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【Wikiに無い!】ドゥームメタル紹介:基礎知識&関連ジャンル 編【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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ドゥームメタルの主要サブジャンル&関連ジャンル紹介

トラディショナル・ドゥーム (BLACK SABBATHインスパイア系)

ドゥームメタルムーヴメントを経てカテゴリーが確立する以前の80年代のドゥーム系サウンドのことを指します。このサイトではより直接的に“SABBATHインスパイア系”とも呼んでいます。

時代を考えれば当然ですが、デスメタル/スラッシュメタルを経由したエクストリームメタル以降のメソッドで再構築した、CATHEDRAL以降のドゥームメタルサウンドとは全く異なるもので、より直接的なBLACK SABBATHサウンドの再現や、そこに初期のヘヴィメタル/NWOBHMからの影響を加えたスタイルが主流。

トラディショナル・ドゥームにカテゴライズされるバンドは欧州よりも米国に多く、その音楽性はBLACK SABBATHサウンドを米国ハード/ヘヴィロックメソッドでアレンジすることで生まれたスタイルとも言え、それはのちのグランジ〜ストーナーにも共通するものです。
BLACK SABBATHMOTORHEADを足した、バイカードゥーム的なサウンドが多いのもある意味米国的です。

当初は好事家向けのマニアックな存在で、決してムーヴメント化するようなスタイルではなかったものの、ドゥーム/ストーナーのブレイクを機にそれらのルーツ的サウンドとして再評価されるようになり、同様のスタイルで活動する新人バンドも登場します。

エピック・ドゥーム

文字どおりエピックメタルのドゥーム版と捉えるなら、ファンタジーなどフィクショナルな世界観や叙事的なテーマを持ったドゥームメタルということになりますが、実際のところはそういったコンセプト云々よりもジャンル名の元にもなったアルバムEpicus Doomicus Metallicusを残したCANDLEMASS(キャンドルマス)をルーツとした、様式美メタル系のドゥームメタルの系譜を指すもの考えた方がいいでしょう。

ドゥームメタルはレイドバック系にしてもエクストリーム系にしても、アンチ様式美メタルのポジションからスタートしているという背景もあって、エピックドゥームは黎明期のドゥーム/ストーナーシーンではあまり注目されるジャンルではありませんでした。
バンドもCANDLEMASSとそのファミリーグループ以外には数える程度でしたが、00年代以降ドゥームメタルの準メジャー化や多様化とともに多くのバンドが参入してシーンも大きくなります。

音楽性で見ると中心となるのはやはりCANDLEMASSフォロアー系で、BLACK SABBATHの影響下にあるのは他のドゥーム系バンドと同様ですが、それらと異なるのは、第1期BLACK SABBATHよりもディオが加入してからの第2期以降の影響が濃いものだということです。
また、近年ではANGELWITCH(エンジェルウィッチ)などNWOBHM系のダークなヘヴィメタルやダークパワーメタルに近いものなど、ダークネスなサウンドというポイントはそのままにスタイルはいくぶん多様化を見せています。

ドゥーム・デス(デス・ドゥーム)

媒体によってドゥーム・デスと表記されたりデス・ドゥームだったりしますが基本的には同じもので、スローなデスメタルベースにした、あるいはデスメタル色を持ったドゥームメタルを指しています。

あえて言えば、単なるスローなだけのデスメタルで完結しているのか、そこからさらに踏み込んだアプローチを試みているのかというあたりで線を引くこともできるかもしれませんが、実際はデスメタル文脈とドゥームメタル文脈のどちらの中で語られるかで呼び分けらている程度です。

スロー〜ミッドテンポ主体のデスメタル自体は古くから存在していましたが、デスメタルシーンでのスピードと手数の多さの追求がひとつのピークを迎えて以降は、特に主流へのアンチテーゼとしてスローなドゥームデスを試みるバンドが増加します。

ゴシックメタル第1世代のバンドの多くも当初ドゥームデスをベースにしていましたし、何よりドゥームメタルムーヴメントの創始者CATHEDRALがドゥームデススタイルからスタートしていたことから、最初期のドゥームメタルはイコール(=)ドゥームデスと言ってもいいほどでした。

フューネラル・ドゥーム

フューネラル・ドゥームはドゥームデスから発展したジャンルとされていますが、もっと端的に言うならPRADISE LOST(パラダイス・ロスト)ANATHEMA(アナシマ)らゴシックメタル第1世代が活動初期に創り出していたサウンドのリバイバルです。

ゴシックメタル黎明期から活動するグループによる初期の耽美的ドゥームデスサウンドは、単なる過渡期の習作で終わらせるには惜しい魅力にあふれたものでしたが、それらのグループの多くは当初のドゥームデスをベースにしたスタイルから脱却して、よりオルタナティヴな作風に移行していきます。

その結果ほぼ消滅して空白地帯となってしまったゴシックドゥームデスですが、00年代になるとそのブルーオーシャンに新規参入してきたバンドによるリバイバルからひとつのスタイルとして常態化し、フューネラル・ドゥームと呼ばれるようになります。

初期ゴシックメタルとの音楽的差異はほとんどありませんが、あえて言えば耽美性,叙情性は維持したまま初期のゴシックメタルには見られていたダイナミズムや躍動感をスポイスして、よりスローでミニマルなサウンドやアンビエント的なアトモスフェアを追求いているあたりがポイント。結果的にポストハードコア勢にも通じるようになった作風を、オリジンとは異なる新世代ならではの要素としてアピールしています。

グランジ系ヘヴィロック

ドゥーム/ストーナーを語るときに忘れてはいけないのがグランジシーンです。メタルシーンとの折り合いの悪さからか何かと蚊帳の外にされがちですが、グランジにはパンク/ハードコアを通過した70年代ハード/ヘヴィロックのリバイバルムーヴメントという側面があり、ドゥーム/ストーナーと共通点も多いジャンルでした。

グランジシーンでも特にMELVINSTADなどはストーナー/スラッジのルーツとされていますし、SCREAMING TREES(スクリーミング・トゥリーズ)はメンバーのマーク・ラネガンがストーナーシーンと縁が深いことから後年カリスマ視されます。

また、ビッグネームの中でもSOUNDGARDEN(サウンドガーデン)ALICE IN CHAINS(アリス・イン・チェインズ)はストーナーに直結する音楽性を持っていましたし、グランジの代名詞といえるNIRVANA(ニルヴァーナ)もBLACK SABBATHの影響を公言していました。それ以外にも、BLACK SABBATHやその他の70年代ヘヴィロックの影響下にあったバンドは少なくありません。

さらに言えば、ストーナーロック黎明期の第1世代グループ自体が、当初のストーナーというジャンルが確立するまでの時期は、グランジの延長線上にあるポストグランジ的ポジションに位置するものでした。

ヴィンテージ系/70年代リバイバル

CATHEDRALが生み出したドゥームメタルサウンドが他のドゥームデスと大きく異なっていたのは、BLACK SABBATHにとどまらない70年代ヘヴィサウンドを取り入れていた点でした。

これはもちろん80年代のドゥームロックバンドにもグランジシーンにも見られたものですが、ある時期から、それらの現代的なメソッドにやサウンドを用いた再解釈的アプローチとは一線を画した、直接的なレトロ志向の70年代リバイバルスタイルが一気に増殖します。

これらのグループは、ネットで容易にアクセスできるようになった1970年前後のマイナーバンドを参考に、音の質感やから曲調、果ては使用機材までにも徹底的にこだわって70年代風サウンドの再現を追求していきます

ベースとなるサウンドはヘヴィロック,ヘヴィサイケ,ヘヴィプログレ,ヘヴィブルーズと様々で、必ずしも濃厚なドゥーム色を持ったものとは限りませんが、いずれも70年代の空気感の再現を最大の目標として完全リバイバルな作風を競いがちです。

オリジナリティをも追求するなら決して難易度が低いスタイルではありませんし、ややフェティッシュな趣味性も濃く“ジャンルコピーバンド”とでも呼ぶしかないような独自性を欠いたものも多いことから、評価については賛否も別れがちではではありますが、ネット時代のひとつのアプローチとして熱心なファンに支持されています。

スラッジメタル

スラッジメタルはスラッジコアとほぼイコールで、スラッジコアの中でもメタル色の強いものを指す場合と、スラッジコアをヘヴィメタル文脈に取り込むために言い換えただけの場合がありますが、どちらにしてもあえて使い分ける必要はあまり感じられません。

ストーナーメタル

ストーナーメタルはとストーナーロックはスラッジメタルとスラッジコアと同様な関係で、ストーナーシーンの中でメタル色の強いものを指す場合と、ヘヴィメタルフィールドに取り込むために言い換えただけの場合があります。

ただし、SPIRITUAL BEGGARS(スピリチュアル・ベガーズ)DOWN(ダウン)のように明確にヘヴィメタルをベースにしたサウンドや、ヘヴィメタルサイドからの転身組など、ドゥームメタルとも呼び難いストーナー風味のヘヴィメタルが多くなったことを考えると、それらをストーナーシーンと一線を画したしたものとして語るために、“あると便利”なカテゴリーかもしれません。

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