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★用語辞典★『パンク:Punk』とは?《悪魔の音楽用語辞典…メタル/ロック界隈の基礎知識》

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音楽用語|ぱ|『パンク:Punk』』【音楽ジャンル・ムーヴメント】

『パンク』は、1970年代の後半に発生して隆盛を極めた、音楽ムーヴメントとそのジャンルで、『パンクロック』とも呼ばれます。

主にロックンロールをベースにしたシンプルな曲調と、技法/技術に重きを置かない初期衝動重視のスタイルが特徴です。

『パンク』の代表的なバンドは!?

英国のUKパンクでは三大バンド(BIG3)と呼ばれるTHE SEX PISTOLS, THE DAMNED, THE CLASHなど。
米国のUSパンクではRAMONES, NEW YORK DOLLS, PATTI SMITHなど…といったところが、ムーヴメント当時の代表的なグループ/アーティストとされています。

『パンク』と『ハードコア』

同じくくりで語られがちな『ハードコア』は『『ハードコアパンク』とも呼ばれ、『パンク』から“エクストリーム進化”した派生ジャンル/後継ジャンルと見なされています。

音楽的にも共通点は見られますが、むしろ思想やアティチュードの連続性の部分で関連性が強く、音楽的にはともにエクストリーム進化を続けた『ヘヴィメタル』との共通点や相関関係が目立ちます。

『パンク』は反体制!?

ポリティカルなイメージを押し出したグループが多く、反体制/反権力的なメッセージ、大手大企業やメディアに与しないアンダーグラウンド感覚やDIY感覚を重視しています。また、同じく社会的な抑圧や権力の横暴に反抗する“レベルミュージック”であることから、レゲエやファンクとの結びつきを感じさせるグループもあります。

ただし、それがバンドに本来のシリアスなアティチュードであるかは一概には言えず、中にはファンションに近い単なるギミックに過ぎないケースもあります。

『パンク』はハードロック/プログレが嫌い!?

『パンク』は、類型化/形骸化したハードロックや、ブルジョアによる技巧主義の印象が強いプログレッシヴロックへのカウンター/アンチという立ち位置でマーケティング展開したため、アーティスト/メディア/リスナーともにそれらのジャンルに否定的な傾向が見られます。

そのことから、『パンク』シーンからハードロックやヘヴィメタルの特定サブジャンルと共通点の多いスタイルが登場した場合、イメージ戦略的な面からその影響や関係性を隠すために、可能な限りイメージが重ならないように呼び換えたサブジャンル名が設定されがちです。

イギリスとアメリカのシーンの違いは!?

あくまで全体的な傾向ですが、、『UKパンク』と英国シーンでは前述のように、マーケティング戦略やトレンド第一主義から、ハードロックやヘヴィメタルを仮想敵として全否定する傾向が見られます。実際には影響を受けている場合でも、イメージ戦略上から表面的には無関係を装いがちです。

一方『USパンク』や米国シーンでは、ハードロックやヘヴィメタルとの距離感は比較的近い傾向があり、それらからの影響を特に隠すこともなくリスペクトを表明することも少なくありません、

異色の『パンク』バンドも!?

一般的にシンプルなロックンロールというイメージが強い『パンク』バンドですが、シーンの中には例外的なグループも少なからず存在します。

UKパンクでは、70年代のロック/アートロックとニューウェイヴを直接つなぐ立ち位置にあり、一時的に『パンク』と重なっただけのTHE STRANGLERSや、『パンク』が否定したプログレやジャズロック出身の技巧派が擬似パンクを演じてデビューした、ニューウェイヴ・プログレバンドのTHE POLICEなどが代表的。

一方、USパンクは本来的に『パンク』の類型にとどまらない音楽性が多く、例外は少なくありません。『パンク』以前にニューヨークアートロック界隈の一角であり、より広義的な音楽性を持つPATTI SMITHや、MANOWARのロス・ザ・ボスが在籍し、メタル/ハードロックシーンとも距離の近いTHE DICTATORSなどが象徴的です。

『パンク』の存在意義は!?

『パンク』は音楽性の良し悪しよりも、「様式化や技巧主義などが原因で硬直化が進んだ、ロックシーンをリセットさせたムーヴメント」という意味で評価されているジャンルです。事実、演奏技術がなくてもアイデアやセンス次第で勝負できるという土壌を作った功績は重要です。
しかしその一方で、音楽的には発展性の薄いジャンルであり、『パンク』ムーヴメントは短期間で収束してゆきます。

『パンク』の次に来たものは?

その後、シーンの渦中にあったバンド/ミュージシャンは、“異ジャンルとのクロスオーバー”、“新たなテクノロジーの導入”、“前衛性/実験性の追求”という、『パンク』が否定した『プログレッシヴ・ロック』の方法論をそのまま流用した、『パンク』とは全く異なる音楽性を持つ『ポストパンク/ニューウェイヴ』。あるいは、ヘヴィメタル/ハードロックのエクストリミティをも取り入れた『ハードコア』へと移行していくことになります。

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