタル, 産業ロック系のアリーナロック, パワーメタル, スラッシュメタル, プログレメタルなど、80年代のヘヴィメタルブームの中核を占めたトレンドが、90年代には衰退て過去の遺物とされたことに対する憤りが影響しています。

80年代の人気バンドが続々『モダンヘヴィネス』化!?

当時まだ、現役活動中だったの80年代ヘヴィメタル/ハードロックバンドが、同時代性を意識してモダンヘヴィネスを意識した作風へシフトしてしまったことも、モダンヘヴィネス系サウンドがオールドファンの反発を招く大きな理由となりました。

当時、ヘヴィネスを増した音楽性にシフトした既存のバンドに対して、『ケッ!モダンヘヴィネスにかぶれやがって!』という罵声が飛び交う光景は、ベテラン/中堅どころの新作リリース時の風物詩でした。

現在ではもはや死語!?

00年代のニューメタル全盛期になると、ハードコアやメタリックハードコアまでを含む『ラウドロック』という呼称が新たに普及したことや、シーンが移り変わって“モダン”と呼ぶことがやや苦しい状況になったことから、モダンヘヴィネスという呼び方はあまり使われなくなります。

しかし、その『ラウドロック』という呼称も、現在ではニューメタルやメタルコアというジャンル名が広がったことで使われなくなります。

現在では、欧米での呼称である『グルーヴメタル』や『ニューメタル』をはじめとした名称が日本でも定着し、『モダンヘヴィネス』も『ラウドロック』も、リアルタイムでそれ接していたリスナー以外にはほぼ使われることはありません。
そのため、これらの呼称を用いるか否かで、語り手のジェネレーションやクラスタを想定することができます。

※ グルーヴメタルの記事も参照

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